霊感商法や高額献金などで多くの被害者を出してきた統一協会(世界平和統一家庭連合)に対して東京地裁は25日、1559人、計約204億円にのぼる「類例のない膨大な規模の被害を生じさせた」として解散命令を出しました。
反社会的な活動実態を知りながら協会と親密な関係を保ってきた自民党などの責任が改めて問われています。
統一協会は地裁の決定を不服として東京高裁に抗告するとみられます。高裁が抗告を棄却すれば解散命令が確定し、裁判所に選任された清算人による清算手続きが始まりますが、協会による資産隠しなどの妨害で被害金額の全額が弁済されないおそれがあります。
命令が確定すれば協会は宗教法人の資格を失い、税制上の優遇措置を受けられなくなります。しかし任意団体として宗教活動は継続できるので、複数のダミー団体や霊感商法をする関連会社、協会政治団体「国際勝共連合」が存続しているなかで、被害者らは引き続き警戒が必要だとしています。
自民党は60年代から統一協会と協力関係を続けていて2022年の安倍元首相銃撃事件後、自民党と協会の癒着があらためて問題になりました。その後も自民党は全容解明に背を向けており、先の衆院選では協会から支援を受けていた議員も公認しました。
これを機に石破茂首相は癒着を徹底的に解明し、二度と同様の行為を繰り返さないと明確にするべきです。
しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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統一協会に解散命令 東京地裁 反社会的行為を認定
しんぶん赤旗 2025年3月26日
霊感商法や高額献金などで多くの被害者を出してきた統一協会(世界平和統一家庭連合)に対して、東京地裁(鈴木謙也裁判長)は25日、「類例のない膨大な規模の被害を生じさせた」として解散を命じました。命令が確定すれば協会は宗教法人の資格を失い、税制上の優遇措置を受けられなくなります。協会の反社会的行為を地裁が認定したことで、協会と癒着してきた自民党の責任も厳しく問われます。
癒着問われる自民
文部科学省は統一協会への批判が高まるなか、一昨年10月に東京地裁へ解散命令を請求。遅くとも1980年ごろから、正体を隠した勧誘や不安をあおり高額献金をさせるなど、民法上の悪質な不法行為が組織的に行われてきたことを問題にしていました。
東京地裁は決定で、被害は1559人、計約204億円にのぼると認定しました。被害は途切れることなく続いており、「看過できない」と指摘。「解散命令は必要かつやむを得ない」と述べました。
統一協会は決定を不服として東京高裁に抗告するとみられます。高裁が抗告を棄却すれば解散命令が確定し、裁判所に選任された清算人による清算手続きが始まります。ただ協会による資産隠しなどの妨害で被害金額の全額が弁済されないおそれがあります。幼少時から協会活動を強いられてきた信者2世に対する十分な支援もありません。このため、被害者らは特別措置法の制定などによる救済を政府に求めています。
また宗教法人格を失っても任意団体として継続できます。正体を隠した勧誘に利用している複数のダミー団体や霊感商法をする関連会社、協会政治団体「国際勝共連合」も存続しており、被害者らは引き続き警戒が必要だとしています。
自民党は60年代から統一協会と協力関係にありました。2022年の安倍晋三元首相銃撃事件後、自民党と協会の癒着があらためて問題になりました。しかし自民党は全容解明に背を向けており、先の衆院選では協会から支援を受けていた議員も公認しました。
新たな被害生まぬ対策を 被害者声明“支援早く”
統一協会(世界平和統一家庭連合)の元信者や被害者家族らでつくる「被害者有志一同」は25日、解散命令をうけて声明を発表しました。「数十年にわたり被害者たちが人生をかけて訴え続けてきた努力が、ようやく実を結んだ」と述べています。
声明では「私たちは、長年にわたり統一協会による霊感商法や高額献金、家庭崩壊や人権侵害などの被害に苦しんできた」と訴えています。解散命令は「最低限必要な措置」であり、「新たな被害者が生まれないことへの確約ではない」として課題を強調。解散命令後も別の団体名での活動や、献金の海外送金を続ける可能性が高いとして、徹底した防止策、被害者の早急な支援策を求めています。
癒着・利用 自民の責任重大 救済求める力 統一協会追い詰める
しんぶん赤旗 2025年3月26日
統一協会(世界平和統一家庭連合)に民法上の不法行為があったとして東京地裁は25日、文部科学省の請求を認めて解散命令を出しました。高額な物品の購入や献金を強要された被害者、人権侵害を訴える信者2世、救済に奔走してきた弁護士らの活動が協会を追い詰めました。
解散命令請求のきっかけとなったのは、安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃ざれた事件(2022年7月8日)です。殺人罪などで起訴された山上徹也被告(44)の母親は協会の信者で、1億円を超える献金で家庭崩壊の末に自己破産していました。
山上被告は犯行の直前に送った手紙で、安倍氏について「現実世界で最も影響力のある統一協会シンパのー人」と記していました。
安倍氏は銃撃事件の1年前、協会の関連団体「天宙平和連合」が開いた大規模集会にビデオメッセージを送り、信者の前で「敬意を表します」と称賛する演説をしていました。
協会側は政治家との関係を宣伝に利用し、選挙で反共謀略ビラを配って自民党などを「支援」してきました。解散命令が出ても政界との癒着は未解明で、反社会的な活動実態を知りながら親密な関係を保ってきた自民党などの責任が問われています。石破茂首相は癒着を徹底的に解明し、二度と同様の行為を繰り返さないと明確にするべきです。
協会が宗教法人の認証を受け、日本で活動を活発化させたのは1970~80年代です。正体を隠して若者や主婦に近づき、ビデオセンターに連れ込んで洗脳する手法で信者を拡大しました。
「霊界で苦しんでいる先祖を解放しなければ」と恐怖をあおって物品を買わせるご「霊感商法」の被害が急増し、87年には被害者救済に取り組む「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)が発足しました。
宗教法人法は「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに「認められる行為」や「宗教団体の目的を著しく逸脱する行為」があった場合、裁判所が解散を命じることができると定めています。
文部科学省は解散命令請求の理由で、協会が遅くとも80年ごろから「財産的利得を目的として献金の獲得や物品販売にあたり、多数の者を不安や困惑に陥れて自由な意思決定を制限し、財産的損害を与えて生活の平穏を害する行為をした」と主張しました。被害は約1550人、計約204億円にのぼり、協会の損害賠償責任を認めた判決は32件だとしています。
協会側は東京地裁の決定を不服とし、東京高裁に即時抗告する姿勢を示しました。東京高裁が地裁の決定を支持すれば解散命令は効力を持ち、協会は京教法人格を失います。税制優遇を受けられなくなり、裁判所が選んだ清算人によって預金や不動産を清算する手続きが始まります。
ただ、解散命令が確定しても任意団体としての活動は認められます。妻の献金被害を本紙に告発した男性は「解散命令は遅いと感じる」とし、協会が存続することで「今まで以上に収奪活動を継続し信者がいる家庭は崩壊する」と警戒しています。
全国弁連などは、協会が信者や関連団体に資金を移すなどして財産の隠匿を行うおそれを指摘。特別措置法で清算人の権限を強化し、被害者への賠償を速やかに進めることを提案しています。
親から信仰と活動を強要された信者2世の被害救済も課題として残ります。家族の被害を抜本的に救済する制度を国が創設し、自治体と連携して相談体制を整備することも求められています。
統一協会
1954年に開祖・文鮮明が韓国で創立し、58年には日本でも活動を開始。64年に宗教法人として認証されました。つぼや印鑑などの高額な物品を売りつける「霊感商法」や正体を隠した勧誘、協会が選んだ男女の集団結婚が社会問題となりました。協会は2009年にコンプライアンス(法令遵守)宣言を出しましたが、その後も先祖の怨念があると脅して高額献金をさせる被害が続いています。15年には団体名を「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」に変更しました。日本共産党に対する反共謀略活動を展開する「国際勝共連合」などの関連団体をつくり、自民党をはじめとする政界との癒着も指摘されています。 (統一協会取材班)
統一協会解散命令 被害者救済の立法措置を 小池書記局長が会見
しんぶん赤旗 2025年3月26日
日本共産党の小池晃書記局長は25日、国会内で記者会見し、東京地裁が同日、統一協会(世界平和統一家庭連合)に解散命令を出したことについて、「統一協会の反社会性が証明されたものにほかならない」と指摘しました。
小池氏は「(統一協会は)すべての被害者への謝罪をすべきだということをまず言いたい」「被害者に対し、経済的、精神的にさまざまな苦痛を与えてきたという責任を認めることが取るべき態度だ」と発言。さらに、「統一協会と関係をもったすべての政党、政治家は、自らの責任で関係を調査し公表することを求めたい」と主張し、「統一協会が関連団体などに資金を移動させることも想定されるので、清算人の権限を強め被害者の救済を円滑に進めるための立法措置を国会がとるべきだ」と語りました。
同性婚法制化 国会は早急に
小池書記局長は会見で、法律上同性同士の結婚を認めない民法の規定を違憲とした同日の大阪高裁の判決について、一連の訴訟で高裁での違憲判決は五つ目だとして「最高裁判決を待つまでもなく、司法判断は明確になっている。国会は一刻も早く同性婚の法制化に進むべきだ」と主張しました。