櫻井ジャーナルに掲題の記事が載りました。米国とイスラエルは(特に後者の方がより顕著ですが)これまで一貫して世界を欺いてきました。
それなのに西側にはいまなお米国やイスラエルは約束を守ると信じ、民主主義の西側は悪いことをしてもロシアや中国よりはマシだと唱え、欧米への信仰から抜け出そうとしない人が少なくないのは不思議なことです。記事はそう結んで言います。
併せて櫻井ジャーナルの記事「ウクライナとシリアで失敗した戦闘の凍結をロシア政府は今後、行わないだろう」を紹介します。
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約束を守らず嘘をつく米国やイスラエルを今回は信用できると言えるのか
櫻井ジャーナル 2025.01.19
イスラエルとハマスは1月16日、停戦協定が締結されたと発表した。42日間の停戦と捕虜交換が協定には含まれている。この協定締結で中心的な役割を果たしたと言われているスティーブン・ウィトコフはドナルド・トランプ次期大統領が中東特使に指名した人物。1月10日にカタールからイスラエルへ電話、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近に対し、翌日の午後にイスラエルを訪れて停戦交渉について会談すると伝えたところから話し合いが始まったという。
この停戦協定について好意的に評価する人が少なくないようだが、懐疑的な人も少なくない。例えば、ジャーナリストのクリス・ヘッジズはイスラエルがパレスチナ人との合意を履行してこなかったと指摘しているが、イスラエルだけでなくアメリカも外交的な合意事項を守らなかった過去がある。しかも合意の中には、イスラエルが合意を破棄し、爆撃と軍事作戦を再開する「権利」が含まれているという。
ちなみに、ヘッジズは1990年からニューヨーク・タイムズ紙で記者として働いていたが、2003年3月にアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権が「大量破壊兵器」という作り話を口実にしてイラクを先制攻撃した際に政府を批判、編集部と衝突して辞職している。
ソ連大統領としてミハイル・ゴルバチョフが東西ドイツの統一を1990年に認めた際、西側はNATOを東へ拡大させないと約束していた。その約束をゴルバチョフたちソ連の首脳部は無邪気にも信じ、ソ連を消滅させて国民に塗炭の苦しみを舐めさせることになる。
例えば、ドイツのシュピーゲル誌によると、アメリカはそのように約束したとソ連駐在アメリカ大使だったジャック・マトロックが語っているほか、ドイツの外務大臣だったハンス-ディートリヒ・ゲンシャーは1990年2月にエドゥアルド・シェワルナゼと会った際、「NATOは東へ拡大しない」と確約し、シェワルナゼはゲンシャーの話を全て信じると応じたとされている。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)
そのほか、アメリカの国務長官を務めていたジェイムズ・ベイカーは1990年2月、NATOの支配地域を東へ1インチたりとも拡大させないと語ったとする記録が存在、ジョージ・ワシントン大学のナショナル・セキュリティー・アーカイブはその記録を2017年12月に公開した。
イスラエルのメディアYnetによると、ドナルド・トランプ次期大統領はベンヤミン・ネタニヤフ首相とロン・ダーマー外相に対し、停戦に応じ、ガザからイスラエル軍を撤退することに合意すれば、イスラエルが戦闘を再開を決定した場合、トランプ政権はイスラエルを支援すると約束している。
イスラエルはレバノンとも停戦で合意、それを利用してシリアを攻撃したが、そのレバノンでも合意を無視して攻撃を繰り返し、ガザでも停戦合意が発表された後、ガザ北部に大規模な爆撃を実施して30名以上を殺害したと報じられている。
アメリカやイスラエルは約束を守る、西側は民主主義体制だ、悪いことをしてもロシアや中国よりはマシだと唱え、欧米への信仰から抜け出そうとしない人が少なくないが、欧米やイスラエルの話は眉に唾をつけながら聞く必要がある。
ウクライナとシリアで失敗した戦闘の凍結をロシア政府は今後、行わないだろう
櫻井ジャーナル 2025.01.20
COVID-19騒動で世界が疲弊する中、ウクライナ、シリア、パレスチナで戦闘が続いてきた。ウクライナではロシアとアメリカ/NATOが衝突してロシアの勝利が決定的であり、シリアではアメリカ/NATOが操る傭兵集団がバシャール・アル・アサド政権を倒し、パレスチナでは米英が支援するイスラエルがパレスチナを破壊し、住民を虐殺している。
こうした中、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領とロシアのウラジミール・プーチン大統領は包括的戦略パートナーシップ協定にモスクワで署名した。INSTC(南北輸送回廊)の構築、貿易、エネルギー、技術、インフラなどを含む様々な分野での協力を強化することを目指す一方、相互防衛を誓約した。一方の国が攻撃を受けた場合、もう一方の国はいかなる形でも攻撃者を支援しないとされている。
ウクライナ
ウクライナの戦乱が始まったのは2014年2月のクーデターからだ。ロシアを制圧するプロジェクトの一環として、中立政策を掲げる体制をネオ・ナチによって倒したところから始まるのだが、計画通りに進んだとは言い難い。軍や治安機関の約7割はネオ・ナチ体制を嫌って離脱、一部は東部ドンバスの反クーデター軍に合流したと言われている。当初は反クーデター軍が優勢だった。
そこで、アメリカ/NATOは2014年から22年にかけてウクライナへ兵器を供与して兵士を訓練、ヒトラーユーゲントのような団体を組織して年少者に思想教育や軍事訓練を施し、さらにマリウポリ、ソレダル、マリインカ、アウディーウカに築いた地下要塞を結ぶ要塞線を構築して戦力を増強した。
そうした時間を稼ぐために利用されたのが「ミンスク合意」にほかならない。これはアンゲラ・メルケル元独首相やフランソワ・オランド元仏大統領も証言している。この合意によって戦闘は凍結されたのだが、それによってウクライナの東部や南部に住む少なからぬ人びとが死傷している。再び戦闘を凍結するような愚かなことをロシア政府は行わないだろう。
しかし、アメリカ/NATOが行った時間稼ぎによる戦力増強策は失敗してしまい、すでにウクライナなる国は存在しないとまで言われる状況になっている。もっとも、ウクライナの大統領を名乗ってウォロディミル・ゼレンスキーはイギリスの情報機関MI6のエージェントであり、そのハンドラーはリチャード・ムーアMI6長官である可能性が高い。
シリア
(後 略)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。