2025年5月15日木曜日

ガザ飢餓「壊滅的に」9月末までに47万人の可能性

  国連の飢饉に関する分析機関「総合的食料安全保障レベル分類」(IPC)は12日、イスラエルが3月2日から封鎖を続けるパレスチナ自治区ガザの状況に関する報告書を発表しました。それによると、ガザのほぼ全人口にあたる210万人が9月末までに極度の食糧不足を経験し、うち46万9500人は「壊滅的な」レベルに陥る可能性があるということです

 問題はそれが気候による大飢饉のせいなどではなく、イスラエルによる計画的な食糧供給の禁止(妨害)によって起きている悲劇であるという点です。
 一体これまでの歴史の中で、衆人環視の中でこんなことが許されてきたことがあったのでしょうか。
 しんぶん赤旗とNHKの記事を紹介します。
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ガザ飢餓「壊滅的に」9月末までに47万人の可能性
                       しんぶん赤旗 2025年5月14日
国連機関が発表
 国連の飢饉(ききん)に関する分析機関「総合的食料安全保障レベル分類」(IPC)は12日、イスラエルが3月2日から封鎖を続けるパレスチナ自治区ガザの状況に関する報告書を発表しました。それによると、ガザのほぼ全人口にあたる210万人が9月末までに極度の食糧不足を経験し、うち46万9500人は「壊滅的な」レベルに陥る可能性があります。

 イスラエルは、国連や支援団体からの支援物資がイスラム組織ハマスの手に渡っているとして支援物資の配布を請負業者に移管する計画を検討しています。
 報告書は、イスラエルの新計画について「大多数の人々が支援物資にアクセスする上で重大な障害物になり得る」と批判しました
 ガザ北部ガザ市で5人の子どもを育てるガダ・モハンマドさんはロイター通信に対し、1~2月には2キロ25シェケル(約1000円)だった小麦粉が、今は1000シェケル(約4万1300円)にまで値上がりしたと強調。不衛生な水や小麦粉、缶詰などに頼らずをえないと嘆きました。

停戦崩壊以降に 子ども800人犠牲
 国連児童基金(ユニセフ)のジョナサン・クリックス広報官は12日、パレスチナ自治区ガザの状況について「停戦崩壊以降、爆撃が激しくなり、800人以上の子どもが犠牲になった」と指摘しました。その上で「持続可能な政治的解決の道を開くため、停戦が必要だ」と訴えました。ガザ現地から時事通信のオンライン取材に応じました。


ガザ地区 支援物資搬入認められず 栄養失調で死亡の子ども増加
                    NHK NEWS WEB 2025年5月10日










パレスチナのガザ地区ではイスラエルが2か月以上、食料などの支援物資の搬入を認めないなか、栄養失調が原因で死亡する子どもも増えています。現地の小児科の医師はNHKの取材に「この状態が続けばさらに多くの子どもが犠牲になる」と一刻も早い停戦と支援物資の搬入再開を訴えました。
ガザ地区ではイスラエルが2か月以上、食料などの支援物資の搬入を認めないなか人道状況が悪化し、地元当局は3日、栄養失調などが原因で死亡した人は子どもを中心に57人にのぼると発表しました。
NHKガザ事務所のカメラマンが7日、ガザ地区南部ハンユニスのナセル病院を訪れたところ、栄養失調の子どもの患者が急増し1日に10人から15人の治療にあたっているということでした。
子どもたちはやせ細り、なかにはベッドの上でほとんど動けない子どももいました。
幼い子どもに付き添う母親は「息子は日に日に体重が減り、さらに悪化しないか心配です」と心配そうに話していました。
治療にあたる小児科の医師は「この状態が続けば、さらに多くの子どもが犠牲になる」と述べ、一刻も早い停戦と、支援物資の搬入再開を訴えていました。
一方、イスラエルに駐在するアメリカのハッカビー大使は9日、イスラエルや人道支援団体と連携し、ガザ地区内に複数の支援物資の配給拠点を開設する計画を進めていることを明らかにしました。
今月13日からはトランプ大統領の中東訪問が予定されていて、大統領の訪問に合わせてガザ地区での停戦や支援物資の搬入をめぐる進展があるのか、注目されます。












ユニセフ アメリカが明らかにしたガザ地区での配給計画に懸念
                      NHK NEWS WEB 2025年5月10日
パレスチナのガザ地区で人道状況が極めて悪化する中、アメリカはガザ地区に複数の拠点を設けて、食料などの支援物資を配給する計画を明らかにしました。現地で支援にあたる国連機関の担当者は「一部の場所でしか配給しないのであれば、そのために、住民に移動を強いることになる」と述べて懸念を示し、イスラエルに対して国連などによる支援物資の搬入を速やかに認めるよう求めました

ガザ地区ではイスラエルが2か月以上、国連などによる支援物資の搬入を認めていないことで人道状況が極めて悪化しています
これについて、イスラエルに駐在するアメリカのハッカビー大使は9日、人道支援団体などと連携し、ガザ地区に複数の配給拠点を開設する計画を進めていると明らかにしました。
ただ、現地で活動するユニセフ=国連児童基金のクリックス報道官は9日、オンラインでNHKの取材に応じ「一部の場所でしか配給しないのであれば、そのために、住民に移動を強いることになる。移動が困難な、夫を亡くし子どもを持つ母親や障害のある子どもなどはどのように配給を受ければいいのか」と述べ、アメリカの計画に対し、強い懸念を表明しました。

また、現地の状況については「子どもが十分な食事をとれず栄養失調に陥っても十分な治療を受けられていない」と述べて、イスラエルに対して国連などによる物資の搬入再開を速やかに認めるよう求めました