2018年7月29日日曜日

北朝鮮が「対日交渉班」を設置という情報

 「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」の代表が27日、加藤拉致問題担当大臣と面会し日朝首脳会談の実現などを要望しました
 ところが要望書では「すべての拉致被害者の帰国の実現が期待できる局面で日朝首脳会談を開催する」ことを求めているということです。
 時期を見図らっていればいずれそういう局面が訪れるとでも言うのでしょうか。そんなことはあり得ません。それではいつまでも会談はしなくてもいいということになりかねず、政府が一向に北朝鮮との会談に踏み切る姿勢を見せていないことをそのまま容認するものです。
 拉致被害者家族は高齢化が進みもう一刻の猶予も許されません。もはや時期を見図らう場合ではなく、会談に何の障害もなくなったのですから、直ちに会談に取り組むべきです。
 
 日刊ゲンダイによれば、逆に北朝鮮4月に開かれた朝鮮労働党中央委員会総会で「周辺国とも対話を積極化していく」との方針を決定し、金正恩氏が日本との交渉に携わる「対日交渉班」を設置したということです。
 そうであればなおさら積極的に会談を行うべきであるのに、安倍首相は一体何を惧れているのでしょうか。
 拉致被害者は相手の支配下にあるのだから、相手にぶつかることでしかこの問題は解決しません。自分の体面を損なうのが怖くて踏み出せないなどというのは論外です。あらゆる点から見て「全ては自分の責任」なのですから、その自覚のもとに進めるべきです。
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「日朝首脳会談実現を」拉致被害者救出知事の会が要望
NHK NEWS WEB 2018年7月27日
北朝鮮が拉致問題の解決を求める日本との対話に応じるか不透明な中、「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」の代表が加藤拉致問題担当大臣と面会し、日朝首脳会談の実現などを要望しました。
すべての都道府県の知事でつくる「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」の会長に就任した神奈川県の黒岩知事と会長代行の新潟県の花角知事らは27日夕方、内閣府を訪れ、加藤拉致問題担当大臣と面会しました。
この中で黒岩知事は「米朝首脳会談で拉致問題が取り上げられたことは大きな一歩で、次は日朝首脳会談を実現してほしい」と述べ、要望書を手渡しました。
 
要望書では、残された家族の高齢化が進み一刻の猶予も許されない、としたうえで、すべての拉致被害者の帰国の実現が期待できる局面で日朝首脳会談を開催することや、拉致問題が解決しないかぎり国交正常化や経済支援を行わない方針を堅持することなどを求めています。
これに対し加藤大臣は「アメリカや韓国と連携をとりながら対応していきたい」と述べました。
 
面会のあと黒岩知事は記者団に対し「政府が交渉しやすいよう、知事の会としても世論の喚起をしていきたい」と述べました。
花角知事は「新潟市で育ち、この問題の深刻さを感じている人間として、しっかりこのチャンスを逃すこと無く、政府の後押しができるよう取り組んでいきたい」と述べました。
 
 
北朝鮮「対日交渉班」設置情報 トップは金正恩の最側近か
日刊ゲンダイ 2018年7月28日
 北朝鮮が、日本との交渉に携わる「対日交渉班」を設置したとの情報があることが分かった。複数の日朝関係筋が27日、明らかにしたと共同通信が報じた。設置は今年4月以降。金正恩朝鮮労働党委員長が指示したものとみられる。米朝首脳会談が実現するなど、北朝鮮情勢が激変する中、日本との対話を模索するために設置したようだ。
 
 関係筋によると、北朝鮮は今年に入り、米国や韓国、中国との関係改善に踏み出し、その先には日本との関係進展も課題になってくると判断したもよう。4月に開かれた朝鮮労働党中央委員会総会で、「周辺国とも対話を積極化していく」との方針を決定し、対日交渉班が設置されたという。
 交渉班は、6月12日のシンガポール米朝首脳会談までに設置され、組織トップの人物は判明していないが、金正恩の最側近のひとりとされる金英哲党副委員長らの名前が取りざたされている。
 日本側は日本人拉致問題の突破口を開こうと、この交渉班を主要な窓口にしてやりとりを続けているが、具体的な進展はないもようだ。
 
■日朝交渉正常化議連「首脳会談」実現を求め決議
 超党派の日朝国交正常化推進議員連盟が27日、国会内で総会を開き、日朝両首脳による直接会談の実現を求める決議をとりまとめた。今後、安倍首相への提出を検討するとともに、秋の臨時国会で同様の国会決議採択を呼びかける。
 決議では、「今、北朝鮮に対して、世界各国が大きく動き出す時、我が国は、更に主体性をもって対応すべきである」とし、早期の首脳会談の実現に「最善を尽くす」としている。
 また、2002年の日朝平壌宣言に基づき、拉致・核・ミサイル問題などを「包括的に解決し、国交正常化を目指すべき」としたうえで、「日朝両首脳の直接対話・直接会談が新しい日朝関係の構築に資することを確信している」と強調している。
 議連会長を務める衛藤征士郎元衆院副議長は「安倍総理自らが金正恩党委員長と直接対話する用意があると表明している。しっかり支えたい」と述べた。 

「改憲阻止」運動を理由に川崎市教委が研究会の後援を撤回

 川崎市教育委員会が、「教育科学研究会」が同市で開催予定の年次大会に、一度出した事業後援を取り消したことが分かりました。この年次大会は、これまで主催地の各教育委員会で後援を受けてきたものです。
 後援を取り消した理由は、5つあるフォーラムのうち1つのテーマ「憲法『改正』と私たちの教育」で、討論の柱に「憲法9条『改正』阻止と記しているからだということで、市教委の担当者は「一方的な立場から議論が行われ、政治的中立性が損なわれるおそれがある」から説明したということです
 憲法を「改悪から」守ることがどうして「一方的な立場」で「政治的中立性が損なわれる」というのか、実に異常な説明と言うしかありません。
 
 外部から指摘を受けたということですが、指摘者の意図は大体想像できるところです。
 なぜ、憲法第99条(公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ)の精神に立脚して敢然と断らなかったのか、逆に安倍政権の意図に適うからとばかりにその判断基準を偏位させた醜さは、教育関係者としても情けない限りです。
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「改憲阻止」理由、後援撤回 川崎市教委 有識者のフォーラム
東京新聞 2018年7月28日
 川崎市教育委員会が、学識経験者らでつくる全国組織「教育科学研究会」が同市で開催予定の年次大会に、一度出した事業後援を取り消したことが二十七日、市教委への取材で分かった。複数開かれるフォーラムの一つで憲法改正「阻止」とうたっていることが、市教委の後援基準を満たさないと判断したという。担当者は「一方的な立場から議論が行われ、政治的中立性が損なわれるおそれがある」と説明している。
 
 同研究会ホームページによると、大会は八月十~十二日、同市中原区の法政第二中学・高校で開かれる。十日に予定される五つのフォーラムのうち一つは、テーマを「憲法『改正』と私たちの教育」として、討論の柱に「憲法9条『改正』阻止、平和と人権を進める」などと記している。
 
 市教委指導課によると、事業を後援する基準を定めた「事務取扱要領」は、「市の政治的中立性を損なうと判断されるもの」を後援しないと定めている。同研究会から同課に五月十七日付で後援申請が出され、同課は六月十一日付で承諾する通知を返送した。この時点で、フォーラムのテーマは把握していたものの、討論内容までは詳しく知らされていなかったという。
 同課は七月二十日ごろに外部から指摘を受け、二十六日に同研究会から大会内容を詳しく聞き取るなどした結果、同要領に抵触すると判断して二十七日に後援を取り消した。同日、同研究会に口頭で伝え、文書を発送した。
 
 同研究会によると、年次大会は、昨年は滋賀県近江八幡市で、一昨年は東京都板橋区で開き、それぞれ地元教委の後援を受けた。 (大平樹)

米国の圧力でエクアドル政府はアサンジ氏を米英へ

 WikiLeaksの創設者ジュリアン・アサンジ氏(1971年オーストラリア生れ)は、10代のときオーストラリア大学のコンピュータに侵入するなどのハッキングを行い警察の家宅捜索などを受けました。彼は1992年に24件のハッキングを認め保釈されてからはハッキングは止めています。
 2006年に内部告発者からの資料を公表するWikiLeaksを創設すると、2008年にはエコノミスト誌の「表現の自由」賞、2009年にはアムネスティー・インタナショナルの「国際メディア」賞、2010年にはサム・アダムス賞を受賞するなど、世界的にその活躍が評価されました。
 
 その一方、アメリカなどは重大な秘密情報を開示され打撃を受けましたが、櫻井ジャーナルは、それらの秘密情報はアサンジ氏がハッキングしたものではなく、単に内部告発者から入手したものを公開したという通常の「メディアとしての活動」であることを強調しています。
 
 2012年、アサンジ氏はスエーデンに滞在中に2人の女性から性的暴行容疑で訴えられましたが、担当検察官はまもなく逮捕状を取り下げました。アサンジ氏はWikiLeaksに敵意を抱く者による「デッチアゲ事件」だとしました。
 しかしイギリス滞在中の2012年に、英最高裁はアサンジ氏をスエーデンに移送する決定をしたため、反米左派政権を有するエクアドル大使館に逃げ込み、英警察が狙撃手を配置して四六時中、同大使館を監視している中、ずっと大使館に閉じこもっています。
 
 ところが2017年4月、エクアドルの大統領がレニン・モレノ前副大統領に変わったため、アサンジ氏の処遇に変化が起きる可能性が生じました。エクアドルの外相は、英国政府、エクアドル政府、アサンジ氏の弁護士の3者により国際法の枠中でアサンジ氏の処遇問題を議論することを呼びかけています。
 もしも最終的に彼が米国に移送されることになれば、アサンジ氏は生涯を刑務所で過ごすことになると言われています。
 櫻井ジャーナルの記事と関連のスプートニクの記事を紹介します。
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米国の圧力でエクアドル政府は内部告発情報を伝えていたメディアの代表を米英へ
櫻井ジャーナル 2018年7月28日
 エクアドルのレニン・モレノ大統領は7月27日、同国のロンドンにある大使館に避難しているWikiLeaksのジュリアン・アサンジに対し、大使館から出るべきだと語った。昨年(2017年)5月にエクアドルの大統領はラファエル・コレアからモレノへ交代、そのモレノがアメリカの意向を受けて追い出しにかかっている。IMF国際通貨基金からの圧力に屈したとも言われている。
 
 モレノはアサンジをハッカー扱いしているようだが、WikiLeaksはハッカーでも内部告発者でもない。本ブログで繰り返し書いているように、内部告発を支援しているだけだ。情報は外部から持ち込まれ、それを取捨選択し、編集して公表しているのである。つまり、やっていることはメディア
 
 現在は支配層のプロパガンダに徹している西側の有力メディアだが、かつては支配層にとって都合の悪い内部情報を伝えることがあった。それでも記者や編集者が刑務所へ入れられ、拷問を受けていない。脅すにしても搦め手からだ。暴漢を使ったり事故を装ったりして危害を加えることもあるようだが、メディアの収入源である広告主からの圧力は支配層にとってリスクは小さく効果的。
 
 支配層にとって痛くない「スクープ情報」を提供する代償として支配層にとって不都合な情報は伝えないという取り引きもある。それをシステム化したのが記者クラブだと言えるだろう。
 
 アメリカの情報機関は第2次世界大戦後、モッキンバードと呼ばれる報道操作プロジェクトを実行してきた。情報を提供するという飴と鞭でコントロースするだけでなく、メディアの内部へCIAのエージェントを潜り込ませたり、記者や編集者をエージェント化することもあるようだ。
 
 しかし、内部告発者を処罰しても、それを伝えたメディアを処罰することを支配層は避けていた。民主主義の看板を掲げている以上、言論の自由を否定するようなことはしたくなかったのだろう。が、その一線をアメリカは越えようとしている。メディアや内部告発者への攻撃はバラク・オバマ政権が強化したが、その流れが続いている。アメリカの支配層は民主主義という衣を脱ぎ捨てようとしている。脱ぎ捨てればファシズムという正体が現れる。
 
 
エクアドル政府がアッサンジを数週間以内に米国へ引き渡すとの噂  
櫻井ジャーナル 2018年7月21日
 ロンドンのエクアドル大使館に閉じ込めらているWikiLeaksのジュリアン・アサンジをエクアドル政府は数週間以内にイギリス当局へ引き渡すと噂されている。引き渡されたなら、そのままアメリカへ送られ、そこで一生を刑務所の中で過ごすことになると推測されている。
 
 アサンジがエクアドル大使館へ逃げ込んだ理由はスウェーデン検察が2010年11月に逮捕令状を出し、滞在先のイギリスで裁判所がアサンジの身柄をスウェーデン当局へ引き渡すことを認めたためだ。この当時からアサンジの身柄拘束を求めていたのはアメリカ政府だとみられていた。
 アサンジにかけられた容疑は「性犯罪」。もう少し具体的に言うならば、合意の上で始めた行為におけるコンドームをめぐるトラブルだ。アサンジ側は女性の訴えを事実無根だとしている。このふたりの女性も当局が主張する容疑を否定している。
 このトラブルに関係したふたりの女性は2010年8月20日にスウェーデンの警察に出向いて「被害」を訴え、「臨時検事」が逮捕令状を出した。その話を警察がスウェーデンのタブロイド紙へリーク、「レイプ事件」として報道することになる。が、主任検事のエバ・フィンはその翌日、容疑が曖昧だということで令状を取り消してしまう。
 
 アサンジは8月30日に警察から事情を聞かれているが、容疑を否認している。その翌日、9月1日に検事局長だったマリアンヌ・ナイが介入、主任検事の決定を翻し、捜査再開を決めたのである。しかも、捜査資料がメディアにリークされた。アメリカ政府の意向を受けた政治的な決定だとみられている。その捜査をスウェーデン当局は昨年(2017年)5月に打ち切ると決めた​。
 本来ならこの決定でイギリス当局はエクアドル大使館の包囲を解くべきなのだが、そうした兆候はない。それどころかスナイパーの配備は続き、今年3月からアサンジは外部との接触を断たれている
 
 エクアドル政府の姿勢が大きく変化した最大の理由は2017年5月に大統領がラファエル・コレアからレニン・モレノへ交代したことだと考えられている。IMFからエクアドルへ圧力がかかったとも言われているが、モレノがアメリカの飴と鞭に屈したということだろう。
 
 WikiLeaksが2010年11月に公表したアメリカの外交文書が原因でアラブの春が引き起こされた。政権が倒されたチュニジアやエジプトがリビアのアフリカ自立計画に賛成していたことから、CIAやモサドイスラエル諜報機関との関係を疑う人もいる。
 その外交文書の中でエジプトの反政府グループがアメリカ政府と事前に打ち合わせをしていることも発覚、バラク・オバマ米大統領が2010年8月にムスリム同胞団を使った侵略戦争を承認したことも今ではわかっている。
 忘れてならないのは、WikiLeaksは内部告発者ではないということ。内部告発を支援する活動をしているのだ。送られてきた情報を取捨選択しているはずだが、元の情報は外部からきたもの。一種のメディアなのである。WikiLeaksのような団体を情報機関が利用することはありえるが、自分たちで創設するのは得策でない。
 
 ところで、アサンジが指名手配される4カ月前、WikiLeaksは衝撃的な映像を公表している。それは​アメリカ軍のアパッチ・ヘリコプターが非武装の十数名を殺害する場面を撮影したもの​で、犠牲者の中にはロイターのスタッフ2名も含まれていた。自動車に乗っていた子どもふたりも重傷を負っている。この映像を伝えないメディアが存在するとするならば、そのメディアは当局の回し者だと言われても仕方がない。
 
 
エクアドル、アサンジ氏は大使館に永遠に滞在できないと発表
スプートニク日本 2018年07月26日
エクアドルのホセ ・バレンシア外相は、英当局から逃れてロンドンのエクアドル大使館に滞在している内部告発サイト「ウィキリークス」の創始者ジュリアン・アサンジ氏をめぐる状況を解決する必要があると発表した。
 
外相は、新聞ABCのインタビューで「かつて合意された保護提供の問題を解決する必要がある。なぜなら同氏は永遠に保護を受けることはできないからだ。だがこの決断を下すためにどれくらいの時間が必要となるのかを予測するのは難しい」と述べた。
外相は、英国政府、エクアドル政府、アサンジ氏の弁護士の3者により国際法の枠中で問題を議論することを呼びかけた。
また大使は、保護提供の条件によると、アサンジ氏は政治な声明を出すことができないほか、エクアドルと他の国の関係をリスクにさらすような発言もできないことに言及した。

29- 新宿区のデモ出発公園の基準見直しに関する東京弁護士会会長声明

 新宿区ではこれまで4つの公園がデモ出発地・集合地点として市民に開放されてきました。しかし8月1日からそれが「新宿中央公園」だけに限ることに変更されました。それは条例に拠るものではなく、事実上区役所の部長決裁で憲法21条で保証された「表現の自由」制限しようとするものです
 この規制は、元々は公園の近隣住民たちからのいわゆる「ヘイトスピーチ」デモ迷惑しているという声に端を発したのですが、区はそれに便乗して「ヘイトスピーチ」の規制には関心を示さず一般デモの規制を行ったのでした。
 
 これに対して東京都弁護士会会長が23日、声明を出しました。
 声明は6項目にわたるもので、行政の内部基準の変更によってデモ行進の自由を強く規制することを止め、ヘイトデモ等の差別的目的による使用の規制については、デモの自由を尊重しつつ、議会の条例制定によることとするよう根本的な見直しを求めています。
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新宿区によるデモ出発地として使用できる公園の基準見直しに関する会長声明
2018年07月23日
東京弁護士会 会長 安井 規雄
1 東京都新宿区が本年6月に行った、デモ出発地として使用できる公園の許可基準の見直し(本年8月1日から適用)は、デモ行進の自由に対する本質的に強度の制限となり、憲法第21条の保障する表現の自由に反する恐れが強いため、直ちに改めるよう求める。
 
2 従前の「住宅街に近接していないもの」という同区の基準によっても、使用できる公園は4か所に限られていたが、新基準では「学校、教育施設及び商店街に近接していないもの」という要件が追加される結果、デモ出発地として使用できる公園の基準に3つの公園が適合しなくなり、新宿中央公園1か所しか使用できなくなる。しかも、集合から30分以内に出発しなければならず、また、1日2件の使用しか認めないという条件も加えられている
  デモ行進そのものは道路使用の問題であるが、デモ出発地として使用できる公園がなくなることは、その地域でのデモ行進そのものが認められなくなることを意味するから、この基準見直しは、デモ行進の自由そのものの全面的な規制である。
 
3 デモは動く集会ともいわれ、その自由は憲法第21条の表現の自由により保護される権利である。デモは特に表現手段の乏しい市民にとっては極めて重要な意見表明の手段であって、「特定の意見」を直接、通行人等の不特定多数人に広く伝え、その意見に対する共感を得て、時として批判や葛藤をも巻き起こすことにより、問題に対する考えを深めていく機会を社会にもたらすという重要な意義がある。その意味で、デモの自由には、周辺地域の人々に視覚や聴覚に訴えかけるという手段を伴うことが予定されているのであり、音量や時間等において配慮は必要だとしても、近隣に一定の負担が生じることは許容されるべきである
 
4 新宿区側は、今回の基準見直しの理由として、当初、ヘイトスピーチ対策に重点をおいた説明をしていたが、その後、基準見直しの背景事情として、デモ件数が増加していること、これに伴って、公園周辺町会や商店会、地域住民から、頻発するデモによる周辺の交通制約や騒音により迷惑しているため、デモを制限して欲しい旨の要望を受けているとの説明も行われている(以上、本年6月28日付朝日新聞報道等による)。
  しかしながら、デモの増加については顕著な増加の実態はないし、デモ出発地として使用されることによる騒音や交通の支障が、デモ行進に一般的に伴う負担を超えるものか否かも具体的に示されていない。もとより「迷惑なので制限して欲しい要望がある」などという漠然とした理由による規制は許されないことである。
  また、基準見直しの理由として「ヘイトスピーチのデモにも使われている」ことを挙げておきながら、「他のデモとの区別が困難」であるとして、結局デモ出発地としての使用を一律に制限する基準に変えようとしているのであり、これでは、ヘイトデモ規制を口実にしたデモの一律禁止と見られかねない。
 
5 デモ行進の自由の重要性に照らせば、デモ一般については、当該公園をデモ出発地とすることによって人の生命・身体または財産が侵害される明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見される場合でない限り使用を許すべきである。
  これに対し、ヘイトデモは、差別的行為であり、人種差別撤廃条約やヘイトスピーチ解消法の趣旨からも規制されるべきものである。もっとも、表現の自由との慎重な調整のために、ヘイト目的か否かの判断を適切に行うためのガイドラインを定めるなどした上で、第三者機関を設置して、1件ごとに慎重に許否を判断することが必要であり、また、権利の重要性からして、行政の内部基準ではなく、条例によって具体的な基準が定められるべきである。この点については、当会が本年6月に採択した、差別的行為の禁止を目的とした、人種差別撤廃モデル条例案、及び同モデル条例案に関する意見書は、ヘイトデモの公園使用規制に関し、見直し基準として活用されるにふさわしいものである
 
6 よって、当会は、新宿区に対し、行政の内部基準の変更によって一律に公園のデモ出発地使用を制限しようとする上記の規制を撤回し、ヘイトデモ等の差別的目的による使用の規制については、当会モデル条例案も参考にして、デモの自由を尊重しつつ、議会の条例制定によることとするよう根本的な見直しを求める

2018年7月28日土曜日

化け物のように強大化している安倍晋三の権力

世に倦む日々」氏が27、「化け物のように強大化している安倍晋三の権力 - 過小評価するな」という記事を出しました。同氏は、25日にも、「岸田文雄の総裁選不出馬 - 安倍晋三の狙いは無投票、四選、永久独裁」とするブログを発表したばかりで、この人がこんな短い間隔で論文を発表するのは(最近では)極めて珍しいことです。 
 
 25日のブログは概略以下のような内容です。
『5日の「赤坂自民亭」の酒宴は、本来、総裁選に向けての政局の一環として仕掛けられた行事で、次回の政権禅譲を約して降ろさせた岸田文雄が安倍三選支持に旋回することを党内外にデモンストレーションするだった。
 残る対抗馬は事実上石破茂一人になるが、安倍は、彼の立候補を妨害し阻止出馬断念に追い込もうとしている。そもそも石破なぜ3年前の総裁選で出馬を辞退したのか不明で、この3年間総裁への活路を開く努力は何もせず、全く無駄にしてきた。
 安倍が岸田に政権の禅譲を約束したのは「誑かし」であり、その本心は四選であって、永久に権力を手放さないこと。9条改憲を実現し、中国と戦争を始め、1930年代の原状に戻して岸信介の夢を果たすことだ8月以降、北朝鮮非核化の具体的進展がなければ、再び9条改憲の攻勢が政局の主舞台に浮上する公算が高い。
 安倍の公約では、2020年を新しい憲法を施行する年にすると言っている。そのためには2019年中の発議が必要で、巷間取り沙汰されているのは、来年2019年の通常国会で発議、7月の参院選を衆院選とダブルにして、国民投票も同時に強行するというトリプル選の目論見んでいる筈』
というものです。
 
 27日のブログはそれを補足するもので、岸田氏が25日に(安倍氏との間で決まってはいたものの)急遽、総裁選不出馬を表明した背景についての、「世に倦む日々」氏一流の考察がメインです。
 
 岸田氏は、724日の夜、岸田派若手の宴席に現れ彼らの前で滔々と天下国家の持論を垂れ、出席したたちはこれで岸田氏も出陣に腹を括ったと歓んだそうですが、その直後一転して安倍氏に電話して不出馬の意向を伝えたのでした。週刊朝日はこの行動を「謎」と見立てていますが、現実は、岸田が安倍に電話したのではなく、岸田出陣で盛り上がっていることをスパイから知らされて激怒した安倍が岸田に電話を入れ、「おまえ降りたんじゃないのか明日(25日)中に記者会見を開いて不出馬を表明しろ」と厳命したのに違いない、というのが「世に倦む日々」氏の推理です。
 そうであれば全てが納得でき、謎はなくなります。それにしても安倍氏は岸田氏の存在など歯牙にも掛けていない訳で、その権力は突出していますす。
 
 そのあとは、安倍氏がなぜ「無競争での当選」を必死に画策しているのかの理由を明らかにし、それによって三選後の3年間の安定を確保し、そののちには4選を狙うという流れを明らかにしています。
 
 それが「化け物のように強大化している安倍氏の権力」の実態であり、憲法改悪を完遂しよとする安倍氏の真の姿でもあります。
 決して過小評価することはできません。
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化け物のように強大化している安倍晋三の権力 - 過小評価するな 
世に倦む日々 2018年7月27日
岸田文雄の総裁選不出馬について、幾つかのマスコミが裏話を披露する政界記事を配信している。(1)週刊朝日、(2)東洋経済オンライン、(3)読売新聞。虚実があり、憶測があるだろうが、浮かび上がるのは岸田文雄の優柔不断と覚悟の無さであり、戦略の欠如と見通しの甘さである。三つの記事には書かれてないが、どうやら岸田文雄は派閥を完全に掌握していなかった事実が透けて見える。派内は二つに割れていて、若手議員を中心とする主戦論の組と、降りて恭順しようというベテラン議員の組があり、岸田文雄は派内を一つの意思で纏めていなかった事情が推察される。傍目から見れば、7月5日夜の「赤坂自民亭」の酒宴への出席は、どう考えても安倍三選支持の意向の示唆であり、だからこそ、安倍側近の西村康稔がその証拠写真をツイッターで発信して宣伝したのだし、論功行賞を狙った片山さつきが大騒ぎしたのだろう。6月18日に安倍晋三と赤坂の料亭で会談した時点で、岸田文雄の腹の中は半ば決まっていたと言える。それにだめ押しするのが7月5日夜の機会で、恭順臣従の意思表明だった。 
 
常識的にはそのように解釈される。恭順の選択を岸田文雄に説いていたのは、あの酒盛りの証拠写真が物語るように、閣内にいる小野寺五典や上川陽子らベテラン組に他ならない。この連中は、所属は岸田派(宏池会)だけれど、実質的に安倍晋三の直臣であり、事実上の安倍派の構成分子で、安倍晋三や菅義偉の手先となって岸田派の内部を密偵したり撹乱し、岸田派を分断して無力化する工作員の役割を果たしているのだろう。彼らベテラン組からすれば、7月5日夜の宴会で決着がつき、やれやれ一段落というところだったのだろう。ところが、週刊朝日の記事によると、7月24日の夜、岸田派若手の宴席に現れた岸田文雄は、彼らの前で滔々と天下国家の持論を垂れ、出席した者たちは、これで岸田文雄も出陣に腹を括ったと歓び、「ついに決起だ」と盛り上がったとある。そして、その直後、一転して安倍晋三と電話で連絡を取り、不出馬の意向を伝える動きに出た。週刊朝日の描写は、若手議員の証言をベースにしていて、この岸田文雄の行動が謎めいていて奇怪である。矛盾している。だが、この経緯の説明は、次のように読み直せば筋が通る。
 
岸田文雄が安倍晋三に電話したのではなく、安倍晋三が岸田文雄に電話を入れたのだ。おまえ、何をやっているんだと。降りたんじゃないのかと。この24日夜の岸田派の宴会の中にスパイがいて、安倍晋三か菅義偉に即密告と注進の電話を入れたのだろう。降りる内意を伝えられていた安倍晋三は激怒し、岸田文雄を電話で呼び出し、明日(25日)中に記者会見を開けと厳命したのに違いない。そうしないと三選後の処遇はないし、野田聖子のように掴んでいる(岸田文雄の醜聞となる)機密情報をマスコミに流すぞと。一喝され、脅された岸田文雄は縮み上がって恐懼し、その電話口で、必ず明日(25日)中に記者会見しますと平身低頭したのだろう。つまり岸田文雄は、派内のベテラン議員たちには恭順・三選支持の方針を伝えながら、若手議員たちにはいい顔をして、反旗・三選阻止の意欲を示していたのである。矛盾した二つの顔を演じていて、それが破綻して惨めに恥をかく始末となったのだ。おそらく、週刊朝日が報じているところの24日の岸田派の宴会というのは、恭順を固めている親分に再考を促し、出馬へと翻心するよう、親分を囲んで説得する集会だったのだろう。
 
前回の記事で論じたとおり、安倍晋三の思惑は、ポスト安倍の全員を出馬断念に追い込み、無投票で三選を決めることである。総裁選となれば、対立候補は必ず政策の違いを鮮明にさせ、安倍政権の6年間を批判する論陣を張る姿勢に出る。ハト派を標榜する宏池会から候補が立てば、アベノミクスの失敗が批判されるだろうし、安全保障政策でも異論が提起され、テレビの生討論で応酬し合う展開となる。石破茂と一騎打ちになった場合は、9条改憲が争点となり、3月に党憲法改正推進本部で行われた激しい論戦を再びやらなくてはいけない。3月の党の平場では、安倍改憲案で押し切ろうとする執行部側(細田博之)が圧倒的に数が多かったので、石破茂の「正論」が通ることはなかったが、生放送のテレビで一対一の論争となれば、石破茂が安倍晋三を論破することは目に見えている。知識の量が違う。だから、安倍晋三はそうした場面を作りたくないのだ。仮に投票結果がトリプルスコアで圧勝となったとしても、9条改憲の論争で石破茂に論破され、決定的な失態を演じてしまえば、秋国会で改憲論議を起こすことが難しい状況になる。2項を削除せよという石破茂の「正論」は、安倍改憲にとって鬼門なのだ。だから、石破茂の出馬も阻止したいというのが本音なのである。
 
さて、ここから、反安倍の左翼リベラル諸氏によく考えてもらいたいのだが、岸田文雄も野田聖子も、3年前は、まさか今年(2018年)の総裁選で出馬断念に追い込まれるとは思っていないのである。そんな図は予想しておらず、次こそは安倍晋三と自由に政策論争し合えると想定していただろう。現状、マスコミは、今度の総裁選は安倍晋三と石破茂の一騎打ちになると、さも既定事実のように報じているが、私は、安倍晋三は全力で石破茂の出馬阻止に動いてくると睨んでいる。あらゆる手段を講じて、身辺の弱みを握って脅し上げ、リークやデマを流して屈服に追い込んで行くと予想する。手を抜かないはずで、徹底的にやるだろう。安倍晋三からすれば、総裁選で政策論争をやるということが、自身の権力を弱めることであり、次からの権力の行使を制限づける契機になるのである。2015年の総裁選を無投票で突破したことが、この3年間の安倍晋三の権力強化を媒介している。そして、その3年間に2度の国政選挙に圧勝した。稿の前半に、岸田派の内部模様を論じたが、現在の自民党議員405名というのは、どれもこれも安倍晋三のおかげで当選を果たした者ばかりだ。派閥に所属していても、選挙に勝たせてくれる本当の親分は安倍晋三に他ならない。
 
岸田文雄も、野田聖子も、今年不出馬になるとは思ってなかった。逆に言えば、彼らは意思に反して不出馬に追い込まれたのであり、安倍晋三が権力で周到に追い込んだのである。ポスト安倍たちは権力闘争に負けたのだ。おそらく安倍晋三(と菅義偉)は、7月中に岸田文雄の不出馬を確定させ、8月は石破茂の攻略に全力を注ぐという、そういう計画を最初から立てていたのだろう。簡単な敵から一つ一つ順番に潰して、最後に大きな敵を潰すのであり、軍略として間違っていない。岸田文雄の無能を論うのは容易だが、看過してはいけないのは、安倍晋三の権力の強大さであり、簡単に倒すことができないという事実である。この6年間、反安倍の左翼リベラルは、終始一貫して、安倍晋三を矮小化して蔑む言論を続けてきた。日刊ゲンダイの見出しのような罵倒と嘲笑を安倍晋三に浴びせて満足してきた。それはそれでよいだろう。権力者への非難は罵倒の言葉となるものだ。だが、敵を矮小化することで、それを過小評価する錯誤に陥り、対象の正しい測定と認識を失ったということはないだろうか。安倍晋三の権力が時間と共に強大化している点を、反安倍側は正視しておらず、彼我の力の差を自覚していない
 
反安倍の左翼陣営も、6年間、安倍晋三と政治の権力闘争をしてきたのであり、選挙という戦いの場で敗北し続けてきたのである。「野党共闘」は3年間で2回負けた。次は勝利はできなくても善戦できるだろうと、安易に楽観していたところは、岸田文雄や野田聖子と同じである。ポスト安倍が安倍晋三の強権に圧殺されているように、反安倍の野党も安倍晋三の権力の前に惨敗を重ね、既成野党との力の差はどんどん開いているのだ。力の差がリアルタイムにどれほど開いているかは、世論調査の数字がインジケーターとして冷徹に教えている。そろそろ、目を覚ますときではないのか。私はずっと既成野党では安倍自民には選挙で勝てないと言い、受け皿にはならないと言い、永田町の外からの、カリスマ的指導者を擁するリベラル新党を対案として訴えてきた。そうした政治革命のイマジネーションを、そろそろ真面目に検討する時期ではないのか。反安倍側がいつまで経っても既成野党への支持に拘泥し、野党が結束すれば安倍晋三に勝てるという幻想から離れないのは、日々強大化している安倍晋三の権力への過小評価があり、慢心と思考停止があるからである。
 
しばき隊の水増しデモなどで対抗できると考えるのは、政治に無知な児戯の発想と言わざるを得ない。安倍晋三の権力は化け物のように巨大になっている。派閥は形式だけで実体はない。野党も同じだ。立憲民主とか国民民主とかの野党は、せいぜい5年前まで野党として通用し機能していた政党であり、今はとても安倍晋三の権力に対抗できる力はない。仕様が合わない。時代が違う。権力の構造が根底から変わっている。われわれは、政治革命を設計構想しないといけない。今すぐに。

杉田水脈・LGBT差別発言に 5000人が怒りのデモ

 杉田水脈衆院議員(自民党・細田派)は、14年の衆院選で次世代の党から出馬して落選しましたが安倍首相が「杉田さんは素晴らしい」と絶賛し、17年の総選挙に自民党の比例代表の公認候補として立てて当選させました。
 彼女の思想は安倍氏にそっくりと言われ、当選後も様々な発言で物議をかもしています(安倍氏は弁護士時代の稲田朋美氏のことも高く評価し、自民党議員に転身させました)。
 
 杉田氏が、月刊誌「新潮45」に、性的少数者(LGBTなど)に対し「生産性がない」などといった差別的な文章を寄稿した件については、国内のみならず海外メディアのCNNやBCC、アルジャジーラなどが取り上げて問題視し、さらにLGBTメディアである英「PinkNews」や豪「OUTInPerth」も杉田議員の主張を取り上げるなど国際問題に発展しているなかで、27日午後7時から、杉田議員の辞職を求める抗議活動が自民党本部前で行われ、自民党本部前抗議としては過去最大規模の5000人を超える人たちが集まりました。
 
 しかし当の自民党は杉田議員に対してなんらお咎めなしで、LGBT自治体議員連盟に所属する議員らが杉田議員に抗議する声明文を党に提出しましたが、党本部はその受け取りを拒否しました。
 今回の件についてはさすがに稲田朋美議員(や有本香氏)なども批判的な発言をしているにもかかわらず、杉田議員と安倍首相との間の齟齬はないようです。
 LITERAの記事を紹介します。
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杉田水脈と自民党のLGBT差別に5000人が自民党本部前で怒りのデモ!
自民党は抗議声明を受け取り拒否
LITERA 2018年7月27日
「杉田水脈は議員を辞めろ」「他人の価値を勝手にはかるな」「私の価値は私が決める」「This is pride!」
 
 怒りのレインボーフラッグが、東京・永田町の自民党本部前にたなびいた。〈LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がない〉と雑誌で主張している杉田水脈衆院議員の辞職を求める抗議行動が、本日19時より自民党本部前でおこなわれたのだ。
 しかも、参加者数は、自民党本部前抗議としては過去最大規模の5000人を超えた。抗議者は時間を経るごとに膨れあがり、自民党本部を取り囲むような勢いで拡大し、本部前の歩道だけではなく参議院議員会館にまで列が延びた。一方、警察もかなりの数の警官を投入し、参加者を迂回させるなどの過剰警備をしいた。
 
 杉田議員の差別的主張については、国内のみならず海外メディアのCNNやBCC、アルジャジーラなどが報道。さらにLGBTメディアである英「PinkNews」や豪「OUTInPerth」も杉田議員の主張を取り上げており、国際問題に発展しているが、本日の抗議には特定非営利活動法人「東京レインボープライド」も参加。Twitter公式アカウントでは参加の呼びかけがおこなわれた。
 しかし、当の自民党は杉田議員に対してなんらお咎めなしで、いまだに公式な見解すら示していない。その上、LGBT自治体議員連盟に所属する議員らが杉田議員に抗議する声明文を自民党本部に提出に出向いたが、なんと自民党は受け取りを拒否したという。
 
 この期に及んで、この態度……。杉田議員の発言や自民党の姿勢に怒りの声があがるのは、あまりにも当然のことだろう。杉田議員は〈全文を読んでから批判していただきたい〉と述べていたが、今回、問題になっている「LGBTは生産性がない」という主張のほかにも、杉田議員は〈LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか〉などとも記述していた。
 LGBT差別はない──。この主張もまた「差別」のひとつではないか。日本の法制度では異性婚は認められて同性婚は認められていない。その一点だけでも明確な差別があると断言できるが、安倍首相も「現行憲法の下では、同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない」などと国会で答弁。憲法14条の「法の下の平等」を考えれば同性婚を認めないことこそ憲法に反するとしか思えないが、安倍首相は普段は「現行憲法はGHQの押し付けられたもの」「みっともない憲法」などと批判して改憲を叫ぶのに、こんなときだけ現行憲法をもち出して同性婚の容認を拒否するのだ。
 さらに、自民党は同性パートナーシップ制度にさえ「慎重な議論が必要」といって後ろ向きな姿勢を見せている。ようするに、異性愛以外の性的指向を認める気がまったくないのだ。
 
 こうした法整備の遅れは社会の意識にも影響を与えている。実際、ゲイをお笑いのネタにするなどの差別、性別違和に対する無理解などが蔓延っている。現に、先日もお茶の水女子大学のトランスジェンダー受け入れのニュースに対し、杉田議員とも仲の良い作家の百田尚樹は〈よーし、今から受験勉強に挑戦して、2020年にお茶の水女子大学に入学を目指すぞ!〉と嘲笑するというあからさまな差別ツイートをおこなったばかりだ。
 しかも、杉田議員自身、2015年にチャンネル桜の番組に出演し、「LGBT支援論者の狙いは何?」というテーマで醜い差別発言をおこなっている。
 
 たとえば杉田は、同性パートナーシップ制度について「残念ながら渋谷区で可決されてしまいました」などと語り、今回問題となっている主張と同様にLGBT支援は不要だと強調。それは、「LGBTの知識を学校教育で教えるべきかどうか」と意見を求められたときのエピソードを語った際に飛び出した。杉田は「当然そんなものは必要ありません」と答えたというが、杉田は笑いながら、こうつづけた。
「(相手に)なんと言われたかというとですね、『同性愛の子どもは、普通に正常に恋愛できる子どもに比べて自殺率が6倍高いんだ』と。『それでも貴方は必要ないと言うんですか!』みたいなことを言われまして(笑)」
 
 性的マイノリティの自殺率が高いことは国内外で指摘されている深刻な問題だが、その事実こそがこの社会にある差別の根深さを物語っている。とてもじゃないが、笑いながらできるような話ではけっしてない。だが、杉田はその後も、こんなことを言い出す。
「思春期のころって、ほんとうにいろいろあるんですね。私も女子校で育ちましたから、周りがもう女性ばっかりなんですね。じゃあ、ちょっとかっこいい女の子がいたらラブレター書いたりとかね。(中略)でも、年を取っていくと普通に男性と恋愛できて、結婚もできて、母親になってってしていくわけです。その多感な思春期の時期に『いや、女性が女性を好きになるのはおかしくないですよ』『男性が男性を好きになるのはおかしくないですよ』『もっとみなさん堂々と胸を張って、そんな縮こまらずに、同性愛の人も胸を張ってましょう』という教育をしたら、どうなりますか(笑)? ちゃんと正常に戻っていける部分を戻っていけなくなってしまいますよね」
 
 思春期LGBT教育をおこなえば「正常」に「戻れなくなる」──。杉田議員は今回問題となっている寄稿文でも〈「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません〉などと書いているが、杉田が当たり前のように振りかざすこの異性愛中心主義の考え方こそがLGBT当事者を苦しめ、高い自殺率の引き金となっている。にもかかわらず、それが「普通」「常識」と言って憚らず、LGBT教育が不要であることの根拠にするのだ。
 ようするに、「LGBT差別はない」と主張する杉田こそが、一貫して差別をおこない、煽動してきた張本人なのである。しかも、現在の杉田の立場は、自民党所属の衆院議員という国会議員だ。為政者がこのような認識を喧伝することは到底看過できるものではなく、自民党本部前で抗議がおこなわれるのは当たり前の話だ。
 
 だが、今回の抗議行動をめぐっては、「LGBTの政治利用だ」「LGBTを排除するなと言いながら杉田議員を排除するのか」といった批判もネットで散見された。そこには、LGBT当事者の意見もあった。
 しかし、国会議員がマイノリティを攻撃するような差別言辞を公に発表したとき、黙ったままではそれを容認してしまうことになる。当事者であろうがなかろうが、このような議員に辞職を求め、差別を許さないと声を上げていくことで社会を変えていくしかないし、事実、そうやって社会は変わってきた歴史がある。
 
 しかも、杉田議員の「生産性」で公的支援の対象か否かを判断する考え方は、LGBTや子どもの有無にかぎらず、さまざまな理由から働くことができない人や高齢者、障がいをもつ人などにも当てはまる、誰もが当事者の問題だ。
 事実、杉田議員の問題を取り上げた同じ自民党の小野田紀美参院議員は、こんなトンデモな主張を展開している。
〈憲法で定められた国民の義務は『勤労、納税、教育を受けさせること』。義務を果たしていれば権利を主張して良いと思うし、どんな生き方をしようとどんな考えを持とうと、それが犯罪でなければ個人の自由だと私は思っています〉
 中学公民からやり直せとしか言いようがないが、憲法で保障された人権は生まれながらにして誰もがもつものであり、義務を果たした結果に与えられるようなものでは断じてない。しかし、これを問題視し、基本的人権を制限しようというのが自民党の方針なのだ。実際、生活保護バッシングの急先鋒となった片山さつき参院議員は〈国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です〉とツイートしている。
 
 働いて納税する人間にしか人権はない。「生産性」のない人間に支援は必要ない。安倍政権でどんどんと広がっていくこうした自民党の主張の恐ろしさに対して、自民党本部前に人びとは詰めかけて「NO」を突きつけたのだ。
 
 問題は自民党の対応だ。杉田議員は安倍首相が「素晴らしい」と大絶賛して自民党に引き入れた経緯を考えると、党としての見解も出さずに無視しつづけるのだろうが、もはや国際問題にまで発展しているのだ。杉田議員の主張はもちろんのこと、与党として責任を果たさないという問題ももっとクローズアップされるべきだろう。(編集部)