2025年1月22日水曜日

22- 冨の集中さらに加速 オックスファム報告書 植民地主義の影響今も

 20~24日に開かれる世界経済ォーラムの年次総会(ダボス会議)に先立ち、スイスのダボスでは19日、「少数の人のための経済ではなく、すべての人のための経済を」などの横断幕を掲げた抗議デモが行われました。

 国際NGOオックスファムは20日、「富裕層の富は急増し、かつてない高さに達している」と格差拡大を告発する報告書を発表しました。
 報告書は、24年は、世界で新たに204人がビリオネア(資産1550億円以上)となり、ビリオネア以上の富裕層は23年から全体で約310兆円の資産を増やしたとしています。富の集中する速度は23年の3倍に加速し、最も裕福な10人は、1日平均15億5千万円を増やした計算だと述べました。
 昨年の報告書では、今後10年以内に「資産155長者が1人生まれるだろうと予測していましたが、このペースでは「5人」になると修正しました富の集中は留まるところを知りません。(分かりやすく、資産額は1ドル=155円で換算して統一表示しました)

 その一方新型コロナウイルスのパンデミックの傷」をいま背負い、日々の生活に苦闘している世界の貧困層人口は1990年以来ほとんど変わっていません。要するに世の中はどんどん悪くなっているということです。
 しんぶん赤旗が報じました。
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の集中さらに加速 オックスファム報告書 植民地主義の影響今も
                       しんぶん赤旗 2025年1月21日
 世界各国の首脳や経営トップが出席する世界経済ォーラムの年次総会(ダボス会議)の開会に合わせ、国際NGOオックスファムは20日、「世界各地で貧困はいくつもの危機に直面する一方、富裕層の富は急増し、かつてない高さに達している」と格差拡大を告発する報告書を発表しました。
 報告書は、2024年は、世界で新たに204人が億万長者(ビリオネア、資産10億ドル以上)となり、ビリオネア以上の富裕層は23年から全体で2兆ドル(約310兆円)の資産を増したとしています。富を増やした速度は、23年の3倍に加速し、最も裕福な10人は、1日平均1000万ドルを増やした計算だと述べました。
 富裕層の富の6割は、起業家精神で富を増やしたのではなく、続や縁故主義、汚職や独占によるものだと指摘。彼らは「富をつくる人ではなく、奪う人」だと述べました。

 昨年の報告書では、今後10年以内に「1兆長者(トリオネア、資産1兆ドル以上)」が1人生まれるだろうと予測していましたが、このペースでは「5人」になると修正。一方、世界の貧困層は、「支払い不能な債務、低賃金、はるかに高い物価」といった「(新型コロナウイルスの)パンデミックの傷」をいまだに背負い、日々の生活に苦闘していると指摘しました。世界銀行が公表している貧困層人口は1990年以来「ほとんど変わっていない」とも述べました。
 かつての植民地主義で西側諸国が旧植民地から吸い上げた富が、現在の経済格差に大きな影響を及ぼしているとも指摘。最も古い記録の残る1820年では、最も裕福な世界の上位10の所得は、最も貧しい下位50の所得の18倍でしたが、2020年には38倍となり、格差がさらに広がっていると強調しました。

 不公平な格差や瑞な富の蓄積を抜本的に改善するには、新たに国連が主導して富裕層へ国際的な課税を行うことが必要だと主張しました。