2025年1月25日土曜日

25- 「特報」 性的接触の強要 常態化か 中居氏の疑惑めぐりフジテレビ

 しんぶん赤旗 2025とくほう・特報 のコーナーに掲題の記事が載りました。
 中居氏自身も認めているフジテレビ女性アナウンサーに対する性加害は「明らかな犯罪」であったにもかかわらず、昨年末週刊誌が取り上げるまでは、事件後1年半にわたりフジテレビをはじめ各テレビ局は中居氏を便利なMCとして扱って来ました。

 タレントの青木歌音氏は、フジ系企業のアナウンサーだった2010年代にブジ幹部から飲み会などの場で繰り返し性被害を受けていたことを明らかにし、フジの番組制作関係者の間ではセクシュアルハラスメントが「普通だった」と告発しました。要するにフジでは、この前時代的な「慣習」が長年にわたって定着していたわけです。唯々 絶句するほかはありません。
『週刊文春』は、問題の背後に女性アナウンサーを大手芸能事務所などへの「接待要員」にした仕組みがフジにはあると述べ、それは港社長が常務時代に作ったとしています。
 識者からは、世論形成に影響を与えるテレビ局強大な権力を振るう中で、「フジ幹部の中で、何をしても問題にならないという特権意識があるのではないか」とか、全国の民放デレビ局・ラジオ局の役員に占める女性の割合はわずか3%という、男性中心の組織態様が「女性アナウンサーらを『献上品』などと物のように扱う女性蔑視を生んでいる」という指摘がされています。

 大株主のダルトン社からより厳しい2度目のレターが出されたことで、フジは早急に日弁連のガイドラインに準拠した「第三者委員会」を立ち上げて3月末までに結論を得ることになりました。この『外圧』に対して、フジが例の「当社社員は一切関与していない」の開き直りを全くしていない点は何とも象徴的です。
 フジの改革は、単にトップや「A氏」の処遇に留まるべきではなく、こうした犯罪的な慣習は徹底的に改善されなければなりません。似たような風土を持つ他のテレビ局もそうであるべきことはいうまでもありません。
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2025 特報」性的接触の強要 常態化か 中居氏の疑惑めぐりフジテレビ
                       しんぶん赤旗 2025年1月24日
 芸能活動の引退を表明した中居正広氏の女性に対する性加害疑惑にフジテレピ幹部の関与が疑われています。同局の港浩一社長会見(17日)を受け、大手スポンサーは一斉に同社番組へのCM差し止めなどを発表。性暴力に対する企業倫理や組織の在り方に大きな批判が起きています。        (日酸広志)

『週刊文春』は昨年12月、2023年6月に芸能関係の女性が中居氏と懇意のフジ幹部から誘われた会食で中居氏と2人きりにされ、「意に沿わない性的行為」を受けたと報じました。
 これを受けフジは昨年12月に声明で「当該社員は会の設定を含め一切関与していません」と表明しました。
 一方、中居氏は今月9日付の声明で「トラブルがあたことは事実」と認めました。
 ブジの港社長は17日の会見で、発生直後から問題を把握しながら、女性の「心の回復」「プライバシー保護」を優先したなどとして、中居氏への「正式な聞き取りを含めた調査」をしていなかったと明らかにしました。また、外部の弁護士らを含めた「調査委員会」を設置すると発表。局幹部の関与については詳細な情報を求める記者団に対して調査を理由に回答を拒否しました。

■新たな告発も
『文春』(1月16日号)では、新たにフジの女性アナウンサーが仮名で、問局幹部が設けた会食での男性タレントからの性被を訴えました。
 タレントの青木歌音氏は20日に動画配信サイトで、自身がフジ系企業のアナウンサーだった2010年代にブジ幹部から飲み会などの場で繰り返し性被害を受けていたと告発。フジの番組制作関係者のではセクシュアルハラスメントが普通だった」と語りました。
『文春』は、これらの問題の背後に、女性アナウンサーを大手芸能事務所などへの「接待要員」にした仕組みがあると主張。社長が常務時代につくったとしています。
 会見で、フジ社員が女性と夕レントを2人きりにして性的接触をさせることが常態化していたのかとの質問に港社長は「なかったと信じたい」と述べるにとどめました。
 20日までにフジヘのCM見合わせを発表した企業は75社を超えました。22日までにテレビ日、TBS、日本テレビ、デレビ東京の主要4局は取引先などとのでの「不適切な行為に関する調査の結果や実施を発表しています。
 一般社団法人社会調査支援機構チキラボ(荻上チキ所長)の調査によると、芸能・メディア関係の255Λのうち22・7にあたる58人が「性的接待を要求れた経験がある」と回答24年2月公表)。同質問の自由紀述欄にはロデューサー・ディレクター・マネ-ジャーからホテルに行こうと言われる」(30代女性)、「テレビ局の女性社員が広告代理店の年配既婚男性社員からキスを迫られ、身体を触られるなどの被害にあっていた」(30代女性)などの実態が数多く寄せられています。

■ようやく認識
「ビジネスど人権」に詳しい伊藤和子弁護士は、性的接待」は、「断れば仕事を奪われるという地位関係や権力勾配に乗じた性暴力」だと指摘繰り返し被害が告発されながら不問にされてきたとして、今回の各企業の反応について「旧ジャニーズ事務所問題や『#MeToo』運動で被害者が声をあげてきました。やっと、日本企業が性暴力を重大な問題″と認識するようになってきたのではないか」と話します。
 ー方、フジの被害者への対応をめぐっては、「不明な点が多い」とした上で、仮に被轡者女性が従業員だった場合、フジは男女雇用贋会均等法(11条)の措置義務違反になる可能性があると指摘。[事業主には、調査によって事態を正確に把握し、セクシュアルハラスメントの被害者が働き続けられる環境を整えるごとが義務付けられています。中居氏に調査をしないのは、被害者軽視だとみなされても仕方がなく、被害者のプライバシーを理由にするなど本末転倒です」
 また、同社の「調査委員会」が、日本弁護士連合会が策定したガイドラインに基づく「第者委員会」でないことは「重大」だとも指摘。「調査に責任を持つ企業側の公正性と透明性の担保は、『ビジネスと人権』の基本です」

背景に界の接待文化″・幹部の特権意識?
 フジは23日、「第者委員会」の設置を表明しまました。

使命を捨てる
 フジは会見時に「ラジオ・テレビ記者会」加盟以外のメディアの質問を禁じ、-映像の撮影や中継を認めませんでした。これに対し、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は21日に抗諧声朝で「権力の監視を担う報道機関として使命や責任を放棄したに等しい」と批判しました。。
 元新聞労連委員長で新聞記者の南彰氏が呼び掛けた、フジに再会見を求める署名は23日までに約5万人になりました。24日にフジに提出するとしでいます。
『放送レポート』の岩崎貞明編集長は、メディアの在り方が問われていると強調します。大手テレビ局は世論形成に影響力を与え、強大な権力を振るってきたとして「フジ幹部の中で何をしても問題にならないとい特権意識があるのではないか」と指摘します。
 民放労連の調査(23年公表)によると、全国の民放デレビ局・ラジオ局の役員に占める女性の割合はわずか3です。岩崎氏はメディア分野のジェンダー平等が早急に必要だと言います。「権力持つ男性多数の状況が女性アナウンサーら『献上品』などと物のように扱う女性蔑視を生んでいるのではないでしょうか」