2025年2月27日木曜日

玉木氏の排外主義 分断持ち込み社会保障を壊す(しんぶん赤旗)

 しんぶん赤旗に掲題の記事(主張)が載りました。
 国民党の玉木代表は、高額療養費制度の改悪に関連して自身ので、「外国人やその扶養家族が、わずか90日の滞在で数千万円相当の高額療養費制度を受けられる現在の仕組みは、より厳格な適用となるよう制度を見直すべき」、「社会保険料は原則、日本人の病気や怪我のために使われるべき」だと述べました。
 玉木氏はの効能を重視していて大いに注力しているようですが、しんぶん赤旗は同発言は、事実においても 国際規約に照らしてもデタラメなもので、単に国民受けを狙った発言であると痛烈に批判しています。
 日刊ゲンダイも同趣旨の記事を出しているので併せて紹介します。
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【主張】玉木氏の排外主義 分断持ち込み社会保障を壊す
                       しんぶん赤旗 2025年2月25日
 排外主義をあおる、トランプ米大統領ばりの発言は看過できません。国民民主党の玉木雄一郎氏の発言です。
 高額療養費制度の改悪にかかわって、自身のXで「外国人やその扶養家族が、わずか90日の滞在で数千万円相当の高額療養費制度を受けられる現在の仕組みは、より厳格な適用となるよう、制度を見直すべき」だとし、社会保険料について「原則、日本人の病気や怪我(けが)のために使われるべき」だとのべました。
 「生活が苦しい」「負担が重い」という国民感情の矛先を外国人排斥に向けるもので、政治家として許されません。
 
■国際人権規約無視
 外国人でも健康保険・国民健康保険など公的医療保険に加入して保険料を払っている人が高額療養費制度の適用を受けるのは当然です。外国人が特別に優遇されているわけではありません
 日本政府は1979年に批准した国際人権規約のもと、「内外人平等」の原則に立って「国籍の別なく、所要の負担の下に、国民と同様の社会保障の実施」に努めるとしています(国連への報告書)。
 81年に批准した難民条約でも、公的扶助・公的援助について難民に「自国民に与える待遇と同一の待遇を与える」とされています
 玉木氏の発言は人権意識の決定的遅れを表しています。
 今回の発言には、外国人排斥とともに、保険料を短期間しか納めていない人が制度の“恩恵”を受けるのはおかしいという意味がふくまれていると考えられます。
 こうした考え方は、保険料納付期間や納付額が少ない人には少ない給付をとなりかねず、果てしない分断をもたらします。加入期間が短く低所得で納付額が少ない若い人は少ない給付でよいともなりかねません。「自己責任論」を強め、憲法が保障する生存権にもとづき、すべての人の生活を公的に支えるという社会保障を否定するものです。
 
■国庫負担増額こそ
 国民民主党は「現役世代の保険料負担を下げる」として医療費の削減を求めています。玉木氏は、がん患者などの命を脅かす政府の高額療養費制度の改悪案を「社会保険料を抑える方向での改革」と評価し「一定程度(患者負担を)上げていくのはやむを得ない」とのべ反対しません。
 昨年の総選挙公約でも重点政策に高額療養費制度の自己負担上限の見直しを掲げ、医療費削減のためとして尊厳死の法制化まで主張しました。医療費削減のために命を顧みない姿勢があらわです。
 高齢者の窓口負担引き上げも求め、15日のテレビ番組では「(高齢者で)病院がサロン化している」と根拠なく世代分断論をあおりました。世代分断論は「医者にかかるのも金次第」という「自己責任」論を強め、結局、全世代の社会保障への公的負担の抑制・削減をもたらします。それを狙う自民党は大喜びでしょう。
 重すぎる社会保険料を下げるには財界・大富裕層への優遇税制を改め、大軍拡を中止して社会保障への国庫負担を増やすことが不可欠です。外国人や高齢者をやり玉にして分断を持ち込むのは、そこから目をそらすものです。
 
 
玉木雄一郎代表が焦りこじらせご乱心? 国民民主党「不要論」加速でSNSに“噛みつき”投稿
                          日刊ゲンダイ 2025/02/25
 新年度予算案は、少数与党の自民・公明が「高校授業料無償化」を求める日本維新の会と合意の見通し。「年収の壁」引き上げをめぐり国民民主党との協議も大詰めだが、年収制限撤廃を求める国民民主に対し、自公は年収制限を残し、上限850万円までの4段階で減税額を変える案を提示して平行線だ。
「維新が賛成してくれるなら予算案は成立する。国民民主の要求をこれ以上のむ必要がなくなる」(自民党関係者)という背景がある。
 そんな中、国民民主の玉木雄一郎代表(役職停止中)が政治ジャーナリスト・田崎史郎氏の発言に噛みついた
 22日のテレビ番組で、田崎氏が「国民民主党はネット世論を非常に気にしている」「柔軟性を欠いていて、ネットの世界では受けているけれど、永田町ではなかなか難しくなってきている」と発言。
 これに反発し、玉木氏は自身のXに<ネット民は分かっていないとバカにするような前提自体がおかしい><受けを狙っているのではなく国民の生活を守りたいだけです>と猛反論したのだ。
 国民民主が永田町でビミョ~な存在になってきているのは事実だろう。
 確かに、シンプルであるべき税制を複雑化させる自公案は問題だが、そもそもマトモな恒久財源を示さず7兆~8兆円もの減税要求を突き付ける国民民主も無責任。8兆7000億円にまで膨らむ防衛費の削減でも主張したらどうなのか
 玉木氏は高額療養費をめぐっても、Xに排外主義をあおるようなミスリードな投稿をして物議を醸したばかり。玉木大好きの榛葉幹事長も「(自公国協議を)骨抜きにして邪魔したのは維新にも責任がある」とイチャモンをつけ、維新の吉村代表から「交渉が思い通りにいかないことを他党のせいにするのはやめた方がいい」とやり返されるなど、どうにも国民民主は迷走している。
 
ジャーナリストやメディアに文句ばかり
 政治評論家の野上忠興氏が言う。
「ジャーナリストから何を言われようと、ドーンと構えていればいいのに、いちいち反論するのは焦りの裏返しであり、器が小さい。やはり玉木さんは、女性スキャンダルで役職停止となり、表舞台で動けないことが致命的。党の支持率も野党でトップとはいえ、横ばいで陰りが見える。最新の日経新聞調査(21~23日実施)では前月比1ポイント減でした。ここまでカッコつけてきたから、思うようにいかずイライラしているのでしょう」
 玉木氏の最近のXの投稿では、日刊ゲンダイが今月18日にデジタルサイトにアップした「国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に『満額回答』で大ピンチ」という記事にも、<大ピンチなのは、国民民主党ではなく、国民の生活です>と“苦言”を呈していた。朝日新聞が記事とともに掲載した自身の写真にも不満タラタラだった。
 なんだかメディアに文句ばかりの石丸伸二・前安芸高田市長を彷彿させる……。玉木さん、ついにご乱心?