2025年3月8日土曜日

通信平和の輪 第230号 のPDF版を掲示します

 本号のタイトルは
「抑止力・対処力をさらに強化」
 日米首脳共同声明で明記ー9条無視歴然
です。

 中見出しは
・「抑止力」=武力による威嚇
 「対処力」=武力の行使
・国民の〝2つの決意″と憲法9条を公然と無視するもの
です。

 ほかに
・日本国憲法 第2章 戦争の放棄 第9条(全文)
・「鳩笛」(編集後記 的文章)
が載っています。

※3月の例会は、3月16日(日)です。
   13:30~15:00 湯沢町公民館 3階 「会議室2」で行われます。

 2~3面には、「2月例会報告(2025年2月16日)が掲載されています。

「通信平和の輪」PDF版は、下のURLをクリックすると開きます。
  1面は81%に縮小表示されている(2~3面は原寸)ので、次の操作で適当に拡大してからお読みください。
 画面を大きくしたい場合にはPDF画面下端の(+)マークを小さくしたい場合は(ー)マークを必要回数クリックして下さい。

(通信 平和の輪 第230号 (1面3面
https://drive.google.com/file/d/1YhNlHJMKGwAo6gy-_FafEbHZVwefQCPA/view?usp=sharing 
  (下記は過去1年分です)
(通信 平和の輪 第229号 (1面3面
https://drive.google.com/file/d/1cOh-YHJm_dbNx8vKcl8g2_1Ni483Zewz/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第228号 (1面3面
https://drive.google.com/file/d/1N_EACWBjSQOezQL-3_utSntoDP0nxhMx/view?usp=sharing  
(通信 平和の輪 第227号 (1面3面
https://drive.google.com/file/d/1llnTMvDD2MYHKaVNveErLrjFka6FIshG/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第226号 (1面3面
https://drive.google.com/file/d/1nWKq7FiwVDi8c3HOL_CO2WKzeRSNDRb2/view?usp=sharing  
(通信 平和の輪 第225号 (1面3面
https://drive.google.com/file/d/1NyVaMUqdybKVU9QaSEPfjZad-rxth_T5/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第224号 (1面)
https://drive.google.com/file/d/1dZ-ffM6DOuGLgXaowvJ7guta3NS-Q9fv/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第223号 (1面3面
https://drive.google.com/file/d/1Repmj7lu4WDIORi3hrx3gyKd381EUZ9p/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第222号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1l_kn4VKLfQVgl6jK-JbULiuLtnvVhuc2/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第221号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1iSe4CLzD6lqbKvQf5SbGdx_dbpvj1lMM/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第220号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1MHfMr85AEnSPdqog3-OqbFYK91gDzydD/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第219号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/13SwbuVRl623dd-SPDAGpE2d0HHOdJlcl/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第218号 (1面2面)
https://drive.google.com/file/d/1ppS0gOXoskbmRyIf660tQCwS9Qx8dVrt/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第217号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1uxIN7fJmErj_6iRn9PzPNxQu2N38OaBJ/view?usp=sharing 

高額療養費、引き上げ実施見送り 石破茂首相が表明

 石破茂首相が7日夜、「高額療養費制度」の負担上限額引き上げ方針について、予定していた8月からの引き上げを見送る方針を固めました首相官邸で患者団体の代表らと面会後、記者団に語りました。
 患者団体からの「治療が続けられず命に関わる」との訴えや野党の批判に加え、参院選を控えた与党内からも見直しを求める意見が出ていました。それにしてもここまでの二転、三転は見苦しい限りです。日経新聞が報じました。

 併せて日刊ゲンダイの記事「石破首相が党保守派に配慮? 自民が参院選に杉田水脈氏を擁立…広がる〝人権侵犯議員リターンズ″の懸念」を紹介します。
 議員以前に人間として、「人権感覚に問題がある人物」を何故??…国民にどう説明するのでしょうか。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高額療養費、引き上げ実施見送り 石破茂首相が表明
                          日経新聞 2025年3月7日
石破茂首相が7日、医療費の患者支払いを一定に抑える高額療養費制度の負担限度額の引き上げなどの実施を見送ると表明した。首相官邸で患者団体の代表らと面会後、記者団に語った。秋までに改めて方針を決める。
「患者の皆さまに不安を与えたまま見直しを実施することは望ましいことではない」と説明した。2025年度予算案の衆院通過後の方針転換を「大変申し訳ない」と陳謝した。「引き続き予算の年度内成立に向けて努力していく」と強調した。
議論開始から1カ月あまりで結論を出し、患者団体の意見を聞く機会がなかった検討プロセスについて「丁寧さを欠いたとの指摘を政府として重く受け止めなければならない」と話した。

患者団体との面会後、福岡資麿厚生労働相、加藤勝信財務相や自民党の森山裕幹事長らと首相官邸で会い、対応を指示した。公明党には協力を要請した。
引き上げは当初3段階に分けて実施する計画だった。野党や患者団体の反発を踏まえ、8月は引き上げたうえで26年8月以降の制度を再検討する方針に転じていた。さらに制度改定全体を見送ることになった

立民など野党は引き上げ凍結を求め、与党内にも慎重論がでていた。自民党の松山政司参院幹事長は7日、党本部に森山氏を訪ね「国民の理解が十分に得られていない。このままでは持たない」と伝えた。
引き上げ凍結がなければ参院選で苦境に立つとの認識を伝達した。参院自民党幹部は「見直しがない限り、25年度予算案の参院での審議にも影響が出かねない」との認識を示した。公明党も方針撤回の立場をとる

制度は医療費の1カ月あたりの患者負担に上限を設ける仕組みだ。3段階のうち最初の引き上げを8月に予定していた。長期治療が必要な患者の負担を軽減する「多数回該当」について限度額引き上げを見送る措置も決め、衆院で関連予算を増額修正した。
引き上げの凍結に伴い、25年度予算案を参院で再修正する可能性がある。その場合、参院での可決後、衆院で改めて議決する手続きが必要になる。


石破首相が党保守派に配慮? 自民が参院選に杉田水脈氏を擁立へ…広がる“人権侵犯議員リターンズ”の懸念
                          日刊ゲンダイ 2025/03/07
 まさか、また出てくるとは……。
 北海道新聞が6日、自民党が夏の参院選に杉田水脈前衆院議員を擁立する方針だと報じ、SNS上では<ありえない><さすがにまずいのでは?>など、驚きの声が上がった。この話は本当なのか。自民党関係者はこう話す。
「確かに、報道の通りです。今月9日の党大会で参院選の公認候補者が発表されるので、その前には公表される予定です。石破首相は党内保守派との対立を恐れており、彼らのガス抜きという側面もあるでしょう」
「党内野党」の立場が長かった石破首相は、党内基盤の弱さが度々指摘されている。党勢が低迷すれば、いつ「石破降ろし」が始まってもおかしくない。その先鋒の一人とされる高市早苗前経済安保相と、杉田氏は距離が近い。昨年の自民党総裁選では高市氏の推薦人に名を連ね、高市氏主催の勉強会にも参加していた。加えて、杉田氏は旧安倍派に所属していた。石破首相が高市氏や旧安倍派などの保守派に配慮したとの見方もある

 しかし、杉田氏といえばこれまで数々の問題行動を繰り返してきた。国連の委員会に民族衣装を着て出席したアイヌ民族や在日コリアンをブログで侮辱し、2023年に札幌法務局は人権侵犯を認定同性カップルを念頭に「『生産性』がない」と月刊誌に寄稿し、大炎上したこともある。1564万円もの裏金が発覚したにもかかわらず、政倫審など説明の場に立っていない。
 一方で、本人は意に介していない様子だ。昨年の衆院選直前に杉田氏の立候補に反対する署名活動が行われていることを自身のXで取り上げ、「知名度UPに貢献していただけること、心から感謝しています」と“煽って”返した。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「杉田氏はこれまで自身が起こした問題について反省しているのかも疑わしく、言動から見ても人権に対する理解が欠落している。そうした人は本来、公職に就く資格はありません。にもかかわらず、彼女を擁立する自民党は国際的なスタンダードから遅れており、時代に逆行している。国民は見くびられています」
 杉田氏の秘書は日刊ゲンダイの取材に対し、「党から参院選擁立の連絡はまだ来ておらず、こちらも待っている状況」と話した。

 選挙で勝ちたいなら、自身の“すぎた”行為を認めるところからだろう。 

08- 斎藤「告発文は誹謗中傷性高い」絶対に自分の非を認めない知事(まるこ姫)

 ブログ「まるこ姫の独り言」に掲題の記事が載りました。
 兵庫県の斎藤知事は、記者からの自分に都合の悪い質問には絶対にまともに答えません。その態度は先般始まった兵庫県議会でも全く同様で、自分の非は絶対に認めず、都合の悪い質問には「はぐらかし」に徹していました。あれでは質疑応答にはなりません。
 そもそも知事が一言指示すれば済む事柄を、保身のために1件3600万円も掛かるという『第三者委員会』に投げて時間を稼ぎ、しかもその結論を公開する確約はしないのでは、円滑な県政など期待出来ません。
 ようやく百条委員会の結論が出ましたが、知事はそれは「一つの意見」に過ぎないもので、パワハラの認定は司法が行うべきものとし、「違法の可能性がある」というのは、「そうでない可能性もあるということ」だと中学生のようにうそぶいて、百条委の結論を完全に無視する姿勢を見せています。無能に加えて狡猾な知事というしかありません。

 斎藤氏の問題はそれに留まりません。亡くなった元県民局長のパソコンに残っていた「非倫理的」な文章を「公開する云々」と述べるに至っては、自分の立場を良くするためには、遊びごころ・いたずらごころで書いたであろう故人の文章を公開することで、故人の人格と名誉がどんな傷つけられても構わないという、まさに独善的で〝人間失格″の所業です。
 斎藤氏は色々な意味で知事の立場にいるべき人間ではありません。

 併せて日刊ゲンダイの短い記事「兵庫県・斎藤元彦知事が『人間失格』の本性ムキ出し…百条委の報告書に会見で開き直り“告発者つぶし”」を紹介します。
 日刊ゲンダイはこれまで斎藤弁知事については取り上げてきませんでしたが、見るに見かねたのでしょうか。
 なお直近の「西脇亨輔弁護士の動画」が、百条委員会の結論に対する知事の姿勢の問題点について、分かりやすく解説しています。
 西脇亨輔チャンネル【憤怒】斎藤元彦氏に「背筋が凍る」わいせつ発言に批判殺到(7日)
  ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=Bzkzxt19mg0 23:14
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
斎藤「告発文は誹謗中傷性高い」絶対に自分の非を認めない知事
                        まるこ姫の独り言 2025.03.06
もう、この人には付ける薬が無い。
そして斎藤信者も妄想の世界に生きている。

今回、百条委員会の調査結果が出たのに、斎藤はまだ自身を正当化している。
しかも斎藤信者たちは、百条委員会そのものが怪しい組織と言う意識で斎藤を擁護している。

陰謀論で凝り固まっている人たち。

「百条委は、自治体の事務に関する疑惑や不祥事などを調査するため、地方自治法100条に基づいて設置される特別委員会で、関係者を出頭させ、証言や記録の提出を求める調査権限がある。証人喚問では、正当な理由なく出頭を拒んだり、偽証したりした場合、禁錮などの罰則が科される。」

誰かを貶めるための会でないことくらいわかりそうなものを。
なんでそこのところの理屈が分からないのだろう。

兵庫・斎藤知事、懲戒処分撤回せず 「告発文は誹謗中傷性高い」
                        3/5(水) 12:30配信 毎日新聞
>兵庫県の斎藤元彦知事らがパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会は5日、調査特別委員会(百条委)がまとめた最終報告書を賛成多数で了承した。告発文を作成した元県西播磨県民局長に対する懲戒処分について、斎藤氏は「告発文は誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書であると認識している。処分内容は適切だった」と撤回の意思がないことを強調した。報道陣の取材に答えた。

百条委員会の報告書が出たが、概ね、知事のパワハラや公益通報者へ保護違反や処分違反を指摘している。

所が、斎藤知事はいまだに自分の行為が正しかったと言い切っている。

中でも元局長の告発文は、誹謗中傷性の高い文書と断定しているが、告発された当事者が決めることなのか。
そこがまったく分からない。

斎藤は記者の質問に対しても、公用パソコンの中身が卑猥な文章だったとか、わいせつ文書だったとか何度となく言い募っていたが、個人のプライバシーを公にさらして良い理由にはならない。

しかも記者が、わいせつ文書の中身はどこで知ったのか、自分がその目で見たのかと問うと、「中身は見ていない、(部下から)そういう報告を受けた」と唖然とする様な話をしていたが、そんな自分で確かめてもいない不確かな情報を公に発信し、何一つ反論できない故人を貶める行為は、知事としての前に人間としてどうなのか。

まさか中身を見ていない・知らない知事が、元局長のPCに残されていた文書を「わいせつ文書」と断定するとは思ってもいなかった。

以前、維新の3議員の1人が「噂話」を立花に情報提供していたと会見で話していたが、斎藤はそれとそっくり同じ思考の人間だという事はよくわかった。

それにしても知事と維新の議員の言動が被りすぎだ・・・・・
反省する振りはしているが自分の非は一切認めない知事、維新議員、そしてそれをまだ陰謀論ととらえる兵庫県の一部の人たち
どこまで行っても収拾がつかないカオスの世界。

兵庫県の今日は、日本中どこの県の明日でもある。


兵庫県・斎藤元彦知事が「人間失格」の本性ムキ出し…百条委の報告書に会見で開き直り“告発者つぶし”
                          日刊ゲンダイ 2025/03/06
 兵庫県の斎藤知事に人の心はあるのか。斎藤知事のパワハラなどの疑惑を告発した文書の中身について「おおむね事実」と認めた百条委の報告書が5日、県議会で了承された。直後の会見で当の本人は「議会の一つの見解として受け止める」と他人事のような態度で開き直りに終始。あろうことか死者を冒涜する発言まで飛び出した
 文書を公益通報と扱わず告発者を特定し、懲戒処分とした対応を「公益通報者保護法違反の可能性が高い」とした報告書の指摘にも、斎藤知事は「可能性ということは他の可能性もあるということ」と幼稚な屁理屈をこねる始末。自身の対応は「適切だった」と従来の主張を曲げなかった

 告発者は元西播磨県民局長。斎藤知事は文書を把握した昨年3月の会見で「嘘八百」「公務員失格」と非難し、同年5月に停職3カ月の処分を下した。きのうも「誹謗中傷性が高い文書だった」と改めて主張。処分理由を説明する中で、回収した元局長の公用パソコン(PC)に保存されていた私的文書の内容に初めて踏み込んだ。
 業務中に「倫理上極めて不適切な文書を作成していた」とことさら強調し、自ら確認していないのに中身を「わいせつな文書」と決めつけた
「告発者を不必要におとしめていないか」「報告書を受け止めるなら、内容をさらす必要はない」と記者から批判が相次ぎ、会見は紛糾。私的文書は「告発とは無関係」として百条委の調査の対象外だった。報告書は、斎藤知事の側近だった元総務部長が県議らに私的情報を漏洩したと証言から認定。「告発者をおとしめることによって文書の信頼性を毀損しようとした」と問題視している。
 それでも斎藤知事は告発者つぶしに躍起。「公用PCは税金で買ったもの。どう使われていたか納税者の関心がある」とし、請求があれば元局長の公用PC内の情報開示を検討する考えまで示した。
 元局長は昨年7月に死亡。自殺とみられる。自身の口で弁解できなくなった後も、さらし者にするとは……。「ある意味、彼の本性が垣間見えた会見」(県政担当記者)だったが、その本性は倫理上、極めて不適切。“人間失格”ではないか

2025年3月6日木曜日

江藤農水相が石破政権の最初の更迭大臣に? 食糧法めぐり “逆ギレ誤答弁” 連発

 江藤農水相は米価が急騰した昨年の夏、「米の価格は受給のバランスで決まるべきもので、政治が介入すべきではない」という趣旨を強調し備蓄米の放出を否定しました。まさに新自由主義の権化とでもいうべきです。
 そもそも「米の自由化」は、「市場が開放され、国内外の競争を展開することで、品質は向上し、価格はより手ごろになる」といううたい文句の下に導入されたもので、「一部仲介業者の恣意的な価格のつり上げも防止すべきでない」などというのであれば、論外もいいところです。
 もしも米価が1・8倍にも上がれば庶民が塗炭の苦しみを味わうという事実を認識できないのであれば、早々に政治家を辞めるべきでしょう。ましてや農水相などに居座るべきではありません。
 ようやく今月下旬に備蓄米が放出されますが、その効果は未知数ということです。
 日刊ゲンダイの二つの記事を紹介します。

 たださえ食料品全体の価格が高騰したことで、エンゲル係数はこの半世紀来 最高を示しています。そんな中で米の価格上昇が突出している訳です。この事態をどう認識しているのでしょうか。
 政治は結果責任です。石破内閣はどう責任を取るのでしょうか。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発
                          日刊ゲンダイ 2025/03/05
 果たして「令和の米騒動」は沈静化するのか。
 農林水産省は3日、政府備蓄米の放出に向けた入札を10~12日に実施すると発表した。コメの流通円滑化のために備蓄米を放出するのは初めてで、予定では3月半ばごろには放出が実施されるという。
 依然として「高止まり状態」が続くコメの価格。後手後手対応の農水省は一体何をしているのか—などと国民からの不満が拡大する中、司令塔である江藤拓農林水産相(64)から仰天発言が飛び出し、《大臣辞職モノの失言》《クビだ!》などと怒りの声がSNS上で広がっている。
 耳を疑うような発言があったのは2月28日の衆院予算委員会第6分科会。日本維新の会の徳安淳子議員(63)が政府備蓄米の放出について質問。今もコメの店頭価格が高騰し、「国民は買いたくても買えない」とただした。
 すると答弁に立った江藤大臣は「法律に基づいて備蓄米は運用しなければならない」「法律をしっかり守らなければならない」と言い、続けて「価格の安定なんて書いてありません、食糧法には。書いてありません。書いてありません。書いてありません」と逆ギレ気味で語気を強めたのだった。
 しかし、野党の委員から「書いてあるよ」とやじが飛んだ上、江藤大臣の後方にいた官僚も慌てて声を掛けて「書いてある」という素振りを見せると、江藤大臣は「はいはい。分かりました」と説明を続けた。
 
■所管の大臣がイロハの法律を知らなかった
 ちなみに江藤大臣は1月31日の会見で、記者から備蓄米放出に関する質問に対し、こう答えていた。
「農水省は国民の皆様方に安定的に食料を供給する義務もありますので、国会議員になって、もちろん目は通していましたが、これほど食糧法を隅々まで読んだことはありません」
 その「食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)」の「目的・第1条」にはこうある。
米穀の生産者から消費者までの適正かつ円滑な流通を確保するための措置並びに政府による主要食糧の買入れ、輸入及び売渡しの措置を総合的に講ずることにより、主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資することを目的とする」
 さらに「第2章」でも「米穀の需給及び価格の安定を図るための措置」とあるから、江大臣はどの法律の条文を「隅々まで読んだ」のだろうか。

 《所管の大臣がイロハの法律を知らなかった》《石破政権で最初の更迭大臣か》……。ネット上に批判の投稿が溢れているのも無理はない。
 
 
政府備蓄米放出でもコメ高騰が止まらない! 消費者の「コシヒカリ」信仰も一因か
                          日刊ゲンダイ 2025/03/04
 備蓄 米放出の「口先介入」は不発。 コメの値上がりが止まらない。総務省が2月28日発表した小売物価統計(東京都区部)によると、コシヒカリ(5キロ)の価格は4363円。前月よりも178円高く、前年同月の2441円から1922円も高騰し、実に1.8倍に跳ね上がっている。
 調査は2月12~14日の小売店価格を基に実施。農水省が備蓄米21万トンの市場放出を表明した7日から数日後にあたる。しかし期待に反し、逆に価格は上昇の一途。家計の圧迫感は増すばかりだ。
 放出される備蓄米は、3月末からスーパーなどの店頭に並び始める見込み。実際に備蓄米が流通すれば、コメの価格上昇は落ち着くのか。懸念材料がいくつもある。
 放出するのは2024年産米が中心。政府の備蓄米買い入れの落札結果を見ると、産地別の数量は①福島(2万6313トン)②新潟(2万4499トン)③青森(2万4416トン)④山形(2万195トン)⑤秋田(1万4512トン)ーと上位5県だけで全体(17万2016トン)の6割強を占める。
 コメの収穫量ランキング(23年産)は上から新潟、北海道、秋田、山形、宮城の順。「ななつぼし」が人気の北海道や「ひとめぼれ」で知られる宮城の備蓄米は、それぞれ9位(4686トン)、6位(1万1276トン)にとどまる。

圧倒的人気の「 コシヒカリ」が少ない!
 消費者目線で気になるのは備蓄された コメのブランド(品種)だが、農水省は「把握はしているが、公表していない。放出の入札時まで公開できない」(農産局貿易業務課)と答えた。
 そこで落札数量の上位5県の作付け品種(23年産)を調べると、米どころの新潟は「コシヒカリ」の割合が70.7%。トップの福島もコシヒカリ(51.7%)が多いものの、「天のつぶ」(23.3%)と「ひとめぼれ」(18.1%)が計4割強に上る。3位青森は「まっしぐら」(79.8%)が、4位山形は「はえぬき」(61.6%)と「つや姫」(16.9%)が圧倒し、5位秋田はやはり「あきたこまち」(77.5%)が断トツだ。3位以下の県は、どこもコシヒカリの名がトップ3に出てこない。
 全国の作付けシェアはコシヒカリが33.1%と2位のひとめぼれ(8.3%)を大きく引き離している。だが、備蓄米に限れば「信仰」と呼ばれるほど、ズバぬけた人気を誇るコシヒカリの量が決して多くはないのだ。
 
■価格が下がるのは、なじみの薄い品種のみ
 問題は、備蓄米を売り渡す入札方法だ。農水省は「○○県産の××品種と産地・品種ワンセットで入札にかける」(農産局貿易業務課)という。
「『新潟県産コシヒカリ』のような店頭で人気のコメに集中し、結局は高値で落札されれば価格の下落効果は薄れる。結局、値が下がるのは、消費者にとってなじみのない品種だけ。その多くは外食・中食に回り、店頭に並ぶ人気の コメの値段はそれほど下がらないのではないか」(小売業界関係者)
 消費者が コシヒカリ信仰から抜け出せば、知名度は劣っても安くておいしいコメを食べられるチャンスとは言える。
  ◇  ◇  ◇
 政府備蓄米の放出は、コメ価格の高騰に政府がようやく重い腰を上げたようにみえるが、視線の先に消費者はいない。備蓄米放出の狙いはズバリ、夏の参院選対策だ

トランプとゼレンスキーの口論と決裂 - 和平プロセスを一撃でぶち壊したCIA

「世に倦む日々」氏が掲題の記事を出しました。
 ウクライナ戦争を早期に終結させるのはトランプの公約とも言えますが、彼がロシアとの「和平」の実現を非常に急いでいる理由について、記事の冒頭の節で思いもかけない視点から推測しています。氏一流の洞察力です。
 そしてホワイトハウスで行われたゼレンスキーとの会談が、予想もしなかった「口論の挙句の決裂」になったのは、ウクライナ戦争がロシアの勝利で終ることになっては面子が丸つぶれになるCIAがゼレンスキーを焚きつけたからだと見ています。確かにバンス副大統領の発言に噛みついたのはゼレンスキーの方でした。
 あの言い合いがCIAの策動によるものというのは大いに説得力があり、冒頭から興味深く読ませてくれる記事になっています。

 併せて櫻井ジャーナルの記事「ウクライナ議会はトランプ米大統領の和平イニシアチブを歓迎」を紹介します。
 3月3日ウクライナ議会ロシアとの戦争に関する声明を出し「ウクライナ国民は世界の誰よりも平和を望んでおり、ドナルド・トランプ大統領の個人的役割と彼の平和維持活動が敵対行為の迅速な停止とウクライナ、ヨーロッパ、そして世界全体の平和達成に決定的な影響を与えると信じている」として、トランプの和平イニシアチブを歓迎していると表明しました。
 これはゼレンスキーの主張とは正反対のもので、あのときの決裂は何だったのかということになりますが、同ジャーナルは以前からゼレンスキーはイギリスの情報機関MI6のエージェントであると指摘していてホワイトハウスでの会談決裂の背景にはMI6が存在しているのでは、と述べています。
 いずれにしても西側のいわゆる「正義派」の主張に沿っていてはいつまで経っても和平を達成することは困難で、その間に更に多くの尊い人命が失われることになります。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トランプとゼレンスキーの口論と決裂 - 和平プロセスを一撃でぶち壊したCIA
                        世に倦む日日 2025年3月4日
2/28、DCで開かれたトランプとゼレンスキーの首脳会談は、テレビ中継の中、激しい口論が応酬されて決裂の展開となった。ウクライナの鉱物資源権益をめぐる協定は、調印されずご破算となった。ホワイトハウスは険悪な空気に包まれ、記者会見もキャンセルされた。先週末( 3/1 - 3/2)のテレビとネットはこの騒動の話題で持ち切りとなり、週が明けても激震の余波と興奮の余韻が続いている。日本だけでなく世界中が同じだろう。こんなショッキングな絵を見るのは初の経験で、絶句し呆然とするばかりだが、分析と考察を加えたい。まず、トランプの側から見よう。トランプは何を目論んでいる(いた)のか。トランプが猛スピードで始めた和平プロセスの意図と目的は何なのか。それは実にトランプらしくシンプルで、ノーベル平和賞だと断言できる。ウクライナ和平を実現した平和の英雄”として賞を獲得し、その功績と栄誉を武器にして来年の中間選挙を勝利に導くことだった

それがトランプの戦略だ。トランプの政治は政局オリエンテッド⇒指向な点が特徴で、理念や構想をベースに政策を立案したり調整したりするのではなく、最初に選挙の勝利ありきであり、何より政敵の打倒ありきであって、その闘争目的めざして政権が運営される生理法則で動いている。トランプがフォーカスしているのは、来年の中間選挙の勝利であり、そのゴールに導くまでの1年半の政治工程のマネジメントと主導権とモメンタム⇒勢いの維持である。勝利を得る上で国民にアピールする最大の宣伝材料(成果)がウクライナ和平とノーベル平和賞で、その打算の下ですべてを計算して動いている。ノーベル賞の発表は10月第1週から第2週で、遅くとも夏には内定者が決まっている。トランプが和平プロセスを急いでいるのはこの時間軸の由縁であり、4/20 の復活祭を停戦合意(第一段階)のマイルストーンに設定したのは、今年のノーベル平和賞内定の日程から逆算しての思惑からに他ならない

希少鉱物等の地下資源の協定というのは、実際にはあまり意味のないもので、表面的な名目というか口実というか、目眩ましの外殻装置であって、いかにもその取引でアメリカによるウクライナへの安全保障の関与が担保されているように見せかけ、世界の世論が半信半疑で納得するよう仕向けるための疑似餌の道具に過ぎない。アメリカ(トランプ)は、停戦後のウクライナには安全保障の保証は与えないのであり、アメリカは最早コミットしない⇒責任を取らない)と態度と立場を決めている。その前提の下でロシアと停戦交渉を始めていて、プーチンとの間で基本要綱(領土譲歩・NATO加盟断念)を合意している。それは、キエフ政権側には呑めない条件だが、それを呑ませるしかロシアと停戦合意する道はないので、トランプはゼレンスキーに強引に呑ませようと図ったのであり、地下資源という疑似餌を利用したのである。2/27 の時点では、表面上、ゼレンスキーは観念して署名の方向で動いていた

トランプとプーチンの合意では、ゼレンスキーを排除するという工程も決まっていて、ゼレンスキーがDCで協定に署名するということは、自ら失脚と退場を世界の前で受け入れる儀式に出席するという意味だった。それによって米露主導の停戦協議は一気に前に進み、復活祭までの停戦合意が見通せ、トランプのノーベル平和賞が視界に入るという算段だった。ゼレンスキーは、土壇場でそれを乱暴にひっくり返したのであり、米露の和平プロセスを潰す挙に出たのである(一時的な逆襲で終わるかもしれないが)。トランプの激怒と挫折の失意は察するに余りある。2/28 朝に韓国の中央日報が報じた注目記事があり、2/26 の段階で、アメリカ側からゼレンスキーに対して訪米中止の要請が発されていた内幕が書かれている。今回のような卓袱台返しが起こるという不安と予想がDCの中であったのだろう。ゼレンスキーの態度が曖昧で、協定合意(失脚の承諾)が生煮えだったという意味だ

そして、マクロンが介在してトランプにとりなし、ゼレンスキー訪米を実現させたとある。この情報から想像し理解できるのは、和平プロセスを壊したいCIAが、ゼレンスキーを励まし、マクロンを使い、巧みにトランプを騙したという政治であり、今回の騒動がCIAによるトランプ政権に対する暗闘とミニ・クーデターであったという事件の真相である。ここは明確に言っておきたいが、ゼレンスキー単独でこんなことができるわけがない。カメラと記者の前の公開の場で、米大統領をはじめ、米政権首脳に食ってかかって口喧嘩の醜態を演じ、米政権に恥をかかせ、米政権が推進する重要政策を潰すなど、小国の、しかもアメリカからの支援だけで生きている小国の首脳ができる所業では絶対にない。あり合えない話だ。あり得ない図なのに現実に起きた。なぜそれが可能だったのか。ゼレンスキーの背後にCIAが付いているからであり、ゼレンスキーがCIAを直に代弁しているからである

つまり、今回の騒動はトランプとCIAの権力闘争の図であり、それが赤裸々に噴出して現象化した一幕だ。ゼレンスキーは敢えて派手に立ち回ってトランプの和平プロセスを潰したのであり、あの口論は偶然ではなく意図的で計画的な芝居に他ならない。CIAの指図の下で動いた謀略工作であり、狙いは和平プロセスの破壊である。トランプとCIAが熾烈な権力闘争を演じ合っていて、CIAはトランプの支持率低下を狙って大胆な一撃に出た。トランプはマクロンの巧言に騙され、油断して大事な局面で失敗を犯してしまったと言える。トランプはゼレンスキーを信用しておらず、CIAの操り人形のピエロだと軽蔑して歯牙にもかけてないのだが、取り入り上手のマクロンの小僧は可愛がっている。今回はその隙を衝かれ、トランプの momentum drivenの⇒勢いに駆られた戦略と外交に深刻なエラッタ⇒誤動が発生した。無論、マクロンを動かしたのはCIAである。トランプは「嵌められた」と臍を噛んでいるに違いない

今回のウクライナ戦争は、徹頭徹尾「CIAの戦争」である。キエフ政権を支持する側は、これを「プーチンの戦争」と名付けて呼ぶけれど、前哨戦は2004年のオレンジ革命から始まっていて、カラー革命の欲望と暴走の果てに爆発した侵攻と戦争であり、すなわち積分的な視角と方法で本質化すれば「CIAの戦争」と総括するしかない。主役はCIA(と兄弟分のMI6)であり、CIAがウクライナの軍備を整え、NATOの勝利を確信した上でプーチンを挑発し、挑発に成功して侵攻を招いた戦争だ。通常兵器での限定戦争なら必ずNATO(ウクライナ)が勝利するという根拠と戦略があり、CIAはプーチンを逆上させて侵攻に追い込んだ。実際、スターリンクとジャベリンによって侵攻は一瞬で迎撃され、ロシア地上軍は退却を余儀なくされ、キエフ制圧を諦めて作戦範囲を縮小、防衛線を築いて持久戦を構える戦況となる。強力な経済制裁と外交的孤立化策の奏効でNATO勝利は確実に見えた

トランプ主導の和平プロセスが実を結べば、NATOはこの戦争に負けたことになる。トランプとプーチンが勝利者となり、NATOとウクライナが敗者となる。それは、NATOの正義が破綻し、NATOが崩壊と解散に導かれる重大事態に違いなく、また、CIAが決定的に敗北して断末魔の叫びを上げる瞬間でもある。生き物としてのCIAは、自ら生き延びるため、化身たるNATOを存続させるため、この戦争をやめるわけにはいかず、永遠に継続させなければならず、トランプの和平プロセスを潰さなければならない。それがCIAの主眼と動機なのだが、佞悪な本音を隠して美化と装飾を施し、西側大衆の耳触りに正当性を醸し出した言説が、東野篤子や鶴岡路人のナラティブ⇒言説)とレトリック⇒修辞法であり、松原耕二と堤伸輔のロシア憎悪の漫才トークである。本来、和平プロセスが始動し、NATO敗北が明確になりつつある今、東野篤子や鶴岡路人や廣瀬陽子や小泉悠や秋元千秋や駒木明義は退場しなければならない

彼らはゼレンスキーと運命共同体の身で、キエフ政権と城を枕に討ち死にする同志だ。CIAチームであり、戦争プロパガンダ軍団である。すなわち彼らに入れ代わって、羽場久美子、塩川伸明、下斗米伸夫、伊藤孝之、松里公孝など、言わば正統派アカデミーの研究者がマスコミの解説の席に座るべきときで、理性と良識の言葉がマスコミ空間に復活すべき時期だろう。ミアシャイマーや.サックスがインタビューされ、報道番組で紹介されるべきときであり、T.カールソンやE.トッドが来日してテレビに出演し、持論を披露すべき言論の局面だろう。春が到来し、「古い上着よさようなら」の季節を迎えたと思う。日本のマスコミは、アメリカの戦争研究所が発する大本営発表を中継発信する下請け基地局だった。日本もゼレンスキーを支援する同志国に仲間入りさせられ、戦時の空間になり、国民は大本営発表を鵜呑みにして戦争指導に従っていた。碌に説明もなく、アメリカの言いなりで「西側諸国の一員」をやり、多額の税金を渡していた

ゼレンスキーから屈辱を受けたトランプの怒りは凄まじいと想像する。ゼレンスキーが土下座して謝罪するか、大統領を交替させるしか収拾の方途はないだろう。跪いて謝罪するということは、鉱物資源協定に素直に署名するという意味であり、自らが失脚し退場する和平プロセスを受け入れ、ロシアが要求する条件を土台にした米露の停戦協議に参加するという恭順となる。その結論に転ばなかった場合は、トランプ政権はウクライナへの支援停止を断行するだろう。欧州がどれほど反発し抵抗しても、その方向性は昨年の米大統領選の民意であり、公約であり、トランプ政権の基本方針である。欧州はアメリカの肩代わりはできない。私自身の認識を言えば、この戦争はNATO(アメリカ)とロシアの戦争であり、ウクライナはNATOのフロントの位置と存在であって、したがって停戦協議はアメリカとロシアが主となって行うのが当然で、そこに欧州が入る必要も道理もない。ウクライナが交渉に入るのは当然だが、アメリカが主でキエフ政権は従の立場だ

今回の衝撃的事件により、トランプが進めてきた米露の停戦協議は成立が遠のき、その計画で達成をめざした復活祭までの停戦合意(第一段階)は、日程が窮屈になった感が否めない。今、この瞬間の断面図としては、CIAによる和平プロセスぶち壊しが成功し、トランプに押されていたCIAが巻き返しの橋頭堡を築いたと言えるかもしれない。二者の対立と緊張はアメリカ帝国主義権力の内部分裂と矛盾露呈を意味する。この衝突と闘争は国際社会(特にグローバルサウス)に大きな影響を及ぼし、アメリカの威信失墜を甚だしいものにさせ、CIAが支配し操縦してきた20世紀的世界の終焉を人々に予感させるだろう。トランプがCIA(ゼレンスキー)にどう反撃し報復するか注目したい


ウクライナ議会はトランプ米大統領の和平イニシアチブを歓迎  
                         櫻井ジャーナル 2025.03.05
 ウクライナ議会は3月3日にロシアとの戦争に関する声明を出した。「ウクライナ国民は世界の誰よりも平和を望んでおり、ドナルド・トランプ大統領の個人的役割と彼の平和維持活動が敵対行為の迅速な停止とウクライナ、ヨーロッパ、そして世界全体の平和達成に決定的な影響を与えると信じている」としているトランプ大統領の和平イニシアチブを歓迎しているのだ。

 ウクライナにおける大統領の任期は5年である。ウォロディミル・ゼレンスキーが大統領に就任したのは2019年5月なので、24年5月に任期は切れたわけだが、ゼレンスキー政権や後ろ盾の西側諸国は戒厳令を口実にして大統領選挙を実施せず、居座っている。トランプ大統領はゼレンスキーの支持率は一桁だと言っているが、ウクライナ人に支持されていないことは間違いないだろう。ゼレンスキーは大統領に就任した直後、ロシアとの関係修復に前向きの姿勢を見せていたが、和平に向かって歩き出しはしなかった。
 国内では不人気のゼレンスキーだが、イギリスやフランスを含むヨーロッパの一部リーダーからは支持され、そのリーダーたちはロシアとの戦闘に執着している。問題は彼らにロシアと戦争する能力がないこと。そこでアメリカを引き込まなければならないのだが、彼は2月28日にホワイト・ハウスでトランプ大統領と口論、ドナルド・トランプ政権はNATOに相談することなくキエフへの軍事援助停止を決めたと伝えられている。

 トランプがロシアとの戦争から手を引こうとしている可能性は高い。大統領に就任した当初、彼はウクライナでの戦闘で戦死したロシア兵を100万人近くだと主張、ウクライナ兵の戦死者約70万人を上回るとしていたが、そうしたことは口にしなくなった。
 こうした発言は彼がウクライナ特使に起用したキース・ケロッグ退役陸軍中将の主張に基づいていた。同中将はロシアが軍事的にも経済的にも疲弊しているとしていたのだが、ロシアが制空権を握っている事実だけでも間違いがわかる。

 戦場において発射された砲弾の数は死傷者数に反比例すると言われているが、その数は6対1から10対1でロシア軍が上回る。つまりロシア軍の死傷者数はウクライナ軍の6対1から10対1だということだ。実際は1割程度だと見る人が少なくない。
 イギリスのベン・ウォレス元国防大臣は2023年10月1日、テレグラフ紙に寄稿した記事の中で、その当時、ウクライナ兵の平均年齢はすでに40歳を超えていると指摘、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求していたそれだけ死傷者数が多いということをイギリスの元国防大臣も認めている。現在の状態はさらに悪化しているはずだ。
 ウクライナ軍が保有する武器弾薬が枯渇していることはゼレンスキーの発言でも明確であり、ヨーロッパ諸国の兵器庫も空だ。ヨーロッパのNATO加盟国は何もできない。

 NATOを東へ拡大させないという西側諸国の「約束」をソ連やロシアの政府は信じたが、その「約束」は反故にされた。2014年のミンスク1と15年のミンスク2も西側諸国は守らなかったアンゲラ・メルケル元独首相  フランソワ・オランド元仏大統領 ミンスク1とミンスク2はキエフのクーデター体制の軍事力を強化するための時間稼ぎだったと発言している。ロシアは何度も煮湯を飲まされてきたのだ。ウラジミル・プーチン露大統領は話し合いでの解決が不可能だと腹を括ったはずである。そのプーチン大統領は2022年9月21日に部分的な動員を実施すると発表した。その時点で戦争の中身が変わった。

 崩壊状態のウクライナ軍にトドメを刺すつもりなのか、ロシア軍は春に攻勢をかけると言われている。ゼレンスキーはウクライナ軍が100個以上の旅団を戦場に展開しているとしていたが、ロシア軍はその倍、つまり200個師団以上だと見られている。しかも兵器の質や量でロシアはウクライナを圧倒している。そうした中、ヨーロッパ諸国の軍隊が3個師団程度を派遣しても意味はないのだが、各国の国民に幻影を見せ続けるには、無意味なことでもしなければならないのかもしれない。