2018年9月3日月曜日

国連が「沖縄への基地集中は差別」と日本政府に勧告!

 30日、国連の人種差別撤廃委員会は日本の人権状況と政府の取り組みをまとめ、勧告を公表しました
 その中で、米軍基地の問題を「沖縄への差別問題」「沖縄の人権問題」として取り上げ民間地域での米軍機の事故に関して琉球・沖縄の人びとが直面している課題のみならず、沖縄の女性に対する暴力の報告にも懸念しているとして、琉球・沖縄の人びとに適切な安全と保護を確保し、加害者に対する適切な起訴と有罪判決が確実になされることを締約国が保証するよう勧告するとしました。
 これは要するに不平等極まりない日米地位協定の見直しに向けた取り組みを行うよう、日本政府に要求したものです。
 
 日本政府はこれまで国連の人権理などが日本の検察制度などについて何度改善を勧告しても、その都度「問題はない」と木で鼻を括るような回答を繰り返して来ました。それは、アメリカの言うことなら、「カラスをサギと言い、黒を白と言う」ことでも何でも受け入れるのとは対照的な「ふてぶてしさ」でした。
 しかし、この「日米地位協定の見直し」については、8月14日に全国知事会からも具体的に要求が出されたばかりであり、この世界一遅れている協定の見直しはもはや避けることは出来ません。
 
 国連人権理や人種差別撤廃委などの 言わば良識の府の勧告を常に無視し、史上空前の侵略国家であるアメリカの言い分にのみ従っていては国がまともになる筈がありません。
 安倍政権は今度こそ大いに悔い改めてこの問題に取り組むべきです。
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国連が「沖縄への基地集中は差別」と日本政府に勧告! 
沖縄の民意を無視し辺野古移設強行する安倍政権に国際社会もNO
LITERA 2018年9月1日
 昨日8月31日、沖縄県が辺野古の埋め立て承認を撤回する通知書を沖縄防衛局に提出した。今月8日に死去した翁長雄志知事が7月に承認撤回の手続きに入ったことを発表していたが、これは翁長氏の遺志であると同時に、前回知事選で県民が翁長氏に託した「辺野古新基地反対」という意思だ。
 政府は撤回の執行停止を申し立てる方針だといい、沖縄の民意を踏みにじる政治姿勢をあらためる様子はまったくない。だが、こうした政府の姿勢に、国際社会が厳しい目を向けている。8月30日、国連の人種差別撤廃委員会は日本の人権状況と政府の取り組みをまとめ、勧告を公表。同委は米軍基地の問題を「沖縄への差別問題」「沖縄の人権問題」として取り上げたのだ。
 
 まず、今回の勧告では、同委や他の人権機関から琉球・沖縄の人びとを「先住民族」と認めて権利の保護するよう勧告を受けてきたにもかかわらず、政府がその勧告を受け入れていない状況への懸念を示した上で、こう続けている。
〈米軍基地の存在により、民間地域での米軍機の事故に関して琉球・沖縄の人びとが直面している課題のみならず、沖縄の女性に対する暴力の報告にも懸念している〉
〈当委員会は、女性を暴力から守ることを含め、琉球・沖縄の人びとに適切な安全と保護を確保し、加害者に対する適切な起訴と有罪判決が確実になされることを締約国が保証するよう勧告する〉(翻訳は編集部による)
 
 米軍機の事故や繰り返され続けている女性への暴力に対して、日本は適切に対応するように  。ご存じの通り、沖縄では米軍機の墜落事故をはじめ、小学校や保育園への落下物事故が相次いでいる。さらに2016年には米軍属の男による女性殺害・死体遺棄事件も起こった。だが、こうした事故・事件が発生しても、安倍政権はまったくと言っていいほど対応策を取ってこなかった。これを国連は問題視しているのだ。
 しかも、この勧告では、〈加害者に対する適切な起訴と有罪判決が確実になされることを締約国が保証する〉ことを求めている。これは殺人などの凶悪事件やヘリ墜落などの大事故が起こっても日米地位協定に阻まれて捜査の主導権すらもてない状況を指摘するもので、つまりは不平等極まりない日米地位協定の見直しに向けた取り組みをおこなうよう、日本政府に要求していると言っていい。
 
 そもそも、同委では2010年にも沖縄への米軍基地の集中について「現代的な形の人種差別」と認定、「沖縄における不均衡な米軍基地の集中が住民の経済的、社会的、文化的権利の享受を妨げている」と指摘し、適切な対策を取るよう勧告していた。だが、日本政府はこうした沖縄の状況に対する勧告に対してことごとく聞く耳をもたず、時に開き直って正当化してきた。
 実際、国連人権理事会の特別報告者であるデービッド・ケイ氏は昨年、辺野古の新基地建設反対運動をリードしてきた沖縄平和運動センター・山城博治議長が逮捕・長期拘留されたことについて「不均衡な重い罪を科している」「抗議行動を萎縮させる懸念がある」と指摘。ケイ氏を含む3名の専門家らは日本政府に懸念を示した文書を送っていたが、日本政府の回答は「適切に対応した」「主張は完全に間違っている」というふてぶてしいものだった。
 そして、政府は沖縄を無下にするだけでなく、沖縄の状況を世界に発信した翁長知事にも刃を向けた。
 
翁長知事は国連で「沖縄の人々の自己決定権や人権が蔑ろにされている」と訴えていた
 翁長知事は2015年、国連人権理事会において英語でスピーチをおこない、基地問題は人権問題であると訴えた。
 
沖縄県内の米軍基地は、第二次世界大戦後、米軍に強制接収されて出来た基地です。沖縄が自ら望んで土地を提供したものではありません。沖縄は日本国土の〇.六%の面積しかありませんが、在日米軍専用施設の七三.八%が存在しています。
 戦後七〇年間、いまだ米軍基地から派生する事件・事故や環境問題が県民生活に大きな影響を与え続けています。
 このように沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされています。
 自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるでしょうか」
「私は、あらゆる手段を使って新基地建設を止める覚悟です」(翁長雄志『戦う民意』KADOKAWAより引用)
 
「間違っているのは私たちなのかどうか、沖縄の置かれた状況を世界の人々がつぶさに見て判断してほしい」──そうした思いから翁長知事は演説をおこなったが、しかし、この行動に菅義偉官房長官は「強い違和感を持っている」などと噛みつき、こう言い放った。
「19年にわたって多くの沖縄県関係者の協力を得ながら適正な手続きで進めてきた。そうしたことを踏まえない翁長知事の主張は国際社会で理解されないと思う」
 県民が選挙で「辺野古新基地建設反対」という明確な民意を示したのに、菅義官房長官は話し合いを求める翁長知事の面談を繰り返し拒否。その上、安倍政権は基地反対運動を強権的に排除する姿勢を強め、挙げ句、「翁長知事の主張は国際社会で理解されない」と断じたのだ。
 
 しかし、今回の国連人種差別撤廃委の勧告が示すとおり、「国際社会で理解されない」のは、自国民を蔑ろにする安倍政権の姿勢のほうなのである。
 今回出された勧告に法的拘束力はないとはいえ、日本は人種差別撤廃条約の締結国であり、勧告を無視することは国際社会からの不信をさらに強めることになる。これは日本に対する重大な警告だ。
 だが、それでも安倍政権は沖縄に「国に楯突くな」と言わんばかりに、基地の押し付けという苦痛を与えつづけていくことははっきりしている。沖縄では9月30日に知事選の投開票がおこなわれるが、この選挙が沖縄の分水嶺となることは間違いない。(編集部)

03- そこまでやるか安倍陣営 陰湿すぎる石破潰し

 日刊ゲンダイが「そこまでやるか安倍陣営…陰湿すぎる石破潰し“3点セット”」という記事を出しました。
 その3点セットとは、先ず、石破氏支持の竹下亘総務会長と同じく石破支持者の橘慶一郎副幹事長無派閥)の二人を15日頃まで沖縄知事選に張り付かせ、総裁選に関与できなくさせていることであり、次に地方議員には、首相サイド県連単位で支持を一本化するよう要請しただけでなく、地方組織から石破氏に講演依頼があっても党本部断るように仕向け、石破氏が出席を予定していた地方党員集会を相次いでキャンセルさせていることです。その一方で安倍氏は好きな時に地方に出かけて演説し、好きな時に地方議員を官邸などに招いている訳です。
 
 そうしたあからさまな選挙妨害に加えて、「党費を連続2年納めた20歳以上の党員に投票資格がある」の党則に反し、特例として入党1年目の党員にも投票権を与え、それによって投票できる党員を約16万人増やしました。それには勿論理由があって、新規党員の獲得数が最も多かったのが二階派=安倍支持)なので安倍首相に有利になるという判断があったのでした。
 まさに陰湿にして狡猾な手管です。しかもそれは「単に総裁選に勝つ」ためではなく、彼らの意識の中では「勝つのは当然として、圧倒的な大差で勝って石破氏に再起不能のダメージを与える」ために編み出したやり口の数々ということですからもう「絶句」ものです。
 恐るべき品格・品性の下劣さです。
 そんなトップになりふり構わずに一生懸命に迎合するとは、人間として恥ずかしくないのでしょうか。
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そこまでやるか安倍陣営…陰湿すぎる石破潰し“3点セット”
日刊ゲンダイ 2018年9月2日
 安倍首相と石破元幹事長の一騎打ちになる自民党総裁選の告示(9月7日)まで1週間。すでに勝利は見えているのに、安倍応援団は現職総裁の立場をフル活用し、あの手この手で石破潰しに躍起だ。
 
 8月31日、選挙対策本部を立ち上げた石破氏は、竹下派の参院側を率いる吉田参院幹事長、竹下総務会長らと会合を開き、結束を確認。しかし、頼みの竹下氏は、9月30日投開票の沖縄県知事選への対応で週明けから15日間程度、沖縄入りすることになっている。20日の総裁選当日まで、ほとんど沖縄にかかりきりになってしまうのだ。安倍サイドは石破陣営からキーマンを引きはがし、沖縄に送り込んでいる。
「石破支持を公言している無派閥の橘慶一郎副幹事長も、党から沖縄張り付きを指示されました。副幹事長は20人以上いるのに、なぜ橘さんなのか。表向きは、党の選挙対策委員会と沖縄振興調査会で事務局長を務めているというのが理由ですが、小泉進次郎筆頭副幹事長とも昵懇の橘さんを総裁選から遠ざける意図が感じられます」(自民党中堅議員)
 
 竹下、橘と、石破氏は頼りにする2氏を奪われた形だ。国会議員票の7割以上を固めたとされる安倍首相は、地方票でも石破氏を圧倒すべく、選挙妨害ともいえる横やりを入れているという。
「地方議員との会合を重ねている首相サイドは、県連単位で支持を一本化するよう要請しています。『個人的には石破さんを応援したい』と言ってくれる地方議員もいるのですが、地方組織から石破氏に講演依頼があっても断るよう、党本部にも圧力をかけているようで、石破氏が講演する予定だった党員集会のキャンセルも相次いでいます。日程が事前に漏れると潰されるので、地方集会の告知も大々的にできない。苦肉の策で、都道府県ごとに47本のビデオメッセージを作成して、石破氏の総裁選特設サイトで公開することにしたくらいです」(石破陣営関係者)
 
 安倍独裁を象徴する異様な総裁選だが、安倍陣営は「石破派を殲滅する」と気炎を上げているという。自分たちに都合がいいように、ルール変更までしてしまった。
 党則によれば、党費を連続2年納めた20歳以上の党員に投票資格がある。ところが執行部は、特例として入党1年目の党員にも投票権を与えることを決めたのだ。
「これで投票資格のある党員が約16万人増えます。安倍政権下では国会議員にノルマを課して党員拡大運動をしてきましたが、実は新規党員の獲得数が最も多かったのが二階派なのです。派閥として安倍支持を決めているので、新規党員の投票はそのまま安倍首相の得票に上積みされる見込みです」(官邸関係者)
 
 そこまでやるか、という陰湿さだ。政治ジャーナリストの山田厚俊氏もこう言う。
「自民党の総裁選は勝ち負けだけでなく、国民の前で自由な討論をすることで、党のイメージアップ戦略も担っていたはずです。仮にも一国のトップなら、オープンな場で堂々と論戦した上で勝ってもらいたい。石破氏が希望する討論から逃げ、地方議員と個別に会って票を囲い込む姿勢は古い密室政治そのもので、国民の不信を買うだけではないでしょうか」
 こんな選挙戦を見せられたら、安倍首相が圧勝しても、かえってイメージダウンになるだけだ。 

2018年9月2日日曜日

北朝鮮はCVID(完全・検証可能・不可逆的非核化)を受入れていない

 北朝鮮は、アメリカは核兵器やミサイルを持っても良いが北朝鮮はダメだという論理を認めていませんし、アメリカの要求に従って徹底的な核査察を受けた挙句に攻め滅ぼされたイラクの悲劇を眼前にしたので、アメリカ体制側が執拗に要求したCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)は最後まで受け入れていません。現実に6月の米朝の共同声明ではCVIDへの言及はありませんでした。
 北朝鮮が強く望んでいるのは、イラクと同じ目に会わないという保障であり、先ずは朝鮮戦争の休戦協定を平和条約にすることです。そして北がミサイルや核兵器の廃棄に向けた作業を行えばアメリカもそれなりの対応を示すべきであるというものです。
 
 北朝鮮は当初廃棄に向けてそれなりの行動を行いましたが、それに対するアメリカ側の見返りは皆無で、中国と北朝鮮の連携を非難し、ひたすらCVIDを要求し続けるだけでした。
 アメリカの調査組織「ノース38」は、航空写真の分析からその後は廃棄作業が行われていないとしていますがそれは当然であり、これでは北の核・ミサイルの廃棄は進みようがありません。
 
 WP(ワシントンポスト)は、8月下旬に予定されていたポンペオ米国務長官の訪朝が直前に中止されたのは、北朝鮮から「好戦的」な書簡が届いたからとの見方を報じました。
 CNNによればそれは金英哲・朝鮮労働党副委員長からポンペオ氏宛て書簡で、「非核化が進展しないのは米国が北朝鮮との平和協定の締結に向けて取り組まず、北朝鮮の期待に応えていないからで、非核化交渉は危機に面しており、瓦解の恐れもある」という内容ということです。
 アメリカにひれ伏すのが当たり前という考え方からすれば「好戦的」に見えるのかもしてませんが、内容はただ客観的な事実を述べているだけのものです。
 
 日刊ゲンダイに孫埼享氏の「北朝鮮は『完全で検証可能、不可逆的な非核化』はしない」とする記事が載り、そのなかで豪州の学者による「核時代にあって北朝鮮の独特な点は、どんな国よりも長く(米国の)核の脅威に常に向き合い、その陰に生きてきたのである。1991年に米国が韓国から核兵器を撤収しても、米国は北朝鮮を標的とするミサイル実験を続けてきた」、「2003年の大統領令に基づき、イラン・北朝鮮の核施設を破壊する目的で核兵器の使用を許可する軍事計画が作成されている」との指摘が紹介されています。
 米朝合意から逸脱しているのはむしろアメリカの方と思われます。
 
追記)安倍首相は最近のトランプ氏との電話会談で、北が核・ミサイルを完全に廃棄しなければ朝鮮戦争を終結させるべきではないと述べたということですが、それは事態への認識を欠いた無責任な発言です。
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 日本外交と政治の正体
北朝鮮は「完全で検証可能、不可逆的な非核化」はしない
孫崎 享 日刊ゲンダイ 2018年9月1日
 トランプ米大統領は8月24日のツイッターで、ポンペオ米国務長官が予定していた訪朝を中止するよう指示したことを明らかにした。その理由について、トランプは「現時点では、朝鮮半島の非核化に関して重要な進展が見られないからだ」と不満を表明したという。ポンペオは前日の23日に訪朝を発表したばかりで、突然の取り消しは極めて異例といえる。
 
 私はこのニュースを聞いて何の驚きも感じなかった。当然の成り行きだからだ。
 第2次大戦以降、核兵器による攻撃の恐怖に最もさらされてきた国はどこかといえば、北朝鮮である。豪州の学者のマコーマック氏は「核時代にあって北朝鮮の独特な点は、どんな国よりも長く核の脅威に常に向き合い、その陰に生きてきたのである。1991年に米国が韓国から核兵器を撤収しても、米国は北朝鮮を標的とするミサイル実験を続け得てきた」と記述している。さらに、2003年1月の大統領令に基づき、イラン・北朝鮮の核施設を破壊する目的で核兵器の使用を許可する軍事計画を意味する「CONPLAN8022」が作成されている
 
 こうした米国の核兵器攻撃の可能性に対し、どこまで有効であるかは別として、北朝鮮が核兵器にミサイル開発で対抗しようとするのは、軍事戦略として当然の選択である。
 従って、米国が北朝鮮の完全な非核化を求めるのであれば、「北朝鮮が軍事攻撃しない限り、米国から核兵器を含む軍事攻撃をしない」という保証を与える必要がある。その具体的な策は、①朝鮮戦争の休戦協定を平和条約にして、その中で相互の武力不行使を宣言する②国際的な核兵器の先制攻撃使用を禁止する、などがある。一時、米国が朝鮮戦争の休戦協定を平和条約にすることを検討しているという報道もあったが、今、この動きはない。
 
 米国が北朝鮮に対する先制的核兵器使用をしないという約束をしない限り、北朝鮮が完全な非核化に向かうことはないのである。
 問題は「北朝鮮が完全な非核化に向かうことはない」ということが明確になった時、トランプはどういう選択をするかである。
 ひとつは「裏切られた。米韓軍事演習を再開し、北朝鮮に圧力をかけよう」という選択。もうひとつは「北朝鮮が米国を攻撃することはないから、まあいいか」という判断である。今後のトランプの動きに注目したい。 
 
孫崎  外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

沖縄県が埋め立て承認撤回/植草一秀氏が沖縄知事選について考察

 沖縄県は31日、辺野古の米軍新基地建設に関する仲井真前知事による埋め立て承認を撤回しました。
 謝花副知事は「埋め立て承認撤回は、辺野古に新基地は造らせないという翁長知事の強く、熱い思いをしっかりと受け止めた上で、法に基づき適正に判断したもの」と語り、撤回に至った3つの要因を説明しました。。
 これにより埋め立て工事は法的根拠を失い中断されます。今後6カ月以内に撤回の取り消しを求めて提訴が可能なので、いずれ国と裁判闘争になるものと思われます。
 
 植草一秀氏は「美ら(ちゅら)海壊し 基地造る 暴政止める 弔い選挙」と題するブログで沖縄知事選についての考察を行いました。
 そのなかで、安倍内閣は撤回問題を法廷闘争に移行させ、辺野古米軍基地建設の是非を知事選争点からずらすことを目論んできたものの、翁長雄志前知事が急逝し、知事選が翁長知事の弔い合戦になったことで目算が狂ったとするとともに、政権側はなおさら「経済問題争点を転化しようとするだろうとしています。
 
 そして承認撤回については、翁長前知事は前回知事選前選挙中選挙後を通じて、選挙で示される民意が撤回の根拠になることを明言していたが、結局民意を根拠にする撤回に踏み切らなかったとし、同じ「撤回」でも、手続き上の瑕疵を理由とする要件撤回と沖縄県民の意思を根拠とする公益撤回では、意味も重みも異なるので、玉城候補新知事に選出された場合には、改めて、沖縄県の主権者の意思を根拠にした埋め立て承認撤回を行うべきであると述べています
 
 日刊ゲンダイが「玉城氏がWスコア優勢? 沖縄知事選で早くも始まった情報戦」と題する記事を出しましたので、その抜粋も併せて紹介します。
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沖縄県が埋め立て承認撤回 辺野古 工事の法的根拠失う
翁長氏の思い受け、適正判断
しんぶん赤旗 2018年9月1日
 沖縄県は31日、名護市辺野古の米軍新基地建設に関する仲井真弘多前知事による埋め立て承認を撤回しました。同日付で防衛省沖縄防衛局に「公有水面埋立承認取消通知書」を手渡しました。これにより埋め立て工事は法的根拠を失い、中断されます。日本共産党の小池晃書記局長は会見し、「断固支持する。ただちにすべての作業を全面的にやめるべきだ」とのべました。
 撤回は翁長雄志知事が亡くなる前に表明していたもの。県は撤回に向けて事業者である沖縄防衛局の言い分を聞く「聴聞」を8月9日に実施していました。
 
 撤回に関する権限を引き継いでいた謝花喜一郎副知事は会見で、「聴聞」の調書と報告書について検討を行った結果、
▽埋め立て承認に付した留意事項に基づく事前協議を行わずに工事を開始したという違反行為があり、行政指導を重ねても是正しない
▽軟弱地盤、活断層、高さ制限及び返還条件などの問題が承認後に判明した
▽承認後に策定したサンゴやジュゴンなどの環境保全対策に問題があり環境保全上の支障が生じることは明らかと認められた
と指摘。「違法な状態を放置できないという法律による行政の原理の観点から、承認取り消しが相当であると判断した」と説明しました。
 
 謝花氏は「翁長知事は就任から辺野古新基地建設阻止を県政運営の柱にし、県民のために自らを投げ打ち、まさに命を削り、その実現に向け取り組んできた」と述べ、埋め立て承認撤回は、「辺野古に新基地は造らせないという翁長知事の強く、熱い思いをしっかりと受け止めた上で、法に基づき適正に判断したもの」と語りました。
 質疑応答で知事選の告示を9月13日に控えていることから、このタイミングでの撤回は「政治的判断では」と問われましたが、謝花氏は否定し「慎重に検討を重ねた結果、行政手続きとして行った」と強調しました。
 
 県の撤回通知を受け、小野寺五典防衛相は記者団に対し、「非常に残念だ。沖縄防衛局が必要な法的措置を取る」と述べました。県によれば、今後6カ月以内に撤回の取り消しを求めて提訴が可能です。
 
 
美(ちゅ)ら海壊し 基地造る 暴政止める 弔い選挙
植草一秀の「知られざる真実」 2018年9月 1日
沖縄県が埋め立て承認を撤回した。
急逝した翁長雄志知事が着手した撤回の手続きを踏襲したものである。
安倍内閣は直ちに法的な対抗措置を取るもの見られる。
撤回問題は法廷闘争に持ち込まれることになる。
9月13日告示、9月30日投開票の沖縄県知事選には沖縄県政与党から自由党衆議院議員の玉城デニー氏が立候補する。
他方、国政与党である自公サイドは宜野湾市長の佐喜眞淳氏を擁立することをすでに決めている。
県知事選は事実上の一騎打ちの闘いになる。
 
この選挙は翁長雄志前知事が急逝したことにより、前倒しで実施されることになったもの。
安倍内閣は撤回問題を法廷闘争に移行させ、辺野古米軍基地建設の是非を知事選争点からずらすことを目論んできた。
しかし、翁長雄志前知事が埋め立て承認撤回の手続きに着手した時点で急逝し、知事選が翁長知事の弔い合戦になったことで目算が狂った。
それでも、佐喜眞候補は辺野古米軍基地建設の是非を明確にしないまま選挙に臨む姿勢を示しており、知事選争点を基地問題ではなく、経済問題に差し替えようとする意図は残存しているものと考えられる。
 
今回の埋め立て承認撤回は、防衛省沖縄防衛局による環境保全措置に問題があることを理由とするもの(要件撤回)であり、2014年11月の知事選で辺野古米軍基地建設を拒絶する民意が示されたことを理由とするもの(公益撤回)ではない。
翁長前知事は前回知事選の前から、そして選挙中、選挙後を通じて、選挙で示される民意が撤回の根拠になることを明言していたが、選挙で示された民意を根拠にする撤回に踏み切らなかった。
同じ「撤回」でも、手続き上の瑕疵を理由とする要件撤回と沖縄県民の意思を根拠とする公益撤回では、意味も重みも異なることになる。
 
佐喜眞候補に対しては自公に加えて維新が支援の方針を決めている。
佐喜眞氏は自公維が支援する候補になる。
このうち公明党は、辺野古米軍基地建設について表向きは反対の意思を表明している。
しかし、佐喜眞氏が当選する場合に佐喜眞氏が辺野古米軍基地建設を容認するであろうことは疑いようがない。
ここには重大な矛盾がある。
「不幸の原因は矛盾にある」と言われる。
実態としては辺野古米軍基地建設容認であるのに、沖縄の主権者に対して、その事実を正確に伝えず、あいまいな言辞を示すことはきわめて不誠実な姿勢である。
他方、玉城デニー候補は立憲民主、国民民主、共産、社民、自由の国政野党5党の支援を受ける。
国政の対立図式がそのまま県知事選の基本構図になる。
 
玉城候補は佐喜眞氏とのスタンスの違いを明確にするために、新知事に選出された場合には、改めて、沖縄県の主権者の意思を根拠にした埋め立て承認撤回を行うべきである。
今回知事選の最大争点を辺野古米軍基地建設の是非と位置づけ、沖縄の主権者の判断を仰ぐことが望ましい。
佐喜眞候補は基地問題が争点にならないとするなら、辺野古米軍基地建設阻止の方針を明確に公約に示すべきだ。
あいまい戦術でのらりくらりとかわし、選挙後に基地建設容認に転じるような行動はきわめて不誠実である。
 
昨年10月の衆院総選挙比例代表選の政党別得票状況は以下のとおりである。
自公新  302,655
立希共社 325,983
自由党は比例代表選挙に参加していないから、自由党支持者の投票は他党得票に含まれている。
国政与党系政党への投票が30.3万票。
国政野党系政党への投票が32.6万票である。
オール沖縄陣営の保守系勢力が脱落したことで、オール沖縄陣営の得票減が懸念されているが、保守系票が脱落しても、基礎票において国政野党系得票が国政与党系得票を上回っている
札束でほおを叩いて沖縄をひざまずかせる安倍内閣の基本姿勢にNOを突き付ける主権者が大同団結、結集すれば、国政与党系候補を打ち破ることができる。
「美(ちゅ)ら海壊し 基地造る 暴政止める 弔い選挙」
に、沖縄のアイデンティティーに基づいて結集する主権者は、必ず勝利しなければならない。   (以下は有料ブログのため非公開)
 
 
玉城氏がWスコア優勢? 沖縄知事選で早くも始まった情報戦
  日刊ゲンダイ 2018年8月30日
           (前 略)
民間の調査会社の情勢調査が出回っています。調査日は不明で、玉城氏53%、佐喜真氏26%、未定20%だそうです。他に、日本維新の会の調査結果だとして、玉城氏57%、佐喜真氏21%という数字もあります。いずれも玉城氏がダブルスコアの優勢ですが、維新は自公とともに佐喜真氏を推薦する。佐喜真陣営を引き締め、玉城陣営を油断させるための情報かもしれません」(地元記者)
 ただ、出典のはっきりした調査もある。選挙情報サイト「選挙ドットコム」によれば、先週24日の数字では玉城氏が大きく先行。未定者は2割だったという。
「投票日の1カ月前なら未定者がもっと多いのが通常で、2割は少ない。翁長雄志知事が死去し、その後継として玉城さんをクローズアップする報道も多いので、玉城さんを後押しするムードがあるからではないでしょうか」(選挙ドットコムの増沢諒編集長)
           (後 略)

02- 徹底比較 安倍晋三と石破茂 (7)

 日刊ゲンダイの連載記事:「徹底比較 安倍晋三と石破茂 (7)」を紹介します。
 
 対談者の鈴木哲夫氏、野上忠興氏のプロフィールについては、連載1回目
      ⇒ (8月26日)徹底比較 安倍晋三と石破茂 (1)、(2)
を参照ください。
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 徹底比較 安倍晋三と石破茂  
性格は正反対 感情最優先の安倍と論理的説明に拘る石破
日刊ゲンダイ 2018年9月1日
鈴木 情と利害関係で成り立つ政治の世界では、石破みたいなタイプは面倒がられるかもしれません。理詰めで知的ゲームを楽しむところがあって、子分を集めてメシを食わせたりということもあまりやらないし、そんな時間があったら本を読みたいなんて言ったりするから、“永田町文化”の中では冷たく感じる人もいるでしょうね。
 
野上 安倍の場合は、幼少期に両親が不在がちで、母親の愛情に飢えていたというのが、やはり性格形成に影響しているでしょうね。養育係のウメが言うには「強情っ張り、わがまま、言い出したら聞かない」。ただ、度胸はあるんです。例えば子どもの頃、夏休みの最終日に宿題が終わっていないと、兄の寛信は涙顔になる。しかし晋三は平気で、ウメが「宿題は済んだの?」と聞くと、ノートは真っ白なのに「うん、済んだ」と平気で嘘を言って、始業式には「行ってきまーす」と元気よく家を出ていったといいます。
 
鈴木 言い出したら聞かないというのなら、石破にもそういうところはあります。初恋の女性と結婚したことからも分かるように、一途なんですよ。こだわりや執着は強い。ただし、石破の場合は整合性というのがどうしてもはずせない。「どうしてこの人がいいのか」「なぜ、このやり方でなければならないのか」と、論理的に説明できるかにこだわってしまうんですね。石破側近が盛んに「父性の人」と言うのだけれど、変な情で動くことはない。もちろん感情的な恨みつらみはあるけれど、論理的に許せるかどうか。だから、「目をかけてやったのに後ろからタマ撃ちやがって」みたいな部分は、石破には少ないかもしれませんね。
 
野上 ウメは「晋ちゃんは自分の感情が最優先で、個人的な恨みは忘れず、気に食わないとテコでも動かないタイプ」と回想しています。それでいて甘えん坊。排他的というか、敵と味方を峻別し、厳しい意見を言う人は遠ざけて、居心地のいい人ばかりで周りを固めてしまう。だから、「オトモダチ優遇」となり、オトモダチ重用人事に対して自民党内に不満、批判、異論が蓄積されてきている。
 
鈴木 かつて中曽根康弘は「風刺画の題材にされてこそ一人前の政治家」と言いました。自分に厳しいことを言ってもらえる環境こそ為政者に不可欠ですよね。西日本豪雨の時の「赤坂自民亭」も、誰か「今夜はやめよう」という仲間はいなかったのか。
 
野上 被災者のことを考えれば、まずは「軽率だった」と謝って当然なのに、「指示できる態勢は整えていた。私は何も悪いことはしていない」と開き直る。絶対に誤りを認めたがらないんですね。安倍は父・晋太郎から「おまえには政治家として必要な情がない」「相手の立場に立って考えることをしない」と散々、怒られたと聞いていますが、安倍を知る人たちは「非を認めないのはコンプレックスの裏返しでは」と言いますね。勉強ができなかったことに強烈なコンプレックスがあるというわけです。だからこそ、秀才だった祖父・岸信介への憧憬をより強くしたのかもしれませんね。(つづく・敬称略)

2018年9月1日土曜日

安倍政権 生活保護費 1480億円/年 削減へ 

 ウソを吐く(つく)ことに何の抵抗も持たない安倍首相の語る「綺麗ごと」は、その多くが事実と異なります。
 安倍首相は総裁選に向けた講演で、「生まれた家庭の事情によって、子どもたちの未来が左右されるようなことはあってはなりません」などと、子どもの貧困対策に全力をあげてきたと語りました。
 しかし安倍政権が実際にやってきたことは、発足の初年度で生活扶助を980億円削減し今年10月からは3年かけて更に210億円削減するなど、発足以来総額で1480億円/年 (月額2万4千円の世帯も)を削減したのでした。かつかつ以下の生活にあえぐ生活保護世帯に対し、これ以上はない冷酷な仕打ちです。生活保護費の基準は、そのまま学用品代を補助する就学援助など認定基準に直結しています。
 しんぶん赤旗が取り上げました。
 
 その一方で、全く役に立たないことが証明されているイージス・アショアに、6000億円余を投じるという売国的所業を平然と行う政権には、一刻も早く退場して欲しいものです。
註)先にトランプ大統領はマッハ5(秒速約1700m)以上のミサイルは迎撃できないと「正直に」述べました。長距離ミサイルの巡航速度はマッハ5以上で、落下時にはさらに加速されるので迎撃ミサイルは無効です。逆にマッハ5以下であれば迎撃でいるという保障も勿論ありません。。
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安倍首相の自画自賛  その中身は  貧困対策 生活保護を削減
 しんぶん赤旗 2018年8月31日
 安倍晋三首相は自民党総裁選に向けた講演で、「両親の離婚や失業などで家庭の経済状況が悪化し、勉強したくてもできない子どもたちがいる」「生まれた家庭の事情によって、子どもたちの未来が左右されるようなことはあってはなりません」(12日の長州「正論」懇話会)などと言い、安倍政権は子どもの貧困対策に全力をあげてきたと語りました
 しかし、安倍政権が実際にやってきたことは何か。“離婚や失業などで経済状況が悪化”した場合も含め、国民に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために支給する生活保護費の連続削減です。
 
 2013年には生活保護のうち日常生活費にあてる生活扶助を980億円削減しました。その後も住宅扶助、冬季加算を減らし、今年10月からは再び生活扶助を3年かけて210億円削減する方針です。10月からの削減がすべて実施されれば、安倍政権下での削減総額(国と地方負担分の合計)は年1480億円にものぼります。子育て世帯では、安倍政権前の生活扶助費と比べて月2万4千円も引き下げられる世帯もあります。(表)
 
 生活保護の基準は「これ以上の貧困があってはならない」という最低生活水準(ナショナルミニマム)を定めたもので、学用品代を補助する就学援助など多くの低所得者向け施策を利用できるかどうかの認定基準の指標にもなっています(例えば保護基準の1・3倍以下の収入など)。つまり保護基準の引き下げは、生活保護世帯以外の低所得世帯への支援対象も狭めることにつながっているのです。
 
 2012年12月の総選挙で政権復帰してから5年8カ月となる安倍政権。“子どもの貧困対策に全力”どころか、生活保護世帯には生活水準を切り下げ、低所得世帯には負担増を押し付け、さらに苦しい生活を強いてきた5年8カ月です。(随時掲載)
 
図