2026年1月12日月曜日

「自己都合解散」狙う政権に審判 小池書記局長

「読売」10日付が「首相、衆院解散検討」の大見出しで23日に召集される「通常国会の冒頭に解散」「2月上中旬投開票」の見通しを報じました。高市首相はこれまで解散総選挙を一貫して否定してきたのにと、連立を組む日本維新の会の関係者や自民党内からは「全く知らない」と怒りの声もました。
 ある動画によると、高市氏が密かに国民党玉木氏に自民党との連立を要請したときに、玉木氏から「連立すると国民党の支持率が落ちる選挙で議席を増やしてからなら連立に参加できる」との回答を得たので、それなら「冒頭解散を行えば目的が達成できる」と判断したのではないかという推測が行われていました。
 元々自民党内には「支持率の高さを背景に“今しかない”」という意見が出ているので、党に諮らなくても問題ないと高市氏は判断したのでしょう。そうであれば高市氏が一転して総選挙実施に舵を切った理由が納得できますが、まさに国にとっては完全に無用の、国民党と自民党の「党利党略の解散」です。

 日本共産党は11日、全国各地で緊急宣伝に取り組み、小池晃書記局長は横浜駅前で、党利党略の解散に打って出ようとする高市政権に厳しい審判を下し、“物価高対策が最優先”と言いながら、まともな国会審議もせずに解散するという「究極の自己都合解散」だと批判しました。
 そして物価高対策で手を打てず、中国との関係悪化の打開の展望を示せないだけでなく、首相自身の「政治とカネ」の問題や統一協会との癒着が明るみに出ているとして、「国会で追及され、窮地に追い込まれる前に選挙で乗り切ろうという、よこしまなたくらみだ」と断定しました。
 また赤旗編集局政治部長の中祖寅一氏は、「解散報道から見えた行き詰まりと危険」とする記事を出しました。

 併せて植草一秀氏の記事「総選挙のキャスティングボート」を紹介します。
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「自己都合解散」狙う政権に審判 小池書記局長 憲法生かす政治訴え 横浜駅前
                       しんぶん赤旗 2026年1月12日
 高市早苗首相が通常国会冒頭で衆院を解散する検討に入ったとの報道を受け、日本共産党は11日、全国各地で緊急宣伝に取り組みました。小池晃書記局長は横浜駅前で、党利党略の解散に打って出ようとする高市政権に厳しい審判を下し「憲法を生かした希望ある政治を実現しよう。政治の流れを変えていこう」と呼びかけました
 小池氏は、“物価高対策が最優先”と言いながら、まともな国会審議もせずに解散を狙っているとされる高市早苗首相を批判し「究極の自己都合解散だ」と指摘。物価高対策で手を打てず中国との関係悪化の打開の展望を示せないだけでなく、首相自身の「政治とカネ」の問題や自民党と統一協会との癒着が明るみに出ているとして「国会で追及され、窮地に追い込まれる前に選挙で乗り切ろうという、よこしまなたくらみだ」と批判しました。
 小池氏は、高市政権の支持率は高いとされるが国民の願いとは離れていると指摘。2026年度予算案で軍事費が9兆円を超す一方、消費税減税にも最低賃金の引き上げにも背を向け、社会保障は負担増が目白押しだとして「アメリカいいなりの大軍拡で暮らしは置いてきぼりの政治ではいけない。税金は暮らし、国民のために使え。消費税は直ちに5%に減税を。この声をあげていこう」と訴えました。
 畑野君枝元衆院議員は、高市政権が進める米軍と一体の大軍拡で、米軍横浜ノースドックなどが攻撃の標的にされる危険性が高まっているとして「そんな事態は絶対に許すわけにいかない」「高市政権にノーの声を突きつけていこう」と呼びかけました。

 緊急の呼びかけでしたが、演説には多くの人が集まりました。足を止めた沖縄県石垣市の50代の医療関係者は、南西諸島で高市政権が自衛隊基地強化を進めるなか住民の不安が強まっているとして「『南西シフト』をなんとか食い止めないといけない。共産党にその声を高めてほしい」と語りました。


解散報道から見えた行き詰まりと危険 政治部長 中祖寅一
                       しんぶん赤旗 2026年1月11日
 衆院解散・総選挙への動きが急浮上しました。「読売」10日付が「首相、衆院解散検討」の大見出しで23日に召集される「通常国会の冒頭に解散」「2月上中旬投開票」の見通しを報じました。他方、連立を組む日本維新の会の関係者や自民党内からは「全く知らない」と疑問や怒りの声も出るなど、情報は錯綜(さくそう)しています。高市早苗首相は10日、メディアによる取材要請に応えず、強い警戒を呼んでいます。
 自民党内からは「支持率の高さを背景に“今しかない”という戦略だろうが、『国民のために働いていく』と言ってきた首相自身の発言を曲げる自己都合解散と批判される。予算の成立が遅れ、国民生活に影響が出る」と不安の声も出されます。物価高の高進など、国民生活の窮状をよそに、党利党略最優先で予算審議と国政の諸課題を放り出す一方で、「高支持率」のもと、「今なら議席を回復できる」と、大軍拡と戦争国家づくり推進の基盤を固める危険な狙いもあります。

 一方、深いところでは自民党政治の行き詰まりによる「追い込まれ解散」の動きという本質を見逃すことはできません。
 自公政権は一昨年10月の総選挙につづき、昨年7月の参院選でも過半数割れ。高市氏の総裁選出後、自公協力も崩壊しました。その根本には30年にわたり経済成長が止まり、賃金が上がらず、そこを襲った物価高にも有効な対策を示せない自民党政治への国民の深い失望がありました。
 いま「高支持率」の一方で、アベノミクスを継承する高市政権は、金融緩和の姿勢維持、国債頼みの放漫財政で「円安」を加速させ、いっそうの物価高を招いています。最低賃金引き上げ目標を投げ出し、労働時間規制をさらに緩和、消費税減税など主要な物価高対策には後ろ向きの一方、社会保障削減は目白押しです。早晩、高市失政による景気の悪化で「高支持率」が揺らぐとの観測は広くメディア、政界関係者や自民党内にも共有されています。
 また、自らの「台湾有事」発言がもたらした日中関係の悪化は、軍事的緊張の激化と経済的悪影響を急速に広げています。

 ベネズエラ侵略など暴走を強める米トランプ政権に無批判に追随する日米同盟絶対の姿勢は、国際法秩序や「力による現状変更を認めない」とした自らの言明にも矛盾し、国会論戦で行き詰まり、支持を落とすという不安も広がっています。
「高支持率」継続の見通しに不安が強まるもと、「今のうちに選挙に踏み切らないと苦しくなる」という政治的追い込まれが急速に深まってきました。この動きを攻勢的に受け止め、打ち破る必要があります。

 失われた30年をどうするか、国民生活をどう立て直すか、米国言いなりの危険な大軍拡を許さず平和外交をどう進めるか―問われているのはこうした対抗軸と対案です。自民党政治と正面対決し、国政の大問題では異なる立場の人々、政党とも共同、協力を広げるけん引者としての役割を果たしてきた日本共産党の役割の発揮が今ほど求められるときはありません。


総選挙のキャスティングボート
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年1月11日
前回の衆院総選挙は2024年10月27日に実施された。
結果は自公の大敗。敗因は裏金不正事件だった。
昨年7月20日に参院選が実施された。再び自公が大敗。敗因は「政治とカネ」問題への不対応。石破首相は責任を問われて辞任に追い込まれた。

自民は「解党的出直し」を掲げて新党首を選出。最大の焦点は「政治とカネ」だった。
新党首に選出された高市氏に公明が企業献金規制強化を提言したが高市氏が拒絶。
公明は連立から離脱した。高市自民は維新のすり寄りを受けて新内閣を樹立。
焦点の「政治とカネ」問題への対応はを闇に葬った。

メディアがこの対応を総攻撃すべきところ、逆に高市新体制絶賛報道を続けて現在に至る。
メディア報道に支えられて高市内閣の支持率が高いとされている。
高市首相は高い支持率の下で総選挙を打てば有利と判断して解散・総選挙に突き進む構えを示している。

だが、こんな自己中心主義で国政を振り回してよいものか。大多数の国民が疑問に思う。
衆議院議員の任期は4年。任期満了は2028年10月。任期が始まって1年少ししか経過していない。
選挙を実施するには膨大な費用がかかる。過去の計数ではおよそ600億円。
自己都合解散で600億円の国費を投下することが是認されるか疑問だ。
2月の総選挙で予算審議が遅れることは確実。26年度予算が年度内に成立しない。

2月総選挙で懸念されるのは寒波の到来。小沢一郎氏は高市首相の最大の敵は「冬将軍」になると述べた。寒波が到来すれば選挙に重大な影響が生じる。
3連休明けに高市氏が記者会見で衆院解散の方針を表明する可能性が高いと見られている。
「責任ある積極財政」について国民の信を問う、とでも言うのだろうか。
ところが、財政政策の中身は「責任ある積極財政」とはかけ離れている。
「利権拡大の積極財政」でしかない。国民が冷静になると高市自民は勝利できない可能性が高い。

2024年10月衆院選(上段)と25年7月参院選(下段)の結果を見てみる




















比例代表選の政党別得票率を見ると
24年衆院選は
与党 37.7  ゆ党 26.2  野党 36.1 だった(単位は%、以下同じ)。
25年参院選は
与党 30.5  ゆ党 37.9  野党 28.5 となっている。
衆院の定数は465でうち小選挙区が289、比例が176。

勝敗を決するのは289の小選挙区である。問題は与党から公明が離脱したこと。
与党得票率は
24年衆院選
自民 26.8  公明 10.9
25年参院選
自民 21.7  公明  8.8
公明がどのように行動するのかによって選挙結果が激変することになる。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4305号
「高市自民が勝利できない可能性」 でご高読下さい。
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                 (後 略)