2013年1月1日火曜日

憲法に女性の権利をうたったベアテ・ゴードンさんが死去


 連合国軍総司令部(GHQ)民政局のスタッフとして日本国憲法原案の起草作業に携わり、男女平等に関する条項を書き上げた米国人女性ベアテ・シロタ・ゴードンさんが昨年12月30日、膵臓がんのためニューヨークの自宅で死去しました。89歳でした。 

 ベアテさんは少女時代(5歳~15歳)を日本で過ごし、渡米後アメリカのミルズ・カレッジ(女子大)を首席で卒業した才媛で、6ヶ国語に堪能でした。
太平洋戦争終戦時、まだ日本にいた両親を探すためにGHQ民生局に就職し、若干22歳で日本国憲法の原案作成に携わり、社会保障と女性の権利についての条項を担当しました。そして「女性の権利」について、当時の世界の憲法において最先端といえる人権保護規定を作りました。 

彼女の憲法原案作成時の活躍については、当HPの二つの記事
716日付「憲法制定のころ4 ベアテ・シロタ・ゴードン」
720日付「憲法制定のころ5 憲法調査会におけるベアテ参考人の陳述」
で紹介しています。(上記のURL=青英字の部分 をクリックすれば該当記事が開きます) 

 以下に東京新聞の記事を紹介します。
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ベアテ・ゴードンさん死去 日本国憲法の男女平等条項起草
東京新聞 201311 

 【ニューヨーク共同】 第2次大戦後、連合国軍総司令部(GHQ)民政局のスタッフとして日本国憲法の起草作業に携わり、男女平等に関する条項を書き上げた米国人女性ベアテ・シロタ・ゴードンさんが昨年12月30日、膵臓がんのためニューヨークの自宅で死去した。89歳だった。娘のニコルさんが31日、共同通信に明らかにした。追悼式は後日行われる。 

 ニコルさんは「母は生前、憲法の平和、男女同権の条項を守る必要性を訴えていた。改正に総じて反対だったが、この二つ(の変更や削除)を特に懸念していた」と語った。供物で弔意を示したい場合は護憲団体「九条の会」に寄付してほしいという。