しんぶん赤旗 連載の「第2次高市政権6カ月」(下)を紹介します。これで本シリーズは終わりです。
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第2次高市政権6カ月 (下) 大企業・軍事へ「積極財政」 暮らし置き去り、破綻の道暴走
しんぶん赤旗 2026年8月22日
「これまでの政策の在り方を根本的に転換する。その本丸は、『責任ある積極財政』だ」- 高市早苗首相は2月の施政方針演説でこう訴えました。
五十嵐仁 法政人名誉教授(政治学)は「責任ある積極財政というが、無責任な放漫財政を前提にした大企業支援策だ」と批判します。その中身は「政策転換」などではなく行き詰まった大企業中心の自民党政治を、これまで以上の速度で推し進めるもの。その危険性は、高市政権が7月に閣議決定した「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)と「日本成長戦略」でいよいよ明らかとなっています。
二つのばらまき
成長戦略はAI(人工知能)・半導体や軍需産業など17の戦略分野、62項目の製品・技術を対象に、2040年度までに総額370兆円超の官民投資を行うとしています。前代未聞の大企業へのばらまきです。
しかし、大企業を減税などで優遇しても、賃金は上がらず、富の一極集中が進んだだけでした。貧困と格差を広げ、「失われた30年」という長期の経済停滞をもたらした自民党政治への反省もなく、破綻した道を暴走しようとしています。さらに軍事を「成長戦略」の柱とし、「経済軍事化」へかじを切っています。
大企業と軍事への二つのばらまきは、財政の急激な悪化をもたらす危険があります。歴代政権が掲げてきた「基礎的財政収支の黒字化」目標も投げ捨て「債務残高の対GDP(国内総生産)比の低下」に変更。毎年10兆円以上の国債追加発行が可能と試算し、一時的な財政悪化も「許容しうる」などとしました。「骨太」原案の公表だけで、金融市場で国債が売られ、長期金利が上昇。円が売られ円安が進みました。市場やメディアでは「骨太ショック」だと評され、実施前から「赤信号」がともっています。
物価高騰に無策
高市政権は大企業支援に明け暮れる一方、物価高から暮らしと中小企業を守る有効な対策は打ってきませんでした。首相は施政方針で「日々のの暮らしと未来への不安を、希望に変えていこう」と訴えましたが、希望どころか暮らしと営業の危機はいっそう深まっています。
東京商エリサーチが発表した7月の企業倒産件数は1028件で今年最多に。2ヵ月連続で1000件を超えるのは14年ぶりです。日銀が7月に発表した6月の「生活意識アンケート」では、暮らしに「ゆとりがなくなってきた」との回答が55%に上りました。賃金は物価高に追いつかず、25年度の実質賃金は前年度比O・5%減。4年連続のマイナスとなりました。
五十嵐氏は「物価高に対して無為無策の高市政権の姿が明らかになった。支持率が低下するなか、唯一打ち出した食料品消費税の1%への減税も、財源が不明で2年後には大増税になるなど問題が山積している」と指摘します。
白鳥浩 法政大赦授(政治学)は「財源が明示されない中で、積極財政、減税をやっていけばどこかの段階で赤字国債の発行は不可避になる」と指摘します。日本の財政の信用が低下して円安が進行し、株安が起こる可能性に言及。財源の裏付けがない減税策で金利急騰を招いた英トラス政権の。「トラス・ショック」を引き合いに「サナエ・ショックが起こる可能性もある。現実になるのは来年、再来年ではなく、目の前に来ているかもしれない」と警告します。(おわり)
(この連載は、伊藤幸、中野侃、柳沢哲哉が担当しました)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。