2026年10月29日木曜日

改正皇室典範は「違憲」旧宮家の養子縁組は新たな身分制 小林よしのりさん、国を提訴

 漫画家の小林よしのりさんが26日、国を相手取り改正皇室典範の無効確認や損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。
 訴状などで、新たな制度は法的・歴史的正統性を有しておらず、「天皇制の本質を掘り崩す」と問題点を強調し、政府が組織した有識者会議で、憲法学者が「門地による差別に該当する恐れがある」と指摘したことで、国会は会議の報告を受けた22年1月の時点で、違憲性の疑義を認識したと指摘しました。
 代理人の倉持麟太郎弁護土は、国会での是正が期待できないとして「これしか方法がない」と述べました。
 国民の8割前後が悠仁さんが皇位につくことに納得していない中で、現状のまま進むことは、「象徴天皇の地位は日本国民の総意に基く」としている憲法第1条の趣旨にも反します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
改正皇室典範は「違憲」旧宮家の養子縁組は新たな身分制 漫画家小林さん、国を提訴
                        新潟日報 2026年10月27日
 皇籍離脱した旧宮家の男系男子の養子縁組を可能にする改正皇室典範は、「門地(家柄)による差別」を禁じた憲法14条に違反するなど之して、漫画家の小林よしのりさんが26日、国を相手取り改正皇室典範の無効確認や損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。小林さんは「旧宮家という特殊な階級をつくることで、日本に新たな身分制ができるのは大問題だ」と主張している。
 皇族数の確保を目的とした改正皇室典範は7月に成立し、今月24日に施行された。1947年に離脱した旧11宮家の男系男子で、配偶者や子がいない15歳以上を養子に迎えることを可能にした。
 訴状などでは、新たな制度は法的・歴史的正統性を有しておらず、「天皇制の本質を掘り崩す」と問題点を強調。安定的な皇位継承策を検討した政府の有識者会議で、憲法学者が「門地による差別に該当する恐れがある」と指摘した点に触れ、国会は会議の報告を受けた2022年1月の時点で、違憲性の疑義を認識したとしている。
 提訴後、東京都内で記者会見した小林さんは「男の血だけが尊いという思想に基づいている」と批判。代理人の倉持麟太郎弁護土は、請求が認められるハードルは高いとしつつ、国会での是正が期待できないとして「これしか方法がない」と述べた。


得られぬ国民理解 表面化 改正皇室典範 違憲訴訟
                        新潟日報 2026年10月27日
 改正皇室典範で導入された旧宮家の男系男子との養子縁組を巡り、違憲訴訟が起こされた。国の根幹の一つである皇室制度に疑念が向けられる異常事態だ。改正までの過程で「門地による差別に当たる」との指摘は、憲法学者や野党から繰り返し出ていた。丁寧な合意形成を欠いた結果、国民の理解が得られていない状況が改めて浮かび上がった。

国の根幹問われる異常事態
「男系でないと正続性がなく、日本の象徴になれない。この改正によって、愛子さまが排除される」。26日の提訴後、東京都内で記者会見した漫画家の小林よしのりさんは、男系男子による継承維持を強く打ち出した改正典範の問題を突いた。

■例外
 政府の有識者会議は2021年、皇族数の確保策として、約80年前に皇籍離脱した旧11宮家の男系男子を皇族として養子に迎えることを提言した。だが、事前のヒアリング段階で、宍戸常寿東大大学院教授(憲法)は「一般国民の中から男系男子に限定するならば、門地による差別に該当する恐れがある」と忠告していた。
 国会の議論でも野党の一部は、法の下の平等を定めた憲法14条違反を主張した。これに対し、内閣法制局は、天皇、皇族は14条の例外で「憲法は皇族という特殊な地位を認めている。その範囲は法律の定めるところに委ねられている」とー般論を示すだけだった。
 改正法案を提出した政府は「皇族数の減少を解消しなければいけない中、養子を迎えることは憲法上の要請にかなう」と合憲性を強調したが、国会は衆参いずれも全会一致の可決とはならなかった。

■拙速
 天皇制を巡っては過去に即位儀式や大嘗祭への国費支出が政教分離の観点から違憲だとして訴訟になったことがある。今回は皇族の資格そのものが問われ、異質さが際立つ。神戸学院大の鈴木洋仁准教授(歴史社会学)は「司法の場に持ち込まれること自体、国民の理解が得られていない証しで、政府、国会の議論が拙速だったことの裏返しだ」と指摘する。

 改正典範は養子本人に皇位継承資格を認めない一方、生まれた子孫が男子の場合は資格があるとした。鈴木准教授は「唐突で、納得するまでの時間があまりに足りない」とし 「皇位継承の問題を扱うのであれば、女性天皇を含めてあらゆる選択肢を議論しないと不誠実だ」と述べた。 

29- 高市首相G7欠席が招く最悪事態…EUにEV優遇策「日本車除外案」

 日刊ゲンダイの2つの記事を紹介します。
 ドイツとフランスは16日、EUによるEVの優遇策から日本製を除外する案で合意しています。EUは年間約200万台を販売し、日本国内から約60万台を輸出している重要な市場なので、その市場を失ったら日本経済への影響は甚大です。
 本来であればG7の(オンラインの)席上で、日本製のクルマを「優遇枠」から除外しないように要請するべきでした。
 それなのに高市氏はG7欠席の理由を『議長国のフランスが当日急きょ設定したから』と述べて、「事前に通知していた」フランスを激怒させているので、ドイツのメルツ首相に日本車を優遇して欲しいとお願いしても、応じてもらえないのではないかと経済評論家の斎藤満氏は述べます。
 ウソでその場を凌ごうとしてもどこかで破綻するということのいい例です。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高市首相G7欠席が招く最悪事態…EUにEV優遇策「日本車除外案」、実施なら国産自動車メーカー大打撃
                         日刊ゲンダイ 2026/10/27
 いまさら、お願いしても手遅れなのではないか。
 高市首相は28日に行われるドイツのメルツ首相との会談で、EUが予定している電気自動車(EV)の優遇策について、修正を求める方針だ。日本製のクルマを「優遇枠」から除外しないように要請するという。
 ドイツとフランスは16日、EUによるEVの優遇策から日本製を除外する案で合意している。
 合意案は、EVへの補助金や税優遇を受ける条件として、EU域内の組み立てや、一定割合以上の欧州製部品の使用を義務づけるものだ。EVだけでなくハイブリッド車も対象になる。年内にも欧州議会で採決され、最終決定される見通しだ。
 もし、この合意案が実施されたら、日本の自動車メーカーが打撃を受けるのは間違いない。
 EVは価格が高いため、補助金や税優遇がなければ、大幅な販売減となるのは避けられない。事実上、EU市場から締め出されることになる。
 日本にとってEUは、年間約200万台を販売し、国内から約60万台を輸出している重要な市場だ。EU市場を失ったら、日本経済への影響も大きい。
「自動車産業は、日本経済を支えている大黒柱。輸出の4番バッターです。就業人口も550万人というボリュームです。EU市場への輸出がストップしたら、国内工場の稼働が落ち込み、雇用不安につながりかねません」(霞が関関係者)

G7欠席にフランスが激怒
 問題は、高市首相がドイツ首相に談判したところで、果たして日本車が「優遇枠」に修正されるのか、ということだ。まったく取り合ってもらえない恐れがあるという。高市首相が「G7」を欠席したことにフランスが激怒しているというのだ。
「高市首相が、2日に開かれたG7のオンライン首脳会議を欠席したことに、議長国のフランスはカンカンだといいます。トランプ米大統領も参加したのに、日本だけが官僚による代理出席でした。2023年以降に開かれた過去8回のオンライン会合には、いずれも日本の総理は出席しています。しかも、当日、高市首相は公務はなく、麻生副総裁と会食していた。それだけでもG7を軽視した振る舞いです。議長国のフランスを激怒させたのは、欠席した理由を『議長国のフランスが当日急きょ設定したから』と、したことです。フランスは事前に通知していたといいます。高市首相の失礼な態度は、ヨーロッパ各国にも伝わっている。高市首相がドイツのメルツ首相に、日本車を優遇して欲しいとお願いしても、応じてもらえないのではないでしょうか」(経済評論家・斎藤満氏)
 高市首相はG7を欠席した理由を「欧米のディーゼル価格などが議題で、出席する類いのものではなかった」と、日本とは関係ない会議だと強弁していたが、日本の国益に直結する会議だったのではないか。


高市首相の日米首脳会談「蜜月アピール」は突っ込みどころ満載…トランプ大統領は「心ここにあらず」
                         日刊ゲンダイ 2026/09/24
 なかなかスケジュールが固まらず、立ち話程度であしらわれる可能性も囁かれていた日米首脳会談だったが、結局22日(現地時間)、着席のうえで35分間行われた。政府高官は「最も良いタイミングで日米同盟の強固さを世界に示すことができた」などと、24日に予定されている米中首脳会談の前の日米すり合わせの成果を強調。高市首相も日米蜜月をアピールしていたが、本当にそうなのか。会談は公開された5分だけでも突っ込みどころ満載だった。
  ◇  ◇  ◇
 トランプ大統領は冒頭、美辞麗句を並べて高市首相を持ち上げた。
「日本の首相と同席できることを誇りに思う」
「いつも彼女の支持率をウオッチしている」
「彼女の友人であることをうれしく思う」
「日本の首相として歴史にも名を残すことになるだろう」
 だが、気になったのは高市首相に対して「日本の首相」「彼女」と言うだけで、覚えていないのか、一切、名前を呼ばなかったことだ。高市首相が「ドナルドと私が国連本部で首脳会談をすることは、世界に向けて日米同盟の強さを示すことになる」など、「ドナルド」というファーストネームを3回も使ったのとは対照的だった。
 トランプ大統領の表情も微妙だった。高市首相と握手した際など、時折、笑顔を見せはしたが、高市首相の発言中にうつむいたり、つまらなそうな顔を見せた。

高市首相が見つめるとトランプ大統領は目をそらし…
 ギョッとしたのは、日本側の通訳が英語で話している際に、高市首相が目を見開いて、トランプ大統領をジッと見つめた瞬間。それまで高市首相の方を向いていたトランプ大統領が、瞬時に首を前に戻し、高市首相から目をそらしたのだ。高市首相のあの“目力”に耐えられなかったのだろうか。
 トランプ大統領は米側の日本語通訳者に「なんて早口なんだ」「グレート・ジョブ!(いい仕事をしている)」と褒め、笑いを誘ったが、あれも会談を早く終えたかったからなのか。
 そして、ア然だったのが、高市首相が記者を追い出したことだ。

■外遊先でも記者を排除
 トランプ大統領は他国首脳と会談する際、取材に入った記者と質疑応答を繰り広げるのが恒例。ところが、高市首相がこれを拒むように、「たくさんのイシューを話したいので、そろそろ会談を始めましょう」と取材の打ち切りを促し、さらに日本側の通訳が英語で「報道陣に退出してもらいましょう」と高市首相が言ってないことまで付け加えたのだ。通訳の忖度か、事前の打ち合わせがあったのか。外遊先でも記者の質問を嫌がるとは、高市首相は一国のトップとして器の小ささをさらけ出した。
 今回の日米首脳会談を専門家はどう見たのか。
 上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国 政治)はこう言う。
「メディアを追い出したのは通訳のスタンドプレーではなく、最初からシナリオを作ってあったと思います。ICC(国際刑事裁判所)についての日米の立場の違いや、法の支配についてガザやイランはどうなのかと質問されるのを避けたかったのでしょう。トランプ大統領は『心ここにあらず』ですよ。当日の日程は、国連総会での演説、デンマークとの署名式、英バーナム首相との初会談、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談と慌ただしかった。高市首相とは、同盟国だし、ちょっと会ってやるか、という程度でしょう」
 同志社大学大学院教授の三牧聖子氏(米国政治外交)はこう話した。
「中国より先にトランプ大統領と会談したことやトランプ氏が会談した4カ国に日本が入っていたことで『日本が重視されている』と考えるのは幻想です。世界の国々は、米国と距離を置き始め、中国やEUなどと多角化を進めるのがトレンド。米国との緊密な関係を誇示するのは昔の感覚の外交だと思います。いずれにしても、米中首脳会談の結果を見る前に『成果』は言い過ぎでしょう」

 高市外交、やっぱりお粗末だ。

2026年10月26日月曜日

衆院比例31削減案 高市独裁に道 民主主義の危機 来月初め法案提出狙う 阻止のたたかい急務

 自民党は22日、衆院比例31議席を削減する案を衆院選挙制度に関する政党間協議で提示し、国民民主党を巻き込んで早ければ11月上旬にも削減法案を提出する構えです。4割の得票で7割の議席を得られるという小選挙区制の欠点を緩和するために設けられた「比例代表」部分は、現行の176議席から145議席に一気に2割近く削減されます。

 代表制民主主義は国民が選挙で選んだ議員に政治的意思決定を委ねる形態であり、国民の意思が議員の構成に反映されていることが必要条件ですが、比例代表議員の削減はこの根幹部分を破壊するもので、全国で阻止するたたかいを起こすことが求められています。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
衆院比例31削減案 高市独裁に道 民主主義の危機 来月初め法案提出狙う 阻止のたたかい急務
                      しんぶん赤旗 2026年10月25日
 自民党は22日、衆院比例31議席を削減する案を衆院選挙制度に関する政党間協議で提示しました。国民民主党を巻き込んで今月中にも合意することを狙い、早ければ11月上旬にも削減法案を提出する構えです。民意を最も正確に反映する比例代表は現行の176議席から145議席へと一気に2割近く削減され、衆院議員定数は憲政史上最少の434議席まで落ち込むことになります。日本の民主主義は重大な危機を迎えており、全国で阻止するたたかいを起こすことが求められます。


「高市暴走政治を止めよう」「議員定数削減反対」などとアピールする人たち=5日、衆院第2議員会館前


 議員定数削減策動の発端は、自民党と日本維新の会が昨年10月に交わした「連立政権合意書」にあります。「合意書」には衆院議員定数を1割削減するため臨時国会に議員立法を提出し、成立を目指すとされました。
 自民と維新は、この「合意書」に基づいて昨年の臨時国会に小選挙区25、比例代表20を自動的に削減する衆院議員定数削減法案を提出。今年の特別国会には、比例代表だけを45削減する衆院比例定数削減法案が持ち込まれました。
 しかし、議会制民主主義の根幹となる選挙のルールを、権力を持つ与党側が一方的に押しつけるのはあまりに乱暴です。新聞各紙も社説で反対を表明。野党も法案阻止の一点で共同しました。国民世論と国会内外のたたかいが自民・維新による議員定数削減策動を許さない力となってきました。
 このため自民が持ち出したのが今回の比例31議席削減案です。国民民主党を取り込むことによって再び自民・維新の議員定数削減策動を動かそうとしています。
 その狙いは何か―。維新の吉村洋文代表は「政治改革のセンターピン(突破口)は議員定数の削減」と強調し、「突破しない限り、後ろにある社会保障改革など日本を前に進めていくことの改革なんてできない」と繰り返し発言しています。自民・維新の「合意書」には、社会保障の切り捨てや大軍拡、憲法9条改定など、国民の命に関わる予算の大幅削減や「戦争する国づくり」に向けたメニューがずらりと並んでいます。その突破口として定数削減が位置づけられているのです。

 定数削減を許せば、高市政権による事実上の独裁政治に道を開くことになります。民主主義を守るために、定数削減阻止のたたかいをいま全国各地で起こすことが必要です。


定数削減に道理も根拠もなし 与党の占有率増 強権加速の危険
                      しんぶん赤旗 2026年10月25日
 自民党が新たに示した衆院議員定数(465)を比例代表のみ31削減する案は、民意を切り捨て、国会の行政監視を弱めるだけで、削減には道理も根拠もありません。

人口減少理由に 国際的・歴史的に最低・最少
 自民党は、衆院議員定数31削減の理由に人口減少を挙げています。2015年の人口と30年の推計人口を比べ、6・7%減少するとの数字をもとに削減数31を算出したとしています。
 しかし、15年を起点として人口動態にあわせて議員数を決める道理はありません。1925年の男子普通選挙時に衆院議員定数は466でした。現在の人口は当時の2倍になっています。人口動態にあわせて議員数を決めるというなら、定数は900を超えていてもおかしくありません。
 衆院議員定数は、1986年に512となりましたが、その後は人口が増えても定数は減り続け、現在の定数465は過去100年で最も少ない状態です。15年と30年の人口を比較して定数を削減するなど理屈にあいません。
 国際的にみても日本の国会議員数は少ないのが実態です。主要国では人口11万~15万人に下院議員1人なのに対し、日本は人口27万人に衆院議員1人です。
 日本の衆院議員定数は人口100万人あたり3・7で、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中36番目という最低水準です。(グラフ)

 国会議論の到達点からみても定数削減に道理はありません。

 現行定数になった2016年当時、衆院議長のもとに置かれた有識者調査会は「現行の衆議院議員の定数は、国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出(みいだ)し難い」と答申しました。法案審議では自民党議員も「国民の声を代弁する貴重な議席は国会議員のものではなく国民のものだ」と発言。「定数削減に合理的根拠は存在しない」ことを与野党が共有しています。定数削減は、この国会議論の到達点を根底から覆すものです。

比例だけを削る 民意をゆがめ虚構の多数
 現行の小選挙区289、比例代表176の衆院議員定数のうち、比例のみ31削減する道理もありません。
 自民党の鈴木馨祐議員は削減案を示した22日の政党間協議後、記者団に「地方の人口減少を考えると、小選挙区で削減すると地方の声が政治、国会に届かなくなることになりかねないので、比例で削減をせざるを得ない」などと述べました。
 「地方の声が届かなくなる」というのであれば、定数を削減しなければいいだけです。比例のみを削減する説明にはなりません。衆院選挙制度協議会(5月)に出席した地方団体からも「定数削減は地方の切り捨てになる」など、定数削減自体に反対や懸念を示す声が相次ぎました。議員定数を減らせば、地方の議席は減り、若者や女性、マイノリティーの政治進出も妨げられます。
 現行の小選挙区比例代表並立制は1996年の衆院選から導入されました。小選挙区は、選挙区内で最大得票を得た1人しか当選できず、議席に反映されない多くの「死票」を生み出します。民意を切り捨て、ゆがめる深刻な弊害があるため、政党の得票数に応じて議席を反映する比例代表と組み合わせた制度となりました。

 自民・鈴木氏は、小選挙区制で「民意を集約」し、比例代表で「民意を反映」してきたなどとして「組み合わせのバランスが著しく変わってしまうことは望ましくない」と主張。そのため定数削減とあわせて、比例の議席配分方式を現行のドント式から、中小政党に議席が反映されやすい修正サンラグ式への変更を提案したと述べました。

 しかし、自民党が協議の場に示した、修正サンラグ式にした場合の各党議席配分の試算によると、与党の比例議席は減りますが、総議席占有率は現行よりも高まっています。2月の衆院選の得票にあてはめると自民の総議席占有率は現行で70・97%ですが、修正サンラグ式で比例定数を31削減した場合は71・43%になります。同じく維新は同7・10%から7・37%でした。
 現行制度導入時に小選挙区300、比例200だった定数は、この間の定数削減により小選挙区で11議席、比例では24議席も減らされてきました。2月の衆院選で自民は小選挙区で49・2%の得票で86・2%の議席を得ており、民意をゆがめる弊害は深刻さを増しています。
 政党間協議で日本共産党の塩川鉄也議員は、民意反映のためとされた比例の議席をさらに31も削減すれば、ますます小選挙区中心の選挙制度となると指摘。「民意をゆがめ、虚構の多数をつくりだし、強権政治を加速させる」として、定数削減に断固反対を表明しました。

ドント式とサンラグ式
 現行のドント式は、各政党の比例総得票数を1、2、3、4…と順に自然数で割り、算出された数値を大きい順に並べ、議席を配分する方式です。
 サンラグ式は、各党の総得票数を1、3、5、7…の奇数で割るという違いがあります。ドント式よりも二つ目以降の計算で算出される数値が小さくなるため、中小政党に有利だとされます。今回提案された修正サンラグ式では、最初の奇数(1)を1.4に置き換えます。

臨時国会の二大争点/高市首相の究極売国政策(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
(1番目の記事)
 臨時国会での重要議題は食料品の消費税減税と議員定数の削減の二つで、
 食料品の消費税減税については、内食と中食は1%で外食は8%とするのは、政府自身が言ってきた「税制の基本は 簡素、公平、中立」(同じ品目で税率に差を付けないという)の「中立」(と「簡素」)の原則に反するとして、食料品の消費税率を5%に引き下げ、まずそれを恒久措置とし、インボイスは廃止し簡素にすべきだと述べます。
 議員定数については、「そもそも定数削減をする理由がない。人口当たりの国会議員数で日本はOECD 38ヵ国中の36位。人口当たり議員定数はOECD中最少に近い。逆に突出して高いのが議員報酬で。国会議員一人当たりの年収は歳費、期末手当、立法調査費、調査研究広報滞在だけで約5000万円と高額。比例区の議員定数減は論外で 減らすべきは定数でなく議員報酬である」と指摘します。
(2番目の記事)
 直近のインフレ率(食料品関係を除く)は遂に2%を越しました。円の実力の推移を正確に示すのが実質実効為替レートで、それは1970年(1ドル=360円)を下回っているということで、これは日本の国際評価が地に堕ちていることを意味します。近年、日本円が暴落したのは2022年から2024年にかけてで、1ドル=110円水準で推移していたドル円レートが一気に1ドル=160円を超える水準まで暴落しました。
 円暴落の最大の弊害は日本が外国資本に乗っ取られたことで、外資により日本の優良資産の買い占めが促進しましたが、植草氏は「外国資本に日本の優良資産を乗っ取らせるために円暴落が誘導され究極の「売国政策」が遂行された疑いが強いと見ます。
 植草氏は、「この時期に〝経済安全保障担当相″であったのが高市早苗氏で、高市氏は一度も円暴落のリスクを指摘したことがなく、円防衛のための政策を示したことがない。売国政策を推進してきたのが高市氏である」と指摘します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
臨時国会の二大争点/高市首相の究極売国政策(植草一秀氏)
              植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月23日
臨時国会での重要議題は二つ。消費税減税と議員定数削減。筋悪の二つの提案が示されている。
減税は方向として正しいがやり方が間違っている。国会論戦では減税を否定する論が拡散されているが野党の見当違いが甚だしい。
減税が間違っているのではない。減税のやり方が間違っているのだ。

ところが、減税財源がないなどという与太話で、減税そのものを否定する論がまき散らされている。飲食料品に限って2年限りで税率を1%に変更。1%の消費税分を一部の国民に現金給付。農林水産事業者に消費税減税で収入が減る分の穴埋めを現金給付で行う。
しかし、誰が現金給付の対象になるのかが不明。文字通りカオス全開の政策運営。

これを批判するのが正道。ところが、野党が減税そのものを批判。
野党も財務省の掌の上で転がされているだけだ。
税制の基本が「簡素、公平、中立」と言ってきたのは政府自身である。
高市内閣提案は「簡素、公平、中立」の真逆政策。これを批判すべきだ。

消費税の税率を5%に引き下げる。税率は一本化する。インボイスは廃止。簡素にすべきだ。
飲食料品の消費税率について内食と中食は1%で外食は8%は人々の経済行動を改変する効果を発揮する。「中立」の原則を破壊する。
品目で税率に差を付けない。これが「中立」を守るということ。
たった2年で税率を元に戻すなどは混乱の人工組成に他ならない。
消費税率を5%に一本化することを恒久措置として実施すればよいだけだ。
巨大な自然増収が発生しており、恒久的な消費税率5%は自然増収を財源に実施できる。

議員定数については、そもそも定数削減をする理由がない。人口当たりの国会議員数で日本はOECD38ヵ国中の36位。人口当たり議員定数はOECDのなかで最少に近い。
突出して高いのが議員報酬。国会議員一人当たりの年収は歳費、期末手当、立法調査費、調査研究広報滞在だけで約5000万円。

給与所得者5000万人の年収中央値は約400万円。減らすべきは議員定数でなく議員報酬だ。
2月総選挙で自民は316議席を獲得した。議席総数は465で自民単独で68%を占有した。比例代表の候補が足りず、14議席が他党に流れた。
この取りこぼしがなければ自民獲得議席は330。全体の71%に達した。
しかし、比例代表選挙での自民得票率は37%だった。投票した有権者の37%しか自民に投票していない。465議席の37%は171議席。
民意を正確に反映する選挙制度というのは自民が171議席を獲得する制度である。
議員定数削減を比例定数削減で実施するというのは論外。
論外の制度変更を許して良いわけがない。

『日本経済の終宴』(ビジネス社) https://x.gd/yNOSpf を上梓しました。
大好評販売中です。
ご高読、ならびにアマゾンレビューをなにとぞよろしくお願いいたします。
高市暴政の真実を明らかにするとともに株価・為替の性格予測に基く投資戦略を提案する新著です。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4560号
「議員定数削減についての考え方」 でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひぜひお願いします。https://foomii.com/00050

『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。

メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。


高市首相の究極売国政策
              植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月24日
日本円の暴落。日本国民は大損失を蒙っている。
日本国民の所得と資産。国際標準での価値はドル換算値で表示される。
日本円が暴落して日本国民の所得と資産のドル表示金額は激減した。

100万円は
1ドル=50円なら2万ドル
1ドル=100円なら1万ドル
1ドル=200円なら5000ドル。

円安になると日本国民の所得と資産は激減する。
100ドルの食事は
1ドル=50円なら5000円
1ドル=100円なら1万円
1ドル=200円なら2万円。

円暴落で海外旅行に出かけることが極めて困難になった。
外国人にとっては真逆。
1万円の日本の食事。
1ドル=50円なら200ドル
1ドル=100円なら100ドル
1ドル=200円なら50ドル。

ビッグマック1個が同じお金で買えるドル円レートは1ドル=75円。
現実の為替レートは1ドル=150円超。
米国人は日本に来れば半値でビッグマックを買える。
ビッグマックだけでない。日本の財・サービス・資産が半値で買える。

訪日外国人が増えたが最大の理由は円暴落だ。
日本国民が海外旅行に行けなくなったのと引き換えに、外国人が日本に殺到している。
訪日外国人が増えて喜んでいる場合ではない。日本の時価総額が激減しているのだ。

為替レートは国力を端的に示すもの。
日本が強ければ円高になる。
日本が弱ければ円安になる。
日本が最弱になったことの証左が円暴落である。
円の実力推移を正確に示すのが実質実効為替レート。

現在の日本円実効実質為替レートは1970年時点を下回る。











当時は1ドル=360円の固定為替相場制。海外に旅行に出るのに破格の費用を要した。
このときの日本円よりもいまの日本円が弱い。日本の国際評価が地に堕ちていることを意味する。
近年、日本円が暴落したのは2022年から2024年にかけて。1ドル=110円水準で推移していたドル円レートが一気に1ドル=160円を超える水準まで暴落した。
主因は日銀の金融政策運営にある。しかし、その日銀の金融政策運営に圧力をかけたのは政権である。

2022年から24年にかけて「経済安全保障担当相」の地位にあったのは誰か。高市早苗氏である。
円暴落の最大の弊害は日本が外国資本に乗っ取られたこと。
円暴落は外資による日本の優良資産買い占めを促進した。
外国資本に日本の優良資産を乗っ取らせるために円暴落が誘導された疑いが強い。
究極の「売国政策」が遂行されてきた。
外資による日本乗っ取りを阻止することが経済安保相の最大の責務。しかし、高市氏は一度も円暴落のリスクを指摘したことがなく、円防衛のための政策を示したことがない。
売国政策を推進してきたのが高市早苗氏である。
                 (中 略)
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4561号
「円暴落主導した日銀政策失態」 でご高読下さい。
                 (後 略)