2013年2月14日木曜日

福島児童の甲状腺がんは3人に、細胞検で7人に疑い+


 福島の18歳以下の県民を対象とした甲状腺検査で新たに2人の甲状腺がんが見つかりました。これで甲状腺がんと認定された患者は3名となりますが、他にも細胞診断を受けて甲状腺がんの疑いのある人が7人いるということです。

 福島医大は「チェルノブイリ原発事故では甲状腺がんが増加したのは45年後」なので「もともとあったもの」だと説明していますが、チェルノブイリで爆発的に増えたのは4年後辺りからですが事故の翌年から患者が発生していることは、インターネットでグラフの形などで公表されています。

甲状腺がんの発生率は通常100万人に1人程度といわれています。朝日新聞によれば福島県内の18歳以下だった約18万人のうち約3万8千人についてまとめた結果だということなので、その中で3人~10人というのは通常の発生率を桁はずれに上回っています。「もともとあったもの」と言う説明は不自然で、放射線の影響は否定できないと思われます。 
 
以下に福島民友の記事TBSニュースを紹介します。
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甲状腺がん新たに2人 福医大、原発影響は否定
福島民友ニュース 2013214日 

 東京電力福島第1原発事故に伴う県民健康管理調査のうち、事故当時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査で、2人から甲状腺がんが見つかったことが13日、分かった。福島市で同日開かれた同調査検討委員会で福島医大が報告した。検査を担当した同大の鈴木真一教授は「チェルノブイリ原発事故の際は、甲状腺がんが増加したのは45年後。もともとあったもの(甲状腺がん)を発見している可能性が高い」とし、福島第1原発事故による影響を否定する見解を示した。

 県民健康管理調査の甲状腺検査で甲状腺がんが見つかったのは今回の2人を含め計3人。3人は、超音波による1次検査を2011年度に、細胞診断を含む2次検査を12年度に受け、甲状腺がんが見つかった。また、細胞診断を受けて甲状腺がんの疑いのある人が7人いるという。同大は甲状腺がんが見つかった3人と疑いのある7人を合わせた10人の年齢や居住地などは明らかにしていないが、内訳は男性3人、女性7人で平均年齢は15歳。11年度の検査対象地区となった避難区域など13市町村の住民で、地域的な偏りはないという。がんと診断された3人はすでに手術を受け、経過は良好という。


福島の子ども3人が甲状腺がん、7人に疑い
TBSニュース 2013214

 福島県の子どもの甲状腺調査で3人が甲状腺がんと診断され、7人にその疑いがあると発表されました。県側は原発事故の影響は考えにくいと説明しましたが、専門家からは疑問の声が上がっています。 
 福島県郡山市の添田いちよさん。15歳、12歳、そして1歳の子を育てる母親です。
 「お米をとぐときもこれ(浄水器)を使う。みそ汁作るときも麦茶を作るときも使う」(添田いちよさん)

 震災発生当時18歳以下だった福島県民およそ38000人におととしから県が行っている健康管理調査で、3人が「甲状腺がん」と診断され、7人が「甲状腺がんの疑いがある」と判断されたというのです。

 「私の子ども(長女と次女)は(検査で異常が)出なかったが、親戚の子どもも中学3年だが(検査で)異常が出た。この先、どうなるのか不安」(添田いちよさん)
 添田さんは震災当時、1歳の長男・吉樹くんを妊娠中でした。そして、震災から半年後に出産。当事からずっと郡山市に住み続けています。
 「乳幼児に関しては、震災のとき生まれてなかったといっても、やっぱり、おなかの中にいた時点で影響を受けていると思うので、早急に検査をお願いしたい」(添田いちよさん)

 子を持つ親の不安な思い・・・。一方で、福島県の検討委員会はこの結果について次のように説明しました。
 「今回の原発事故により生じた甲状腺がんとは考えにくい」

 通説では子どもの甲状腺がんの発生率は100万人に1といわれていて、今回の調査結果は通説と比べると明らかに多いのです。ですが、チェルノブイリの原発事故の際、甲状腺がんの発生が急激に増加したのが4年後だったことなどを理由に、おととしの調査で見つかった甲状腺がんの原因が原発事故とは考えにくく、以前からあったものが見つかった可能性が高いとしました。

 これに対し、チェルノブイリに隣接するベラルーシで治療に当たった医師で、現在、長野県の松本市長を務める菅谷氏は、こう疑問を投げかけます。
 「最初から『影響がない』と断定するのは慎重になるべき。『わからない』と言うのが本来ではないか」(松本市 菅谷昭市長)

 菅谷氏が入手したベラルーシ国立甲状腺がんセンターのデータを見ると、確かに事故発生の4年後から患者が急増していますが、事故直後から3年後までに見つかった患者も確かに存在し、その数は少しずつ増えています。福島でも同じことが起きている可能性があるといいます。菅谷氏は、今後も調査を繰り返し、注意深く経緯を見守る必要があると話します。
 「チェルノブイリでは年2回チェックしている。(日本の調査は)甘いな、どうしてできないのかな」(松本市 菅谷昭市長)

 環境省は福島と他の地域の子どもたちを比較するため、青森県などでおよそ4500人を対象に調査を進めていて、結果は3月下旬に公表する予定です。