2013年1月16日水曜日

泉田知事が柏崎原発 投票条例案に事実上の反対意見


泉田新潟県知事が柏崎刈羽原発再稼働の是非に関する県民投票条例案に、「原発の安全性が確保されたとは言えず再稼働の是非を判断する材料が乏しい中で、二者択一で是非を決めるのは問題がある」という主旨の意見を付けて、16日、条例案を県議会に配布することが分かりました。
条例案に付す意見書には明確な賛成、反対は表記しないということですが、事実上の反対意見と受け取られます。 

知事は資源エネルギー庁の出身であり、放射能や放射性廃棄物の処理に関しては正確な知識を持ち、これまでも折にふれて的確な意見を発信してきただけに、今回不明確な理由付けによって事実上の反対意見を表明するのは残念なことです。 

以下に関連の記事を紹介します。
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知事が事実上の反対意見 県民投票条例案
新潟日報2013116 

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非をめぐり、市民団体が直接請求していた県民投票条例案について、泉田裕彦知事が原発の安全性が確保されたとは言えず再稼働の是非を判断する材料が乏しいなど問題があるとして、事実上の反対意見を付けて県議会に提出する方針を固めたことが15日、関係者への取材で分かった。知事は21日招集の県議会臨時会を前に、16日に条例案を県議会に配布する。 

 条例案は市民団体「みんなで決める会」が直接請求した。県議会では16日の議案配布を受けて各会派で検討を始めるが、最大会派の自民党、第2会派の民主党には条例案に否定的な見方が強い。 

 県や県議会関係者によると、知事は条例案に付す意見に明確な賛成、反対は表記しない考え。ただ東電福島第1原発事故の検証が済んでいない上、国の原子力規制委員会が安全基準の策定を進めていることから、現段階では県民が再稼働の是非を判断する材料が乏しいと指摘している。

 また核燃料サイクルを柱とする国のエネルギー政策が不透明なため、柏崎刈羽原発で発生した使用済み燃料を県内で管理する可能性が出てくることや、原発が停止した場合、地域経済に影響が出ることなどを懸念材料に挙げるもよう。
 ただし、県民投票については「間接民主制を補完するもの。多くの住民が意見表明の機会を求めている」などとして、意義を重く受け止めるべきだとしている。

 泉田知事は15日、意見について、新潟日報社の取材に「議会(への説明)が先。話すことはありません」と述べた。
 県議会では特別委員会を設置して審議を付託。本会議で出席議員の過半数が賛成すれば条例案は可決され、県民投票は実施されるが、結果に法的拘束力はない。
 

知事、県民投票条例に「反対」 柏崎刈羽再稼働で
東京新聞2013116 

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)再稼働の是非をめぐり、市民団体が直接請求していた県民投票条例案について、新潟県の泉田裕彦知事は「原発の安全性に関する判断材料が乏しい段階で、二者択一で是非を決めるのは問題がある」などとして、事実上の反対意見を付けて県議会に提出する方針を固めたことが15日、県関係者への取材で分かった。 

 条例案は16日に提出し、2123日に開く県議会の臨時会で審議される。最大会派の自民党に慎重意見があり、否決される公算が大きい。
 同様の条例案は大阪市、東京都、静岡県の各議会に提出されたが、賛成意見を付けたのは川勝平太静岡県知事のみ。 (共同)