2025年2月20日木曜日

なぜゼレンスキーは傀儡指導者の長い系譜の最新版に過ぎないのか

 トランプが大統領に就任してから1カ月になりました。
 当初はトランプとゼレンスキーもいわば通常の関係でしたが、米ロの直接交渉が深まるにつれて変化し、直近ではトランプは19日、自身のSNSでゼレンスキーは選挙をしていない独裁者」だと批判しゼレンスキーは、「トランプ氏はロシアが作り出した『偽情報の空間』には住んでいる」と酷評しました。
 ゼレンスキーにすれば当初 一旦は停戦を志向したのに、英(米)仏などから戦争継続を強要されて翻意した経緯があるので心外かもしれませんが、オバマ・バイデン時代の2013年辺りからスタートし、ミンスク合意を逆用して軍備を増強しドンバス地方への懲罰を準備した段階でロシアの侵攻を招いた経過に鑑みれば、決して正義の戦争ではなく目下は国民の命を無駄に失っている現実を早く終わらせることこそ目指すべきです。
 ウクライナ戦争は全てオバマ・バイデンの責任ということは、当初良識ある人たちは一致して述べていました。加えてゼレンスキーらによって海外からの支援金が蓄財に回されているということやNATO諸国の経済的疲弊という現実があります。
 マスコミに載らない海外記事に掲題の記事が載りました。

 併せて田中宇氏の記事「米露和解と多極化の急進」を紹介します。
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なぜウォロディミル・ゼレンスキーは傀儡指導者の長い系譜の最新版に過ぎないのか
                マスコミに載らない海外記事 2025年2月19日
                     イアン・プラウド 2025年1月31日
                       Strategic Culture Foundation
 ゼレンスキー大統領が権力の座に居続けられるのは、彼の法外な勝ち目のない戦争を支持する西側諸国の支援があるからに過ぎない。
 特にアメリカとイギリスも第二次世界大戦終結以来、傀儡指導者が権力にしがみつくのを支援する傾向を示してきた。ゼレンスキーは、その長いリストの最新例にすぎない。
 過去数世紀にわたり、大国は、より強力なライバル国が足場を築くのを阻止し、他の弱い国々には従順な指導者を据えようと懸命に努力してきた。
 ゼレンスキーは必ずしも西側諸国政府によって就任したわけではない。ウクライナを欧米リベラル風装いで再構築するプロジェクトは、既に2014年2月、ヴィクトル・ヤヌコビッチ前大統領の打倒とともに始まっていた。従順なペトロ・ポロシェンコ大統領は、2022年以来ゼレンスキーがそうだったように、西側諸国の首都で温かく迎えられた。2019年の選挙後、イギリス政府内で、政治家として、ゼレンスキーを真剣に受け止めるべきかどうかについて深刻な疑問が浮上した。約束した通りには蔓延する汚職を彼は撲滅しなかった。大統領になった前任者たちより、彼は民主的でもリベラルでもなかった

 2022年2月にウクライナで戦争が始まった時、状況は劇的に変化した。ある評論家が述べた通り、戦争はゼレンスキー大統領の頭上を覆う暗雲を払いのけ「英雄的な戦時大統領で、自由世界の守護者の世界的象徴」という作り出された役割に彼が変身するのを可能にした。確かに、戦争の最初の6か月間、そのイメージはゼレンスキー大統領にとってうまく機能し、今も彼は欧米諸国政治家や主流メディア間で永続的魅力を維持している。
 だが時が経つにつれ、ゼレンスキーは弱点を露呈した。大統領選挙が行われるはずだった2024年3月以降、選挙で選ばれておらず、明らかに民主主義志向のリベラル派ではない

 彼の政府は、ソ連崩壊以降の他のウクライナ政府と同様腐敗しているように見える。2023年の世論調査では、調査対象となったウクライナ人の77%が、ゼレンスキーが腐敗の責任者だと考えていることが示された。
 彼は1年半前から、ウクライナがロシアとの戦争に勝てないのを知っていた。この認識こそ、広く報道されたインタビューで、このことを指摘した人気の高い元軍司令官ヴァレリー・ザルジニー解任のきっかけになったのだ。
 だがゼレンスキー大統領は、戦争を継続し、更なる戦闘支援を西側諸国に迫り、戦闘を終わらせるためのロシアとの直接交渉への揺るぎない反対を貫くため全力を尽くしている。

 トランプが政権を握った今、ゼレンスキーはここ数日、交渉に関する自身の立場を巧みに修正したり撤回したりしようとしている。だが、多くの公平な外部観察者にとっては、ゼレンスキーの立場の背後にある理由は二つの考え方しかない。
 ウクライナが単独では勝てないロシアとの戦いに、最終的にNATOが巻き込まれるかもしれないという頑固な願望
 たとえNATO介入はなくとも欧米諸国は外部援助で彼の政府を支え続けるという信念

 ロシアとの戦いにNATOが直接参加する可能性は一度もなかったことから、ゼレンスキーは、欧米諸国の支援者に見捨てられるまで、権力にしがみつくためなら何でもする、もう一人の傀儡指導者のように見えることになる。
 傀儡支配者は儲かる商売だ。あなたの国は、あなたの存在を後援する国々から何十億ドルもの援助を受ける。あなたの言葉は、後援国のジャーナリストが聞きたがり、あなたは自由民主主義の白衣を着たキリストの再来だと信じようと彼らは必死だ。あなたが彼らの国を訪問すると、群衆が集まって拍手喝采し、あなたの素晴らしさに驚嘆して見つめる。あなたは友人なので、敵が批判されるような腐敗や悪い指導力で批判されることはない。主な問題は、あなたが不要になり、時間切れになったら、追放されるか、脇に追いやられるか、投獄されるか、暗殺されるかのいずれかであることだ。
 いくつか例を見てみよう。

 グエン・バン・チューは、1963年にCIAが支援したクーデターでゴ・ディン・ジエムが打倒された後、南ベトナムで権力の座についた元陸軍将校だ。1967年から1975年、北ベトナムがサイゴンを占領する直前まで大統領を務めたチューの最も注目すべき業績は、とてつもなく腐敗した政府を監督したことだ。1960年代と70年代でさえ、この小国は毎年平均15億ドル、アメリカから受け取っていた。これはGDPの約15%に相当した。その多くはチュー政府の腐敗した役人の懐に入った。だがチューは、アメリカ人が聞きたがっていることを言い、南ベトナムを共産主義の北に対する防壁だと宣伝した。アメリカには、北ベトナムに勝つという国内の政治的意思も、戦場での軍事力もないことが明らかになると、チューは舞台から逃亡して、台北で贅沢な亡命生活を築いた
 アフガニスタンのハーミド・カルザイは、2002年にアフガニスタン大統領に就任して以来、タリバンに敗れるまで、アメリカが押し付けた傀儡指導者の現代的な現れだ。もちろん、アフガニスタンには、近代超大国が傀儡政権を据えてきた歴史があり、これは1986年の無血クーデター後、ソ連がムハンマド・ナジーブッラーを政権に就けた時にも当てはまった。欧米諸国のメディアや政治家からアフガニスタンの救世主として広く称賛されたカルザイは、未曾有のレベルの汚職と腐敗を特徴とする政府を監督したワシントン・ポストによると、アフガニスタンは西側諸国から数十億ドルの援助を受けたが、それを使い尽くせず、その結果「資金の約40%が反乱分子や犯罪組織や腐敗したアフガニスタン当局者の手に渡った」という。カルザイ大統領は2014年の選挙で失脚し、今では欧米あやつり人形劇史上、ほとんど忘れ去られた人物になっている

 ミャンマーのアウンサンスーチーは、従来の意味での傀儡支配者ではないが、かつてビルマと呼ばれた国との歴史的植民地関係から、欧米、特にイギリス外交官から称賛される反政府派人物の典型だ。オックスフォード大学で教育を受け、イギリス人(現在は故人)と結婚した彼女は、軍によって直後に鎮圧されたミャンマーの選挙で勝利したことで、1990年にノーベル平和賞を受賞した。1999年に私がイギリス外交官になった際、東南アジア省は彼女こそ同国唯一の真の指導者だとみなし、常に彼女の善い状態に執着していた。何年も自宅軟禁されていたアウンサンスーチーは、ついに2015年の総選挙で圧勝した。彼女は2016年にイギリスを訪問し、キングチャールズ・ストリートのダルバール宮殿の壮大な植民地時代の中庭で彼女を歓迎し崇拝するイギリス外交官の群れに私は加わった。控えめで上品な口調で話す彼女は、ミャンマー西部でイスラム教徒のロヒンギャ族に対する大量虐殺が行われたとされる時期に首相を務め、軍の行動を断固擁護した。現在、彼女は依然強力な軍に捏造された可能性がある汚職容疑で有罪判決を受け、自宅軟禁状態にあり、二度と自由になることはないかもしれない。だが欧米諸国での崇拝は薄れ、彼女がイギリス・メディアに登場することはほとんどない。
 80年代と90年代にパキスタン首相を二度務めたハーバード大学とオックスフォード大学卒の美しく魅力的なベーナズィール・ブットーは酷く腐敗していることがイギリス外務省に知られていた。だが彼女は我々の言語を話したため、欧米自由民主主義的価値観の世界的スーパースターとして称賛された。2007年に自爆テロ犯に暗殺され、彼女の実績を巡り長らく消えなかった疑問は沈黙させられた。だが汚職疑惑に関し、イギリス外務省が深刻な懸念を抱いていた夫のアースィフ・アリー・ザルダーリーが現在パキスタン大統領だ。

 ウォロディミル・ゼレンスキーが権力の座に居続けているのは、勝ち目のない彼の戦争を法外な金で支持する欧米諸国の支援があるからに過ぎないことは今や明らかだ。戦争が終われば、必ず終わるのだが、彼が、追放されるか、脇に追いやられるか、投獄されるか、暗殺される、彼以前の傀儡連中と同じ運命を辿ることを歴史は示唆している。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/01/31/why-zelensky-merely-latest-in-long-line-puppet-leaders/


米露和解と多極化の急進
                  田中宇の国際ニュース解説 2025年2月16日
2月12日のトランプとプーチンによる米露首脳の電話会談で、すべてが動き出した。米露は敵から味方に転換した。2人は、2月中にサウジアラビアで直接会って首脳会談する。この会談ではウクライナ問題だけでなく、おそらく、ガザ市民の放逐移住などパレスチナ問題も話し合う(私独自の推察)。
トランプは、パレスチナを抹消したいイスラエルの希望を叶えてやることを最重視しており、アラブ諸国やイランに影響力を持つプーチンに口添え(加圧)してもらいたい。トランプは、今後の米露の話し合いを、ウクライナ問題とパレスチナ問題を同時に解決していく事業にしたい。The Putin-Trump call was a true turning point

米露首脳会談をサウジでやるのは、アラブの盟主であるサウジの権力者MbS⇒ムハンマド・ビン・サルマーン国王)皇太子にも参加してもらえるからだ。
最近訪米したヨルダンのアブドラ国王がパレスチナ抹消(ヨルダンが西岸の何百万人かのパレスチナ人を国民として受け入れること)を拒否してトランプから猛烈に加圧されたように、MbSがパレスチナ抹消を拒否し続けたら、トランプとプーチンが一緒になって猛烈に加圧する。
しかし、多分そうはならない。アブドラは祖父の代から英傀儡国の小役人だが、MbSは大国の指導者に成長した。Jordan's King Abdullah visibly shaken while commenting on Trump's Gaza plan

米露首脳会談は当初「サウジもしくはUAEで開催」とされていた。UAEは、トランプ就任前からパレスチナ抹消に賛成だ。サウジとUAEは国際戦略的に兄弟で、サウジが親アラブ、UAEが親イスラエルの演じ分けをしてきた。
米イスラエルが望むパレスチナ抹消策に対し、サウジがアラブ諸国をある程度まとめられたので、米露首脳会談がサウジで開かれることになった。サウジがアラブをまとめられなければ、UAE開催になっていた。開催地がサウジに確定したこと自体が、パレスチナ抹消の実現性の強まりを示唆している。MbSは反対者でなく協力者だ。Saudi Arabia welcomes idea of Putin-Trump summit

パレスチナ抹消に対し、MbSは賛成だが、他のアラブ諸国、たとえばエジプトのシシ大統領が強く反対しているのなら、サウジで行われる米露サウジ首脳会談の席上で、トランプがMbSに頼んでシシに電話させ、トランプとプーチンが次々に電話口でシシに、百万人余のガザ市民を受け入れろと加圧する。
トランプは直裁的に要求し、プーチンはシシをなだめつつ気持ちはわかるけどやるしかないよと言う、ボケとツッコミの演じ分けをやる。MbSもシシに、アラブの大義はあるけど米露がそう言ってるんだから仕方ないよねとシシに言う。UAE Ambassador Says Arab World Has 'No Alternative' To Trump's Gaza Plan

断り続けると支援を切られる。経済脆弱なエジプトが必要とする支援のほとんどを出している米露サウジから、よってたかって協力しろと加圧されると、シシは折れざるを得ない。同様に経済脆弱なヨルダンの国王も、反対し続けたら同じ目に遭う。Trump’s plan is already getting Egypt, Jordan to make moves - analysis

席上、ネタニヤフとも電話をつなぐはずだ。イランの大統領にも電話を入れるかもしれない。ロシアは最近急速にイランと親しくなっており、イランはプーチンの提案なら聞き入れる。
勝手に報道する民間マスコミがいないサウジなら、これらの作業がすべて完全秘密でやれる。サウジでの米露首脳会談を行う日程がまだ決まっていないのは、事前にサウジがエジプトやヨルダンに加圧して話をつけておく過程が終わっていないからだろう。Saudi Arabia spearheads Arab scramble for alternative to Trump's Gaza plan)(Saudi Arabia To Host Arab Summit To Discuss Trump's Gaza 'Takeover' Plan

米露首脳会談の前に、エジプトやヨルダンが折れていたら、首脳会談はパレスチナ抹消の加圧会でなく認定会になる。
米露は首脳会談の前に、両国の大統領側近たちがサウジに集まり、首脳会談の準備を開始した。側近たちはサウジに貼り付き、アラブ諸国がパレスチナ抹消に同意していく過程を監視する。必要なら、首脳会談より前に、米露首脳がアラブ諸国に電話して加圧する。それらの作業の末に、アラブ諸国の同意が得られそうになったら米露首脳会談を開く。Putin-Trump summit expected this month

米露首脳会談の公式な目的はウクライナの終戦だ。表向き、パレスチナ問題は全く言及されていない。上記は、トランプがこの好機をパレスチナ抹消推進に使わないわけがないという私の独自分析だ。
ウクライナに関しては2月12日の米露電話会談で、トランプがプーチンに対し、ウクライナをNATOに加盟させないこと、ロシアがウクライナから奪ったクリミアやドンバスなどの領土をロシア領として認めることを提案・確認した。これらは開戦時からのロシアの希望であり、今回電話一本で成就した(だから中東ではトランプの満願成就を助ける)。No NATO for Kiev, Ukrainian territorial concessions, venue for talks with Putin: Key takeaways from Trump’s briefing

2月12日の電話でトランプは、ゼレンスキーは大統領任期が昨年切れているのでウクライナの交渉者として不十分である(ゼレンスキーの否定的な意向を無視して米露が話し合って終戦し、それをウクライナに強要できる)との認識も述べた。
ゼレンスキーは無力化された。イーロン・マスクのDOGEが、米政府からウクライナに送った資金が着服されていることを暴露したこともある。
トランプは同時に、米国が停戦後のウクライナに対して派兵も支援もせず、それらは欧州がやるとも表明した。同時期に、バンス副大統領やヘグセス国防長官が欧州を訪問し、それを欧州に伝えている。Kremlin Confirms Putin-Trump Summit On The Way, As Zelensky Warns Against Cutting Ukrainians Outドイツ戦争責任の終わり?

米露首脳は2月12日の電話で、今後の和解日程も決めた。ウクライナは、4月20日の復活祭(イースター)までに停戦する。5月9日のロシアの戦勝記念日に、米露ウクライナが終戦合意に調印する
これらの日程は、トランプ就任直後からリークされ報じられていた。5月9日はロシアにとって、1945年に第二次大戦で(米国と協力して)ナチスを倒して戦勝した栄光の記念日だ。ロシアにとっては、今回のウクライナ戦争(特殊作戦)も、ナチスの思想を継承したネオナチが支配して露系住民を殺すウクライナを打ち負かしたウクライナ停戦に乗り出すトランプ

ナチスに勝った戦いという意味で、第二次大戦とウクライナ戦争はロシアにとって同意義だ。そして、第二次大戦の戦勝記念日である5月9日に、ウクライナ戦争も終戦合意して終わる。何という栄光。5月9日を調印日に選んだのは、トランプがプーチンに花を持たせる策だ。
キリスト教で、はりつけにされて死んだイエス・キリストが3日後に復活したことを祝う復活祭は、米国(プロテスタント、カトリック)でもロシアやウクライナ(正教会)でもお祝いする。毎年日程がずれ、立脚する暦によっても日が違うが、今年は米露ともに4月20日だ。このお祝いの日に、ウクライナが停戦する。Trump team to start Russia-Ukraine peace talks in Saudi Arabia in coming days

私はこれまで、4月20日と5月9日の日取りについて浅くしか考えていなかったが、そうではなかった。2つの日取りには、上記のような文明(宗教)的・歴史的な、米露協調にまつわる深い意味がある。
トランプは1月20日の就任以降、何度かプーチンと電話で話している。その過程で、ロシアにとって深い意味を持つ和解日程を決めたのだろう。トランプ就任から1か月経っていないが、すでに米露はかなり深い仲になっているTrump Calls For Trilateral Arms Reduction - Party On 80th Victory Day?

5月9日の戦勝記念日には、トランプとゼレンスキーがモスクワを訪問してウクライナ終戦の合意文書に調印する。それだけでなく、中国の習近平主席も、第二次大戦の戦勝国としてモスクワに来る。
米中露という世界の3大国の首脳がモスクワに集まる。そこでトランプは中露に対し、みんなで軍事費を半減させよう、核兵器も減らそうという提案をするつもりだと表明している。トランプは有限実行の人だ。すでに習近平にも電話して、この話をしているはずだ。
5月9日のモスクワでの米中露首脳会談は、米単独覇権を仕切ってきた諜報界の英国系がウクライナ戦争で潰れ、世界が多極型に転換したこと・多極化の完成を示す「 新ヤルタ会談」になる。Trump Tells Xi, Putin 'Let's Cut Military Budget In Half')(Trump: Military Spending Could Be Cut in Half and There’s No Reason To Build New Nuclear Weapons

またトランプは、ロシアをG7に引き戻してG8に戻したいとも言っている。これもすごい話だ。これまでロシアをさんざん敵視してきた西欧や日本が、トランプの監視下でプーチンと向き合わねばならなくなる。
トランプは、プーチンがG7に再招待されることを喜ぶはずだと言っている。G7はリーマン危機後、世界最高位の経済政策決定機関の機能をG20に譲り、G7は先進諸国が環境問題(温暖化対策)や人権民主やジェンダーなどのリベラル政策を決める機関になった。Trump wants Russia back in G8

その後、先進諸国(英傀儡)の温暖化や人権民主やジェンダーの政策は、人々に大間違いな超愚策を強要する「リベラル全体主義」に成り下がった。トランプやプーチン(やオルバンやAfD)は近年、未米民主党やEU上層部など英傀儡のリベラル全体主義の大間違いを指摘しつつ戦う右派勢力になった。ウクライナ戦争は英傀儡(左派)による超愚策の象徴だ。
そして今回、トランプが復権し、プーチンと組み、ロシアの勝ちでウクライナ戦争を終わらせる。EU英加など英国系は、超愚策で自滅している。この状態でプーチンがG7に戻ってG8になると、G8は米露が組んで英傀儡の超愚策を懲戒しつつ廃止していく機関になる。G7 Has Been Marginalized With Advent of G20 and BRICSトランプの隠れ多極主義

米国ではすでに、トランプ側近のイーロン・マスク(DOGE)が、米上層部の英傀儡の超愚策を懲戒しつつ廃止していく策を進めている。DOGEが米諜報界(英傀儡)の腐敗を暴き出したので、諜報界はトランプに反撃できなくなり、トランプとプーチンの和解がどんどん進んだ。G7もNATOも英傀儡の機関であり、トランプは、プーチンをG7に再招待して英傀儡潰しに拍車をかける。米諜報界=DS潰れてウクライナ戦争も終わるNo place for Europe in Ukraine talks – Trump envoy

バンス米副大統領は欧州に乗り込んで2月14日、のミュンヘン安保会議で、リベラル全体主義化した西欧諸国の大間違いと極悪さを指摘するぶしつけな演説を放った。
これは、トランプがプーチンと和解してG7に再招待する件と同期している。イーロン・マスクは、ドイツ政府を非難しつつAfDを絶賛している件とも同期している。
米国は、欧州と同盟して露中を敵視する単独覇権の国から、露中と組んで欧州の間違いを懲戒する多極型世界で北米を代表する国に転向した。米国は。非米側に出ていってしまった。
米国側に残されたのは、自滅して右派に政権を乗っ取られそうになっている西欧諸国だけだ。日本は、ずっといないふりしている。European Leaders 'Horrified' After JD Vance Slams Censorship Laws To Their Faces諜報界の世界支配を終わらせる

これまで世界を支配していた英国系は、リベラルな表向きと正反対に、世界中を敵対と戦争にして、軍事競争を扇動してきた。
トランプは逆に、米中露を仲直りさせ、覇権主義の英国系(英国やEUや米民主党などのリベラル派)を無力化し、戦争を終わらせ(中東はイスラエルの希望を叶えた後で平和化)、世界を安定的な多極型に転換する冷戦後の過程を完結させていく。