時事通信社が行った世論調査によると、衆院選の小選挙区比例代表並立制について「見直すべきだ」という意見が7割で、近く始まる通常国会で本格化する衆院選挙制度の協議に影響を与えそうだということです。
元々小選挙区制度は「4割の得票で7割の議席が得られる」欺瞞の制度だということで、第3次鳩山一郎内閣以降、政権党から提案される度に葬られて来たのですが、1990年の前後にリクルート事件や東京佐川事件が起こり「政治不信」の声が高まると、いつしか「選挙制度改革」が政治改革の要というすり替えが行われて、全マスメディアがもてはやす中で小選挙区比例代表並立制が導入されました。
そして導入された後にも実際に「4割の得票で7割の議席」の弊害が証明されていましたが、直近の衆院選では遂に自民党は「4割の得票で8割の議席」を獲得するに至りました。こうした状況が世論に追認される筈もありません。
自民党が野党であった時には、党内から「中選挙区制に戻すべき」の声が上がっていました。新しい選挙制度を考えるのであれば少なくともまず中選挙区制に戻すことを考えるべきです。
小選挙区制の害悪を少しでも緩和するために導入された「比例区」の定員を削減するなどは、まさに本末転倒の議論です。
以下に時事通信の記事を紹介します。
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衆院選挙制度、見直し派68%=与野党協議に影響 ・・・時事調査
時事通信 2013年1月20日
時事通信が11~14日に実施した世論調査によると、衆院選の小選挙区比例代表並立制について「見直すべきだ」と答えた人が68.2%に上り、「現行制度のままでよい」の20.2%を大きく上回った。28日召集の通常国会で本格化する衆院選挙制度をめぐる与野党協議に影響しそうだ。
同制度は1996年に導入された。最近は選挙ごとに極端に議席が変動し、政治の安定が損なわれているとして、見直し論が強まっている。
支持政党別にみると、見直し派は、自民党支持者69.3%、民主党支持者63.8%、日本維新の会支持者83.1%、公明党支持者64.2%、みんなの党支持者73.5%となり、第三極支持者で特に多かった。
調査対象は全国の成人男女2000人。1292人から回答を得た。