世に倦む日々氏の掲題の記事を紹介します。
記事は前段で 先般イラン領域で墜落した米軍戦闘機F15の乗員を米軍が救出したというニュースが「虚偽」であったという衝撃的な事柄を記述します。
元国連主任査察官スコット・リッターは わずか1名の行方不明兵士の捜索救助に100名の「精鋭部隊」が大量投入されている点を不審視し、真相は(イランの)イスファハン近郊の地下貯蔵施設から濃縮ウランを奪取することと、地上侵攻用の拠点となる臨時基地を建設することが目的だったったと推理していることが紹介されています。
そしてこの作戦に使用された2機の輸送機は「特殊部隊専用」のMC130だったと特定し、着陸した際に地上の砂層が軟弱だったため重量超過で動けなくなり作戦遂行が不能になったため、極秘装備の証拠を消すべく米軍の手で輸送機を爆破したのだと推察します。
要するにトランプが、対イラン攻撃の「出口戦略」になると意図したかも知れない「濃縮ウラン奪取作戦」は失敗し、しかも核物質回収用器材を失ったため すぐには同じ作戦を再起動することが難しくなったということです。
記事の後段は、日本のメディアが米国追随一辺倒になっていることへの批判です。
例えばNHKが、イランの停戦合意のための「10項目」の条件の中に「レバノンに対するイスラエルの攻撃停止」が含まれていたことを「認知していなかった」という米国の主張を丸呑みする解説者(小谷哲男氏)を立てるだけではなく、NHKのキャスターが質問すらしないことなどを取り上げ、「アメリカの属国である日本では、この経緯を小谷哲男に〝解説″させ、生放送の番組キャスターが〝事実”として了承し、(二種類の「10項目」の存在が)既成事実化される次第となっている」と述べます。真実は、仲介国のパキスタンが正式に承認した「レバノンに対するイスラエルの攻撃停止」を含むの「一択」です。
ことの真相を追及して止まない世に倦む日々氏にとっては当然我慢できないことである筈です。「強者重視」の報道の偏向は世界共通の現象と思われますが、極右の高市政権が誕生した日本では絶対に放置できないことです。
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小谷哲男の前で平身低頭の広内仁 - アメリカの「情報戦」をNHKが垂れ流し
世に倦む日日 2026年4月14日
イラン戦争は第7週目(4/11-17)に入っている。日本時間の 4/2、「イランを石器時代に戻す」と国民向け演説で豪語していたトランプは、イランに対してSNSで、日本時間 4/7(火)午前9時までに米側に屈服するよう要求していた。さらにそれを日本時間 4/8(水)午前9時まで延長して脅迫を続けていたが、タイムリミットの1時間半前に、仲介国パキスタンが提案した「2週間の停戦」を受け入れると表明した。そして、4/11(土)にイスラマバードで停戦協議が行われる進行となったが、長時間の協議の末に合意に至らず決裂し、アメリカがイランに対する海上封鎖を発表して現在に至っている。結局、トランプが脅していたところの、発電所など民間インフラを破壊してイランを石器時代に戻す殲滅作戦は強行されず、仲介国を通じた停戦協議という方向に流れた。そうした展開に至ったのには理由があり、第6週目の 4/4 にイスファハン作戦とその失敗があった。
4/4、イラン上空を飛行していたF15が撃墜され、脱出して行方不明となったパイロット1名が米軍によって救出される事件が起きた。専門家の分析によると、この作戦は単なる救出作戦ではなく、それを偽装したところの濃縮ウラン奪取作戦であり、さらに地上侵攻用の拠点となる臨時基地を建設することが目的だったと言う。スコット・リッターは、わずか1名の行方不明兵士の捜索救助に100名の精鋭部隊が大量投入されている点を不審視し、これはネイビーシールズとデルタフォースが動員された大規模な特殊作戦の実施で、イスファハン近郊の地下貯蔵施設から濃縮ウランを奪取する作戦だったと推理し洞察する。したがって、輸送機はC130ではなく特殊部隊専用のMC130だったと特定している。スコット・リッターによると、2機のMC130は着陸した際に、地上の砂が予想外に軟弱だったため重量超過でスタックし、任務遂行不能となったため、積載していた極秘装備の証拠を消すべく、米軍の手で爆破したのだと言う。
スコット・リッターの説明どおりだとしたら、100名の精鋭部隊をどうやって回収したのか、積載重量のない空っぽのC130が飛んできて、問題なく同じ現場に着陸し離陸できたのか、イラン側から攻撃を受けなかったのか、そのあたりの詳細を知りたいが、イラン側からも特に情報がない。いずれにせよ、米軍が鹵獲を恐れて自ら爆撃し破壊した輸送機2機とヘリ4機という数は、あまりに装備兵員が大規模で、単に行方不明兵の救助だけが目的だったと考えるのは不自然だろう。トランプと米軍は、イランに対して「石器時代逆戻り」の殲滅作戦を脅しながら、その裏側で、濃縮ウラン奪取作戦を計画し、イランに脅迫した期限前に実行し、成功させて「出口」の達成を言い上げる思惑だったのだろう。が、スコット・リッターの観察では、作戦は失敗し、核物質回収に必要な器材を失ったため、すぐには同じ作戦を再起動することが難しくなった。私はこの分析が当を得ていると評価する。
トランプが急転してパキスタン仲介の停戦協議案に乗ったのは、乗らざるを得ない事情が発生したからで、4/4 の濃縮ウラン奪取作戦が失敗してしまい、次の作戦を立案するまで時間稼ぎする必要があったからだ。囮で脅しの「石器時代逆戻し」作戦は、爆撃機を大量に配備していつでも実行できる態勢は整えているものの、決行すればトランプとアメリカの立場も潰えるので、実際はできないのが本音なのだろう。「2週間の停戦」が切れるのは日本時間 4/22 だが、それまでの間、米軍が何もしないという想定はあり得ない。必ず何か作戦を立てて攻撃に出るし、並行してトランプが挑発や脅迫をやって陽動を試みるだろう。再び、態勢を万全にして濃縮ウラン強奪作戦に出る可能性も十分ある。小谷哲男は、4/4 の作戦では下手を打ったが、イランの防空体制が全く無力な実態が確認されたので、特殊部隊や空挺師団が空から再度急襲する上で支障はないと米軍は判断していると言っていた。
日本時間 4/8 にパキスタン提案の「停戦協議」で合意しながら、その合意事項(10項目)に入っていたところの、「レバノンを含む全戦線での戦闘停止」をイスラエルは守らず、逆にレバノンに最大級の猛攻撃を仕掛け、4/8 だけでベイルートを中心に300人以上を殺戮した。イスラエルはベイルートを第二のガザにする気だ。アメリカはそれを黙認した。10項目の停戦合意について、当初、アメリカ東部時間 4/8 1:32 am、トランプは「イランから受け取った10項目の提案は、交渉のための実行可能な基盤(workable basis)だ」とSNSで明言している。が、日本時間 4/9 になって、アメリカ側は、報道されている10項目はイランが示してきた最終案とは異なると難癖を言い始め、レービットが、当該10項目はイランが最初に示したもので、トランプによって「ゴミ箱に投げられた」と否定した。そう強弁しながら、「イランの最終案の10項目」は証示しなかったし、現在に至るまで”現物”を明らかにしていない。
高橋和夫や田中浩一郎が整理するとおり、報道された10項目は停戦協議の前提としての合意事項である。なぜそれが合意事項としてマスコミ報道に載ったかというと、仲介国のパキスタンが正式に承認した外交事実だったからに他ならない。いわばレフェリーの立場である仲介国がオーソライズした合意内容だから、当該「10項目」が発表されたのであり、アメリカ側が主張している「最終案の10項目」が表面に出ないのだ。すなわち「最終案の10項目の存在」なるものはアメリカ側の一方的な弁解であり、外交上根拠のない無意味な情報 - story - である。要するにCIAの「情報戦」だ。これは、イスラマバードで会談しても合意も妥協もする意思のないアメリカが、内外に向けて姿勢を示した佞悪な政治工作なのだが、イスラマバード会談そのものを潰したくないパキスタン、イラン、アメリカの三者の動機と利害が一致しているため、誰も何も言挙げせず、素通りして、イスラマバードの会議が儀礼的に開催されるところとなった。
アメリカの属国である日本では、この経緯を小谷哲男に〝解説″させ、生放送の番組キャスターが〝事実”として了承し、二つの「10項目」が既成事実化される次第となっている。無論、私自身は、小谷哲男の〝解説”に何も根拠がないとは思わないし、半分ほどの信憑性はあるかもしれないと考える立場だ。が、放送法第4条の「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」の原則に鑑み、放送倫理基本綱領の「公正で正確な報道」に立脚したとき、小谷哲男のコメントに何も反論せず、常識で生じる疑問点や矛盾点を掘り下げず、丸ごと〝真実”として受け取って公共の電波に垂れ流す報道キャスターの態度は大いに問題だろう。CIAの「情報戦」の配信役同然の小谷哲男の言説に対しては、どこまでも根拠とその妥当性を問うべきで、この場合なら、なぜ「最終案の10項目」をアメリカが提示しないのか、なぜ仲介国がオーソライズした外交合意をアメリカが一方的に否認するのかを小谷哲男に回答させるべきだろう。
一言でも二言でもキャスターが追及して根拠を質す場面を作れば、小谷哲男の説明は、アメリカの情報工作の性格と実相が浮き彫りになる。信憑性を失って相対化される。だが、テレビ局はそれをしない。テレビ局と小谷哲男がアメリカのプロパガンダの仲間であり、日本のテレビ局がアメリカのために日本国民を洗脳する任務を奉仕する情報工作機関だからである。以前も述べたとおり、日本のテレビ局は、軍事情報機関が「情報戦・認知戦」の作戦を遂行する装置となり現場となり果てている。番組によって差はあるが、イラン戦争の報道で特に偏向と歪曲が目立つのがNHKで、小谷哲男とNW9の広内仁の関係は、DCでのトランプと高市早苗の関係のコピーそのものだ。表向きは、アメリカ政治および日米安保の専門家と番組キャスターという関係だが、実態は主人と奴僕の上下関係そのものであり、ありがたいお言葉を頂戴すべく、広内仁が腰をかがめて上目づかいで小谷哲男の前で謙って傅いている。見ていられない絵だった。
4/9 のNHKの報道では、ベイルートで300人超がイスラエルの戦争犯罪で虐殺された件について、「ヒズボラへの攻撃で」と説明していた。イスラエルがヒズボラ勢力が猖獗する一帯を狙って空爆したという文脈で報道した。ニュースを見た視聴者は、犠牲になった300人超の半分か3分の1は、ヒズボラの関係者や家族だろうと想像する。その認識と了解にミスリードさせられる。が、一方、4/9 朝のモーニングショーでは、攻撃を受けた地区住民の証言が紹介され、ここはベイルート中心部の住居区で、ヒズボラとは全く無縁のエリアだと訴えていた。「ヒズボラを攻撃した」というのはイスラエルの言い分だ。それをそのまま公共放送で垂れ流し、イスラエルによる虐殺を正当化する手伝いをするとは何事だろうか。現時点では、英国やフランスの公共放送でもそこまで異常な報道はするまい。イスラエルは、ベイルートのガザ化(廃墟化)とレバノンの解体・併合を目論んでいて、そのために攻撃を続行している。それが正しい報道解説だ。
目を惹く情勢の変化として、日本のマスコミでは報道されないが、欧州諸国が反イスラエルへと舵を切り、その動きが奔流化している事実がある。デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなど北欧諸国がイスラエルの攻撃を非難する姿勢を明確にしていて、特にスペインが駐イスラエル大使を無期限召喚し、テヘランのスペイン大使館を再開した。今回のイラン戦争ではサンチェスの胆力ある行動が傑出して輝いている。トランプとネタニヤフを恐れず対峙した勇姿は素晴らしい。世界の平和をリードする活躍が目覚まく、堂々たるヒーローになった。