2025年4月17日木曜日

17- 中国が米国を打ち負かす戦略(賀茂川耕助氏)

 海外記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 記事の末尾に「中国はホワイトハウスに最高の無報酬の代理人を置いている」とあります。最初は何のことかと戸惑い勝ちですがそれはトランプのことです。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
中国が米国を打ち負かす戦略
                 耕助のブログNo. 2503  2025年4月15日
     Chinas Strategy to Defeat the US
          トランプの助けで米国を破産させる
                      by Hua Bin
トランプが「解放の日」に世界に関税をばらまくのを、中国は喜んで眺めている。敵が自らの意思で、目の前で頭を吹っ飛ばすのは日常茶飯事だ。敵がミスを犯しているときは、決して邪魔をするなということだ。

トランプの関税戦争の必然的な結果は、世界のサプライチェーンに深刻な混乱をもたらす。サプライチェーンの最下層に位置し、消費過剰で消費者ニーズもビジネスニーズも輸入に頼っている国として、このような混乱はインフレと景気後退につながるだろう。
インフレと景気後退に対抗するため、連邦準備制度理事会(FRB)は金利を引き上げ、政府は景気刺激のために支出を増やすだろう。米国の政府支出はすでにGDPの4分の1を占めているため、利払いが増え、支出が増えれば、政府の赤字はさらに増え、借金が増え、赤字が増えるという完璧な悪循環に陥る

米国が台湾で中国と軍事的に対決することを重視しているのは明らかだ。中国の軍事的進歩は、米国に戦争に備えるための巨額の出費を強いている:

* 最近発表されたF-47第6世代戦闘機計画
* 中国とロシアに追いつくために極超音速ミサイル技術を開発する
* 極超音速防衛技術の開発
* Graviticsのオービタル・キャリア・コンセプトのような宇宙戦争に備える
* 水上艦艇と潜水艦の両方の海軍造船をアップグレードする
* 大規模な群体ドローンへの投資
* 軍事AIとロボット工学
* 核兵器のアップグレード
* 中国の攻撃に備えてグアムを要塞化する
* 日本とフィリピンに軍事基地を建設し、強化する

利益を追求する米軍産複合体は、山のように積み上げてコストを最大化するだろう。その中には、今日武器販売を独占している5つの寡頭勢力だけでなく、AndurilやSpaceXのような高値の新ソリューションを売り込む新規参入企業も含まれる。ボーイングF-47プログラムのような入札なしの契約が増えると思われる。

GDPにおける防衛費が米国は35%、世界平均が2%であるのに対し、中国は現在15%未満しか防衛費を使っていないため、中国は簡単に軍事費を増やし、米国のさらなる軍事費の引き金を引くことができる。米国が冷戦に勝つためにソ連を破産させたように、歴史は繰り返され、中国は米国に支出による敗戦の道をとらせるだろう。孫子は最高の戦争戦略とは、戦わずして勝つことだと定義した。

彼のレトリックにもかかわらず、トランプは米国が直面している構造的な問題(インフラ、教育、製造業の競争力不足、過重な金融負担など)を何一つ解決していない。彼の常軌を逸した関税によって、世界は2つの陣営に二分されようとしている。高コストで障壁の高い米国主導の西側と、低コストで障壁の低い中国主導のグローバルサウスである。

トランプが使いまくって財政破綻に追い込まれる中、中国はホワイトハウスに最高の無報酬の代理人を置いている。
https://huabinoliver.substack.com/p/china-s-strategy-to-defeat-the-us