2018年9月3日月曜日

首相の火炎瓶事件追及者の不審な事故に 「国境なき記者団」が声明

 いまSNS界では#ケチって火炎瓶」というハッシュタグが大流行しているということです。ハッシュタグとは#マークの次に記されたキーワードのことで、発信者が自由に付けられるものです。
 例えば「#ケチって火炎瓶」で検索すると、それの付いた記事だけが抽出されるので大いに効率的になります。
 
 ところで「ケチって火炎瓶」というのは、1999年の下関市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼したものの500万円の報酬に対して300万円しか払わなかったため、安倍氏の自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件のことで、そのハッシュタグが大流行しているというのは、その事実が多くの人たちに知れ渡っていることを示します。
 
 上記の記事はLITERAに掲載されたものですが、その事件を追っていたジャーナリストの山岡俊介氏が、今年、長い服役を終えて出所したブローカーが事件の真相を明らかにしたことを記事にしたものでした。
 
 ところがその後突然当のブローカーは行方不明になり、山岡氏は最近、新宿の駅の階段から転落し大けがをしました。
 その件に関して「国境なき記者団(RSL)」が28日付で日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならないとの声明を出しました
 RSLは例の「メディアの政権からの独立度」のランキングを毎年発表している組織(18年度は日本は世界で68位)でもあるので、日本のメディアが政権に忖度し、服従していることを懸念しての声明と思われます。
 ついに#ケチって火炎瓶」は海外にも知られるところとなったわけです。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散
日刊ゲンダイ 2018年8月31日
 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった。
 
 火炎瓶騒動とは、1999年の市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼し、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。国会でも指摘され、「#ケチって火炎瓶」のツイートが話題を呼び大炎上している。
 
 この事件を長年追及する山岡氏は8月7日夜9時ごろ、東京・新宿アルタから地下鉄駅に通じる階段上から転落。肩を骨折し、額を7針縫う全治1カ月の大ケガを負った。山岡氏に当時の状況を聞いた。
「後ろから押された感覚はありませんが、当時、私は酔っていたわけでも、体調が悪かったわけでもありません。体力には自信がある方ですから、普通なら踏ん張ったり何かにつかまろうとするはず。ところが、救急車を呼んでくれた方によると、前転するように上から下まで真っ逆さまに転げ落ちたといいます。私は過去に脅迫状を自宅に送り付けられたこともありますから、今回の一件も何かしらの力が働いたと疑わざるを得ません」
 
 RSFは声明で〈(山岡氏が)取材していた対象を考慮すると、このような不自然な転落は本格的な捜査に値するが、現在行われていない〉と指摘。〈日本のジャーナリストは、安倍首相が12年に政権を取って以来、自分たちに対する不信と敵意の雰囲気があると不満を抱いている〉と、安倍政権の報道に対する姿勢まで批判している。世界に拡散しつつある「#ケチって火炎瓶」疑惑。このまま放置していいのか。
 
「『報道の自由度ランキング』を年1回、公表するRSFは、第2次安倍政権の発足以降、日本のランク急落を憂慮しているのでしょう。十数年前の事件とはいえ、安倍首相はキチンと釈明しなければ、国際社会に不信感を与えるだけです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
 総裁選前だからと、ダンマリは許されまい。