2013年2月9日土曜日

レーダー照射問題を中国政府は否定


 このところマスメディアは中国軍のレーダー照射問題を最大のテーマとして扱い、中国側が戦闘の一歩手前の行為をったと責めるトーンを強めています。
 この問題は25日の夕刻に、日本政府が突然に130日と119日に起こった中国軍のレーダー照射問題を公表したことに端を発しています。

この中国軍のレーダー照射問題は小泉政権の時代から何度か起きていた問題であり、その都度日本政府がどのように対して来たのかは不明です。今回も30日からは6日後、また19日からは実に2週間後の公表でしたが、ある外交のプロは(従来不問に付して来た経緯があるのなら)まずは内密に抗議して、相手側に誠意が見られないのであれば予め断ってから公表するのが筋だろうと述べています。 

 尖閣列島から150キロとか180キロ北の地点と言えば中国の沿岸部に近い海域です。そんなところでなぜ日本の自衛艦は中国軍艦と3キロの地点にまで接近したのでしょうか(30日)。自衛隊のヘリコプターが照射されたという19日の5日前には、米軍のAWACS(警戒管制機)が中国空域近辺を飛行中に中国軍戦闘機にスクランブル発進され、日本の戦闘機もそこに駆けつけるという事件があったということです。
日本側に挑発的な行動はなかったのでしょうか。 

 その後はレーダー照射問題が国会の論議主要なテーマとなり、安倍首相が高揚した声で中国を非難するシーンが連夜TV画面を賑わしています(下村外相の方は一応冷静な述べ方をしています)。9条を改悪し国防軍を持とうとしている安倍氏にとってこれほど好都合な状況はありません。日本のマスメディアもうした状況を盛り上げることに専念しており、まるで政府とメディアが一体となってこのムードを作り上げている感があります。
戦前、メディアがどのようにして国民の好戦意識を煽りついには太平洋戦争に導いたのかについての、あの反省はどうなったのでしょうか。 

 それに対して中国は「事実でない。故意に虚偽の情報を散布して国際世論をミスリードした」と反論しました。なぜ日本側は事実であることの証明をしないのでしょうか。十分に精査したうえで公表に踏み切ったと言う割には不思議なことです。

 以下にサーチナのニュースを紹介します。
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レーダー照射問題で中国政府「日本のでっち上げ。小細工するな」
サーチナ 201328

中国政府・外交部の華春瑩報道官は8日の定例記者会見で、中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦とヘリコプターに射撃管制用のレーダーを照射したことについて、「日本側の言い方は完全にでっち上げだ」、「日本は2度と小細工をしないでほしい」などと述べた。

中国政府・国防部が7日、119日と30日に東シナ海で自衛隊のヘリコプターや護衛艦に接近したことは認めた上で、レーダー照射は「事実でない」と表明したことを受け、華報道官は「中国の関連当局はすでに事実と真相を公表している」、「日本側の言い方は完全にでっち上げだ」と主張。

さらに「指摘しておかねばならないのは、日本が釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)を巡る争いで挑発を始めて以来、中国側は国家の領土と主権を維持する必要な措置を講じるのと同時に、抑制的で責任ある態度を取り続け、会話と交渉で問題を解決しようと尽力してきた」と表明した。

日本側については「過ちを正さないばかりか、大量の船舶や航空機を投入して中国の主権行動に損害を与えつづけた」、「公海で正常な訓練航行を行う中国海軍の艦艇を長期にわたって追跡、監視した。これが、中日の海と空の安全問題の根源だ」と非難した。

レーダー照射については、「日本側は故意に虚偽の情報を散布して、中国のイメージに泥を塗り、中国脅威論を誇張し、緊張した雰囲気を作り出し、国際世論をミスリードした」と決めつけ、「私は質問せざるをえない。日本は結局のところ、何を目指しているのか。私たちは日本の真意に対して、強く警戒せざるをえない」と主張。

華報道官はさらに「日本は2度と小細工をしないでほしい。対話で問題を解決するという、正しい道に戻って来てほしい」と述べた。(編集担当 : 如月隼人)
 

国防部、日本艦船へのレーダー照射を否定=中国報道
サーチナ 201328

中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦にレーダーを照射したとされる問題について、中国政府・国防部は7日「事実ではない」とコメントした。また外交部の報道官は同日「日本側が挑発している」と発言した。中国メディア・環球網が伝えた。

国防部は7日夜、「レーダー照射についての日本側の話は事実に合致しない」とし、「日中の安全問題の発生源は、日本の艦船や飛行機が、近距離で中国の船を追跡、監視することだ」と発言した。

また、外交部の華春瑩報道官は「日本メディアの報道によれば、中国は近頃強硬な挙動を見せ、地域の緊張を強めている」との質問に対し「我が国は強硬姿勢を示していない」としたうえで、「日本が人為的に危機をあおり、中国のイメージを悪化させようとしている」と主張。「中国と同じ方向を向いて進む」よう日本側に求めた。(編集担当 : 柳川俊之)