2015年12月26日土曜日

26- 安田純平さん拘束事件 安倍政権にヤル気はあるのか

 フリージャーナリストの安田純平さんがシリアで拘束されていることが、「国境なき記者団」によって明らかにされました。
 日本政府はほぼ当初(7月)から把握していましたが、安保法の成立を最重要課題として事件のことはずっと隠蔽して来ました。
  この半年間裏でも何の行動もとっていない思われるのに、いまさら菅官房長官「全力で対応に努めている」などといわれても、とても信用することはできません。
 
 湯川遥菜さん・後藤健二さんの拘束事件のときにも政府は全く効果的な対策を取れずに、むざむざと最悪の結果を招きました。
 その後この事件に対する政府の対応を検証する委員会が設定されましたが、政府が人選したものなので、得られた結論は100%政府の行動=言い分を肯定するというもので、そこから何か教訓が得られるというものではありませんでした。
 
 日刊ゲンダイはこの事件で安倍政権はこの半年間全くヤル気なしだったとしています。安倍氏には通常の人間の感覚はないのでしょうか。
 実際安倍政権下の日本は、人質救出のスキルについて世界で最もお粗末な国と言って差し支えないと思います。すでに安田さんを拘束されて悲嘆に暮れている親族にとって、こんな政府を持っているのはこれ以上はない不幸です。
 
  安田さんの事件と直接の関係はないと思われますが、IS重要メンバー2人がすでに日本に潜伏しているということです。
 日本でテロを起こされる可能性が現実になってきています。
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安田純平さん拘束事件 安倍政権は半年間ヤル気なしだった
日刊ゲンダイ 2015年12月25日
 安倍政権にとっては「国民の生命」よりも政権維持の方が大事なのだろう。フリージャーナリストの安田純平さんがシリアで拘束されているとみられる事件。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」はシリアの武装勢力が身代金を要求し、安田さんの殺害もほのめかしている――と公表、混乱が広がっている。
 
  菅官房長官は24日、「全力で対応に努めている」なんて言っていたが、拘束情報は今夏にとっくに流れていた。この半年間、政府は一体、何をやっていたのか
  安田さんは6月下旬、シリア内戦を取材するためトルコからシリアに向かったところを拘束されたという。一帯は国際テロ組織アルカイダ系の過激派「ヌスラ戦線」が支配する地域で、入国直後を襲撃されたという情報もある。ジャーナリストの常岡浩介氏はこう言う。
 「安田さんは無事という情報は入っていて、各地を転々としていると聞いています。身代金の話は必ずしも信用していませんが、慎重に対応することが求められるのは言うまでもありません。しかし、日本の外務省はイスラム地域へのチャンネルが少なく、交渉もうまくいっていないようです。安田さんの親族からも不満の声が漏れています」
 
 今年1月には過激派組織「イスラム国」にジャーナリストの後藤健二さんと湯川遥菜さんが斬首される事件があったが、政府はナ~ンの教訓も学んでいなかった。ジャーナリストの田中稔氏もこう憤る。
 「外務省や警察は、この事件を隠すことに躍起でした。政府の高官は今夏に安田さんの拘束情報が流れた際、『人命にかかわるから報じるな』とマスコミ幹部に圧力をかけていたと聞きます。それからは、対応しているフリをしていただけ。内閣情報調査室のトップは28日から冬休みを取ると話しているといい、国家安全保障会議(NSC)の谷内正太郎局長も来年の交代が有力で、やる気がみられません」
 
  後藤さんの時と同じ轍を踏まないか心配だ。
 
 
迫るテロ危機 IS重要メンバー2人「日本潜伏」の衝撃情報
日刊ゲンダイ 2015年12月25日
「日本に『イスラム国』のメンバー2名が潜伏している!」――。週刊文春が最新の「新年特大号」で報じているスクープ報道に激震が走っている。「イスラム国」(IS)が日本国内でテロを引き起こす可能性はこれまでも指摘されているが、海に囲まれた島国ということもあり、「水際作戦で防げる」との見方が大勢を占めてきた。潜伏報道が事実であれば、そんな楽観論は吹っ飛ぶ。
 
■欧州経由で入国か
 記事によると、日本国内に潜伏しているとみられるのは、11月のパリテロ事件の首謀者とみられるアブデルハミド・アバウド容疑者と関わりのある人物と、ISの資金調達を任務にしているとされる人物。欧州の情報機関から日本の当局に極秘情報として提供されたといい、2人の行動確認と警戒を促したという。
 
  このスクープを“裏付ける”ような報道が飛び込んできた。ドイツの大衆紙ビルトが22日、内戦が続くシリアなどからドイツに流入した難民約96万人のうち、最大約25万人が行方不明と報じたのである。さらに、ドイツ紙ウェルトは、ISがシリアとイラク、リビアの役所で数万冊の白紙旅券と、旅券発行用の印刷機械を入手したと報道。両紙とも、ISの戦闘員が偽造旅券を利用し、難民に紛れて欧州入りしている懸念が高まっている――と警鐘を鳴らしている。中東方面からの入国者であれば、日本の入管も警戒し、不審人物に気付くだろうが、偽造された“ホンモノ”のパスポートを持って欧州から入国されたら、まずスルーだ。2人の潜伏者が欧州経由であれば、報道はますます現実味を帯びてくる。