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巨大な財政赤字に悩むアメリカが国防費の大幅削減に向けて基地の閉鎖再編も検討せざるを得なくなり、普天間飛行場から海兵隊が撤退する可能性もあることが分かりました。
沖縄海兵隊をグアムに統合するという話はつい最近もありました。もともと海兵隊を沖縄から移動させても、緊急事態における作戦遂行上ほとんど支障はないとされています。そしてこれまでそういう話が出るたびに、日本の“安保で喰う人たち”が暗躍して「金を出すから」などと引きとめてきたといわれます。
今回どういう結果になるのか大いに注目されます。
以下に沖縄タイムスと琉球新報の記事を紹介します。
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米、国防費減で基地閉鎖再編検討
沖縄タイムス 2013年2月18日
【平安名純代・米国特約記者】米国防費の大幅削減を受け、米国防総省が2014会計年度(13年10月~14年9月)国防予算案に基地閉鎖再編(BRAC)を含めることが分かった。パネッタ国防長官が6日、国防総省内で記者団に対して明らかにした。
米国防総省筋によると、対象には過去に検討された海外の米軍基地や施設も含まれる見通しで、米軍普天間飛行場が含まれる可能性もある。
パネッタ長官は、3月に施行予定の国防費の自動強制削減について「戦略を窓から投げ捨てることになる」と厳しく批判。これまでにBRACを実施するよう米議会に何度か提起したものの、「雇用喪失につながると抵抗され、実現に至らなかった」などと指摘した。
その上で、自動強制削減が不可避な情勢に直面する現在、「兵力規模が削減されれば、巨大な米軍基地網を維持する必要がなくなるのは当然だ」などと述べ、基地閉鎖再編の必要性が高まったと主張した。
自動強制削減とは、12会計年度から10年間で計2・1兆ドルの歳出削減を義務付けたもので、今月末までに議会が代替案をめぐり合意に達しない場合、連邦予算全体が一律10%削減される。国防費は今年3月までに4500億ドル、今後10年間で約4870億ドルの削減が必要となる。
米行政管理予算局(OMB)によると、オバマ大統領は3月に14会計年度の予算教書を議会に提出する見通し。
米海兵隊、存続へ躍起 合同訓練公開しアピール
琉球新報2013年2月18日
【米ワシントン=松堂秀樹本紙特派員】米政府の財政難で国防費の強制削減が3月に迫る中、米海兵隊が組織の生き残りを懸けて活動を活発化させている。軍事力を強化して海洋進出を図る中国に対抗するため、国防総省は統合エア・シー・バトル(空海戦闘、ASB)構想に沿ったアジア太平洋地域重視の戦略を進めている。同構想は空軍や海軍が中心となることから、米国内で海兵隊不要論も出ているが、海兵隊は自衛隊との沖縄周辺の離島奪還を想定した合同訓練を9、13日に報道陣に公開するなど、存在意義をアピール。さらに2013年からは沖縄を拠点にした巡回配備を強化する方針を打ち出しており、在沖海兵隊は計1万9千~2万人まで増加する見込みだ。
日米両政府は06年の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「キャンプ・ハンセンは、陸上自衛隊の訓練に使用される」と米軍施設の共同使用による連携強化に合意。尖閣諸島をめぐる日中間の緊張が高まる中、在沖米軍基地を拠点にした米軍と自衛隊の連携を強める動きが加速しそうだ。
中国は海洋権益の獲得を目指して対艦ミサイルを配備するなど、接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略を進めているとされる。これに対し、米国防総省は最新鋭兵器をアジア太平洋地域に配備するほか、兵力の分散配置などを進めて中国を事実上封じ込めるASB構想を推進していく方針。
ASB構想は、空軍と海軍が中核となっており、制海空権の確保なしに単独で戦闘地域に投入されることがない海兵隊は「沖縄から移動させても、緊急事態における作戦遂行上、ほとんど支障はない」(マサチューセッツ工科大学教授のリチャード・サミュエルズ氏)、「中国への懸念はあるが、それに対応するのは空軍や海軍。海兵隊が中国に乗り込むことは決してない」(バーニー・フランク前下院議員)など米国内で役割が疑問視されている。
こうした動きに対し、海兵隊は「(ASB構想から)取り残されるべきではない。第2次世界大戦時のように上陸作戦では海兵隊と陸軍の連携が重要だ」(ミルズ米海兵隊戦闘開発司令部司令官)などと反論し抵抗している。「抑止力維持」を理由に海兵隊を沖縄に引き留めたい日本政府と、組織縮小にあらがう海兵隊の思惑が一致しており、沖縄に負担を押し付ける構図だ。