植草一秀氏が、
12月31日付で「残念な国になった日本」を、
そして
1月1日付で「日本民主主義の力が問われる」を載せました。
時系列順に紹介します。
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残念な国になった日本
植草一秀の「知られざる真実」 2024年12月31日
2024年が幕を閉じようとしている。元旦の午後4時10分、能登半島でマグニチュード7・6の巨大地震が発生した。石川県志賀町で震度7の揺れを観測した。
地震の揺れの激しさを示す地震加速度最大値は石川県志賀町で観測された。数値は2828ガル。2011年3月11日の東日本大震災で観測された地震加速度は2933ガルだったから、東日本大震災並みの強い揺れが発生したことになる。
石川県志賀町に北陸電力志賀原子力発電所がある。原発稼働中の地震であったならフクシマ事故が再現された可能性がある。
また、激しい揺れに見舞われた能登半島先端の珠洲市にはかつて原発建設計画があった。
ここに原発が建造されていればどのような事態が生じたのか。想像を絶するものがある。
震災発生から1年の時間が経過するが、奥能登地方ではいまなお水道が復旧していない。
水道メーターまでの復旧が完了してもメーターから内側の住宅内部の配管工事が完了しなければ水道を利用することができない。いまなお自宅で風呂に入ることもできない生活が強要されている。現地の人々は怒り心頭に発しているが、もはや行政に期待することも諦めているとの心情を吐露されている。
日本政府にお金や人力がないわけではない。あぶく銭のように巨大な血税が散財されている。
2020年度から23年度の4年間に補正予算に計上された歳出予算は154兆円。そのすべては国債発行で賄われた。豆腐を買う感覚で1兆、2兆の血税が散財されてきた。
ロケットを上げる補助金には1兆円のお金がばら撒かれる。
半導体の工場を作る補助金には3兆円のお金がばら撒かれる。
コロナの病床確保の名目で国公立病院には6兆円ものお金がばら撒かれた。
「百害あって一利なし」と言われるワクチンに4・7兆円もの血税がばら撒かれた。
しかし、能登の復興に注ぐ公費はない。能登半島は本年夏に大水害にも襲われた。
土砂の撤去作業には人力が必要だが、政府は「ボランティアが足りない」と叫ぶ。
ボランティアは「自発的」に行われる善意の産物。国が「強要」するものでない。
国が責任をもって人々の最低限度の生活を保障することは憲法が規定する国家の責任ではないか。
私たちが暮らす日本とは、このような寒々しい国である。
巨大な資金を税金で巻き上げておきながら、国民のためにその血税を使わない。国民から巻き上げた血税は一部の人々が自分たちのお金にしてしまっている。
言語道断の放漫財政を実行しておきながら、「お金が足りない」と言っては国民全般に対する財政支出を切り込み、庶民に増税の負担を押し付ける。3年間で国民税負担が11・3兆円も増えたのに、税負担を減らす話になると減った分の穴埋めを求める。
財務省の本性が露わになっている。この財務省にひれ伏す「ザイム真理教政治」が横行している。
2025年、日本は敗戦から80年の節目を迎える。この節目に際して一番大切なことは「平和憲法を守ること」。
そして、国民全体を苦しめる政治を排除して、国民のための政治、国民のための政府を打ち立てることだ。
1947年、新しい憲法が制定された。制定の経緯を踏まえて、自分たちの手で憲法を作り直すという主張が示された時期もあったが、誰が制定に関与しようが、「良い憲法は良い憲法」であるし、「悪い憲法は悪い憲法」だ。日本人が主導して制定したら「良い憲法」にならなかった可能性が高い。
せっかく「良い憲法」が制定されたのだから、「良い憲法」は守る必要がある。
「良い憲法」を守り、「悪い政府」を作り変える。
これが敗戦から80年を迎える2025年の大きな課題になる。
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日本民主主義の力が問われる
植草一秀の「知られざる真実」 2025年1月 1日
みなさま新年あけましておめでとうございます。2025年があけました。
本年がみなさまにとって最良の一年になりますようお祈り申し上げます。
本ブログ、メルマガをご高読くださいましてありがとうございます。
みなさまとともに本年もさまざまな事象を考えて参りたく思います。
なにとぞご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
一年の幕開けに際して「和顔愛語」という言葉をお贈りしたいと思います。和やかな顔、優しい言葉。世の中を少しでも明るくするために「和顔愛語」を心がけてゆきたいと思います。
経済の停滞が長く続くのに、政府は私たちに対する給付を切り刻み、私たちの負担を増大させることばかりに執心しています。
しかし、本来、政府は私たちの意思で、私たちのために創設されるものです。
これが十分に機能しているなら、私たちの意思に沿う、私たちの幸福を実現するための政府が創設されているはずです。
それが、そのようになっていないこと。この現実を認識して、どうすれば、本来の姿に創り変えることができるのか。このことをよく考えて、その実現に向けて力を注いでゆくことが大事だと思います。
微力ですが、みなさまと共に、より良い明日をつくるため、力を尽くして参りたく思います。
本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。
米国では主権者が選択してドナルド・トランプ氏を新しい大統領に選出した。
バイデン大統領が大統領選への出馬を辞退して、公認候補がカマラ・ハリス氏に切り替えられた。民主党の大統領候補選出の際にはカマラ・ハリス氏に対して低い評価しか示さなかったメディアが手のひらを返してカマラ・ハリス氏を絶賛する報道を展開した。
トランプ元大統領に対しては多くの訴訟が提起されていたこともあり、犯罪者呼ばわりする報道が圧倒的に多かった。
日本の報道でもテレビ朝日「報道ステーション」司会の大越健介氏などはトランプ氏を貶める発言に終始していた。
ところが、米国民は新しい大統領にトランプ氏を選出した。
トランプ氏が完ぺきな人間であるとは思われないが、米国民はメディアの情報誘導に流されずにトランプ氏を新しい大統領に選出した。その力は特筆に値する。
お隣の韓国では尹錫悦大統領に対する弾劾決議が議会で可決された。
尹錫悦大統領が12月3日夜に、突然、非常戒厳を宣布したことが弾劾の理由。
議会における弾劾決議を促したのは韓国民衆の強い抗議行動だった。
韓国でも主権者である民衆が政治の変革を実現する強い力を発揮している。
これに対して日本では、主権者である民衆が自らの力で政権を刷新したことが僅かにしか存在しない。1955年に自民党が創設され、自民党が長期にわたり日本政治を支配し続けてきた。
わずかに1993年に野党が結束して政権を樹立。自民が野党に転落した。
また、2009年には鳩山由紀夫民主党が総選挙に大勝して政権刷新を実現した。
1955年から本年で70年の時間が流れるが、この70年間に、たった2度しか政権の刷新は実現していない。
2024年は政治刷新の兆しが見えた年だった。
自公の政権与党が衆議院で過半数を大幅に割り込んだ。野党が結束すれば新しい内閣を樹立することは可能だった。
しかし、野党の結束は実現しなかった。
この日本で政治の刷新を実現できるのか。主権者である国民の幸福を追求する政権を樹立し、国民本位の政治を実現することができるのか。
日本政治の真価が問われる一年になる。
そのための方策を考察してゆきたいと思う。
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「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。