人第96回メーデーが1日、全国274カ所で開かれ、約10万人が集いました。東京・代々木公園の中央メーデーには1万4000人が参加し、「最低賃金今すぐ全国一律1500円」「ケア労働者の大幅賃上げ・大幅増員」「教職員の長時間労働解消を」などと訴え、デモ行進しました。
以下のしんぶん赤旗の記事を紹介します。
◎メーデー関係
・大軍拡阻止し、賃上げ・時短・減税こそ 第96回中央メーデーに1・4万人
・各地のメーーデー
「江戸時代なら一揆だ」 宮城
「声上げれば政治動く」 埼玉
「軍拡でなく暮らしに」 神奈川
「大幅賃上げ実現必ず」 愛知
「万博とカジノ中止を」 大阪
「自公政治に『ノー』を」 高知、
・各国のメーデー
労働者を守る制度を イントネシア大統領「生活向上実現する」
賃上げ法成立要求 フィリピン
◎ガザのジェノサイド
・ガザのジェノサイド批判 アムネスティ人権年次報告書
・労働者 絶望に直面 パレスチナ労働組合総連盟書記長語る
壊滅状態のガザ
西岸で大量解雇
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大軍拡阻止し、賃上げ・時短・減税こそ 第96回中央メーデーに1・4万人
しんぶん赤旗 2025年5月2日
自公政権が狙う労働基準法の規制緩和や大軍拡・大増税を阻止し、物価高を上回る大幅賃上げや労働時間短縮、消費税減税を実現させようと第96回メーデーが1日、全国274カ所で開かれ、約10万人が集いました。東京・代々木公園の中央メーデーには1万4000人が参加(主催者発表)。「最低賃金今すぐ全国一律1500円」「ケア労働者の大幅賃上げ・大幅増員」「教職員の長時間労働解消を」などと訴え、デモ行進しました。
「団結がんばろう」で決意を固め合った第96回中央メーデー。右から2人目は田村智子委員長=1日、東京都渋谷区
中央メーデー実行委員会の秋山正臣代表委員(全労連議長)が主催者あいさつ(別項)しました。
激励あいさつした日本共産党の田村智子委員長は、「賃上げが物価高に追いつかないのは自公政権の無為無策に責任がある。職場での闘いと共に、物価高から暮らしを守る闘い、政治を変える闘いを」と呼びかけました。政治の責任での大幅賃上げと共に、歴史的な消費税減税を実現しようと訴えました。
激励あいさつした伊藤和子弁護士は、フジテレビ問題などにふれ「声を上げれば、人権を無視して利益を上げる巨大企業を追い詰められる」と強調しました。日比谷メーデー実行委員会の関口広行代表幹事が連帯あいさつしました。
各労組の代表が決意表明。東京都教職員組合は、余裕のない学校現場での教員の「病休ドミノ」を告発し、さらなる長時間労働をもたらす教員給与特別措置法改定案の廃案を訴え。グーグルの労働者でつくるJMITUアルファベットユニオン支部は、解雇や賃下げがやり放題になる「ジョブ型雇用を好き勝手に推進させない」と強調。東京土建は、建設資材高騰を価格転嫁できず経営危機に陥る中小零細事業者の実態を指摘し、中小企業支援と消費税減税を訴えました。
軍拡より命と暮らしを 秋山代表委員が主催者あいさつ
主催者あいさつした秋山正臣代表委員(全労連議長)は、2025年春闘では多くの組合が1万円以上の引き上げ回答となる一方、医療関係が平均を押し下げていると指摘。「物価上昇率にも及ばない報酬改定では医療産業は成り立たない」とし、公定価格の緊急引き上げを求めました。
米・食料品の高騰で実質賃金はマイナスだと指摘。「政府が行うべきは、食料自給率を大幅に向上させることだ」と訴えました。
日本は唯一の被爆国として核兵器禁止条約に参加し、「世界各国に核兵器廃絶の先頭に立って呼びかけることが求められる」と強調。「『軍拡よりも国民のいのちとくらし、教育に回せ』と訴え、財政を転換させよう」と呼びかけました。
各地のメーーデー
しんぶん赤旗 2025年5月2日
「江戸時代なら一揆だ」 宮 城
宮城県では、仙台、塩釜、大崎、登米、石巻の5市で取り組まれ、仙台市の県中央集会には120団体700人が参加。集会後、「暮らしを支える賃上げを」「消費税は減税しよう」「軍事費よりも教育へ」などと訴え、一番町商店街を行進しました。
集会では、代表委員の高橋正行県労連議長が「江戸時代なら一揆だ」とコメの値上げや上がらない賃金の現状を指摘し、「大企業の内部留保の還元で大幅賃上げを」と訴えました。
日本共産党のふなやま由美県議と宮城憲法会議の鶴見聡志弁護士が連帯のあいさつをし、ふなやま県議は、物価高で悲鳴が上がり政治が問われているとし 「今こそ人間らしく暮らせる賃金と労働時間を実現する社会へ変えよう」と呼びかけました。
13団体がたたかう決意表明をし、日本共産党の、はたやま和也参院比例候補、岩渕友、紙智子両参院議員、高橋千鶴子衆院東北比例候補、立憲民主党の安住淳衆院議員のメッセーージが紹介されました。
「声上げれば政治動く」 埼 玉
第96回埼玉県中央メーデーが、さいたま市の北浦和公園で開かれ、1100人が参加しました。参加者は「憲法守ろう」「最賃上げろ」と声を上げて集会とパレードを行いました。
あいさつした藤田省吾実行委員長(埼労連議長)は「高額療養費負担上限額の引き上げ凍結、埼玉県議会の『インボイス制度廃止』の意見書可決など、国民が声を上げ、行動することで政治が動いた」と強調。参院選で、新自由主義を転換する政治の実現を呼びかけました。
日本共産党から、塩川鉄也国対委員長・衆院議員、伊藤岳参院議員・埼玉選挙区候補、柴岡祐真県委員長らが参加。伊藤氏は、物価高騰や「トランプ関税」ヘの不安が広がる中、「消費税廃止をめざして5%に減税し、1世帯当たり手取りを12万円増やそう」と訴えました。
参加した、医療機関で働く山口晶乃さんは「医療・介護の現場はどこも厳しく、給料は上がらない。長く働き続けたいと思える職場へ、声を上げたい」と話しました。
「軍拡でなく暮らしに」 神 奈 川
神奈川県内では、9ヵ所でメーデーーが取り組まれました。横浜市の沢渡中央公園では第96回神奈川県・横浜メーーデーが開催され、30.団体・約1100人が参加しデモ行進しました。
実行委員長の住谷和典神奈川労連議長が主催者あいさつし、働く者の権利を確立することが求められているとして「最低賃金1500円以上を直ちに実行し、消費税減税、インボイス廃止、大軍拡ではなく教育・福祉・医療の充実を」と訴えました。
日本共産党の、あさか由香参院神奈川選挙区候補、党県議団、党横浜市議団が参加し、あさか氏は「労働基準法の改悪をさせてはいけない」として、7時間労働制を法律に書き込ませていくよう「団結して頑張っていく」と訴えました。
日本共産党の志位和夫議長と小池晃書記局長がメッセージを寄せ、畑野君枝元衆院議員は川崎、横浜田市のメーデーに参加しました。
各組織からのアピールと争議組合・争議団から活動が報告され、「憲法のもと労働者の生活と権利守り、平和と民主主義、中立の日本をめざす」メーデー宣言を採択しました。
「大幅賃上げ実現必ず」 愛 知
愛知県では、県内7ヵ所でメーデーが行われ、労働者ら2000人が参加しました。名古屋市で行われた「第96回愛知県中央メーデー」には1000人が集まり、「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」のスローガンを掲げました。
西尾美沙子実行委員長(愛労連議長)は、25春闘で大企業が満額回答をだすなか、全国単純平均では昨年並みの水準となり、医療現場では一時金カットなど賃下げの事態が起きていると指摘。中小企業支援とセットで最低賃金を全国一律1500円に引き上げることをはじめ、「すべての労働者の大幅賃上げを実現しよう」と呼びかけました。
集会では、「若者気候訴訟」の原告や、国家公務員の地域手当格差は「違憲」だと国を提訴した元裁判官の竹内浩史さんが来賓あいさつ。日本共産党から本村伸子衆院議員、石山淳一県委員長、すやま初美県副委員長〔参院選挙区候補)らが参加しました。
「万博とカジノ中止を」 大 阪
「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」と、第96回大阪メーデーが大阪市北区・扇町公園で開かれ、2000人が横断幕やのぼりを掲げ市内をデモ行進しました。
福岡泰治実行委員長(大阪労連議長)は、アメリカ・大企業優遇で暮らし・平和を顧みない石破政権と万博・カジノを強行し住民切り捨ての維新政治を批判。「8時間働けば人間らしく幕らせる職場と社会、憲法をいかす政治の実現へ。危険な夢洲(ゆめしま)での万博とカジノは中止を」と訴えました。
日本共産党の山下よしき参院議員・比例候補、清水ただし参院大阪選挙区候補が登壇。山下氏は、異常な物価高の中で大争点に浮上する消費税減税について「5%への一律減税とインボイス廃止、その先は廃止へ。財源は大企業減税にメスを入れてつくる」という共産党の提案が最も国民の利益にかなうものだと強調。労働組合の大切さ、労働者の自由時間拡大を訴えるとともに、参院選での党躍進の決意を述べました。
辰巳孝太郎衆院議員もデモ行進を激励しました。
「自公政治に『ノー』を」 高 知、
第96回メーデ⊥高知県中央集会は高知市の中央公園で開かれ、約500人が参加し、「7月の参院選で自公政治にノーを突きつけ、政治を私たちの手に取りもどそう」などとする集会宣言を採択しました。団結がんばろうを唱和しデモ行進してアピールしました。
県労連の岡上則子委員長は主催者あいさつで、「私たちは1日7時間、週35時間への時短を求めている。労働時間削減は大幅賃上げとともに、圧倒的多数の労働者の要求だ」と述べ、「すべての働く人が安心して働き続けられるよう、県内の労働者と連帯していこうトと訴えました。
日本共産党の白川よう子参院比例候補が来賓あいさつし、物価高騰対策に消費税の5%減税を提案。「暮らしを守り、子どもたちの未来を希望あるものにしていくために、全力で頑張り抜く」と表明しました。 参加した宇治電化学労組の福島理総さん(44)は「今春闘は連休明けから交渉が本格化します。物価上昇を上回る賃上げが必要だ」と語りました。
各国のメーデー
しんぶん赤旗 2025年5月2日
労働者を守る制度を イントネシア大統領「生活向上実現する」
【ハノイ=面川誠」インドネシアで1日、首都ジャカルタをはじめ各地でメーデー集会が開かれました。現地メディアによると、インドネシア労働組合総連合(KSPI)が中心となり、女性団体や学生団体などと共催したジャカルタの集会の参加者は、安心して暮らしていける公正な賃金の実現などを求めました。
同国では年収4800万ルピア(約41万4000円)前後の労働者が最も多く、住宅費、食費、教育費などの生活費にほとんどが消えてしまいます。集会では公正な賃金のほか、雇い捨の条件の厳格化、雇用剖法と家事労働者保護法の一定など、労働者の生活奎定させる制度を充実さ甘よう政府に要求しまじた。
政府はジャカルタで公式のメーデー式典を開催。ブラボウオ大統領は演説で、主要公約である国民生活向上を実現すると述べ、既に実施中の無料の学校給食と健康診断に加え、教育費の無料化と低額医療制麿導入を約束。労祖代表なども含めた大統領諮問機関として「国家労働福祉評議会を設立すると明らかにしました。
賃上げ法成立要求 フィリピン
フィリピンの主要労働組合は1日、労働者の大幅賃上げを求めてマニラ市内の大統領官邸付近をデモ行進しました。地元紙が伝えました。
現在下院では全民間労働者の日額200ペソ(約517円)賃上げを盛り込んだ法案が審議中です。36年ぶりの賃上げを実現しようと、さまざまな労働組合が全国賃金連合(NWC)を結成。NWCは声明で「インフレが進み、飢餓と貧困が危機的なレベルに達する中でも、この3年間、大統領と労働運動の間では一度も対話が行われなかった」と語り、賃上げ法案の早期成立を求めました。マルコス大統領は「賃上げを求める労働者の声は政府にも届いており、政府はそれを検討している」と語りました。
民間企業による昨年末の調査では、4世帯に1世帯が飢餓を経験しています。コロナ期以来の高い水準となっています。
ガザのジェノサイド批判 アムネスティ人権年次報告書
しんぶん赤旗 2025年5月2日
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4月29日、2024年の世界の人権状況に関する年次報告書を発表し、この中でイスラエルのパレスチナのガザ地区に対する攻撃が「パレスチナの市民の壊滅的な犠牲をもたらし、ジェノサイド(集団殺害)となっている」と厳しく批判しました。
報告書は、世界各地の紛争で政府や武装勢力が戦争犯罪や国際人遵法の重大な違反を行ってきたと強調。とくにイスラエルとパレスチナ占領地の項では、「イスラエルはガザでジェノサイドを行った」と指摘。「パレスチナ人の肉体的破壊をもたらすように計算された状況を意図的に作り出している」と述べました。
ヨルダン川西岸でもイスラエルが、家屋や村の破壊を通じて住民の強制移動を行い、アパルトヘイト(人種隔離)の犯罪を行っていると批判。国家の支援を受けた入植者による暴力も野放しになっていると指摘しました。
報告書の序文で、カラマール事務局長は、「世界はライブ中継されるジェノサイドの観客にさせられている」と述べるとともに、米国、ドイツなど一部の欧州諸国がイスラエルを支援し、国際法は自らに適用されないと主張したと批判しました。
他方で、南アフリカがジェノサイド条約違反でイスラエルを国際司法裁判所に提訴したことは「正義への重要な一歩」であり、国際刑事裁判所がイスラエルのネタニヤフ首相などに逮捕状を出したことは「歴史的な進展」だと評価しました。
カラマール氏は、「かつてない力が、‥‥第2次世界大戦の血と悲しみ、ホロコースト(ユダヤ人人虐殺)の中で作られた国際的なシステムを破壊しようとしている」と警告。発足から100日を迎えたトランプ政権による人権、国際法、国連への攻撃について、「(問題は)トランプ大統領にとどまらず、根はもっと深い」と指摘。「協調した勇気ある抵抗」が必要だと訴えています。
労働者 絶望に直面 パレスチナ労働組合総連盟書記長語る
しんぶん赤旗 2025年5月2日
パレスチナ労働者のナショナルセンターであるパレスチナ労働組合総連盟(PGFTU)のシャヘル・サード書記長がメーデーにあたり、本紙の取材に応じ、パレハチナ労働者の窮状について語りました。(米沢博史)
現在50万人以上のパレスチナ入労働者が、イスラエルのガザ侵攻によって16力月近くにわたり収入を失い、深刻な経済的・社会的損失を被っています。多くの労働者は生活費を得るために家財を手放さざるを得ず、状況改善の見込みはありません。
パレスチナには労働者の生活と権利を守る社会保障法が存在しないため、労働者はかつてないほどの不安と絶望に直面しています。
何千人もの労働者がイスラエル占領軍に拘束され、虐待や拷問、強制失踪の被害に遭っています。特にー昨年10月7日以降、「生計を立てようとした」というだけの理由で、罰を科される事例が増えています。
イスラエル領で働いていたヨルダン川西岸およびガザ地区出身の労働者のうち、職場や避難所で逮捕された者は、釈放された人を含めて1万1千人にのぼります。イスラエル占領軍は、ガザ地区での人道的危機に加え、西岸地区の労働者に対しても「静かな戦争」を仕掛けているのです。
◆壊滅状態のガザ
占領軍は多くの労働者を殺害し、彼らの住居や職場を破壊、強制移住させました。パレスチナ経済は壊滅状態にあり、特にガザ地区の境界にある食料供給源となる農地は、ブルドーザーで破壊され、空爆を受けました。さらに、食料や燃料の搬入が阻止され、電気と水の供給が遮断されたため、ガザは闇の中に置かれています。
工場や作業場の95%以上が破壊され、漁業、公共交通、建設、金属、木工、縫製などの産業も壊滅しました。これにより、数十万人が職を失い、失業率は80%を超えています。
◆西岸で大量解雇
この壊滅的な状況と収入源の喪失は、労働者の生活に甚大な打撃を与え、極度の貧困に追いやっています。彼らは最も基本的な生活必需品さえ手に入らず、大半は援助や救援物資に頼らざるを得ない状況です。
西岸の産業部門ではすでに労働力の削減が始まっており、公営企業も経済的理由から最近、労働者を大量に解雇しました。収入と雇用機会の欠如は、今後さらに多くの労働者を国外へと追いやる可能性があります。
PGFTUは世界の労働組合と連携して、被害の補償に取り組んでいます。根本的な解決には、労働者を保護する社会保障法の制定が不可欠です。そのためにも侵略行為は直ちに停止されなければならない。国際社会はイスラエルの蛮行を止め、ガザ地区への非人道的封鎖を終わらせるよう圧力をかけねばなりません。