日刊ゲンダイが「そこまでやるか安倍陣営…陰湿すぎる石破潰し“3点セット”」という記事を出しました。
その3点セットとは、先ず、石破氏支持の竹下亘総務会長と同じく石破支持者の橘慶一郎副幹事長(無派閥)の二人を15日頃まで沖縄知事選に張り付かせ、総裁選に関与できなくさせていることであり、次に地方議員には、首相サイドが県連単位で支持を一本化するよう要請しただけでなく、地方組織から石破氏に講演依頼があっても党本部が断るように仕向け、石破氏が出席を予定していた地方党員集会を相次いでキャンセルさせていることです。その一方で安倍氏は好きな時に地方に出かけて演説し、好きな時に地方議員を官邸などに招いている訳です。
そうしたあからさまな選挙妨害に加えて、「党費を連続2年納めた20歳以上の党員に投票資格がある」の党則に反し、特例として入党1年目の党員にも投票権を与え、それによって投票できる党員を約16万人増やしました。それには勿論理由があって、新規党員の獲得数が最も多かったのが二階派(=安倍支持)なので、安倍首相に有利になるという判断があったのでした。
まさに陰湿にして狡猾な手管です。しかもそれは「単に総裁選に勝つ」ためではなく、彼らの意識の中では「勝つのは当然として、圧倒的な大差で勝って石破氏に再起不能のダメージを与える」ために編み出したやり口の数々ということですからもう「絶句」ものです。
恐るべき品格・品性の下劣さです。
そんなトップになりふり構わずに一生懸命に迎合するとは、人間として恥ずかしくないのでしょうか。
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そこまでやるか安倍陣営…陰湿すぎる石破潰し“3点セット”
日刊ゲンダイ 2018年9月2日
安倍首相と石破元幹事長の一騎打ちになる自民党総裁選の告示(9月7日)まで1週間。すでに勝利は見えているのに、安倍応援団は現職総裁の立場をフル活用し、あの手この手で石破潰しに躍起だ。
8月31日、選挙対策本部を立ち上げた石破氏は、竹下派の参院側を率いる吉田参院幹事長、竹下総務会長らと会合を開き、結束を確認。しかし、頼みの竹下氏は、9月30日投開票の沖縄県知事選への対応で週明けから15日間程度、沖縄入りすることになっている。20日の総裁選当日まで、ほとんど沖縄にかかりきりになってしまうのだ。安倍サイドは石破陣営からキーマンを引きはがし、沖縄に送り込んでいる。
「石破支持を公言している無派閥の橘慶一郎副幹事長も、党から沖縄張り付きを指示されました。副幹事長は20人以上いるのに、なぜ橘さんなのか。表向きは、党の選挙対策委員会と沖縄振興調査会で事務局長を務めているというのが理由ですが、小泉進次郎筆頭副幹事長とも昵懇の橘さんを総裁選から遠ざける意図が感じられます」(自民党中堅議員)
竹下、橘と、石破氏は頼りにする2氏を奪われた形だ。国会議員票の7割以上を固めたとされる安倍首相は、地方票でも石破氏を圧倒すべく、選挙妨害ともいえる横やりを入れているという。
「地方議員との会合を重ねている首相サイドは、県連単位で支持を一本化するよう要請しています。『個人的には石破さんを応援したい』と言ってくれる地方議員もいるのですが、地方組織から石破氏に講演依頼があっても断るよう、党本部にも圧力をかけているようで、石破氏が講演する予定だった党員集会のキャンセルも相次いでいます。日程が事前に漏れると潰されるので、地方集会の告知も大々的にできない。苦肉の策で、都道府県ごとに47本のビデオメッセージを作成して、石破氏の総裁選特設サイトで公開することにしたくらいです」(石破陣営関係者)
安倍独裁を象徴する異様な総裁選だが、安倍陣営は「石破派を殲滅する」と気炎を上げているという。自分たちに都合がいいように、ルール変更までしてしまった。
党則によれば、党費を連続2年納めた20歳以上の党員に投票資格がある。ところが執行部は、特例として入党1年目の党員にも投票権を与えることを決めたのだ。
「これで投票資格のある党員が約16万人増えます。安倍政権下では国会議員にノルマを課して党員拡大運動をしてきましたが、実は新規党員の獲得数が最も多かったのが二階派なのです。派閥として安倍支持を決めているので、新規党員の投票はそのまま安倍首相の得票に上積みされる見込みです」(官邸関係者)
そこまでやるか、という陰湿さだ。政治ジャーナリストの山田厚俊氏もこう言う。
「自民党の総裁選は勝ち負けだけでなく、国民の前で自由な討論をすることで、党のイメージアップ戦略も担っていたはずです。仮にも一国のトップなら、オープンな場で堂々と論戦した上で勝ってもらいたい。石破氏が希望する討論から逃げ、地方議員と個別に会って票を囲い込む姿勢は古い密室政治そのもので、国民の不信を買うだけではないでしょうか」
こんな選挙戦を見せられたら、安倍首相が圧勝しても、かえってイメージダウンになるだけだ。