植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
先日、元兵庫県議の竹内英明氏が自死されました。斎藤兵庫県政下で3人目(4人目とも)の犠牲者です。竹内氏は百条委員会で斎藤知事の様々な問題についてキチンと調査して追及しました。
そのことで先の兵庫県知事選では、立花氏を中心にした斎藤氏側の勢力から、SNSや電話そして自宅前での街宣などでデタラメ窮まる猛烈な中傷や脅迫を受けたため、家族を守るために知事選直後に県議を辞職しました。
斎藤知事は記者会見でこの件についての見解を聞かれても、ひたすら「SNSでの中傷は良くない」という一般論を口にするだけで、後は何を問われても例の調子で、壊れたレコードのように20回近くもそれを繰り返すだけです。
彼は自尊心の塊りで、他者の不幸などは一切無関係。何を聞かれても自分には一切「非はない」で通し、事態の正常化や改善に対しては「不作為」に徹するという姿勢は、もはや常識の埒外というしかありません。
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真実を追求した竹内英明元議員
植草一秀の「知られざる真実」 2025年1月26日
TBSが報道特集で竹内英明元兵庫県議会議員死去に関する報道を行った。
竹内元議員は斎藤元彦兵庫県知事に対する元県民局長の告発を受けて、斎藤元彦知事の問題を議会で追及した人物である。百条委員会でも問題を追及した。
これに対して斎藤元彦氏を擁護する陣営から激しい攻撃がなされた。
問題の発端は斎藤知事に対する告発が元県民局長から行われたこと。この告発は公益通報に該当する可能性のあるものだった。ところが、斎藤知事は元県民局長の告発について「嘘八百、公務員として失格」と断じて、元県民局長に対する懲戒処分を行った。
この問題について兵庫県議会は斎藤知事の対応に問題があったのではないかとの視点から百条委を立ち上げた。竹内元県議は百条委委員として斎藤知事の諸問題を追及した。
県議会は百条委の結論が示される前に全会一致で斎藤知事に対する不信任決議を可決。
斎藤知事は知事を辞職せずに失職し、出直し知事選に出馬して当選した。
この当選に正統性があれば問題はこれで一件落着するはずだった。ところが、選挙に際して重大な問題が存在したことが明らかになった。
二つの重大問題がある。
第一は兵庫県が告発後に告発した「犯人捜し」を実行し、告発者が元県民局長であることを突き止めて元県民局長の公用PCを押収したことに関連する問題。
県はPCに保存されていた元県民局長の個人データを入手して、これをもとに県民局長に対する脅迫とも取れる行動を取った疑いがある。
また、当該個人データを不正に外部漏洩し、その個人データを元に元県民局長を貶める選挙活動を行った疑いがある。
個人データは告発とは無関係のものであり、個人データをPCに保存したことの過失について元県民局長が注意等を受けることは妨げられないが、当該個人データを用いた「脅迫」やデータの「外部漏洩等」は許されるものでない。
出直し知事選ではこの外部漏洩データが不正に取り扱われ、さらに多くの虚偽情報が流布・拡散されて選挙結果に重大な影響を与えたことが推察される。
不正な情報の流布・拡散はSNSを中心に行われた一方、既存のマスメディアは選挙期間中であったことが影響して、当該情報の流布・拡散に対して真相解明、批判、ならびに注意喚起の報道をまったく行わなかった。このために、不正に流布・拡散された情報が有権者の投票行動に著しく大きな影響を与えた可能性がある。
もう一つの問題は、知事選に際して斎藤元彦氏陣営が公選法違反の罪を犯した疑いが存在すること。
斎藤氏陣営は選挙戦のSNS戦略をmerchu社に業務委託した疑いがある。これが事実なら公選法違反に該当する。この問題が残存しており、兵庫県知事選問題はまったく解決していない。
この問題が重大で特異であるのは、すでに3名ないし4名の死者が出ていること。
県民局長の告発において、最重大と見られているのがオリックス優勝パレードの寄附問題。
寄付額が不足し、金融機関に寄付増額を求める際に、県の補助金増額が行われた疑いがある。
この点を含め、元県民局長の告発には公益通報として保護されるべき「真実相当性」が存在したとの疑いが濃厚に存在する。
元県民局長は百条委で証言する予定になっていたが、その直前に死去した。
自死と見られている。不正に外部漏洩された個人データを元に「脅迫」を受けた疑いがある。
竹内元議員については、県職員アンケート等を元に竹内元議員が追及した内容が「でっち上げ」であるとの批判が流布されてきたが、その詳細について「報道特集」が検証を行った。
ひとつは「ゆかた祭り」に関する竹内元議員の追及が「でっち上げ」だとするもの。
竹内元議員はブログに「知事は着付けを当日直前にキャンセル。他の来賓とは別に自分だけ着付けができる専門店に行って着付けした。公費で払うことになり、秘書課が負担することになった」と記述した。「報道特集」の取材は竹内元議員の指摘が真実であったことを裏付けた。
また、竹内元議員が元県民局長の妻に代わって百条委員会あてにメールを送った「でっち上げ」があったと批判されたが、「報道特集」は県議会議事課の職員に取材を行い、メールは元県民局長の妻の意思で送られたものであることが確認された。
この問題ですでに多くの死者が出ている。失われずに済んだ命が失われたことは極めて重大だ。
手間や費用がかかっても知事選の再選挙が必要となるなら、その手間や費用を惜しむべきではない。
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「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。