兵庫県百条委員会は報告書をまとめる段階に入り近々公表される運びです。
一部明らかにされたところによると、元西播磨県民局長が内部通報した「斎藤知事のパワハラ」については、ほぼ全項目が事実と認められたようで、告発された斎藤知事が 当初盛んに「嘘八百を並べた文書」と繰り返したことこそが言いたい放題の『虚偽』であったことが明らかにされました。
その他の事項については動画などによると、原案に対し日本維新の会の委員から反対意見が出されているようで どうまとまるのかは未定です。
ところで出直し知事選では立花孝志氏による、「2馬力選挙」や彼を発信源とする「選挙期間中の元西播磨県民局長や百条委員会に関する大々的なデマ宣伝」が、選挙結果に多大な悪影響を及ぼしたことが問題視されています。
これに関して立花氏がデマ宣伝の根拠になった文書を岸口みのる県議(百条委員会副委員長 維新の会)から受け取ったことを明かしました、岸口県議は当初否定していましたが、維新の党幹部による聞き取り調査に対し、「軽率だったと反省している」と認め、百条委員を辞任することを示唆しました。
また出直し選挙に当たり、非公開で行われた百条委の証人尋問の音声データも立花氏に渡り、同氏が知事選中にそれをSNSで公開したことで、「百条委は都合の悪い部分を隠している」などと選挙民の心証を不当に害しました。
この件について19日のインターネット番組で、増山誠県議(百条委員 維新の会)は自分が立花氏に音声データを渡したことを明らかにし、「提供したことはルール違反。謝罪させていただきたい」と述べ 百条委員を辞任する考えを示しました。
この両県議の行為は極めて不明朗なものであり、こういう人物が百条委員会のメンバーであったことに呆れます。
植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
植草氏は同記事の非公開部分のところで、故元西播磨県民局長が県のホームページに載せた「(令和6年2月 県民局長メッセージ(西播磨県民局長 渡瀬康英)」https://x.gd/0LpPbB の一部を紹介しています。やや長文ですが、故渡瀬氏が実に温厚で、教養に満ち、頭脳明晰でかつ正義感の強い人であったことがよく分かります。
兵庫県は俗物たちの利己的な不正行為によってまことに惜しい人を失いました。
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岸口みのる議員と天網恢恢
植草一秀の「知られざる真実」 2025年2月19日
TBS『報道特集』が兵庫県知事問題について掘り下げた取材を行ったことで兵庫県問題の概要がかなり明らかになりつつある。
昨年11月17日の兵庫県知事選。斎藤元彦氏が勝利した。
しかし、その瞬間から私は選挙結果を直ちに信頼はできないと判断していた。
11月18日付ブログ記事「新時代情報戦争と兵庫知事選」https://x.gd/hAuJv
メルマガ記事「兵庫県知事選と25年政治刷新」https://foomii.com/00050
に次のように記述した。
「インターネットメディアを活用して、人々の納得や共感を獲得できれば、大きな成果を上げることができる。
問題は流布される情報が必ず真理とは限らないこと。
事実に反する情報であっても、情報の受け手が納得し、真実だと信じ込めば投票結果などに影響を与えることができる。
兵庫県知事選では、斎藤前知事が亡くなった県民局長の内部通報に対して取った行動が適切であったのかどうかが最重要の評価対象だったが、県民局長のプライバシーに関する情報が拡散されて有権者の行動が誘導された側面が強いと見られる。
「目的のためには手段を問わない」とのスタンスで選挙戦が展開されたとすれば、県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理が適切であったのかどうかに関する評価がなされる必要がある。
この意味で、選挙が公正な状況で執行されたのかどうかについての検証が必要になる。」
兵庫県知事選における有権者の投票行動に影響を与えたのは元県民局長の個人データ漏洩である。外部に漏洩されることが許されない情報が外部漏洩された。
この個人情報が公益通報を行った元県民局長の人格を貶めるために流布・拡散された。
その情報は正確な事実ではなかった。虚偽の情報が流布・拡散されて有権者の投票行動に重大な影響を与えた。
主要メディアは不正な情報の漏洩、不正情報の流布、虚偽情報の流布について正確な報道を展開しなかった。選挙期間中であったため、各陣営の主張に介入しないとの立場から不正情報流布、虚偽情報流布が放置された。その不正情報、虚偽情報が有権者の投票行動に重大な影響を与えた。結果として斎藤元彦氏が当選を果たしたということ。
二つの重大な問題がある。
一つは、個人データが違法に外部漏洩されたこと。
もう一つは、その個人データが事実に反するかたちで歪められて流布・拡散されたこと。
流布・拡散に最大の貢献したのが立花孝志氏だ。
その立花孝志氏はある人物から「秘密文書」を受け取り、選挙期間中、その情報を流布・拡散したと証言している。
立花氏は入手した「秘密文書」の内容に虚偽を織り交ぜて流布・拡散した。
このことも問題であるが、より重大な問題は「秘密文書」を立花氏に手交した人物が存在すること。立花氏は、秘密文書は兵庫県議会議員の岸口みのる氏から手渡されたと証言している。
これに対して岸口氏は事実を否定したが、発言が極めてあいまいである。
ついには「記憶が定かでない」と言い始めた。
「秘密文書」には「黒幕は竹内議員」と明記されていた。立花氏の証言が真実であるとすると重大だ。岸口みのる氏は維新の県議会議員。百条委の副委員長。
兵庫県問題の最大の特徴は複数の死者が生じていること。
元県民局長は個人データを外部公表すると脅されていた疑いが強い。
竹内英明議員は斎藤氏を失脚させるクーデターの「黒幕」であるとの誹謗中傷を受け続けた。
しかしながら、これまでに明らかになりつつある事実を照らすと、実は「黒幕」は別に存在していた疑いが強い。
兵庫県知事選に際して斎藤氏を勝利させるために、元県民局長や斎藤氏を追及した竹内議員などを「悪」に仕立て上げる「謀略」が存在し、「秘密文書」を立花孝志氏に手渡して元県民局長や竹内議員を誹謗中傷する活動を拡大させる「黒幕」が存在した可能性が高い。
春に関西万博がある。維新が深く関与する。
このために、事実関係が相当程度明らかになりつつあるのに、責任ある当事者に対する責任追及が極めて甘く取り扱われている感が強い。
しかし、「天網恢恢疎にして失わず」だ。「天の神が地に張り巡らした網は、ゆったりして粗いようであるが、決して漏らすことはなく、それに搦め捕られる。
すなわち、悪事を行えば、一時的には逃げおおせるなどうまくいったように見えるが、結局は、捕らえられる乃至その報いを受ける。」
ということ。
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「大変ご迷惑をかけた」 文書提供疑惑の兵庫県議、百条委委員を辞任へ
産経新聞 2025/2/19
斎藤元彦・兵庫県知事の告発文書問題に絡み、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が、告発者の私的情報などを記した文書を日本維新の会の岸口実県議から受け取ったと主張したことを受けて、岸口氏は19日、県議会の調査特別委員会(百条委員会)の委員を辞任する意向を明らかにした。
立花氏は、斎藤氏が再選した昨年11月の知事選に「斎藤氏を応援する」として立候補し、斎藤氏を告発した文書の作成者である元県幹部の男性=当時(60)、昨年7月に死亡=について、私的情報などを交流サイト(SNS)などで発信。今月7日の会見で、岸口氏から私的情報を文書で提供されたと主張していた。
岸口氏は、「(文書は)私から提供したものではない」と否定したが、維新の党幹部による聞き取り調査に対し、「軽率だったと反省している」と述べていた。
この日、岸口氏は記者団の取材に「文書を誰が作ったのかはわからない」「書いてあることが事実かどうか判断がつかなかった」と改めて説明。「(同席したことは)軽率で、大変ご迷惑をかけた。百条委員会の委員として、対応を考えている」と述べ、維新県議団の門隆志幹事長に後任も含めた今後の対応について相談していると明かした。
非公開の百条委音声データ、維新の別の兵庫県議が立花孝志氏に…県議「伝えるべきだと考えた」
読売新聞 2025/02/19
兵庫県議会の百条委員会メンバーで日本維新の会の増山誠県議(46)は19日夜のインターネット番組で、昨年10月に非公開で行われた百条委の証人尋問の音声データを政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏に渡したと明らかにした。
音声データでは、証人尋問に応じた片山安孝前副知事が、告発者の男性職員(昨年7月に死亡)の私的情報について発言しようとし、奥谷謙一委員長が制して一時中断する場面が含まれていた。百条委は昨年11月の知事選に影響が出ないよう、この証人尋問を非公開とし、選挙後に録画を公開する方針だった。
立花氏は知事選期間中、音声データをSNSで公開。告発者は私的情報が漏れることを恐れて自殺した可能性が高いのに、百条委がそれを隠したと主張した。SNS上では、「(百条委は)都合の悪い部分を隠している」などの投稿が相次いだ。
番組で増山県議は「問題の背景に何があるのか伝えるべきだと考えた。提供したこと自体はルール違反なので、謝罪させていただきたい」と語り、百条委の委員を辞任する考えを示した。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。