2026年8月24日月曜日

米国の横暴には「残念」だけ…ちゃんちゃらおかしい高市内閣の「法と正義」

 トランプ・米国は18日、「ICCの管轄権に同意していない政府の職員に対する捜査、逮捕、拘束、起訴を進めようとするICCの取り組みに直接関与してきた」として、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長と同検察局に所属するセネガル出身の弁護士を制裁対象に指定しました(25年以降にトランプ・米国の制裁対象となったICCの検察官や裁判官らは計13人に上ります)。
 赤根氏はこの制裁について「ある程度予期していたことで驚きはない」としたうえで、「重要なのは、これを国際的な『法の支配』の終焉の始まりとさせないこと」と述べ、最後に「日本と日本の皆様の支援が重要な鍵となるだろう」と呼びかけました。
 ところが高市首相は19日のぶら下がり取材で、「大変残念に思っている」と述べただけで、トランプへの一言の抗議も口にしませんでした。予想は出来たものの情けない限りです。
 日刊ゲンダイの怒りの記事を紹介します。

 併せて東京新聞の記事:「トランプ氏の標的になったICC赤根所長…高市首相の大変残念しか言えない態度に自民内からも批判の声」を紹介します。
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米国の横暴には「残念」だけ…ちゃんちゃらおかしい高市内閣の「法と正義」
                         日刊ゲンダイ 2026/08/21
                      (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 それにしても分かりやすい政権だ。アジアでは正義を振りかざし、灯台などと粋がるくせに、大国の前では沈黙のダブルスタンダード。だったら属国なんだから偉そうなことは言うな、だろう。
 なめられているから、逮捕状のプーチンも堂々と択捉入り。そんな米国のために防衛費は青天井
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 トランプ米国の暴挙が国際社会の怒りを買っている。国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長を18日、制裁対象に指定したのだ。米国内の資産凍結や入国禁止措置が取られ、米国以外の国にいてもクレジットカードが利用できなくなる恐れがあるという。
 かねてトランプ政権はICCが主権国家を脅かしていると敵視し、裁判官らを次々、制裁対象にしてきた。今回はトップの所長が標的。ICCを機能不全にさせ、本格的に「解体」に乗り出したということになる。
 ICCは戦争犯罪に関与した国家指導者など個人を裁く常設の国際法廷。国際法の番人であり、砦だ。現在、125の国と地域が加盟している。
 これまで、ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領に逮捕状を出し、パレスチナ自治区ガザでの人道への罪や戦争犯罪容疑でイスラエルのネタニヤフ首相にも逮捕状を出してきた。米国もロシアもイスラエルもICC非加盟だが、ICCには締約国の領域で起きた重大犯罪などについて、容疑者の国籍国が非加盟でも管轄権を行使できる規定があるからだ。
 米国はこの規定が許せない。18日の声明でルビオ国務長官は「悪意をもって権限を乱用し、与えられた任務の域を超えている」と主張した。トランプ政権以前の歴代大統領もICCに懐疑的な立場を取ってきた。だが、実力行使に踏み切るのがトランプ大統領の異常性である。
「私に国際法は不要」とまで言い放った米国第一主義のトランプは、2期目就任直後の昨年2月に、ICC関係者への制裁を可能にする大統領令に署名した。理由はネタニヤフの逮捕状への反発とされるが、米国のイランやベネズエラに対する軍事行動は「国際法違反」と批判されており、トランプ自身が任期終了後の訴追を警戒しているとの見方もある。

天災や事故なのか
 人権や「法の支配」を重視する国や機関からは米国に対し、強い批判が相次ぐICCが本部を置くオランダのベーレンドセン外相は「制裁を認めない」と非難。フランス外務省、欧州連合(EU)のコスタ大統領とフォンデアライエン欧州委員長、国連のグテレス事務総長なども非難声明を出している。
 ところが、である。ICCのトップは日本人のうえ、日本は最大の分担金拠出国なのに、高市首相の反応の弱腰なことったらない。19日のぶら下がり取材での発言は、「大変残念に思っている」だった。トランプが怖くて、非難も抗議もしなかったのだ。
 実は高市は、今年1月に赤根氏と面会し、「政府としてICCと赤根所長を力強く支援していく」と伝えていた。それが、いざ米国が強硬手段に出たら、黙って引っ込む情けなさ。卑屈な対米隷従、極まれりだ。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「日本政府の使った『大変残念』という言葉ですが、英語では『very unfortunate』でした。これは『運が悪かった』程度の意味で、天災や事故にでも遭った時に使う表現でしかありません。ルビオ国務長官は『締約国以外の国の人間を捕まえるのはおかしい』と主張していますが、そもそも締約国に入ったら捕まるという国際刑事罰の規定というのは、国際社会でなかなか裁けない人の居場所をなくしていくためのものであり、それが裁判所設置の趣旨なのです。これまで日本は小田滋氏や小和田恒氏を国際司法裁判所(ICJ)の裁判官に出してきたし、現在も岩沢雄司氏がICJ所長で、ICCは赤根氏が所長。いわば国際社会における輝かしい地位の一翼を日本が占めているわけです。今回のことで、今までの努力がついえようとしています」
 米国にとって、戦争犯罪を裁き、国際法を守る「正義」は邪魔でしかないのだ。だからICCも解体したい。世界の大国がいまや、傍若無人の野蛮国家に成り下がった。それでも日本政府は、今回の制裁を「日米関係に影響させないことが大事だ」(外務省幹部)と忖度一色。救いようがない

国を挙げて赤根所長を守らなければ、国際社会で信頼失墜




 媚態醜態(ホワイトハウスのXから)






 就任以来、高市は師と仰ぐ故・安倍元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を口にしてきた。今年5月には自ら「FOIPの進化」とうたって新たな外交方針を打ち出し、訪問したベトナムで演説してもいる。新FOIPは「法の支配や開放性を基礎とする国際秩序の維持を目的としつつ、インド太平洋地域の各国が自律性と強靱性を高めるべき」という趣旨なんだという。

 終戦の日の全国戦没者追悼式でも、「日本はインド太平洋の輝く灯台として頼りにされる国になれる」と訴えていた高市。最近はこの「輝く灯台」という表現がお気に入りだが、ちゃんちゃらおかしい。
 アジアの国々に対しては上から目線で正義を振りかざしイキがるくせに、相手が「力の支配」のトランプになると沈黙してしまう。これほどのダブルスタンダードがあるものか。弱きはくじき、強きには屈する──分かりやすい政権だ。
 トランプに対しては、隣でぴょんぴょん跳ね、抱きつき、上目づかい。手までつなぐ。日本国民であることが嫌になるほどの媚態醜態をさらす。高市にとって日米蜜月は、ただただ後ろからついていくだけの隷従であり、言うべき時に何も言えない薄っぺらな法と正義。一方のトランプにとって高市は「私の一番のファン」でしかなく、見下されている。そんな米国の属国なんだから、偉そうなことは言うな、だろう。
「『法』は普遍的なもので、どこにあってもダブルスタンダードにはならない形で存在していなければいけない。日本が『法の支配』を重視しているのなら、アジアだろうが米国だろうが、同じことを言えなければ矛盾します。米国のやっていることがいかに『法の支配』や『文明』に対立しているのか。日本は国を挙げて赤根氏を守らなければ、国際社会からダメな国だと思われてしまう。国際社会での信頼をなくす。日本がアジアで『法の支配』を訴えたって、誰も耳を傾けてくれませんよ」(五野井郁夫=前出)

「力の支配」の論理に組み込まれる
 その通りで、高市の言う「法の支配」なんて口先だけと見透かされている。だからICCから逮捕状が出ているプーチンにもナメられ、北方領土の択捉島に堂々と上陸されてしまう。拉致問題を抱える北朝鮮にしても、トランプが突然、金正恩総書記との首脳会談を熱望し始め、北の核保有を容認しているかのような発言までしてしまう。高市は蚊帳の外で赤っ恥である。
 ところがその一方で、防衛費だけは米国のためにどんどん膨張する。防衛省は来年度予算の概算要求で、過去最大の8.9兆円を求める方針だが、具体的な金額を示さない「事項要求」が多く、事実上の青天井。年末に決める当初予算は初の10兆円規模と2ケタになるのは確実だ。
 年末には安保関連3文書の改定もある。防衛費は現状のGDP比2%目標が3.5%にまで引き上げられるとみられる。
 法大名誉教授で政治学者の五十嵐仁氏は言う。
「高市政権がやっているのは、米国に言われるがまま、批判も反対も抵抗もできない外交なき外交。米国が進める『力の支配』を否定できないだけでなく、自らも『力の支配』の論理に基づいて、軍事力を強めようとしている。『新しい戦い方』ができるように長射程のミサイルやドローンを開発し、兵力不足を補うために公務員を予備自衛官にする。そうして『力の支配』の論理に組み込まれていくのです。81年を費やして築いてきた平和国家としての日本の、国際社会における地位や信用をぶっ壊す蛮行です」
 思考停止の高市外交。いよいよ迷走の度を深めている。


トランプ氏の標的になったICC赤根所長…高市首相の「大変残念」しか言えない態度に自民内からも批判の声   有料会員限定記事
                         東京新聞 2026年8月21日
 国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らを制裁対象に指定したトランプ米政権に対し、欧州各国や国際機関が相次いで抗議の声明を出した。一方、高市早苗首相は「大変残念」と抑制的にコメント。同盟国の米国に配慮し、首相が重視する「法の支配」を損なうような対応にとどまった。識者や自民党内からも「もっと強い声明を出すべきだ」との声が上がる。(浜崎陽介、木谷孝洋)

◆国連のグテレス事務総長「深刻な懸念」
 「オランダは制裁を認めない。裁判所と職員を全面的に支持する」。ICC本部があるオランダのベーレンドセン外相は、自身のXで米国の制裁を非難した。スペイン、フランス、ドイツの外務省もそれぞれ懸念を表明した。

 国際機関も強い言葉で反応した。国連のグテレス事務総長は「深刻な懸念」を表明。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長はICCと赤根所長を支持するとした上で「裁判官や職員は任務遂行のために、外圧から独立していなければならない」と訴えた。
 日本国内でも超党派の議員連盟が19日、米国に制裁の撤回を求めるよう政府に要請する非難声明を発表。野党も相次いで抗議し、自民の閣僚経験者も「同盟国の人間を制裁対象にするとは、トランプ氏は常軌を逸している。政府は米国にもっと厳しくものを言うべきだ」と批判した。
◆3月の参院予算委員会では「累次にわたって働きかけ」
 赤根氏が制裁対象になる予兆はあった。ICCがイスラエルのネタニヤフ首相の逮捕状を請求したことなどを受け、トランプ大統領は昨年2月、ICC関係者への制裁を可能にする大統領令に署名。裁判官らを次々に対象に加えた。
 ICC最大の資金拠出国である日本は、後ろ盾になる姿勢を示してきた。今年1月に帰国した赤根氏の表敬を受けた首相は法の支配を重視していることを強調。「政府としてICCおよび赤根所長を力強く支援していく」と伝えた。
 今年3月の参院予算委員会でも「ICCを、赤根所長を米国の制裁から守ってください」と訴えた野党議員に対し、首相は「累次にわたって米国への働きかけをしている」と答えた。
◆トランプ政権を刺激しないことを優先
 ところが、...
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