ー昨年来 食料品の価格上昇は著しく、平均上昇率は、公表されている低めの値でも23年が15%、24年が17%で、25年も17%の予測ということです。肝心のコメに至っては低めの公表値でも24年10月には前年比で59%も上がりました。
実際の値上げ率はコメ以外では20~30%、コメに至っては2倍近くになっています。 しんぶん赤旗の〝共に生きる″のコーナーに掲題の記事が載りました。
東京杉並区でイタリア料理店を営む柿原嘉伸さん(66)の呼びかけでコロナ禍につくられた「西荻クリキンディ」は、21年5月から毎月第1日曜日に75食ほどの弁当を無料で配布しています。これは柿添さんがコロナ禍、営業自粛要請に応えて都から支給された感染拡大防止協力金を地域に還元しようと始たもので、メンバーは現在15人ほど。月2回、子ども食堂と学習支援をセットにした活動にも取り組んでいるということです。
大儲けをしている大企業や銀行などでは、人手不足対策を兼ねて大卒初任給を30万円超にするという話も伝わっていますが、生活保護費を増やしたり年金を増額するという話は出ていません。
コメをはじめとする諸物価の異常上昇というこの未曽有の事態で、政府は生活困難者への救援をしないで済むと思っているのでしょうか。
無用にして有害な「軍事費予算の大膨張」に奔るのではなく、困窮者への救援にこそ舵を切るべきです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
共に生きる 国が手を打たないから 困窮者に弁当配布続ける
「西荻クリキンディ」 (東京・杉並)
しんぶん赤旗 2025年1月12日
長引く物価高騰に賃上げが追いつかず多くの人が困難な暮らしを強いられるなか、毎月無料の弁当配布を続ける人たちがいます。東京都杉並区でイタリア料理店を営む柿添嘉伸さん(66)の呼びかけでコロナ禍につくられた「西荻クリキンディ」です。(津久井佑希)
松の内の5日昼前、西荻北中央公園(同区)には、弁当などを求める人たちの列ができていましだ。コロナ禍の2021年5月から毎月第1日曜日に実施しています。
この日、用意した弁当は天ぷらや肉団子野菜あんかけなどが入った75食。いつもより少し豪華?です。SNSなどで知らせて、約30分で配り終えました。レトルト食品や菓子、生理用品などの配布も好評です。
心が「ほわん」と
息子と共にほぼ毎月訪れるという女性(66)は、「弁当をもらうと心が『ほわん』とする」と笑顔で話します。数年前、職場を定年退職して嘱託勤務に。賃金収入は減り、年金と合わせても生活を切り詰めるようになったといいます。「食料品の値段がことごとく上がった。羽目を外さなければどうにか暮らしていけるけど」
4歳の息子をベビーカーに乗せて夫と並んでいた40代の女性が受け取ったのは、弁当と生理用品。「普通に生活できているけど、物価高で大きな買い物はできなくなった。生活が圧迫されているので、毎月使う生理用品を配ってくれるのは助かる」と話しました。
「西荻クリキンディ」は柿添さんがコロナ禍、営業自粛要請に応えて都から支給された感染拡大防止協力金を地域に還元しようと始めました。メンバーは現在15人ほど。月2回、子ども食堂と学習支援をセットにした活動にも取り組んでいます。政党などとのかかわりはありません。
米粒をつまんで
柿添さんが活動を始めるきっかけになる出来事があったのは、小学校給食を調理する仕事をしていた数年前。食べ終わった給食を1人で遅れて返しに来た少女は、食器のへりにこびりついた米粒を指先でつまんで食べていました。「初めて子どもの貧困を目の当たりにした。かなりインパクトが強かった」
昨年12月の弁当配布の片づけをしていたとき、30代の女性が訪ねてきたことがありました。コロナ禍で失業した女性は「苦しかったけど毎月の弁当配布に助けられました。今年中には仕事を始められそうです」と話し、帰っていきました。
「やってきたことに聞違いはなかったと思えた」。柿添さんは涙ぐみます
メンバーの一人、森田萌さん(78)は、柿添さんの店の常連客として来店するうちに活動を知りました。「子連れが多いのを見ると、物価高はこたえるんだと思う。少しでも助けになっていればうれしい」と話します。願いや祈りでは社会は変わらないと考える柿添さん。困窮者支援は本来、国がやるべきことだと強調します。「にもかかわらず、大した手を打たないから子ども食堂は増え続けている。いまの日本政府では『今後も同じか』と思ってしまう。われわれにできることをできる範囲で、この活動を続けていきたい」