2025年1月11日土曜日

訪問介護“空白”加速 事業所ゼロ107町村 半年で新たに10増(しんぶん赤旗)

 農水省発表に拠れば24年産米11月の相対取引価格2万3961円/玄米60kg)で、23年の長期的価格1万5315円(前)の実に56%もUPしました。

 24年8月ごろには米の供給量が激減しコンビニでは買えない事態になりました。こんな時こそ膨大な備蓄米を放出すべきだったのですが、政府はすぐに新米が出るからと放置していた結果がこの事態で、一旦上がった米の販売価格は新米が出ても維持されました。
 この米の高騰が「〝失政″による」ことは明らかで、主食の高騰による国民の困窮は計り知れません。
 それとは別に政府は24年4月に訪問介護基本報酬を2~3%引き下げました。訪問介護事業所は22年度の決算でも4割近くが赤字であったのに、理解しがたい暴挙でした。
 当然それ以後高齢者の在宅介護を支える訪問介護事業所の休廃止が加速し、事業所が一つもない自治体が、半年間で新たに10町村増え、昨年末時点で全国107町村にのぼりました(他に事業所が一つだけの市町村は272)。しんぶん赤旗の調査で明らかになりました(更新が遅い自治体もあり、今後さらに休廃止が増える可能性もあります)。
 この訪問介護基本報酬の2~3%引き下げ(総額は年間50億円)は、政府が『27年度までに43兆円の軍事費を捻出」するための処置の一環と思われます。

軍事を拡充するために国民生活が犠牲になる」という、防衛族が主導する「防衛至上主義(ないし軍国主義)」の実態がここに露呈されています。
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訪問介護“空白”加速 事業所ゼロ107町村 半年で新たに10
                    しんぶん赤旗 2025年1月10日
自公が報酬を削減 休廃止増の原因に
 高齢者の在宅介護を支える訪問介護事業所が一つもない自治体が昨年末時点で全国107町村にのぼることが9日、本紙の調べで分かりました。半年間で新たに10町村が事業所ゼロとなりました。自公政権による2024年4月の介護報酬引き下げ後、事業所の休廃止が加速しています。サービス提供がない“空白”地域では、高齢者が地域で暮らし続けることが難しくなっています。(本田祐典)



















 訪問介護事業所は、国の調査でも4割近くが赤字です(22年度決算で36・7%)。とくに高齢者宅を一軒一軒まわる中小の事業所は、利益を得ることが難しくなっています。

 ところが、自公政権は24年4月、訪問介護の基本報酬を2~3%引き下げました。引き下げ後の報酬は同6月ごろから事業所に支払われています。
 本紙は厚労省が8日夕に公表した全国の事業所一覧(24年末時点)をもとに、市区町村別に事業所数を集計。半年前に公表された事業所一覧(24年6月末時点)と比較しました。
 その結果、訪問介護事業所がない自治体が、半年前の97町村から107町村へと増加していました。事業所ゼロの自治体数を都道府県別にみると、北海道14(2増)▽長野県10(1増)▽沖縄県10(増減なし)▽高知県8(3増)―などです。

 事業所が残り1の自治体は、半年前の277市町村から272市町村になりました。事業所ゼロと残り1の自治体を合わせると、全自治体(1741市区町村)の5分の1超を占めます。
 全国の事業所数は半年前に比べて579カ所減り、3万4499カ所となりました。大手事業者が都市部で集中出店する一方、それを上回る規模で全国の既存事業所が休廃止に追い込まれています。
 事業所一覧の公表は年2回で、国は直近の状況を更新するよう都道府県に求めています。更新が遅い自治体もあり、今後さらに休廃止が増える可能性もあります

【解説】事業所倒産は政治災害
 訪問介護空白加速 直ちに報酬 引き上げを
 2024年の介護事業所の倒産件数が過去最多を更新し、そのなかで訪問介護事業者が最多の47%を占めていることは、訪問介護が抱える危機的状況を示しています。
 訪問介護は「在宅介護の要」と言われるにもかかわらず、ホームヘルパーの賃金や処遇は劣悪で、有効求人倍率が15倍という異次元の人手不足に陥っていました。そのもと「事業所の4割が赤字」の状態が続き、介護報酬の引き上げは欠かせませんでした。
 ところが自民・公明政権は昨年4月、訪問介護基本報酬を2~3引き下げ、業界に激震が走りました。人手不足の上に報酬減が追い打ちをかけ、倒産に拍車をかけました。々の事業所の休・廃止も増えています。自公政権の無策が引き起こした〝政治災害です。
 このもと「地域の介護資源を守らねば」と新潟県村上市のように、報酬引き下げによる事業所の減収を独自に補助する自治体が生まれています(本紙7日付既報)
 引き下げ撤回を求める地方議会の意見書は、中央社会保障推進協議会の調べで、愛知県議会など11県議会を含む累計208自治体に広がっています。介護報酬を元に戻すのに必要な予算は国費でわずか年50億円です。5年で43兆円の軍事費のごく一部をやめれば財源は生み出せます。まったなしの介護崩壊を防ぐためり政府は直ちに再改定に乗り出すべきです。
                                (内藤真己子)