植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
高市三原則は「ごまかし、居直り、すり替え」で、それが高市氏の常套手段であるとして「台湾有事発言」でもこの原則がいかんなく適用されていると指摘します。
高市氏は第2次安倍内閣時代に総務相に就きました。退任後 立民の小西洋之議員から過去の経緯に関する総務省内部文書を国会で提示されたとき、高市氏はそれを「ねつ造文書」だとして「ねつ造でなければ議員辞職する」と述べました。しかし当該文書が総務省の正規の内部文書であったことが後に明らかにされましたが 彼女は議員辞職をせずに居直りました。人間性が疑われる話です。
「台湾有事発言」以降、高市氏に対しては 元文科省事務次官の前川喜平氏は「教養がない」と、元経産省官僚の古賀茂明氏は「頭が悪い」と、また京都精華大の白井聡氏は「無能だ」とそれぞれ動画で批判しています。これだけ批判が集中するのは珍しいと言えます。
それでもメディアがひたすら持ち上げていることから 高市内閣は高支持率を維持していますが、年額11兆円の軍事費を確定し、更には21兆円も辞さないという軍国主義的政権では民生の安定など期しようがありません。
メディアも高市支持層も 早く正気に戻るべきです。
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ごまかし居直りすり替え 高市三原則
植草一秀の「知られざる真実」 2025年12月 3日
高市三原則は ごまかし、居直り、すり替え
台湾有事発言でもこの原則がいかんなく適用されている。
高市首相は台湾有事に関する国会質疑において
前段では「そのときに生じた事態について、いかなる事態が生じたということの情報を総合的に判断しなければならない」と述べた。
しかし、後段で「台湾を中国北京政府の支配下に置くような場合に、それが戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースだ」と述べた
発言が問題になってから高市首相は「歴代内閣の立場と一致している」「政府としての統一見解とするつもりはない」と述べたが、これは「ごまかし」だ。
前段の発言を貫いていれば「歴代内閣の立場と一致している」の説明で問題はない。
問題発言は後段部分であって前段部分ではない。
後段部分は「歴代内閣の立場と一致して」いない。
一致していないから「政府としての統一見解」にはできない。
「統一見解としない」のではなく「統一見解にできない」というのが実情。
だからごまかしなのである。高市氏の常套手段。
放送法の「政治的公平」の解釈変更を目論みた過去の経緯に関する総務省内部文書を高市氏は「ねつ造文書」だと述べて、「ねつ造でなければ議員辞職する」としたが、当該文書が総務省の正規の内部文書であったことが明らかになったのに納得のゆく説明をしていない。
これも「ごまかし」のひとつ。強く批判を受けると居直る。
今回の高市発言はこれまでの日中政府が積み重ねてきた外交文書の合意事項を踏みにじる部分を含む。
撤回が必要だが「撤回しない」と居直っている。その結果、日本経済に深刻な影響が広がり始めている。
「すり替え」に関する代表事例は「政治とカネ」の「議員定数」へのすり替え。
24年総選挙、25年参院選で自民党は歴史的大敗を喫した。
最大の要因は「政治とカネ」。史上空前の裏金不正事件が発覚した。
不正な裏金を1000万円以上不記載にした国会議員は21名に及ぶ。
少なくともこの21名は刑事責任を問われる必要があったが警察、検察が腐敗しているために巨大事件は矮小化された
それでも主権者である国民は自民党の「政治とカネ」問題への不誠実な対応を断罪した。
それを表出したのが選挙結果。自民党は「解党的出直し」を宣言して党首を差し替えた。
その結果として登場したのが高市内閣。ところが、高市内閣は「政治とカネ」問題への対応を放り投げて、問題を「議員定数」にすり替えた。
「政治とカネ」問題に真摯に取り組む姿勢をまったく示していない。
内閣支持率が高いのは巨大資本に支配されたマスメディアが高市絶賛報道を繰り広げているからだ。
しかし、やり過ぎると裏が透けて見えてくる。流行語大賞などは噴飯もの。
高市内閣がすり替えた「議員定数」。「身を切る改革」というなら「議員定数」ではなく「議員報酬」である。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4269号
「議員定数でなく議員報酬削減」 でご高読下さい。
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「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。