2025年1月22日水曜日

ガザ停戦 ハマス 人質3人解放 イスラエルは90人 支援物資トラック552台分入る

 23年10月から戦争を続けてきたガザのイスラム組織ハマスとイスラエルが19日からの停戦に合意しました。
 双方が合意を履行すれば、民間人を含め大きな犠牲を出した戦争に終止符を打つことも可能ですが、停戦合意後も戦闘が続いている地域があり、ネタニヤフ相手の停戦では 果たして中東に平和がもたらされるのか疑問です
 停戦発効初日の19日には、トラック552台分が検問所を通過してガザの人たちに支援物資が手渡されました。
 トラックの運転手たちは歓喜し、クラクションを大音量で響かせ笑緻で親指を立てたりブイサインしたりし涙をぬぐっている運転手もいました。
 しんぶん赤旗が報じました。
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ガザ停戦 ハマス 人質3人解放 イスラエルは90人
支援物資トラック552台分入る
                       しんぶん赤旗 2025年1月21日
【ラファ(エジプト北東部)=秋山豊】パレスチナ・ガザ地区での停戦が発効した19日、イスラム組織ハマスはイスラエル人人質3人を解放し、イスラエルは収監してきたパレスチナ人90人を解放しました。イスラエルのメディアなどが伝えました。

 支援物資を積んだトラックが同日、ガザ地区に入りました。停戦合意は毎日トラック600台分の支援を入れるとしています。ガザ当局者によれば、552台分がこの日に搬入されました。
 停戦発効により、ガザ住民はイスラエルが爆撃してきた地域に戻ることができ、大勢が自宅に戻ろうと大通りを歩いています。
 北部ガザ市から南部ハンユニスに避難しているムハンマドさん(30)は本紙の取材に、「ガザ市に戻る準備を始めた。家がガレキにされていても戻りたい。再建するための建築資材、電気、燃料がほしい」と話しました。ムハンマドさんはイスラエル軍に母親と兄弟ら親族15人を殺されています。「殺された人々は生き返らないが、生き延びた人々は停戦で死なないですむ」と語りました。

 解放されたパレスチナ人はヨルダン川西岸とエルサレム出身の女性69人と10代の少年21人です。彼らを乗せたバスがヨルダン川西岸ラマラに到着すると、数千人が出迎え、祝賀の花火が打ち上げられました
 解放されたイスラエル人人質はそれぞれ24歳、28歳、31歳の女性です。3人はガザ市中心部の広場でハマス戦闘員から赤十字国際委員会(ICRC)に引き渡され、次いでガザ地区内のイスラエル軍の部隊に引き渡されました。その後、イスラエルに移送され、家族と再会しました。


〝ガザの命を救う 支援物資搬送 運転手は涙
                       しんぶん赤旗 2025年1月21日
【ラファ(エジプト北東部)=秋山豊】イスラエルに封鎖されたパレスチナ自治区ガザ南部とエジプト北東部の境界にあるラファ検問所。イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意が発効した19日、エジプト側からガザに支援物資を届けるトラックが次々とゲートを通過していきました。

ラファ検問所
 トラックの運転手たちは歓喜し、クラクションを大音量で響かせます。みな笑緻で親指を立てたり、ブイサインしたりしています。涙をぬぐっている運転手もいました。
 トラックには米、小麦粉、砂糖、チーズ、豆、水、インスタント麺、ビスケット、野菜などのほか、毛布やおむつ、そして燃料が積まれています。
 運転手のアプダラ・ムハンマドさん(36)はガザ側にベビーフードを届けてきたばかりです。「やっとガザの住民の助けになることができた。人々の苦しみを少しでも減らせるならうれしい」と語りました。
 ムハンマドさんはラファ検問所から数キロ離れたイスラエルとガザの境界にあるケレム・シャローム検問所まで行き積み荷を降ろしたと言います。ラファ検問所はエジプト側からガザヘの支援物資の搬入が唯一認められている検問所でしたが、イスラエル軍が昨年5月に制圧して以降、ガザの人道危機をさらに悪化させました
「私のトラックに積んであるのは、ガザの同胞の命を救うための小麦粉だ」。こう話すアハマド・シャイフンさん(45)はIカ月半以上もラファ検問所の前で待機していました。トラックで寝食し、食料は近くの町で買っていました。
「イスラエルの戦闘機が昼も夜もガザを攻撃していた。あまりに激しい爆撃の音に恐怖して目を覚ましたこともある。飢えで命を落とした人もいる。住民の苦しみを思い胸を痛めてきた」と言います。
 シャイフンさんは「イスラエルは多くの民間人を殺し、米国はそのイスラエルを支持し続けている。どちらも犯罪国家だ。国際社会はこの二つの国の過激な態度を改めさせる必要がある。そうすれば世界は平和になる」と語りました。