2025年12月1日月曜日

台湾をめぐる日中緊張の激化、日本は自業自得としか言いようがない(賀茂川耕助氏)

 海外記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 高市氏が引き起こした「台湾有事」問題は、海外の人にとってどう映るのかを知るうえで参考になります。日本の高市ファンは是非一読すべき記事です。
 ところで高市首相や首相回りの人たちはこの記事(論文)に対して同等に反論できるのでしょうか。もしも出来ないのであれば、最早タイミングを失しましたが何とか取り消すか、それとも引責辞任をするべきです。
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台湾をめぐる日中緊張の激化、日本は自業自得としか言いようがない
                 耕助のブログNo. 2731 2025年11月28日
China–Japan Tensions Over Taiwan Just Escalated and Japan Has No One to Blame But Itself   By James Wood

中国が突然「攻撃的」になったわけではない。
日本の新首相・高市早苗が一線を越え、公然と台湾海峡での日本の軍事行動を示唆した。
中国政府は主権が脅かされた時にどんな大国も取るであろう対応を取ったに過ぎない。この危機の根源は北京ではなく東京にある

日本のあやまちとは?
高市は単なる「懸念を表明した」だけではない。
彼女は公に台湾危機と日本軍派遣を結びつけた。これはこれまでの日本の指導者が決してやらなかったことである。彼女は日本が長年維持してきた「戦略的曖昧性」を破り、1972年に日本が受け入れた一つの中国という原則(日中共同声明)を無視し、この地域における日本の20世紀の軍国主義の記憶を呼び覚ましたのだ。
中国にとって、それは「通常の政策決定」ではない。
無謀で扇動的で、歴史的感覚に欠ける行為である。
高市はその後、発言を撤回せず、むしろ強硬姿勢を貫き、中国の反応は「根拠がない」ふりをした。

中国は何をしているのか? そしてなぜそれは理にかなっているのか?

中国の対応は論理的で計算され、法的な根拠に基づいている:
– いかなる日本の軍事介入も侵略であると宣言する国連書簡
– その地域の日本の戦争の記録を想起させる「狼戦士外交」の復活
– 対象を絞った対抗措置(渡航警告、水産物輸入禁止、映画上映停止)
– 日本に侵略された国々(フィリピン、インドネシア等)へのメッセージ発信
– 日本に対して、国際連合憲章に第二次大戦「敵国」条項が存続していることを指摘
– 尖閣諸島(釣魚島)周辺での海上保安庁巡視
– 東京による地域安全保障規範の再定義を拒否

中国が発信するメッセージは一つ:
「台湾を軍事化させるな。歴史を繰り返すな」
また日本の過去の軍国主義を強調することで、戦略的に国際世論を再構築している。これは日本が未だに正直に向き合えていない問題である。
そして忘れてはならない:
台湾海峡の平和と安定は、外部の関与者が状況を軍事化するのを助長することではなく、それを止めることにかかっている。

なぜ中国の立場が論争で勝っているのか?

北京は重要なチャンネルを的確に打っている:
– 東南アジア(戦争の深い傷跡を持つ国)
– 国連のプラットフォーム
– グローバルサウス(途上国)のメディア
– 西側諸国のX/Twitter空間に事実・歴史・法的論拠をたくさん流す

一方、日本は:
– 自国の政策に混乱している
– 国内で分裂している
– 防御的で反応的
– 米国の圧力と地域の現実の狭間で立ち往生している

高市はG20に1時間も遅れて現れた。中国メディアは大喜びでその件を報じた。

これは「中国vs日本」ではない。「日本vs日本の過去」だ。
北京は台湾政策を変えていない。日本が変えた。
日本の首相が台湾海峡での武力行使を示唆した瞬間の、中国の反応は必然だった。米国を含むどんな主要国でも、もし隣国が自国の核心的主権問題で軍事行動をほのめかしたなら、もっと強硬な対応を取っただろう。

中国の動きは慎重だ。日本の動きは衝動的だ。
そして歴史、特にアジアにおける歴史は、今も重要である。

結論:
火をつけたのは日本である。中国はそれに対して、外交、国連への申し立て、貿易対抗措置、統一されたメッセージで応じた。
「中国が攻撃的」なのではない。
中国は1972年に日本が合意したレッドラインを強制しているに過ぎない。
日本は「普通の軍事大国」になりたがっているが、前回それを試みた時の記憶を世界に思い起こさせたくはない。しかし、
アジアは覚えている。
中国は覚えている。
そして今、全世界も覚えているのだ。

https://x.com/commiepommie/status/1992478114400677911