2018年9月4日火曜日

発がん物質 グリホサート基準を緩和した安倍内閣

 810米国サンフランシスコ州の裁判所が原告の訴えを認めてモンサント社に28900万ドル(約320億円)の支払いを命じる判断を下しました。
 
 訴訟で発がん性が指摘された除草剤は「ラウンドアップ」で、それは日本で広く市販されています
 ラウンドアップの有効成分はグリホサートで、その発がん性については、WHOの外部研究機関IARC(国際ガン研究機関)2015年3月、
「人の非ホジキンリンパ腫に対して限られた根拠があり、さらに動物実験では発がん性の明白な根拠がある」との結論を出しています
 グリホサートは発ガン性以外に、内分泌撹乱物質として生殖機能に影響を与える可能性があり、腸内細菌を損ないアレルギーなど自己免疫疾患の原因となります。
 
 ところが、日本政府は昨年1225日に、グリホサートの残留基準値を最大400倍も引き上げ小麦の残留基準値6倍に引き上げました当然、パンや麺類その他多くの食品中のグリホサート濃度が上がることになります。
 
 アメリカの言うことには何でも従う安倍政権の危険性がここにも表れています。
 植草一秀氏のブログを紹介します
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グリホサート基準緩和 安倍内閣の正体
植草一秀の「知られざる真実」 2018年9月 2日
モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」の使用ががん発症につながったとする損害賠償請求訴訟で、米国サンフランシスコ州の裁判所が本年8月10日に、原告の訴えを認めてモンサント社に2億8900万ドル(約320億円)の支払いを命じる判断を示したことを本ブログ、メルマガに記述した。
発がん性で320億円賠償責任のラウンドアップ https://bit.ly/2MlyRZw
 
カリフォルニア州で学校の管理をしていたドウェイン・ジョンソン氏が、校庭の除草と整備のためにモンサント社が開発した除草剤ラウンドアップを数年にわたって使用し、それが原因でがんの一種である悪性リンパ腫を発症したと訴えていた訴訟である。
カリフォルニア州裁判所の陪審員は、ラウンドアップの主成分である「グリホサート」に発がん性が考えられるにもかかわらず、モンサントはその危険を十分に伝えていなかったとして、全員一致で原告の訴えを認めたのだ。
 
「ラウンドアップ」は日本で広く市販されている。
ホームセンター、ドラッグストア、100円ショップなど、いたるところで市民が自由に購入できるようになっている。
しかし、米国の裁判所判断が示すように、健康被害が強く疑われている商品なのである。
ラウンドアップの大元の製造者は米国のモンサント社だ。
現在、モンサント社はドイツのバイエル社に買収されたため、独立企業としての社名は消えた。
しかし、その名は世界にとどろいている。
モンサント社は1901年に米国ミズーリ州で創業された企業で、1960-1970年代にベトナム戦争で米国軍が使用した枯葉剤を製造した企業である。
枯葉剤がどのような悲劇を生み出してきたかはよく知られている。
このモンサント社が開発し、製造しているのが除草剤「ラウンドアップ」である。
 
ラウンドアップの有効成分はグリホサートで、グリホサートの発がん性に対する懸念が高まっている。
2015年3月20日にWHOの外部研究機関IARC(国際ガン研究機関)がグリホサートをグループ2A ”probably carcinogenic to humans”(=おそらく人に発がん性がある)という上から二番目にリスクの高いカテゴリーに分類したことを発表した。
IARCはグリホサートについて、
「人の非ホジキンリンパ腫に対して限られた根拠があり、さらに動物実験では発がん性の明白な根拠がある」
との結論を示した。
 
この発表を受けるかたちで、米国カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA)は、2017年6月26日に、同州で定める通称プロポジション65の物質リストに発ガン性物質としてグリホサートを加えるとの声明を発表した。
カリフォルニア州の裁判所判断は、これらのプロセスを踏まえてのものであると考えられる。
グリホサートは発ガン性以外に、内分泌撹乱物質として生殖機能に影響を与える可能性があり、腸内細菌を損ないアレルギーなど自己免疫疾患の原因となる、あるいは神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性があると指摘されている物質で、世界的に使用禁止に向けての動きが活発化している。
 
こうしたなかで日本政府は真逆の対応を示している。
日本政府は昨年12月25日に、グリホサートの残留基準値を最大400倍も引き上げた。
遺伝子組み換え種子による農作物を摂取することの危険は、遺伝子組み換え食物自体が持つ危険性だけによるものでない。
遺伝子組み換え種子は、強力な除草剤に対する耐性を付与することを目的に開発されている。
強力な除草剤を散布しても枯れない種が遺伝子組み換えによって創作されている。
その結果として、遺伝子組み換え種子がもたらす農産物に、除草剤成分が強く残留することになる。
その除草剤成分の摂取が重大な健康被害をもたらす危険が警戒されるのだ。
除草剤成分の残留基準値が引き上げられれば、除草剤販売が容易になるから除草剤メーカーは歓迎する。
メーカーは政府に強い働きかけを行っている。
農家に対しては、除草剤を大量に散布しても生産物が規制で排除されることがないとアピールできる。
今回の基準値引き上げで、小麦の残留基準値は6倍に引き上げられた。
ヒマワリは400倍だ。
小麦はパンの主原料であり、基準が緩和されればパン摂取に伴うグリホサート摂取量が増す危険性が高まる
安倍内閣は日本の主権者の命と健康ではなく、ハゲタカ大資本の利益極大化のために行動していると言わざるを得ない。
(以下は有料ブログのため非公開)

04- 再来年のサマータイムは「不可能」 IT改修に4年 3000億円

 2020年の東京五輪・パラリンピックの暑さ対策の一環として、一部で「サマータイム」の導入の声が出ている中、IT(情報技術)機器にどのような影響が出るかを専門家が話し合うシンポジウムが開かれ、準備期間が短すぎるなどとして反対する意見が相次ぎました。
 立命館大の上原哲太郎教授は基調講演で「システム改修には4年は必要」として、20年の実施は「不可能だ」と述べました。また全体の改修費用は3000億円と試算しました。
 IT企業の業界団体の別所直哉・政策委員会委員長は「システム面の課題に目を向けている人は少なく、このまま実施されれば大きな事故が起きるのではないかと心配している」と、拙速な実施に反対しました。
 
 自民党はサマータイムを採用する場合、議員立法を考えていますが、情報法制研究所は近く、議論内容を自民党に伝えることにしています。
 東京新聞の記事を紹介します。
 
 それとは別に日刊ゲンダイは、EUが現在実施しているサマータイムは加盟各国から廃止への動きが拡大したため廃止の方向にあること、韓国でも「ソウル五輪」の時、サマータイム制度導入したものの、評判が悪く2年で廃止となったことなどを伝えています。
 日刊ゲンダイの記事を併せて紹介します。
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2年後のサマータイム「不可能」IT改修に4年3000億円
東京新聞 2018年9月3日
 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として政府が検討している「夏時間(サマータイム)」について、ITに詳しい学識者が二日、東京都内で検討集会を開いた。夏だけ時間を早めるためには、多くの時間と費用をかけて社会全体のITシステムを改修しなければならず、二年後の実施は難しいとの意見が相次いだ。 (吉田通夫)
 
 集会は、情報法やITを専門とする学者や企業関係者でつくる「情報法制研究所」が主催し、約百二十人が集まった。
 立命館大の上原哲太郎教授は基調講演で「システム改修には四年は必要」として、二〇年の実施は「不可能だ」と指摘した。企業や自治体のコンピューターシステムの時刻設定は、自動だったり手動のタイプが残っていたりと複雑だからだ。時刻を設定するタイプの家電にも対応しなければならず、全体の改修費用は三千億円と試算。コンピューターウイルス対策ソフトの自動更新といった決まった時間に作動するプログラムに、不具合が生じる可能性などの弊害にも触れた。
 
 会場に集まったシステム会社の社員らからも「為替など国際的にやりとりするシステムでは、海外側にも日本の時差を認識するよう設定を変えてもらわなければならず、非常に時間がかかる」などと懸念する声が相次いだ。
 IT企業の業界団体「日本IT団体連盟」の別所直哉・政策委員会委員長は「システム面の課題に目を向けている人は少なく、このまま実施されれば大きな事故が起きるのではないかと心配している」と、拙速な実施に反対した。
 情報法制研究所は近く、議論内容を自民党に伝えることにしている。
 
 
EUはサマータイム廃止へ それでも安倍政権は導入するのか
日刊ゲンダイ 2018年9月2日
 やっぱり、相当ヒドイ制度だということだ。日本が導入を検討しているサマータイム制度を、EUは廃止することになりそうだ。EUのユンケル欧州委員長が31日、廃止の意向を表明した
 EUは現在、3月の最終日曜日に時計を1時間進め、10月の最終日曜日に元に戻す制度を加盟28カ国に義務づけている。しかし、健康を害するため、加盟各国から廃止を訴える動きが拡大。フィンランドが廃止を提案していた。
 
 欧州委がEU市民にアンケートをした結果、460万件の意見のうち、84%が「廃止支持」だった。よほど、サマータイムにウンザリしていたということだ。ユンケル委員長は「何百万人もの市民が、もう時間を変更したくないと言っている。欧州委は彼らの言う通りにする」と表明した。
 
 欧州市民がサマータイムに「ノー」の意思表示をしたのも当然だ。利点はまったくないからだ。心身の健康をむしばみ、事故が増えることが分かっている。
 なのに、安倍政権は、2020年東京五輪のために「2年間限定」で、日本にも導入しようとしているのだからどうかしている。
 韓国でも1988年の「ソウル五輪」の時、サマータイム制度が導入されたが、評判が悪く、やはり2年で廃止となっている。
 
 日本でも、戦後、GHQの命令で1948年から導入されたが、51年にサンフランシスコ講和条約が締結されると同時に打ち切られた。主権が回復した途端、廃止したのは、よほど嫌われていたということだ。
 当時、サマータイムを体験した筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)がこう言う。
「評判はよくなかったですね。1時間、早く出社しても日本のサラリーマンは、早く帰宅できませんからね。夕方時間が余っても、余暇を楽しむ文化もなかった。東京五輪のために導入するとしていますが、わずか1カ月間のために2年間もサマータイム制度を実施するのは、合理的じゃありませんよ」
 
 暑さ対策ならば、サマータイムの導入よりも、オリンピックの開催時期を7月から10月にずらすことを考えた方がいいのではないか。 

2018年9月3日月曜日

首相の火炎瓶事件追及者の不審な事故に 「国境なき記者団」が声明

 いまSNS界では#ケチって火炎瓶」というハッシュタグが大流行しているということです。ハッシュタグとは#マークの次に記されたキーワードのことで、発信者が自由に付けられるものです。
 例えば「#ケチって火炎瓶」で検索すると、それの付いた記事だけが抽出されるので大いに効率的になります。
 
 ところで「ケチって火炎瓶」というのは、1999年の下関市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼したものの500万円の報酬に対して300万円しか払わなかったため、安倍氏の自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件のことで、そのハッシュタグが大流行しているというのは、その事実が多くの人たちに知れ渡っていることを示します。
 
 上記の記事はLITERAに掲載されたものですが、その事件を追っていたジャーナリストの山岡俊介氏が、今年、長い服役を終えて出所したブローカーが事件の真相を明らかにしたことを記事にしたものでした。
 
 ところがその後突然当のブローカーは行方不明になり、山岡氏は最近、新宿の駅の階段から転落し大けがをしました。
 その件に関して「国境なき記者団(RSL)」が28日付で日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならないとの声明を出しました
 RSLは例の「メディアの政権からの独立度」のランキングを毎年発表している組織(18年度は日本は世界で68位)でもあるので、日本のメディアが政権に忖度し、服従していることを懸念しての声明と思われます。
 ついに#ケチって火炎瓶」は海外にも知られるところとなったわけです。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散
日刊ゲンダイ 2018年8月31日
 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった。
 
 火炎瓶騒動とは、1999年の市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼し、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。国会でも指摘され、「#ケチって火炎瓶」のツイートが話題を呼び大炎上している。
 
 この事件を長年追及する山岡氏は8月7日夜9時ごろ、東京・新宿アルタから地下鉄駅に通じる階段上から転落。肩を骨折し、額を7針縫う全治1カ月の大ケガを負った。山岡氏に当時の状況を聞いた。
「後ろから押された感覚はありませんが、当時、私は酔っていたわけでも、体調が悪かったわけでもありません。体力には自信がある方ですから、普通なら踏ん張ったり何かにつかまろうとするはず。ところが、救急車を呼んでくれた方によると、前転するように上から下まで真っ逆さまに転げ落ちたといいます。私は過去に脅迫状を自宅に送り付けられたこともありますから、今回の一件も何かしらの力が働いたと疑わざるを得ません」
 
 RSFは声明で〈(山岡氏が)取材していた対象を考慮すると、このような不自然な転落は本格的な捜査に値するが、現在行われていない〉と指摘。〈日本のジャーナリストは、安倍首相が12年に政権を取って以来、自分たちに対する不信と敵意の雰囲気があると不満を抱いている〉と、安倍政権の報道に対する姿勢まで批判している。世界に拡散しつつある「#ケチって火炎瓶」疑惑。このまま放置していいのか。
 
「『報道の自由度ランキング』を年1回、公表するRSFは、第2次安倍政権の発足以降、日本のランク急落を憂慮しているのでしょう。十数年前の事件とはいえ、安倍首相はキチンと釈明しなければ、国際社会に不信感を与えるだけです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
 総裁選前だからと、ダンマリは許されまい。 

国連が「沖縄への基地集中は差別」と日本政府に勧告!

 30日、国連の人種差別撤廃委員会は日本の人権状況と政府の取り組みをまとめ、勧告を公表しました
 その中で、米軍基地の問題を「沖縄への差別問題」「沖縄の人権問題」として取り上げ民間地域での米軍機の事故に関して琉球・沖縄の人びとが直面している課題のみならず、沖縄の女性に対する暴力の報告にも懸念しているとして、琉球・沖縄の人びとに適切な安全と保護を確保し、加害者に対する適切な起訴と有罪判決が確実になされることを締約国が保証するよう勧告するとしました。
 これは要するに不平等極まりない日米地位協定の見直しに向けた取り組みを行うよう、日本政府に要求したものです。
 
 日本政府はこれまで国連の人権理などが日本の検察制度などについて何度改善を勧告しても、その都度「問題はない」と木で鼻を括るような回答を繰り返して来ました。それは、アメリカの言うことなら、「カラスをサギと言い、黒を白と言う」ことでも何でも受け入れるのとは対照的な「ふてぶてしさ」でした。
 しかし、この「日米地位協定の見直し」については、8月14日に全国知事会からも具体的に要求が出されたばかりであり、この世界一遅れている協定の見直しはもはや避けることは出来ません。
 
 国連人権理や人種差別撤廃委などの 言わば良識の府の勧告を常に無視し、史上空前の侵略国家であるアメリカの言い分にのみ従っていては国がまともになる筈がありません。
 安倍政権は今度こそ大いに悔い改めてこの問題に取り組むべきです。
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国連が「沖縄への基地集中は差別」と日本政府に勧告! 
沖縄の民意を無視し辺野古移設強行する安倍政権に国際社会もNO
LITERA 2018年9月1日
 昨日8月31日、沖縄県が辺野古の埋め立て承認を撤回する通知書を沖縄防衛局に提出した。今月8日に死去した翁長雄志知事が7月に承認撤回の手続きに入ったことを発表していたが、これは翁長氏の遺志であると同時に、前回知事選で県民が翁長氏に託した「辺野古新基地反対」という意思だ。
 政府は撤回の執行停止を申し立てる方針だといい、沖縄の民意を踏みにじる政治姿勢をあらためる様子はまったくない。だが、こうした政府の姿勢に、国際社会が厳しい目を向けている。8月30日、国連の人種差別撤廃委員会は日本の人権状況と政府の取り組みをまとめ、勧告を公表。同委は米軍基地の問題を「沖縄への差別問題」「沖縄の人権問題」として取り上げたのだ。
 
 まず、今回の勧告では、同委や他の人権機関から琉球・沖縄の人びとを「先住民族」と認めて権利の保護するよう勧告を受けてきたにもかかわらず、政府がその勧告を受け入れていない状況への懸念を示した上で、こう続けている。
〈米軍基地の存在により、民間地域での米軍機の事故に関して琉球・沖縄の人びとが直面している課題のみならず、沖縄の女性に対する暴力の報告にも懸念している〉
〈当委員会は、女性を暴力から守ることを含め、琉球・沖縄の人びとに適切な安全と保護を確保し、加害者に対する適切な起訴と有罪判決が確実になされることを締約国が保証するよう勧告する〉(翻訳は編集部による)
 
 米軍機の事故や繰り返され続けている女性への暴力に対して、日本は適切に対応するように  。ご存じの通り、沖縄では米軍機の墜落事故をはじめ、小学校や保育園への落下物事故が相次いでいる。さらに2016年には米軍属の男による女性殺害・死体遺棄事件も起こった。だが、こうした事故・事件が発生しても、安倍政権はまったくと言っていいほど対応策を取ってこなかった。これを国連は問題視しているのだ。
 しかも、この勧告では、〈加害者に対する適切な起訴と有罪判決が確実になされることを締約国が保証する〉ことを求めている。これは殺人などの凶悪事件やヘリ墜落などの大事故が起こっても日米地位協定に阻まれて捜査の主導権すらもてない状況を指摘するもので、つまりは不平等極まりない日米地位協定の見直しに向けた取り組みをおこなうよう、日本政府に要求していると言っていい。
 
 そもそも、同委では2010年にも沖縄への米軍基地の集中について「現代的な形の人種差別」と認定、「沖縄における不均衡な米軍基地の集中が住民の経済的、社会的、文化的権利の享受を妨げている」と指摘し、適切な対策を取るよう勧告していた。だが、日本政府はこうした沖縄の状況に対する勧告に対してことごとく聞く耳をもたず、時に開き直って正当化してきた。
 実際、国連人権理事会の特別報告者であるデービッド・ケイ氏は昨年、辺野古の新基地建設反対運動をリードしてきた沖縄平和運動センター・山城博治議長が逮捕・長期拘留されたことについて「不均衡な重い罪を科している」「抗議行動を萎縮させる懸念がある」と指摘。ケイ氏を含む3名の専門家らは日本政府に懸念を示した文書を送っていたが、日本政府の回答は「適切に対応した」「主張は完全に間違っている」というふてぶてしいものだった。
 そして、政府は沖縄を無下にするだけでなく、沖縄の状況を世界に発信した翁長知事にも刃を向けた。
 
翁長知事は国連で「沖縄の人々の自己決定権や人権が蔑ろにされている」と訴えていた
 翁長知事は2015年、国連人権理事会において英語でスピーチをおこない、基地問題は人権問題であると訴えた。
 
沖縄県内の米軍基地は、第二次世界大戦後、米軍に強制接収されて出来た基地です。沖縄が自ら望んで土地を提供したものではありません。沖縄は日本国土の〇.六%の面積しかありませんが、在日米軍専用施設の七三.八%が存在しています。
 戦後七〇年間、いまだ米軍基地から派生する事件・事故や環境問題が県民生活に大きな影響を与え続けています。
 このように沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされています。
 自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるでしょうか」
「私は、あらゆる手段を使って新基地建設を止める覚悟です」(翁長雄志『戦う民意』KADOKAWAより引用)
 
「間違っているのは私たちなのかどうか、沖縄の置かれた状況を世界の人々がつぶさに見て判断してほしい」──そうした思いから翁長知事は演説をおこなったが、しかし、この行動に菅義偉官房長官は「強い違和感を持っている」などと噛みつき、こう言い放った。
「19年にわたって多くの沖縄県関係者の協力を得ながら適正な手続きで進めてきた。そうしたことを踏まえない翁長知事の主張は国際社会で理解されないと思う」
 県民が選挙で「辺野古新基地建設反対」という明確な民意を示したのに、菅義官房長官は話し合いを求める翁長知事の面談を繰り返し拒否。その上、安倍政権は基地反対運動を強権的に排除する姿勢を強め、挙げ句、「翁長知事の主張は国際社会で理解されない」と断じたのだ。
 
 しかし、今回の国連人種差別撤廃委の勧告が示すとおり、「国際社会で理解されない」のは、自国民を蔑ろにする安倍政権の姿勢のほうなのである。
 今回出された勧告に法的拘束力はないとはいえ、日本は人種差別撤廃条約の締結国であり、勧告を無視することは国際社会からの不信をさらに強めることになる。これは日本に対する重大な警告だ。
 だが、それでも安倍政権は沖縄に「国に楯突くな」と言わんばかりに、基地の押し付けという苦痛を与えつづけていくことははっきりしている。沖縄では9月30日に知事選の投開票がおこなわれるが、この選挙が沖縄の分水嶺となることは間違いない。(編集部)

03- そこまでやるか安倍陣営 陰湿すぎる石破潰し

 日刊ゲンダイが「そこまでやるか安倍陣営…陰湿すぎる石破潰し“3点セット”」という記事を出しました。
 その3点セットとは、先ず、石破氏支持の竹下亘総務会長と同じく石破支持者の橘慶一郎副幹事長無派閥)の二人を15日頃まで沖縄知事選に張り付かせ、総裁選に関与できなくさせていることであり、次に地方議員には、首相サイド県連単位で支持を一本化するよう要請しただけでなく、地方組織から石破氏に講演依頼があっても党本部断るように仕向け、石破氏が出席を予定していた地方党員集会を相次いでキャンセルさせていることです。その一方で安倍氏は好きな時に地方に出かけて演説し、好きな時に地方議員を官邸などに招いている訳です。
 
 そうしたあからさまな選挙妨害に加えて、「党費を連続2年納めた20歳以上の党員に投票資格がある」の党則に反し、特例として入党1年目の党員にも投票権を与え、それによって投票できる党員を約16万人増やしました。それには勿論理由があって、新規党員の獲得数が最も多かったのが二階派=安倍支持)なので安倍首相に有利になるという判断があったのでした。
 まさに陰湿にして狡猾な手管です。しかもそれは「単に総裁選に勝つ」ためではなく、彼らの意識の中では「勝つのは当然として、圧倒的な大差で勝って石破氏に再起不能のダメージを与える」ために編み出したやり口の数々ということですからもう「絶句」ものです。
 恐るべき品格・品性の下劣さです。
 そんなトップになりふり構わずに一生懸命に迎合するとは、人間として恥ずかしくないのでしょうか。
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そこまでやるか安倍陣営…陰湿すぎる石破潰し“3点セット”
日刊ゲンダイ 2018年9月2日
 安倍首相と石破元幹事長の一騎打ちになる自民党総裁選の告示(9月7日)まで1週間。すでに勝利は見えているのに、安倍応援団は現職総裁の立場をフル活用し、あの手この手で石破潰しに躍起だ。
 
 8月31日、選挙対策本部を立ち上げた石破氏は、竹下派の参院側を率いる吉田参院幹事長、竹下総務会長らと会合を開き、結束を確認。しかし、頼みの竹下氏は、9月30日投開票の沖縄県知事選への対応で週明けから15日間程度、沖縄入りすることになっている。20日の総裁選当日まで、ほとんど沖縄にかかりきりになってしまうのだ。安倍サイドは石破陣営からキーマンを引きはがし、沖縄に送り込んでいる。
「石破支持を公言している無派閥の橘慶一郎副幹事長も、党から沖縄張り付きを指示されました。副幹事長は20人以上いるのに、なぜ橘さんなのか。表向きは、党の選挙対策委員会と沖縄振興調査会で事務局長を務めているというのが理由ですが、小泉進次郎筆頭副幹事長とも昵懇の橘さんを総裁選から遠ざける意図が感じられます」(自民党中堅議員)
 
 竹下、橘と、石破氏は頼りにする2氏を奪われた形だ。国会議員票の7割以上を固めたとされる安倍首相は、地方票でも石破氏を圧倒すべく、選挙妨害ともいえる横やりを入れているという。
「地方議員との会合を重ねている首相サイドは、県連単位で支持を一本化するよう要請しています。『個人的には石破さんを応援したい』と言ってくれる地方議員もいるのですが、地方組織から石破氏に講演依頼があっても断るよう、党本部にも圧力をかけているようで、石破氏が講演する予定だった党員集会のキャンセルも相次いでいます。日程が事前に漏れると潰されるので、地方集会の告知も大々的にできない。苦肉の策で、都道府県ごとに47本のビデオメッセージを作成して、石破氏の総裁選特設サイトで公開することにしたくらいです」(石破陣営関係者)
 
 安倍独裁を象徴する異様な総裁選だが、安倍陣営は「石破派を殲滅する」と気炎を上げているという。自分たちに都合がいいように、ルール変更までしてしまった。
 党則によれば、党費を連続2年納めた20歳以上の党員に投票資格がある。ところが執行部は、特例として入党1年目の党員にも投票権を与えることを決めたのだ。
「これで投票資格のある党員が約16万人増えます。安倍政権下では国会議員にノルマを課して党員拡大運動をしてきましたが、実は新規党員の獲得数が最も多かったのが二階派なのです。派閥として安倍支持を決めているので、新規党員の投票はそのまま安倍首相の得票に上積みされる見込みです」(官邸関係者)
 
 そこまでやるか、という陰湿さだ。政治ジャーナリストの山田厚俊氏もこう言う。
「自民党の総裁選は勝ち負けだけでなく、国民の前で自由な討論をすることで、党のイメージアップ戦略も担っていたはずです。仮にも一国のトップなら、オープンな場で堂々と論戦した上で勝ってもらいたい。石破氏が希望する討論から逃げ、地方議員と個別に会って票を囲い込む姿勢は古い密室政治そのもので、国民の不信を買うだけではないでしょうか」
 こんな選挙戦を見せられたら、安倍首相が圧勝しても、かえってイメージダウンになるだけだ。 

2018年9月2日日曜日

北朝鮮はCVID(完全・検証可能・不可逆的非核化)を受入れていない

 北朝鮮は、アメリカは核兵器やミサイルを持っても良いが北朝鮮はダメだという論理を認めていませんし、アメリカの要求に従って徹底的な核査察を受けた挙句に攻め滅ぼされたイラクの悲劇を眼前にしたので、アメリカ体制側が執拗に要求したCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)は最後まで受け入れていません。現実に6月の米朝の共同声明ではCVIDへの言及はありませんでした。
 北朝鮮が強く望んでいるのは、イラクと同じ目に会わないという保障であり、先ずは朝鮮戦争の休戦協定を平和条約にすることです。そして北がミサイルや核兵器の廃棄に向けた作業を行えばアメリカもそれなりの対応を示すべきであるというものです。
 
 北朝鮮は当初廃棄に向けてそれなりの行動を行いましたが、それに対するアメリカ側の見返りは皆無で、中国と北朝鮮の連携を非難し、ひたすらCVIDを要求し続けるだけでした。
 アメリカの調査組織「ノース38」は、航空写真の分析からその後は廃棄作業が行われていないとしていますがそれは当然であり、これでは北の核・ミサイルの廃棄は進みようがありません。
 
 WP(ワシントンポスト)は、8月下旬に予定されていたポンペオ米国務長官の訪朝が直前に中止されたのは、北朝鮮から「好戦的」な書簡が届いたからとの見方を報じました。
 CNNによればそれは金英哲・朝鮮労働党副委員長からポンペオ氏宛て書簡で、「非核化が進展しないのは米国が北朝鮮との平和協定の締結に向けて取り組まず、北朝鮮の期待に応えていないからで、非核化交渉は危機に面しており、瓦解の恐れもある」という内容ということです。
 アメリカにひれ伏すのが当たり前という考え方からすれば「好戦的」に見えるのかもしてませんが、内容はただ客観的な事実を述べているだけのものです。
 
 日刊ゲンダイに孫埼享氏の「北朝鮮は『完全で検証可能、不可逆的な非核化』はしない」とする記事が載り、そのなかで豪州の学者による「核時代にあって北朝鮮の独特な点は、どんな国よりも長く(米国の)核の脅威に常に向き合い、その陰に生きてきたのである。1991年に米国が韓国から核兵器を撤収しても、米国は北朝鮮を標的とするミサイル実験を続けてきた」、「2003年の大統領令に基づき、イラン・北朝鮮の核施設を破壊する目的で核兵器の使用を許可する軍事計画が作成されている」との指摘が紹介されています。
 米朝合意から逸脱しているのはむしろアメリカの方と思われます。
 
追記)安倍首相は最近のトランプ氏との電話会談で、北が核・ミサイルを完全に廃棄しなければ朝鮮戦争を終結させるべきではないと述べたということですが、それは事態への認識を欠いた無責任な発言です。
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 日本外交と政治の正体
北朝鮮は「完全で検証可能、不可逆的な非核化」はしない
孫崎 享 日刊ゲンダイ 2018年9月1日
 トランプ米大統領は8月24日のツイッターで、ポンペオ米国務長官が予定していた訪朝を中止するよう指示したことを明らかにした。その理由について、トランプは「現時点では、朝鮮半島の非核化に関して重要な進展が見られないからだ」と不満を表明したという。ポンペオは前日の23日に訪朝を発表したばかりで、突然の取り消しは極めて異例といえる。
 
 私はこのニュースを聞いて何の驚きも感じなかった。当然の成り行きだからだ。
 第2次大戦以降、核兵器による攻撃の恐怖に最もさらされてきた国はどこかといえば、北朝鮮である。豪州の学者のマコーマック氏は「核時代にあって北朝鮮の独特な点は、どんな国よりも長く核の脅威に常に向き合い、その陰に生きてきたのである。1991年に米国が韓国から核兵器を撤収しても、米国は北朝鮮を標的とするミサイル実験を続け得てきた」と記述している。さらに、2003年1月の大統領令に基づき、イラン・北朝鮮の核施設を破壊する目的で核兵器の使用を許可する軍事計画を意味する「CONPLAN8022」が作成されている
 
 こうした米国の核兵器攻撃の可能性に対し、どこまで有効であるかは別として、北朝鮮が核兵器にミサイル開発で対抗しようとするのは、軍事戦略として当然の選択である。
 従って、米国が北朝鮮の完全な非核化を求めるのであれば、「北朝鮮が軍事攻撃しない限り、米国から核兵器を含む軍事攻撃をしない」という保証を与える必要がある。その具体的な策は、①朝鮮戦争の休戦協定を平和条約にして、その中で相互の武力不行使を宣言する②国際的な核兵器の先制攻撃使用を禁止する、などがある。一時、米国が朝鮮戦争の休戦協定を平和条約にすることを検討しているという報道もあったが、今、この動きはない。
 
 米国が北朝鮮に対する先制的核兵器使用をしないという約束をしない限り、北朝鮮が完全な非核化に向かうことはないのである。
 問題は「北朝鮮が完全な非核化に向かうことはない」ということが明確になった時、トランプはどういう選択をするかである。
 ひとつは「裏切られた。米韓軍事演習を再開し、北朝鮮に圧力をかけよう」という選択。もうひとつは「北朝鮮が米国を攻撃することはないから、まあいいか」という判断である。今後のトランプの動きに注目したい。 
 
孫崎  外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。