2017年1月12日木曜日

国連越境組織犯罪防止条約はテロ対策と無関係

 安倍首相は10日、共同通信社の単独インタビューを受けて、共謀罪の盛り込みを主要な内容とする「組織犯罪処罰法改正案」を成立させなければ、テロ対策で各国と連携を取る「国際組織犯罪防止条約」を締結できずに、「2020年の五輪・パラリンピックが開催できなくなる」と述べました。
 この「共謀罪」を成立させないと「国際越境組織犯罪防止条約」を批准できないという論法は、小泉内閣時代に3回国会に提案されたときの政府側の言い分のままですが、それが全くのゴマカシであることは当時から明らかにされていたことでした。
 
 例えば「テロ対策を名目とする共謀罪法案に反対する!-国連組織犯罪防止条約批准のためには共謀罪法制は必要不可欠ではない-」(海渡 雄一弁護士)によれば、
第1 テロ対策と共謀罪を結びつけるのはまちがい
           ・・・・・・・・・・
 3 国連越境組織犯罪防止条約はテロ対策と無関係である
  (1) 条約の目的は経済的な組織犯罪の取り締まりに限定されている
・・・・ そもそも国連越境組織犯罪防止条約が規制の対象としている「越境組織犯罪」とは国境を越えて活動しているマフィアや麻薬の密輸,人身売買などを繰り返している集団の行う経済犯罪である。このような越境組織犯罪に国際社会が立ち向かうために準備されたのが,同条約である。同条約はテロリズム対策のものではない。
     国連越境組織犯罪防止条約第2条は「組織的犯罪集団」の定義として、・・・・テロリズムは,組織犯罪ではないということが国連条約における重大な前提となっているのである
とされています。(上記文書は昨年9月に法案が上程される想定に備えて8月に発行されたものですが、その論理はいうまでもなく以前からありました)
 
 当時自民党幹事長などを務めていた安倍氏がそれを知らない筈はないのに、「共謀罪を成立させないと同条約を批准できない」などと平然と口にできるのは、まさに「息をするようにウソを吐く」といわれる安倍氏ならではのことです。
 
 勿論テロ対策はテロ対策法で対処すれば済むことです。
 もしも戦前の治安維持法に匹敵する法制が「五輪・パラリンピック」には必要というのであれば、それこそは「悪の祭典」ということになりかねません。
 
 ここでもやはり「まるこ姫」に登場願うことにします。
 文中の太字強調部分は原文によっています。末尾の「ゆ党」という言葉は、野党(や党)と与党(よ党)の中間という意味で、植草一秀氏が命名したものです。
    (関係記事)
2016年8月28日 政府 共謀罪の名称を変えて提出を検討 テロ防止口実に
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五輪と共謀罪はセットと安倍首相は言うが、
そこまでして財政負担ばかりの五輪はやりたくない
まるこ姫の独り言 2017年1月11日
安倍首相がとうとう隠していた牙をむきだして来た。
やっぱり安倍首相は、オリンピックにかこつけて共謀罪を成立させたい思いが強いようだ。
 
  共同通信社の首相インタビューに関する記事の写真 (添付省略)
 
たった二週間程度の5輪の為に、多くの識者が危険視している共謀罪が必要なら、そんな5輪など潔く辞退しよう。
5輪も当初言われていたような予算の3倍もの巨額がかかり、どこの周辺自治体も自分のところだけは出したくない意向のようだし、5輪とセットにしての共謀罪などもってのほかだ。
 
5輪は2週間で終わるが、共謀罪という今までになかった恐ろしい法律と、5輪の為の莫大な財政赤字は未来永劫残り、次の世代の負担となる。
 
莫大な財政負担と国民生活を縛る共謀罪を作った我々世代は未来の人達に永遠に恨まれるのだろう。
なぜもっと抵抗してくれなかったのかと。。。
なぜ自公に大きな力を与えてしまったのかと。。。。
 
オリンピックも、季節の良い10月11月にやるならまだ選手の負担が抑えられるが、東京のどこにいてもくそ暑い8月の真っ盛りに開催すると言う。
選手ファーストを考えるなら正気の沙汰とは思えないし、オリンピックは口実で、安倍政権の「一丁目一番地」に加担する共謀罪は、私たち国民自身の生活が、どんどん息苦しくなる。
 
たった2週間の世界大運動会の為に、日本の未来を大きく変える、人々の人権まで脅かされる法律を作ってよいのか。
 
恐ろしい事に、二階幹事長は今国会で成立させると言っている。
自民党が成立させると公言するなら、もうこのシナリオは決まっているのだろう。
審議をするふりをしながら、いつも噛み合わない議論で終始する。
そして時を見計らって強行採決に出るのだろう。
 
またあの安倍首相は国会で、”わが党は結党以来、強行裁決を考えたことはない”と目が点になる様な答弁を平気でするのだ。
そして都合の悪い議事録はどんどん削除して、民進党も消極的に賛成して、後で訳の分からない言い訳をするのが目に見えている。
国会は自公と、ゆ党、野党民進党に乗っ取られたも同然だ。