中国商務省は6日、軍民両用品目の対日輸出規制強化を発表しました。
新潟日報が8、9日の両日、それぞれ1、3面で取り上げましたので紹介します。
中国は高市首相の「台湾有事発言」の撤回を要求しましたが、高市氏がそれに応じないばかりか首相周囲の人間から「核兵器保有のオフレコ発言」があったことに強い怒りを示し、昨年の段階で下記のような「対日措置」を実行しました。
・首相答弁の撤回要求・国連での批判 ・自衛隊機へのレーダー照射
・水産物の輸入手続き停止 ・日本への渡航・留学の自粛呼びかけ
・日本人公演の中止 ・防衛省元高官への制裁
年明けの6日には「軍民両用品目の対日輸出規制強化」を通告しました。
これに対して木原内閣官房長官は、「わが国のみをターゲットとした今回の措置は国際的な慣行と大きく異なり、決して許容できない」と強調し、中国側への申し入れは外務、経済産業両省、在中国日本大使館がそれぞれ行いました。
しかし「台湾有事は存立危機事態」などと明言した国は他にはいないわけで、高市氏が「台湾有事発言」の取り消しを一貫して拒絶したほか、暮れには与党国会議員30人が大挙して台湾を訪問し「強い連帯を表明」したことなどはあまりに浅慮であって、中国の措置はむしろ当然のことです。
そもそも「台湾は中国の核心的利益」であると明言する中国のクレームを「全く意に介さない」のであれば、いずれ行き着くところに行くのは必然であって、今更それを非難したところでどうなるものでもありません。
その覚悟もないままで自分の面子にだけ拘ったのであれば何をかいわんやです。
高市氏は「対話の窓口は開いている」としていますが、そんなことで責任を回避できるとでも思っているのでしょうか。そもそも交渉のカードは全て中国側にあり、日本の切れるカードなど1枚もありません。
高市氏の舌禍が日本に何兆円の損害を与えるのかはまだ明らかではありませんが、それを避けるためには発言を取り消すしかありません。もしもそれが出来ないのであれば日本のために首相の座を去るしかありません。
追記 日本側のレアアースの在庫量は企業によって異なりますが、大体2ヵ月程度のようです。従ってこれから別の輸入先を探すとか、新しいレアアースを見つける等の対策ではとても間拍子に合いません。
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中国輸出規制 撤回を要求 軍民両用品 リストにレアアース
新潟日報 2026年1月8日
木原稔官房長官は7日の記者会見で、中国が発表した軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制強化について、中国側に強く抗議し、措置の撤回を要求したと明らかにした。中国がこれまでに公表している軍民両用品目リストには幅広い工業製品に使用されるレアアース(希土類)が含まれている。どの品目の輸出を止めるかは中国側の運用による。運用次第では日本企業に打撃となる。政府は影響を分析し、過去に同様の措置を受けた米国と協議して対処策を打ち出す方針だ。
輸出規制は、高市早苗首相による台湾有事は存立危機事態になり得るとした国会答弁に対する対抗措置の一環。中国外務省の毛寧報道局長は7日の会見で「日本は問題の根源を直視すべきだ」として、首相答弁の撤回を重ねて求めた。
中国商務省は、軍事用途向けは「全て輸出禁止」の対象にするとした。中国政府は関連条例に基づいて軍民両用品のリストを以前から公表しており、レアアースや化学品、電子機器、航空宇宙問連など900種類以上とされる品目が列記されている。日本への規制はこのリストに基づいて行われるとみられる。
中国メディアは6日、ジスプロシウムなど7種類のレアアースの対日輸出審査を厳格化する可能性を報じた。レアアースにとどまらず、リストに載っている全ての品目の輸出規制が強化されれば、日本の企業活動や防衛産業への影響は避けられない。
日本のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、2024年レアアース輸入先に占める中国の割合は71・9%に上がる。木原氏は会見で「わが国のみをターゲットとした今回の措置は国際的な慣行と大きく異なり、決して許容できない。極めて遺憾だ」と強調。「内容を精査、分析して必要な対応を検検討する」と述べた。中国側への申し入れは外務、経済産業両省、在中国日本大使館がそれぞれ実施。外務省では6日、金井正彰大洋州局長が在日中国大使館の施泳次席公使に抗議した。
中国は米国による相互税への報復として同様の輸出規制を実施した経緯がある。
輸出規制強化 威圧 中国の胸三寸 日本痛手、打開策乏レく
新潟日報 2026年1月8日
中国による軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制強化に対し、新たな経済的威圧ではないかと日本政府に緊張が走った。品目リストにはレアアース(希土類)が含まれており、実際に輸出が止まれば、対中依存度の高い日本にとって痛手となる。中国側に高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁への強い不満があるのは間違いなく、影響回避へ日本の打つ手は乏しい。
「意図は分からないが、政治的思惑を感じざるを得ない」。6日夜に飛び込んできた中国商務省の発表に、首相周辺は顔を曇らせた。外務省幹部は7日朝、「まずはどれぐらい影響が出るのか分析を急ぐ」と語り、足早に自室へ向かった。
日本側が懸念するのは中国からのレアアースの輸出が滞る事態だ。電気自動車(EV)のモーターなどの民生品だけでなく、防衛装備品にも幅広く使われている。日本は経済安全保障の観点から輸入元の多角化を進めているものの、依然として中国が最大の輸入相手国に変わりはない。
日中両国の立場
輸出規制
中国 台湾有事を巡る高市首相答弁を「極めて悪質」と非難し、対抗措置
日本 日本への悪影響に危機感。打開策を模索するも打つ手は乏しい
台湾問題
中国 国家の本質的利益に直結する「核心的利益」と位置付け、譲歩できず
日本 台湾有事を巡り「存立危機事態になり得る」とした首相答弁は撤回せず
対 話
中国 対話再開には首相答弁を撤回して誠意を見せる必要がある
日本 懸念と課題があるからこそ意思疎通が重要。対話にオープン
▽交渉カード
商務省発表には「軍事力の向上に資する輸出は禁止する」とも明記しており、恣意的な拡大解釈の余地が残る。外交筋は「中国の胸三寸で運用が決まり、日本は振り回される」と歯がみした。
中国側は発表で、台湾有事を巡り「存立危機事態になり得る」とした首相答弁に触れ「武力介入を暗示したことは極めて悪質だ」と批判し、報復措置であることをうかがわせた。台湾問題を「核心的利益」と位置付け、譲歩しない立場を改めて誇示した形だ。
高市政権が取り組む防衛力の抜本的な強化も無関係ではないもようだ。中国の識者は、日本旅行の自粛を呼びかけた昨年11月の中国文化観光省の勧告と比較し「今回の商務省の措置は重い」と分析した。
レアアースの圧倒的な生産量を誇る中国は昨年、トランプ米政権との貿易交渉でも規制強化を発表し、米側から譲歩を引き出すカードに使った。今回も日本の経済的な弱点を突くことで、歩み寄りを求める狙いがあるとみられる。
▽リスク分散
首相は5日の年頭記者会見で、「懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要だ。中国との対話にオープンだ」と述べ、関係正常化に意欲を示していた。だが、中国は対話再開には答弁撤回を条件としており、日本側は受け入れていない。
対立の沈静化に向け、超党派の日中友好議員連盟が議員外交で尽力してきた過去もあるが、議連幹部は「こちらが切れるカードはない」と声を落とす。1月に予定していた経団連など経済界の訪中も延期となる中、対話の糸口すらつかめない状況が続いている。
首相は今月中旬に来日する韓国の李在明大統領やイタリアのメローニ首相に日本の立場を伝え、連携を図りたい考えだが、効果は見通せない。政府高官は「レアアースの対中依存を減らして、とにかくリスクを分散するしかない」と言葉少なに語った。 (北京、東京共同)
中国商務省 日本製造の化合物 反ダンピング調査 信越化学など名指し
新潟日報 2026年1月8日
【北京共同】中国商務省は7日、日本から輸入するジクロロシランに対し、反ダンピング(不当廉売)調査を始めたと発表した。半導体製造に使う化合物で、調査期間は原則1年間。高市早苗首相の国会答弁への対抗措置とみられる。
日本からのジクロロシランの輸入が増え、価格が大幅に下がって国内産業が損害を受けたとしている。調査の結果次第では追加関税が課される可能性がある。
商務省は生産・輸出業者として、信越化学工業と日本エア・リキード、三菱ケミカルグループの3社を挙げた。
商務省は報道官談話で「世界貿易機関(WTO)のルールに従って産業界からの申請書の審査を行った結果、反ダンピング調査の条件を満たしていると判断した」とした。
防衛産業困惑「情報ない」 自動車業界も警戒強める
新潟日報 2026年1月8日
中国が打ち出した軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制の強化に対し、日本の防衛産業の間では「情報がない」(関係者)と困惑が広がっている。中国側の運用次第では、自動車の部品にも不可欠なレアアース(希土類)が入ってこなくなる可能性があり、車業界も警戒を強めている。
中国は輸出規制の具体的な対象を示していない。防衛関連企業の関係者は「注視するしかない」と話した。中国がサプライチェーン(供給網)上で給む場合は電池やダイオード、磁石などの調達に支障を来す恐れがあると説明した。
防衛装備品では、高性能センサーなどにレアアースが使われるとされる。財路省防衛統計によると、レアアースの中国からの輸人量は6割超を占める。代替の供給国が限られるため、日本企業は神経をとがらせてきた。
三菱重工業の伊藤栄作社長は昨年12月、中国への倍存度が高い現状について「これからの開発で、なるべくそういう材料を使用しないなど設計を考慮したい」と語っていた。
日本自動車工業会(自工会)は7日、共同通信の取材に「情報を収集している。国と連携して、レアアースの安定調達や供給源の確俣に向けた取り組みを進める」と強調した。
中国に進出する日系企業でつくる中国日本商会は6日にコメントを公表。「日本企業の活動に支障が出ている場合は、商務省などに対して申し入れを行っていく」と懸念を表明した。
中国、日本酒の通関遅延 食品も、首相答弁に報復か
新潟日報 2026年1月9日
【北京共同】日本が中国に輸出した日本酒を中心に酒類や食品の通関手続きに通常より時間がかかり、貿易に遅延が生じていることが8日、分かった。昨年11月に高市早苗首相が台湾有事は存立危機事態になり得ると国会答弁して以降に起きており、対日報復のー環とみられる。北京の日本大使館に関係企業から相談が相次いでいる。複数の通商筋が明らかにした。
国会答弁後、中国は再開したばかりの日本産水産物の輸入手続きを停止。今月6日には軍民両用品目の対日輸出規制強化を発表し、レアアーース(希土類)輸出の審査厳格化をちらつかせた。貿易で対日圧力を強めており、日本企業関係者は事態の推移を注視している。
農林水産省によると、中国への日本酒の輸出額は2024年に116億円と、国・地域別でトップだった。通商筋によると、中国に酒類が到着後、通関手続きに通常よりも数週間から約1ヵ月時間がかかった。日本酒の遅れが特に目立ち、通常の2倍の時間を要したという情報もある。「日本酒は日本の象徴だから狙われたのではないか」との見方がある。
天津や広東谷深川などさまざまな貿易港で遅延が確認された。手続きが進まず中国の貿易港に留め置かいている酒類がある。一部の加工食品や食材も通関の遅れが確認され、日本大使館に相談が寄せられているが、特定の食品が対象ではないという。
中国税関当局が日本国内での商品の輸送経路を細かく報告するよう求め、手続きに時間がかかるケースが報告されている。東日本大震災後、食品輸入を禁じている福島や本県など10都県を通過していないかどうか詳細な証明を求める例もある。
中国、貿易手続き遅延 振り回される日本企業 引き留め一転対抗措置
新潟日報 2026年1月9日
高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁後、日本から中国に輸出された日本酒や食品の貿易手続きに遅れが生じていたことが判明した。中国は国会答弁後も中国に進出する日本企業を引き留める動きをする一方で、対抗措置をエスカレート。答弁撤回を求めて経済・貿易でも揺さぶりを強めており、日本企業は振り回されている。
「中国での事業活動を安心して続けてほしい」。中国外務省の劉勁松アジア局長は昨年11月遼寧省大連の日系大手メーカーの拠点を突然訪問し、こう伝えたという。
■楽観視
(劉勁松氏は)日本外務省の金井正彰アジア大洋州局長と高市氏の国会答弁を巡る協議で応酬となり、ズボンのポケットに両手を入れたまま対面したのが話題になった人物だ。関係筋によると、メーカー訪問はこの協議の直後だった。
中国の呉江浩駐日大使も11月に経団連の筒井義信会長と面会。日中の経済協力に前向きな姿勢を見せた。日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモで日系企業が襲撃された2012年と異なり「中国は日本との経済協力を続けたいというメッセージを送っている」と、日本企業の間では楽観ムードが漂った。
■裏切り
しかし日中経済協会と経団連、日本商工会議所のトップが率いる経済代表団が今月予定していた中国訪問の受け入れを巡り、中国は昨年末までに明確な回答をせず、訪中は延期を余儀なくされた。呉氏は7日、日中経済協会などが東京都で開いた年頭恒例行事を欠席する異例の対応をし「政治と経済は別」という日本側の期待を裏切った。
不動産不況で景気が減速する中国は「自国経済は打撃を受けないよう対抗措置を選択している」(日中関係筋)。中国企業が必要とする製品の納入は通常通りだが「中国国有企業とのプロジェクトがストップした」「中国とのイベントがキャンセルされた」といった影響が日本企業に広がる。日本酒を標的にしたのは「中国への影響が小さいと判断した上での嫌がらせだろう」と通商関係者は顔をしかめる。
今月6日には軍民両用品目の対日輸出規制強化を発表。リストに掲載された品目はレアアース(希土類)から電子機器まで幅広く、貿易会社には、中国に生産拠点がある日本企業から「商品は日本に輸出できのか」との問い合わせが次々と寄せられている。
「このような状況では中国で安心してビジネスできない」。中国への失望が日本企業関係者から漏れる。 (北京共同)
輸出規制は「軍事限定」 中国商務省
新潟日報 2026年1月9日
【北京共同】中国商務省の何亜東報道官は8日の記者会見で、日本への軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制の対象は軍事用途に限られるため「民生用は影響を受けない。通常の民生品の貿易を行う際に心配する必要はない」と述べた。
商務省は6日、日本の軍事力向上につながる軍民両用品の輸出を禁止すると発表した。軍事用と民生用の線引きは中国側の裁量で決まるため、半導体製造などに使われる民生用のレアアース(希土類)も含まれるとの懸念が日本側には強まっている。
何氏は、今回の措置の背景には高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に加え、安保関連3文書改定の動きや官邸筋による核保有発言があるとも強調。「日本の再軍備化や核保有の企てを阻止することが目的で、完全に正当かつ合法的だ」と主張した。
中国大使へ抗議 外務次官
新潟日報 2026年1月9日
船越健裕外務事務次官は8日、外務省で中国の呉江浩駐日大使と会談し、中国による軍民両用品目の対日輸出規制強化に強く抗議し、措置の撤回を求めた。在日本中国大使館は呉氏が拒否したと明らかにした。呉氏は今回の措置について「完全に正当であり、合理的で合法だ」と主張した。
両氏は、現在の日中関係について意見交換。船越氏は、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁で関係が冷え込む中でも「対話にオープン」との日本の立場を伝えたとみられる。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。