植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
昨年の兵庫県知事選などを通じ、選挙ではSNSが威力を発揮して「オールドメディアの敗北」などと言われるようになりました。
しかし植草氏は「実態としてはどちらも同根で、メディアを用いて人心を誘導する。この本質において違いはまったくない」とするとともに、「ニューメディア」でクローズアップされた面々を凝視すれば、軽薄な、中身の薄い紙っぺらの存在が、「メディア」の力によって浮上させられているだけであって、この面子はどう見ても既存権力とつながっているようにしか見えない」と述べています。
正にS知事などはその典型のように思われます。
記事は一転して、「自公の金属疲労が鮮明になっている。2009年のような本格的な政権交代を阻止しようと、人為的な「代替品」を用意することがいま行われていて、それが〝維新″、〝国民民主″の育成・強化、類似勢力の育成と〝立憲民主″の改変である」と述べます。いずれもその中身の「軽薄さ」で共通しています。
そして高橋清隆氏が『メディア廃棄宣言』のなかで、「ニューメディアを含めてメディア全体を疑う必要性を強調し、これからの戦いは1%対99%ではなく0 1%対1%の戦いである」と述べていることを紹介し、世界を支配するのは0・1%勢力の勢力で。この構造を理解する人間は全体の1%に過ぎない(かもしれない)。ニューメディアが作り出す政治の動きに対して眉に唾して見極めることが必要だ」と訴えています。
この1%の勢力の内容について本記事では説明していませんが、元記事の「1%対0.1%の戦い(高橋清隆氏)」では、
「インターネットの世界に埋もれている『知られざる真実』に気付く人の比率が1%。しかし、この1%勢力の潜在力は膨大だ。本当の真実に気付いているからだ。オールドメディアがはやし立てるニューメディアについて、根底から疑いの目をもって接することが重要だ」
と指摘しています。
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胡散臭い「SNSの勝利」説
植草一秀の「知られざる真実」 2025年1月10日
昨年来、政治に大きな変動が観測されており、2025年の変革が期待されている。
選挙ではSNSが威力を発揮して「オールドメディアの敗北」などと騒がれているが、私たちはそんな言葉に流されていないだろうか。
「オールドメディア」が敗北し「ニューメディア」が勝利すると言えば聞こえは良いが、実態としてはどちらも同根だろう。
メディアを用いて人心を誘導する。この本質において違いはまったくないと感じられる。
「ニューメディア」でクローズアップされた面々を凝視する必要があるだろう。
本当に世の中を刷新するような面子に焦点が当たっているか。むしろ逆だろう。
軽薄な、中身の薄い紙っぺらの存在が、「メディア」の力によって浮上させられているだけではないか。この面子はどう見ても既存権力とつながっているようにしか見えない。
自公の金属疲労が鮮明になっている。事態を放置すれば2009年のような本格的な政権交代が実現しかねない。これを阻止するのに何が必要か。
人為的なオルタナティブ=代替品を用意すること。この作業が懸命に行われている。
具体的には 維新、国民民主の育成・強化、類似勢力の育成と立憲民主の改変だ。
2009年の政権交代は画期的だった。
敗戦後日本の政治構造を根底から改新しようとする運動が開花したものだった。
鳩山民主党が目指したのは日本政治の刷新である。パラダイムシフトと言ってよい。
米国が支配する日本 官僚が支配する日本 大資本が支配する日本 を打破しようとした。
狙いが本格的かつ抜本的なものであったから激しい反発に直面した。
敗戦後日本を支配し続けてきた支配勢力が総力を結集して鳩山内閣の破壊に力を注いだ。
彼らが活用した最大勢力は民主党内に潜伏していた「守旧勢力」だった。
この「守旧勢力」を活用して鳩山内閣は政権内部から破壊された。
「オールドメディア」に打ち勝つという「ニューメディア」が支援する勢力は「革新勢力」=「改新勢力」ではない。新しそうな仮面をかぶった「守旧勢力」である。
維新、石丸現象、国民民主浮上、斎藤再選のすべてがこの文脈で理解可能だ。
従来のマスメディア支配よりもSNS等を中核とするニューメディアの方が人心コントロールに好都合。
オールドメディアとニューメディアの対立を演出して、日本の支配勢力が人心誘導のプラットフォームを旧メディアから新メディアに移動させているにすぎない。
高橋清隆氏が『メディア廃棄宣言』 https://x.gd/PfeNF を刊行されて訴えていることは、ニューメディアを含めてメディア全体を疑う必要性だ。
高橋氏はこれからの戦いは 1%対99%ではなく 1%対0・1% の戦いであると述べる。
世界を支配する0・1%勢力。この構造を理解する人間は全体の1%に過ぎないかもしれない。1%の真実を知る勢力が0・1%勢力による世界支配の構造を打破することができるか。
ニューメディアが作り出す政治のムーブメントに対して眉に唾して見極めることが必要だ。
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「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。