2018年5月31日木曜日

31- <もうひとつの沖縄戦>(1)、(2)(東京新聞)

 太平洋戦争末期本土防衛の捨て石とされた沖縄の地上戦では18万8千人の日本人がなくなり、そのうち民間人は9万4千人に上ります。沖縄の悲劇はそれにとどまらず、3千人以上の兵士が45年6月に捕虜としてハワイに移送され、劣悪な環境の施設に終戦後も収容され続けました。
 同じ収容所には米国在住の日系一世や二世ら数百人も収容されていました。宗教者や教師、経済人ら影響力のある人たちで、米国政府から日本に忠誠を誓う者たちとみなされて隔離されたのでした。
 
 東京新聞がこの体験者たちからの聞き取りなどに基づいて、「シリーズ <もうひとつの沖縄戦>」の連載を始めました。
※ 原記事にアクセスすれば当時の写真もご覧になれます。
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<もうひとつの沖縄戦>(1)
18歳の捕虜 ハワイへ 猛暑の船底 裸で移送
東京新聞 2018年5月29日
 太平洋戦争末期に日米合わせて約二十万人が死亡した沖縄戦から七十三年。沖縄の人々は本土防衛の捨て石とされただけでなく、三千人以上の男たちが捕虜として米国ハワイに移送され、終戦後も収容されつづけた。少なくなった元捕虜たちは、もうひとつの「沖縄戦」を語り継ごうとしている。 (編集委員・佐藤直子)
 
 捕虜を乗せた米軍の上陸用舟艇は、嘉手納(かでな)沖に停泊した大型輸送船の脇腹につけるように止まった。二十メートルほど上方の甲板から縄ばしごが下ろされる。「カモン(上がれ)」。船上から米兵が手招きした。捕虜たちは戦闘で弱った体にむち打って上った。
 一九四五年六月下旬。米軍との戦いで焦土となった沖縄本島から、戦場で捕虜となった沖縄の兵士らを乗せた船が出航した。
 当時十八歳だった元嘉手納町議の渡口彦信(とぐちひこしん)さん(91)は船内で全裸にされ、米兵に海水のシャワーを浴びせられた。あとは下着一枚配られない。閉じ込められたのは、荷を積む船底だった。「殺される」と恐怖に震えた。
 
 旧制県立農林学校の卒業を目前にした四五年二月、渡口さんは徴兵検査に二年繰り上げて合格。那覇市内に駐屯していた球二一七二野戦高射砲隊に入隊し、初年兵教育もないまま戦場に出た。
 四月一日に米軍が沖縄本島に上陸し地上戦が始まると弾薬運びなどをしたが、米軍に制空権を握られて昼間は高射砲を撃てない。砲台に草木をかぶせて壕(ごう)に隠れ、夜になると敵の陣地を攻撃した。弾も食料も睡眠も足りない。「大和魂だけで踏ん張っていた」と渡口さん。百五十人余いた中隊はやがて三十人ほどに。那覇から南へ撤退し、糸満市摩文仁(まぶに)の海岸に隠れていたところを捕まった。
 
 米軍トラックに詰め込まれ、捕虜を集めた屋嘉(やか)収容所に向かった。数日後には故郷の嘉手納に移動。そこでは集められた捕虜が列をつくり輸送船に乗せられていた。渡口さんも家族の安否も分からぬまま乗せられた。同じ船に当時十五歳の古堅実吉(ふるげんさねよし)さん(88)がいた。鉄血勤皇隊と呼ばれる学生部隊の一人だった。
 何十人もの捕虜が押し込まれた暗い船底は窓もない。明かりは裸電球が一つ。猛烈な暑さで人いきれが激しかった。「食事のときも皿一枚配られない。手のひらに飯を盛り、おかずをのせる。顔をうずめて獣のように食べるんです」。そんな扱いが古堅さんには耐えがたかった。誰もが疲れ切って無口だった。一日二回の食事で日にちを数えた。
 用便も人目のある所でバケツにした。汚物処理のため、輪番でバケツを甲板に上げる一瞬だけ、新鮮な空気に触れることができた。
 
 行き先も分からぬまま、ある日、甲板に出た渡口さんは遠くに島をみた。「あそこは」と監視の日系米兵に尋ねた。「こちらサイパン。あちらはテニアン」。指さす方に日米の激戦地となった島が見えた。
 捕虜を乗せた船は南東へと進んでいた。三週間ほど過ぎたころ、米兵が「上陸だ」と知らせに来た。到着したのはハワイだった。
 
 
<もうひとつの沖縄戦>(2)
「地獄谷」と呼ぶ収容所
東京新聞 2018年5月30日 
 一九四五年七月、沖縄戦での日本人捕虜を乗せた輸送船は、米国ハワイのパールハーバー(真珠湾)に入った。州都ホノルルを擁するオアフ島の南側に位置するこの軍港は、四一年十二月八日未明に日本海軍が奇襲攻撃を仕掛けた因縁の地だ。船から下ろされた捕虜がトラックで連れて行かれたのは、島の中西部にあるホノウリウリ収容所だった。
 山中の約六十五ヘクタールの荒れ地を切り開き、四三年に建設されたハワイ最大規模の強制収容所。鉄条網に囲まれてバラックやテントが並ぶ。雨が降ると赤土がぬかるみ、猛烈な暑さと大量の蚊が捕虜たちを悩ませた。「地獄谷」と呼ばれていた
 収容所では大きな袋が一人ずつに配られた。中には靴や靴下、せっけん、歯磨き粉、食器、コップなどの生活用品が入っていた。
 
 ハワイに上陸する直前、捕虜たちに配られた上着とズボンを脱ぎ、胸や背中、ズボンの太もも部分に「PW」とペンキで書かれた服に着替えた。「Prisoner of War(戦争捕虜)」を意味する屈辱的な印だった。
 捕虜たちはホノウリウリで、ただ食べて寝て、衰弱した体を休めた。十八歳の渡口彦信(とぐちひこしん)さん(91)が労働を命じられたのは、ハワイに来て一カ月が過ぎたころ、ホノルル湾入り口のサンド島の収容所に移されてからだ。
 
 軍の洗濯工場での軍服の整理や、米軍将校宅の庭の草刈り、ごみ集めなどが割り当てられた。労働は一日八時間。監視の米兵が捕虜に暴力を振るうことはなかったが、銃を手に「ジャップ」と呼び、敵意をむき出しにする監視兵もいて怖かった。
 「生きて虜囚の辱めを受けず」と教え込まれた皇軍兵士が敵国のために働かされる。渡口さんはその悔しさを忘れない。「故郷や家族のことばかり考えてね。働いても米国のためだと思うと苦しかった…」
 
 真珠湾攻撃はハワイの日系人社会にも暗い影を落としていた。ホノウリウリ収容所には沖縄からの捕虜だけでなく、米国籍の日系一世や二世らが数百人も収容されていた。生活の活路を求めてハワイに移住した日系人の人口は、四〇年に全州の37%を占めていた。
 このうち、宗教者や教師、経済人ら影響力のある人たちは米国政府より日本に忠誠を誓う者たちとみなされて隔離を強いられた。有力者を失った日系社会は弱体化していった。 (編集委員・佐藤直子)

2018年5月30日水曜日

高い道徳性と倫理観を持たない人間は無敵

 28日午前の参院予算委で、安倍首相が、加計学園問題について「一点の曇りもない」と答弁すると、共産党の小池晃書記局長は「これが今話題のご飯論法ですよ。全くのすり替えだ」と断じました。
「ご飯論法」とは、「朝ご飯を食べましたか」と質問された場合、パンを食べていても、あたかも「ご飯(白米)」について問われたかのように論点をずらし、「食べていない」と強弁する論法です。労働問題に詳しい法政大の上西充子教授がツイッター上で紹介すると、「秀逸な表現」などと一気に拡散しました。  29日・東京新聞:「野党追及 論点すり替える首相答弁は…『ご飯論法』」)
 
 また同じ日、安倍首相は、妻昭恵氏付きの政府職員が森友側からの要請で財務省に問い合わせたことは認めたものの、森友学園との土地取引に関し「例えば金品を授受して『政策を変えろ』というようなことでは全くない(要旨)」と述べました。
 これは、これまでは「私や妻、事務所がかかわっていれば、首相も国会議員も辞める」と主張していたのを、関与の度合いを贈収賄に当たるような行為と「狭く解釈」する答弁に転じたということです。(  29日・東京新聞:「首相『贈収賄当たらない』 『辞任答弁』狭義に解釈」)
 
 要するに、妻の関与が濃厚になってきたので「辞任する」とした当初の言明を修正する必要が生じたということで、まことに「変幻自在な対応」を見せたのでした。
「くろねこの短語」氏は、「いま問われているのは、政治家としての倫理感』『道徳感であって、陸山会事件の時にメディアがさんざん小沢一郎氏をいじめぬいた道義的責任ってやつこそが問題なのだ」と指摘しています。
 しかしそうしたものが一切欠如した人間の確信犯的な振る舞いには、もはや対応のしようがありません。安倍首相が強引に導入した「道徳教育」が最も必要な人間は実は彼自身でした。
 
 日本人にはもともと安倍首相が目指しているものとは別の高い道徳性と倫理観があり、それは江戸時代などに日本を訪れた心ある外国人が等しく認めたものでした。営々として築かれてきたそうした日本人の美徳が、安倍氏の登場でいま根底から崩されようとしています。まさに彼こそが日本に危機を齎す元凶に他なりません。
 
くろねこの短語」を紹介します。
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 安倍晋三は日大危機管理学部の名誉会長だった。
くろねこの短語 2018年5月29日
 いやはや、国会は「ご飯論法」がフルスロットルで、ペテン総理の断末魔が永田町に響きわたっております。なんてったって、注目すべきは、「私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員も辞める」って言ってたくせに、いつのまにか「贈収賄はまったくない、という文脈で一切関わっていないと申し上げた」って妄想が始まったことだ。
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 これって、「関与」が濃厚になってきたから「贈収賄」を持ち出してきたってことで、ようするに絶体絶命ってことを自ら認めちゃったようなもんなんだね。橋龍命の江田君が「実際の裁判だったらもう詰んでいる。証拠固めは終わって、自白を待つだけだ」って語気鋭く迫っていたのは正しい。
 
 そもそも、贈収賄だったら有無を言わさず逮捕なんだから、言わずもがなのことなんだね。いま問われているのは、政治家としての「倫理感」「道徳感」であって、陸山会事件の時にさんざんオザワンをいじめぬいた「道義的責任」ってやつこそが問題なのだ
 たかが期ズレで極悪人かのごとく報道した新聞・TVは、ペテン総理の嘘や誤魔化しにはとことん寛容で、あまつさえ野党の立証責任だの決め手に欠けるだのてことに話を歪曲化するんだから始末に終えない。これじゃあ、国会は裁判所みたいなもので、司法の領域まで担っていることになっちまう。それは違うだろー!
 
 政治家ってのは疑惑を持たれただけでアウトなんだね。国民の負託に応えるってことは、それほど重い責任があるってことだ。それは官僚だって同じこと。虚偽答弁を43回も繰り返したシュレッダー佐川君が逮捕もされずにノホホンとしていられる社会ってのは、やっぱり歪んでいる
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 ペテン総理が権力の座にある限り、その歪みはひどくなりこそすれ、正されることはけっしてないだろう。
 
 ところで、危機管理学部は日大と加計学園系列の大学にしかないって26日のエントリーに書いたんだが、なんと日大の危機管理学部の名誉会長はペテン総理なんだとさ。顧問には自民党の議員の名前もチラホラあって、なんだみんな同類だったとさ・・・てなわけで、お後がよろしいようで。
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喜劇の国会 嘘しか言わない登場人物

 このところの安倍首相と閣僚それに官僚たちの国会対応は、まさに「喜劇の国会 登場人物は嘘しか言わない」に尽きます。安倍首相にまつわる話題において、「嘘」という要素が除外されることはあり得ないので、どうしても似た話の繰り返しになるのはご容赦ください。
 
 日刊ゲンダイは、
“犯人”とその周辺がどれだけ取り繕っても、誰が嘘を言っているのか、国民は先刻承知。嘘でゴマカせると思っているのは本人たちだけだ。とっくにネタバレしているのに、必死で嘘のストーリーを続けようとする。まるで三文推理小説の様相である
と断じました。
 
 これ以上何の説明も要りません。日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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まるで三文推理小説 登場人がみんな嘘をつく喜劇の国会
日刊ゲンダイ 2018年5月28日  
(阿修羅 文字起こしより転載)
 “犯人”とその周辺がどれだけ取り繕っても、誰が嘘を言っているのか、国民は先刻承知。嘘でゴマカせると思っているのは本人たちだけだ。とっくにネタバレしているのに、必死で嘘のストーリーを続けようとする。まるで三文推理小説の様相である。
 
 加計学園が26日、愛媛県が発表した文書について、驚くべきコメントを報道各社にファクスで送り付けてきた。愛媛県の文書には、加計学園の獣医学部新設をめぐり、2015年2月25日に加計孝太郎理事長と安倍首相が15分程度、面談した際、安倍から「そういう新しい獣医大学はいいね」という発言があったと記載されている。この「加計学園からの報告」は嘘だったと自ら発表したのだ。
 
<当時の関係者に記憶の範囲で確認>したところ、〈獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請にきりかえれば、活路を見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとの事でした>という。
 
 こういうのは「誤った情報」ではなく、一般社会では「嘘」と言う。しかも、ここでもまた「記憶の範囲」だ。新しい資料や記録が出てくるたびに、安倍や周辺が「記憶」で内容を否定する。モリカケ問題は、ずっとこの繰り返しだ。
 
「さすがに今回の弁明は筋が悪い。加計学園のコメントが本当ならば、事業者が嘘を言って、獣医学部新設に協力させ、愛媛県と今治市から100億円近い補助金を騙し取ったことになる。詐欺行為ですよ。愛媛県の中村知事も会見で怒りを爆発させていましたが、発表コメントが事実ならば、まずは県や市に謝罪をし、加計理事長が記者会見するのが筋でしょう。紙一枚で済ませていい話ではない。安倍首相を守ることだけにベクトルが向いて、ドツボにはまっているように感じます」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 
■安倍の名前を騙った「詐欺を働く学園」
 森友学園の籠池前理事長が「安倍から100万円をもらった」と暴露した際、自民党は「総理を侮辱した」と憤り、籠池氏を証人喚問した。さらに安倍自身も、まだ公判も始まっていないのに、「籠池氏は詐欺を働く人物」と断罪。加計学園が安倍の名を騙って獣医学部新設を優位に進めたと自白した以上、学園の責任者や担当者を証人喚問しなければおかしい。果たして安倍は「加計は詐欺を働く学園」と糾弾するのだろうか。 
 
「愛媛県が文書を公表して以来、知事の説明は一貫して説得力があった。それで情報公開をかたくなに拒んでいた今治市も追い詰められ、ついには安倍官邸べったりの菅良二市長も、安倍首相と加計理事長の面談について加計学園側から伝えられていたことを認めざるを得なくなった。愛媛県の文書が正しいことがハッキリしたのです。
 
 そうなると、『面談はなかった』と言っているのは安倍首相だけということになって、政権は窮地に陥る。それで、“腹心の友”で共犯者の加計理事長に言い含め、学園の担当者が嘘をついたということにしたのでしょう。こんなミエミエの隠蔽工作で国民が簡単に騙されると考えているとすれば、度し難い。あまりに醜悪で、論評にも値しません」(政治評論家・本澤二郎氏) 
 
ひとつゴマカすとつじつま合わせの嘘が重なっていく 
 ひとつ嘘をつくと、つじつま合わせのために嘘の上塗りを続けることになる。安倍政権の場合、あまりに嘘を重ね過ぎて、つじつまも合わなくなってきた感がある。
 野党から、安倍が「加計理事長と15年2月25日に会っていない」と断言する根拠をただされ、内閣官房が出した回答書には、こう書かれていた。
〈ご指摘の点については、総理より「ご指摘の平成27年2月25日に加計理事長とお会いしたことはありません。」と申し上げているところに尽きるものと存じます〉
 安倍がそう言っているから正しい――。どうなっているのだ、この国は。自民党幹部も「総理の発言を信じる」と言うばかり。安倍の発言を裏付ける証拠は何ひとつ出てこない
 
「2月25日の加計理事長との会談について、安倍首相は『記録がない』ことを免罪符にしていますが、本来は会っていない記録を出すべきなのです。身の潔白を示す記録が残っていないことに怒るなら分かりますが、『記録はなかった』とドヤ顔で言うのはおかしい。森友問題もそうですが、やましいことがないのなら、官僚に『資料をすべて出せ』『備忘録でもいいから探し出せ』と指示すればいいだけの話です。
 都合の悪いことは“なかったこと”にしようとするから、隠蔽や廃棄、改ざんという国民への背任行為の連鎖になる。日大アメフト部の問題を見ても分かるように、危機管理の要諦は、まず自分たちの非を認めて、そこまでしなくてもというまで謝ることですが、安倍政権の対応は危機管理以前の問題です」(山田厚俊氏=前出)
 
 危機管理は初動が大事だ。事実を認めてゴマカさないこと。森友問題も加計問題も、安倍が最初に「慎重さが足りなかった」と非を認めて謝っていれば、ここまで長引かなかっただろう。
「私や妻が関係していたとすれば、これはまさに私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということはハッキリと申し上げておきたい」と最初に大見えを切ってしまったから、次から次へと嘘で上書きする羽目に陥った。主犯は「官僚が勝手にやったこと」と責任転嫁。官僚は天下りや昇進の見返りがあるから黙って罪をかぶる。その被害者は国民だということに気づかなけばならない。
 
■すべての嘘の起点は首相を守るため
 佐川前理財局長に虚偽答弁させ、柳瀬元首相秘書官を記憶喪失にし、加計学園の担当者を詐欺師に仕立て上げる。すべての起点は安倍の保身だ。安倍を守るために、モリカケ疑惑の主要な登場人物は嘘しか言わない。これでは国会審議も成り立たない。国会を空転させたのは、審議拒否した野党ではなく、嘘つき政府の方なのだ。
 前出の本澤二郎氏が言う。
政府が見苦しい嘘で急場をしのぐような場当たりを続けていたら、国が滅びる。嘘はいけないと安倍首相に進言する側近もいないことが致命的です。自民党議員もいい加減、安倍降ろしの声を上げるべきですよ。安倍首相を守るか、民主主義と政治への信頼を守るかの瀬戸際に来ているということが分かっているのでしょうか。安倍首相は今や裸の王様なのです。皆が勇気を出して『王様は裸だ』と言わなければいけません。安倍首相は部下や親友に嘘をつかせ、外交をやってるフリでロシアに逃げたものの、何の成果もなかった。北朝鮮問題で、トランプ政権がどんな方針を打ち出しても盲目的に支持する場当たり外交にも唖然とします」
 米国の北朝鮮に対する圧力を支持する。交渉を支持する。首脳会談を支持する。会談中止を支持する。交渉再開を支持する……。日本国としての一貫性はどこにもない。国際社会は冷笑だろう。
 
 こんな政府で国民は恥ずかしくないのか? 国民からも国際社会からも信用されない日本の首相。この期に及んで、嘘で逃げ切り、総裁3選なんて話がまことしやかに語られるようじゃ、日本は再起不能だ。

30- トランプ大統領は極右勢力を押さえて米朝宥和を達成できるのか

 櫻井ジャーナルが、米朝首脳会談に関連して短い記事を出しました。現()代におけるアメリカの対外戦略に関する豊富な知識から、長いスパンで俯瞰しています。
 
 米政権内では殆どが北朝鮮との話し合いに強く反対する勢力であることから書き起こされて、19世紀以来、アメリカの戦略は最終的には中国を属国化するか侵略して略奪することなので、たとえ朝鮮半島が統一されたとしても、いずれ中国侵略の道具にされるだろうし日本も中当然国侵略の道具にされるとしています。
 
 そういえば日本の「政と官そしてメディア」には、何故か南北朝鮮の統一や米朝会談の成功を願うという感じがありません。そこまで見抜いているからというようなことはあり得ませんが、アメリカの極右勢力と同じ感覚なのは不思議なことです。
 
 いずれにしてもトランプ大統領が米朝会談の成功を願っているのだけは事実なので、南北統一の実現のためにも(ひいては拉致問題の解決のためにも)是非達成して欲しいものです。
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トランプ大統領はペンス副大統領やボルトン補佐官を押さえ込めるのか?
櫻井ジャーナル 2018年5月29日
 文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が4月27日に続いて5月26日にも会談した。6月12日にシンガポールで行われることが予定されていた金正恩委員長との会談をドナルド・トランプ米大統領は一度キャンセルする意思を示していたが、26日になって前言を取り消し、実施する方向で動き始めたようだ。
 
 しかし、アメリカ政府内では朝鮮との話し合いに強く反対し、軍事的な恫喝を強化すべきだと主張している人たちがいる。例えばマイク・ペンス副大統領やジョン・ボルトン国家安全保障補佐官だ。
 それに対し、朝鮮を訪問するなどしているのはマイク・ポンペオ国務長官。昨年4月6日、CIA長官だったポンペオは分析部門の評価に基づき、致死性の毒ガスが環境中に放出された事件にバシャール・アル・アサド大統領は責任がなさそうだとトランプ大統領に説明していた。その説明の直前、4月末にポンペオは妻とソウルを訪問、情報機関や軍の人間と協議している。その4日後に朝鮮は金正恩に対する暗殺未遂事件がったと発表している。
 
 シンガポールで話し合いが実施されるかどうかは不透明だが、アメリカにとって朝鮮半島問題の本質はあくまでも中国との関係だろう。中国を属国化するか、侵略して略奪するために利用している。この関係は19世紀から変化していない。日本も朝鮮と立場は似ていて、アメリカが中国を侵略する道具だ。
 
 朝鮮半島の融和ムードはロシアや中国と連携した韓国政府が作り出したと言えるだろうが、もし朝鮮を軍事的な緊張を高める道具に使えないとなれば、アメリカは別の火種を作り出すだろう。すでに東シナ海、南シナ海、台湾周辺などでそうした動きが見られる。
 朝鮮半島の南北をドイツの東西になぞらえる人もいるが、ドイツの統一は大きな問題を引き起こしている。1990年2月にアメリカのジェームズ・ベーカー国務長官はロシアのミハイル・ゴルバチョフ書記長に対し、ドイツを統一してもNATOを1インチでも東へ拡大することはないと約束したのだが、すでにロシアの玄関先まで到達、軍隊を配備し、ミサイルを設置してロシアを恫喝している。その結果として軍事的な緊張は高まり、全面核戦争の危険性は冷戦時代よりはるかに高まってしまった。旧東ドイツの国民にとっても幸せではなかったようだ。
 
 もし朝鮮半島が統一されたならアメリカは全域を属国化し、ヨーロッパと同じように中国への軍事的な圧力を強めようとするだろう。当然、中国もロシアもそう考え、対応してくる。アメリカの支配層は約束を守らない侵略者たちだ。1991年12月にソ連が消滅して以来、唯一の超大国になったと考え、驕り高ぶったアメリカは本性を見せてしまったこと、シリアでの戦争でアメリカ軍はロシア軍に勝てないということを見せてしまったことも大きい。NATO欧州連合軍最高司令官を2013年から16年まで務めたフィリップ・ブリードラブもNATO軍にロシア軍と全面戦争する十分な準備はできていないと語っている。金正恩委員長もそうした実態を見ている。

2018年5月29日火曜日

トランプ氏 一転 米朝会談に前のめり 文在寅氏が会談に参加の可能性も

「取引」に長けたトランプ大統領は、北朝鮮の瀬戸際外交に対抗し「米朝会談を中止する」との書簡を金正恩氏に出すという強気の交渉術で、本心は米朝和解を願っている北朝鮮から主導権を奪い返し、いまは一転して6月12日の米朝会談の実現に向けて前のめりになっています。その背景に違いはあるにしても、米朝会談を実現し何らかの実を上げたいという点では米朝トップの思いは同じです。
 
 ただ、最大の焦点となっている北朝鮮の非核化をどう進めるかをめぐっては、米朝の間で立場の違いが浮き彫りになっています。トランプ政権内でリビア方式を目指してきたメンバーは、目前に迫った12日の会談では成果が得られるのかと懐疑的に見ていますが、トランプ氏はツイッターでそうした見方を否定しました。トランプ氏も米政権内で主導権を取り戻したようです。
 
 天木直人氏は、リッパート前駐韓米国大使が米朝首脳会談の行方について見事に言い当てているとして、彼の「準備期間が短いことから会談までに課題の詳細部分を詰めることは難しいが、首脳会談で望まれる成果は、詳細部分を協議するための実務者協議の枠組みを確立させることだ。今度の首脳会談はトップダウンで決定される」とする見方を紹介しました。
 そして「体制保証が何を意味するや「不可逆的で検証可能な完全非核化が何を意味するについては、トランプと金正恩がトップダウンで合意した後で、実務者が時間をかけて協議すればいいのだと述べましたそうすれば、その間に北朝鮮の改革、開放は一気に進むことになるとしています。
 
 確かに米政権の極右メンバーに非核化の詳細を詰めさせても、埒があかないだけでなく決裂の可能性を深めるだけなのでトランプ氏の政治的決断が望まれます。
 
 英国BBC NEWS(JAPAN)は28日、開催への努力が続けられている米朝首脳会談に文在寅大統領も参加する可能性があると明らかにしまし文大統領は先月も、自身を含めた3者による首脳会談を提案しています。
 そもそも米朝首脳会談の環境を作り上げたのは、文大統領が主導した南北宥和でした。強気で鳴るトランプ氏と金氏の二人に、文大統領が加わるのは確かに良いアイディアで、文氏は最適の仲介者です。
 
 東京新聞、天木直人氏のブログ、英BBC NEWSの各記事を紹介します。
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トランプ氏一転 前のめり 「米朝 今も事前交渉」
東京新聞 2018年5月28日
 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領は二十六日、ホワイトハウスで記者団に、米朝首脳会談について「われわれは六月十二日にシンガポールで開くことを検討している。何が起きるか見てみよう」と述べた。一度中止を通告した会談を予定通り開催することに前のめりになっている
 
 トランプ氏は「今もある場所で(北朝鮮との)話し合いが行われている。場所がどこかは言えないが、ここからそれほど遠くないところだ」と明言した。ニューヨークにある北朝鮮の国連代表部を通じた非公式の外交チャンネルで米朝が接触を再開した可能性がある。
 首脳会談の事前協議へ向けた動きも活発化。米メディアによると、会談内容などを調整する先遣隊は、ホワイトハウスや国務省の職員ら三十人規模で構成。二十七日に出発し、二十八日にシンガポールに到着する予定だという。
 「取引(ディール)」が得意と自負するトランプ氏は、北朝鮮の瀬戸際外交に対抗する強気の交渉術で北朝鮮から主導権を奪い返した格好で、朝鮮半島の非核化で成功すれば「北朝鮮や韓国、日本、米国、中国、世界にとって素晴らしいことだ。多くの人がそれに取り組み、とてもうまく動いている」と自信を示した。
 
 ただ米政府高官は二十四日、事前準備の不足から六月十二日の開催は「時間が足りない」との見通しを示している。米紙ニューヨーク・タイムズは、ある高官の話として「六月十二日は十分以内(に会談する)と言っているようなものだ」と報道。トランプ氏は二十六日、ツイッターで「間違いだ。でっち上げの情報源を使うな」とかみついた。
 
 
米朝首脳会談の行方を言い当てたリッパート前駐韓米...
天木直人のブログ 2018年5月28日
 きょう5月28日の朝日新聞紙上で、リッパート前駐韓米国大使が米朝首脳会談の行方について見事に言い当てている。
 米朝首脳会談の実現に向けて前に進むだろうと。
 両国は(中止発表後も)離反するのではなく、逆に首脳会談の開催に向けてお互いに近づきつつあると。
 極め付きは、今度の首脳会談はトップダウンで決定されるとして、次のように語っているところだ。
 すなわち、準備期間が短いことから、会談までに課題の詳細部分を詰める事は難しいと。
 だから首脳会談で望まれる成果は、詳細部分を協議するための実務者協議の枠組みを確立させることだと。その通りだ。
 つまり今度の首脳会談は、トランプと金正恩が北朝鮮の体制保証と引き換えに北朝鮮の完全非核化で合意する。首脳間の合意はそれだけでいいのだ。
 そして首脳間のその合意こそすべてなのだ。
 
 体制保証が何を意味するか、不可逆的で検証可能な完全非核化が何を意味するか、そんな事は、トランプと金正恩がトップダウンで合意した後で、実務者が時間をかけて協議すればいいのだ。その間に北朝鮮の改革、開放は一気に進む。
 皆が北朝鮮の経済開発、観光開発に参加する。
 トランプタワーが平壌に出来るかも知れない。
 もはや、体制保証とか北朝鮮の非核化など、どうでもよくなる。
 いくら時間をかけてもいいから実務者同士で満足いくまで勝手にやってろと言う事になる。これこそがトップダウンの合意なのだ。
 
 これまでのボトムアップ方式の否定だ。
 官僚たちが警戒するのはまさしくその事だ。
 しかし、トランプや金正恩にはそれはまったく通じないということだ。
 反対すればたちどころに更迭されるか粛清される。
 歴史が動く時とは、そういう時である(了)
 
 
文大統領が米朝首脳会談参加の可能性=韓国大統領府
BBC NEWS JAPAN 2018年5月28日
文大統領は最初に3者による首脳会談を提案したのは先月だった 
韓国の青瓦台(大統領府)は28日、開催への努力が続けられている米朝首脳会談に文在寅(ムン・ジェイン)大統領も参加する可能性があると明らかにした
青瓦台は、文大統領が実際に参加するのかどうかは、米国と北朝鮮の間で現在進められている準備協議の進展によるとしている。
ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の歴史的な首脳会談は、来月12日にシンガポールでの開催が予定されている。
 
トランプ氏は先週24日に首脳会談を中止すると発表し、開催の見通しに不透明感が生じていた。
しかし、それ以降は米朝双方が予定通りの開催に向け努力を続けてきた。
実現すれば、現職の米大統領と北朝鮮の指導者が史上初めて首脳会談を行うことになる。
首脳会談の詳細は依然として明らかになっていないが、朝鮮半島の非核化や緊張緩和が主な議題となる見通し。
「非核化」が具体的に何を意味するのかをめぐっては、米朝間の意見は一致していない。
 
トランプ大統領は首脳会談中止を表明した際に、北朝鮮の「あからさまな敵対心」を理由に挙げていた。中止発表前には、北朝鮮高官がマイク・ペンス副大統領を「愚かな」発言をしたと非難していた。
ペンス副大統領は、北朝鮮が「リビアのようになる」かもしれないと警告していた。2003年に核兵器放棄に同意した当時のリビア指導者、ムアマル・カダフィ大佐は2011年に反政府勢力によって殺害されている。
しかし、会談中止を表明したトランプ大統領はその後、米国は依然として北朝鮮と協議を続けているとし、会談は開かれるかもしれないと述べた。
 
トランプ氏は27日、首脳会談の準備のため、米政府担当者たちが北朝鮮に到着したと語った。トランプ氏は、首脳会談が北朝鮮の「素晴らしい可能性」を実現する助けになると述べている。
韓国政府高官たちは28日、文大統領が米朝首脳会談に参加する可能性の検討はまだ初期段階にあると語った。
聯合ニュースは韓国政府高官が、「我々は依然として事態の推移を見ているところだが、結果によっては、(文)大統領がシンガポールで同席するかもしれない」と語ったと報じた。
 
一方、文大統領と金委員長は26日に、先月27日に続き2度目の首脳会談を電撃的に行った。
青瓦台は、軍事境界線上にある板門店で行われた会談について、「朝米首脳会談の成功に向け、(中略)指導者2人は意見交換した」と述べた。
(英語記事 Trump-Kim summit: President Moon could attend, says South Korea)