2023年6月7日水曜日

07- 大メディア“言論統制”の自殺行為 社員の原発本出版を朝日新聞が不許可に

 直近の日本の「報道の自由度」世界ランキングは71位です(22年度)。政権からの自由度のランキングが60位台以下に落ちてからもう久しくなりますが、大メディアに反省が全くないので改善されようもありません。

 3日に行われた新聞労連主催「言論機関の言論の自由を考える」シンポジウムで、「社外での言論活動」についてのアンケート結果(回答数186人)が公表されました。
 それによると社外執筆にストップがかけられた事例が8件、講演を止められた事例が3件、出版を止められた事例が1件ありました。件数は少なく見えますが、新聞労連は「そもそもストップをかけられること自体が問題」としています。
 その具体例として報告されたのが朝日新聞社員のケースで、「なぜ日本は原発をやめられないのか」というタイトルの書籍を出版することを届け出たところ、会社から「認められない」と言われたということです
 電力会社は莫大な広告費を投入して原発の安全性をPRしていますが、それは同時にメディアを篭絡(=原発批判を封じる)するためでもあります。
 逆に言うと大新聞はそんなことで簡単に「手なずけられている」ということです。
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堕落した大新聞ついに“言論統制”の自殺行為 朝日新聞が社員の書籍出版を「不許可」
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 大メディアが政治の“圧力”に屈し、権力監視の牙を抜かれて久しいが、ついに新聞社が自らの社員の言論を自主規制する動きが加速していることが分かった。
 3日に都内で開かれた「言論機関の言論の自由を考える」と題されたシンポジウム。全国の新聞社や通信社など86の労働組合が加盟する「新聞労連」が主催し、日本ペンクラブ後援で行われた。ここで「社外での言論活動」についてのアンケート結果が公表され、会社による規制が強まっていることが報告されたのだ。
 アンケートは186人から回答があり、例えば、社外執筆にストップがかけられた事例が8件講演を止められたが3件出版を止められたが1件あった。形式上「届け出制」なのに許可されない事例も出ているという。件数は少なく見えるが、そもそもストップをかけられること自体を労連は問題視。「慰安婦問題など見解が割れるもの、政治家から反論があったものなどに、規制強化の傾向がある」という。

 具体例として報告されたのが朝日新聞社員のケース。「なぜ日本は原発をやめられないのか」というタイトルの書籍を出版することを届け出たところ、会社から「認められない」と言われたという。
 この社員は現在、記事審査室に在籍しており、有休や自腹取材で執筆している。出版社の担当者が事情を説明しようとしたところ、朝日新聞はナント、「面会のお申し出については辞退させていただきたい」と逃げたという。大新聞社とは思えない対応だ。

 シンポジウムではTBSのキャスター・金平茂紀氏が「米NYタイムズや英BBCなどは社員にSNS発信や社外活動を推奨している。むしろ社外言論が会社の価値を高めるとの判断だ」と発言。元共同通信記者のジャーナリスト・青木理氏は「言論・報道の自由の担い手たるメディアが言論・報道の自由を守れなければ、社会に流通する情報が減る。誰が被害を被るのか」と話した。
 元東京タイムズ編集局次長で政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「新聞社も部数減でセコくなったものです。安倍政権からの言論弾圧の延長線上にあるのでしょうが、新聞社が萎縮すれば権力の思うツボ。これでは21世紀の大政翼賛会になってしまいます」
 まさに言論機関の自殺行為だ。

  関連動画(5分)
  「海外からの情報は、NHKのフィルタを通して報道される
     https://twitter.com/i/status/1665376793203994624