2026年1月5日月曜日

集団殺害 これを最後に イスラエルの凶行 アルバネーゼ氏

 フランチェスカ・パオラ・アルバネーゼは、イタリアの法学者人権の専門家。彼女は22年5月より国連のパレスチナ被占領地域に関する特別報告者を務めており、25年4月にさらに3年間の延長が承認されました。女性としてこの役職に就くのはアルバネーゼが初めてのことで着任後の経過は下記の通りです。
 22年5月、パレスチナ地域の人権状況に関する国連特別報告者」に着任。
 24年3月、国連人権理事会に報告「ジェノサイドの解剖学」を提出し、イスラエルのガザでの軍事作戦をジェノサイドに相当すると指摘、各国に対して制裁と武器禁輸の実施を求めました。
 25年6月、同理事会に「占領経済からジェノサイド経済へ」を提出し、イスラエルの占領・戦争行為に関わる企業名を列挙して責任を追及し、国際社会に対して法的措置や貿易停止を求めました。
 報告書では、複数の企業にとって利益となるためにガザジェノサイドが継続していることが述べられ48社の企業がリストアップされて国際法に違反してイスラエルによるパレスチナ人追放を手助けしていると指摘しました。

 トランプ米政権の制裁によって現在、ニューヨーク国連本部での会合への参加が阻まれていますが、世界各地の催しに招かれ、イスラエルのジェノサイドを止めさせようと訴えています。
 このほど北アフリカのチュニジアの自宅でしんぶん赤旗の単独インタビューに応じ、イスラエルのジェノサイドや世界の不正義とたたかう信念を語りました。
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集団殺害 これを最後に イスラエルの凶行 世界の不正義に抗して
                        しんぶん赤旗 2026年1月3日
 国連のパレスチナ人権特別報告者として、ガザ地区でのイスラエルのジェノサイド(集団殺害)を厳しく批判してきたイタリア出身の弁護士フランチェスカ・アルバネーゼ氏。国連への報告でジェノサイド加担企業を告発するなど世界の注目を集めてきました。トランプ米政権の制裁によってニューヨーク国連本部での会合への参加が阻まれていますが、世界各地の催しに招かれ、イスラエルのジェノサイドを止めさせようと訴えています。このほど北アフリカのチュニジアの自宅で本紙の単独インタビューに応じ、イスラエルのジェノサイドや世界の不正義とたたかう信念を語りました。(チュニス=米沢博史)

国連パレスチナ人権特別報告者 フランチェスカ・アルバネーゼ氏

 私は2023年10月7日、ハマスによるイスラエルの民間人虐殺に心を痛めました。しかしイスラエルは、それ以前からガザ地区への空爆を繰り返し、多くのパレスチナ人を殺してきました。暴力を止めるには、まず暴力を直視するしかありせん。その日以来、パレスチナと
世界で横行する暴力が生む悲劇への認識はいっそう高まり、一日たりとも心が休まりません。

植民地主義
 いま私が最も懸念しているのは、ジェノサイドの継続です。イスラエルはガザ地区、ヨルダン川西岸、東エルサレムを分断して支配し、場所を問わずパレスチナ人そのものを標的に、ジェノサイドを民族浄化、すなわち民族自体の抹殺と追放の手段としているからです。
 ジェノサイドヘの抗議行動が世界的に広がり25年10月に停戦合意となりましたが、この停戦はジェノサイドを止めていません。イスラエルは軍事攻撃の規模こそ小さくしたとはいえ、パレスチナ人を殺害し続けています。
 私たちは、もう十分だといわなくてはなりません。だれも無関心であってはならず、各人が少しずつでも時間を割き、行動しなくてはなりません。それによって、人類最後のジェノサイドにしなくてはなりません。
(イスラエルの行為がジェノサイドにあたると国際司法裁判所〈ICJ〉に提訴した)南アフリカ政府の行動は、アパルトヘイト(人種隔離政策)への抵抗だけでなく、植民地主義に対する抵抗です。マンデラ氏(元大統領、故人)が「パレスチナ人の自由なくして、我々の自由も不完全だ」と語ったのは、南アフリカに続いてパレスチナが西欧型植民地主義の最後の形態だからです。
(イスラエルとハマスの停戦を仲介した)米国の計画も、パレスチナ人を他者が統治するという考えです。パレスチナの自決権を尊重していません
 ヨルダン川西岸への言及も一切ありません。西岸は(先住民を追放する)入植者植民地主義の最前線です。イスラエルがガザ地区と違い、西岸を大規模に空爆しないのは、すでにOO万人ものイスラエル人が入植しているからです,ICJが入植地撤廃を求めても、イスラエルは入植を促進し、併合さえ狙っています
 パレスチナは私に、世界の不公正がいかに根深いかを教えてくれました。パレスチナでの不正義と他の地域での不正義はつながっています。パレスチナの問題は私たちの問題です。
 イスラエルによるジェノサイドが可能なのは、多くの国が政治的・外交的・軍事的・財政的にイスラエルを支援しているからです。
 各国政府はイスラエルとの軍事情報の交換をやめるべきです。日本は軍事ドローンの購入を検討しています。各国は、深刻な国際法違反を繰り返すイスラエルの兵器購入をやめるべきです。そして、金融取引や商取引は全面的に停止すべきです

国際法適用
 世界各地の人たちがジェノサイドに抗議しているのは素晴らしいことです。人間性の証しです。ところが米国、欧州、アラブの国々は、パレスチナヘの連帯を示す人たちを拘束しています。法の支配を掲げる国が、抗者を犯罪者扱いしているのは衝撃的です。自由を侵害している国であることを証明しています。
 パレスチナを国家承認する国は今年150カ国以上に増えました。日本はまだ承認していません。ここに至っても承認しないのは、完全な偽善であり、イスラエルの犯罪を容認する歴史的に誤った選択です。早急な転換を望みます
 占領や人種的・文化的な抹消に対し、土地に愛着をもち追放を拒否するパレスチナ人の抵抗は、世界の人々を行動にかりたてています。それゆえ、イスラエルや米国政府はその抵抗を恐れいるのです。
 世論調査では、パレスチナ人を人間と見なさないイスラエル人が多い一方、兵役や軍命を拒否するなど、犯罪への加担を拒否するイスラエル人も増えています。
 パレスチナが植民地状態から脱するには、占領やアパルトヘイトに反対するイスラエルの平和運動に注目しなければなりません。世界は戦略的に平和運動との対話と連携を強めるべきです
 解決へのは国際法の適用です。占領とアパルトヘイトの終結、ジェノサイドの責任追及という明確な筋道があります
 米国は25年7月、私に制裁を科しました。それでも私は不当な制裁に屈することなく、今後も正義のため、法の原則に基づいて行動していきます。