2025年6月19日木曜日

19- イスラエルの戦争を論じるための諸規則、再確認

 ケイトリン・ジョンストンが掲題の記事を出しました。
 イスラエルの規則が如何に身勝手であるものなのかが、正確かつ緻密に述べられているのでただ讃歎するしかありません。まことに無慈悲・獰猛な国というしかありません。
 あらゆる文言が重要なので青字強調は全文に渡ることになって逆に意味がなくなります。
 そこで今回は青字部分が出来るだけ少なくなるように配慮しましたので、ご了承ください。

 併せてケイトリン・ジョンストンのもう一つの記事を紹介します。
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イスラエルの戦争を論じるための諸規則、再確認
                マスコミに載らない海外記事 2025年6月17日
規則4:イスラエルには自国を防衛する権利があるが他の国々にその権利はない。
                 ケイトリン・ジョンストン 2025年6月13日
 さて、イスラエルが始めた最後の戦争から数ヶ月が経った。イランが危機に瀕している今、もう一度規則を確認しよう。

規則1イスラエルは決して侵略者ではない。イスラエルが誰かを攻撃する場合、それは過去に起きた侵略への報復、もしくは将来起こりうる差し迫った侵略を阻止するための先制攻撃かのいずれかだ。

規則2歴史はイスラエルに対する最後の侵略行為の日付から自動的に再開される。誰かがイスラエルを攻撃した場合、それは全く無謀な行為だ。なぜなら、イスラエルへの攻撃前に何も起きていなかったからだ。

規則3イスラエルが行う悪いことは全て規則 2により正当化される。これは、ロシアや中国のような国が行えば全く正当化できないとみなされるようなことをイスラエルが行う場合に当てはまる。

規則4:イスラエルには自国を防衛する権利があるが、他の国々にはその権利はない

規則5イスラエルが民間人を爆撃することは決してない。爆撃するのは悪人だ。もし驚くほど多くの民間人が亡くなったとしても、それは彼らが実は悪人だったか、悪人に殺されたか、あるいは悪人が彼らのすぐ近くにいたためだ。もしこれら理由のいずれにも当てはまらないなら、それはイスラエル国防軍の調査を待っている何か別の不可解な理由によるものだ。

規則6イスラエルの行動を批判するのは、ユダヤ人を憎んでいることを意味する。少数葉のアブラハム宗教に対する沸き立つほどの執拗な憎悪以外に、イスラエル軍による大量虐殺行為に反対する理由は考えられない。

規則7イスラエルの行為は、規則6で述べた憎悪に満ちた批判ほど酷いものではない。イスラエルの行動に対する批判は、常にイスラエルの行動そのものよりも酷いものだ。なぜなら、批判者たちはユダヤ人を憎み、新たなホロコーストを起こそうとしているからだ。これを阻止するため、我々の政治的エネルギーと関心を100%注ぎ込まなければならない。

規則8イスラエル人は常に被害者で、決して加害者ではない。イスラエル人がイラン人を殺すのは、イラン人がユダヤ人を憎んでいるからだ。イラン人がイスラエル人を殺すのは、イラン人がユダヤ人を憎んでいるからだ。イスラエルはただ平和に自分のことだけを考えている罪のない小さな子羊だ。

規則9イスラエルが文字通り常に近隣諸国や避難した先住民と戦争状態にある事実は、規則8が馬鹿げたたわ言だという証拠ではなく、規則 8が真実である証拠として解釈されなければならない

規則10イスラム諸国の人々の命は、我々にとって欧米諸国やイスラエルの人々の命よりも遙かに重要ではない。なぜそうなのか深く考えることは誰にも許されない

規則11イスラエルとその様々な紛争についてメディアは常に真実を伝える。もしあなたがこれを疑うなら、規則6に違反している可能性がある。 規則12イスラエルの敵を否定的に描写する根拠のない主張は、事実確認や限定なしに事実に基づくニュース記事として報道できる。一方、イスラエルの犯罪行為に関する広範な証拠に基づく記録は、極めて懐疑的な態度で報道し、「イランの主張」「ヒズボラの発言」「ハマスが運営する保健省によると」といった疑わしい修飾語を用いなければならない。これは重要だ。さもないと、プロパガンダだと非難される可能性があるからだ。

規則13イスラエルは、いかなる犠牲を払おうが、どれほどの人々が死なねばならないにせよ、現在の形態で存続し続けなければならない。その理由を論理的または道徳的に裏付けるいかなる理由も提示する必要はない。もしこれに異議を唱えるなら、規則6に違反している可能性が高い。

規則14アメリカ政府はこれまで何についても嘘をついたことがなく、あらゆる紛争において常に正しい側に立っている

規則15イスラエルは中東における自由と民主主義の最後の砦であるため、たとえ何人のジャーナリストを暗殺しなくてはならないにせよ、どれだけ多くの報道機関を閉鎖しなくてはならないにせよ、どれだけ多くの支持者が抗議活動を解体しなくてはならないにせよせ、どれだけ多くの言論の自由を排除しなくてはならないにせよ、どれだけ多くの西側諸国の支援者が公民権を抹消しなくてはならないにせよと、どれだけ多くのロビイストが選挙を買収しなくてはならないにせよ、イスラエルは守られなければならない
                 (後 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/06/13/refresher-on-the-rules-for-discussing-israeli-wars/


イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。
                マスコミに載らない海外記事 2025年6月18日
   イスラエルはイランに一連の大規模空爆を開始した。当然ながら、これらの空爆は「先
  制攻撃」だったというイスラエル政府の根拠のない主張を、何の疑問も持たずに欧米メデ
  ィアは繰り返している。トランプ政権は、これはイスラエルによる完全に一方的な攻撃だ
  歪曲しようとている     ケイトリン・ジョンストン 2025年6月13日
 イスラエルは一連の大規模空爆をイランに開始した。
 もちろん、これら攻撃は「先制攻撃」だったというイスラエル政府の証拠のない主張を欧米メディアは何の疑問も持たずに繰り返し伝えている
 これをアメリカと何の関係もない、イスラエルによる一方的攻撃であるかのようにトランプ政権は歪曲しようとしているが、もしあなたが昨日生まれたのなら、そんな主張を鵜呑みにしても許されるだろう。
 今後、予想できるニューヨーク・タイムズ見出しのリストは下記の通りだ。

– イランによるいわれのない一方的攻撃でイスラエルが揺さぶられる。

– 反ユダヤ主義爆撃テロの中、イスラエル人家族が避難する。

– 受動的に、無邪気にアメリカが見ているだけのイラン紛争について、ネタニヤフ首相に対する不満をトランプ大統領が個人的に表明した。

– 中東で戦争が激化する中、支援がないアメリカ人ユダヤ人は不安を感じている。 – 意見:テルアビブ空爆の間、私は命の危険を感じた。世界の誰も、どんな気持ちか理解できるはずがない。 – 意見:新たな中東戦争に巻き込まれる危険にアメリカはさらされているのか?

– 意見:再び中東戦争にアメリカは巻き込まれつつあるのか?

– 意見:おっとっと、アメリカはうっかり新たな中東戦争に巻き込まれてしまうのか?

– 意見:歴史的に、いかなる犠牲を払っても避けてきた中東戦争に、足をバタバタさせ泣きわめきながらアメリカは引きずり込まれつつあるのだろうか?

– 先制攻撃で、アメリカがイラン攻撃を開始。

– 意見:アメリカは第三次世界大戦に巻き込まれつつあるのか?

– 意見:ロシアと中国との核戦争にアメリカは向こう見ずに突入するのか?

– 意見:核放射能が我々の国土に忍び寄る中、空は暗くなりつつある。だから我々全員団結して、ハマスを非難しなければならない。

– 意見:地球は不毛の荒野だ。何も残っていない。ユダヤ人の友人の様子を確認しよう。

           (後 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/06/13/israel-is-bombing-iran-here-are-some-future-new-york-times-headlines/