2026年7月16日木曜日

物価高騰・暮らしの危機打開を 共産党が緊急経済要求(しんぶん赤旗)

 日本共産党は14日、「物価高騰、暮らしの危機打開へ―経済政策を転換する緊急要求」を発表しました。
 高市首相は「戦争狂」のトランプを最高の政治家であるかの如くに評価して、彼が言うがままに巨額を投じて「大軍拡(5年後の軍事費が年間24兆円)」に奔るとともに、戦前の悪法を思わせる国民統制的な法案違憲法案国民合意のない悪法の制定を目指しています。
 経済政策では大企業優遇の政策(14年間で官民合わせて370兆円投資するなど)を優先させる一方で、軍事費を捻出すために医療関連費を大幅にアップすることなどを狙っています。いま国民が苦しんでいるのは円安・物価高が際限なく続いていることですが、高市氏には何の関心もなくそれへの対策案も持っていません。
 今国会では高市氏は、自分に纏わる数々の疑惑への追及から逃げ回ることが精一杯で、国民の生活などは念頭にありませんでした。虚言・虚偽・虚飾・虚栄に塗れた人物が首相では国が良くなるはずがありません。
 以下にしんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
 (「経済政策を転換する緊急要求」の文中の太字強調個所は原文に拠っています)
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物価高騰・暮らしの危機打開を 共産党が緊急経済要求 山添政策委員長「国民の怒り臨界点」
                       しんぶん赤旗 2026年7月15日
 日本共産党は14日、「物価高騰、暮らしの危機打開へ―経済政策を転換する緊急要求」を発表しました。山添拓政策委員長が国会内で会見し、高市早苗政権が国民合意のない法案や違憲法案、悪法、大軍拡を押し切る一方、暮らしの困難は置き去りで国民の怒りは臨界点だと指摘。「暮らしの要求に根ざした政策こそすすめるべきだ」と述べました。(要求全文下掲

 緊急要求は、高市政権がつくった「社会保障国民会議」で浮上している消費税の「2年間だけ、食料品1%」案では、2年後は1%が8%に増税となることなどを批判。大企業や大資産家への減税・優遇をただして財源を確保し、ただちに消費税を一律5%にする恒久的減税やインボイス制度廃止などを求めています。
 高市政権が最低賃金時給を1500円にする国民との約束をほごにし、2030年代以降に先延ばしにしたと批判。最賃を1500円にし、さらに1700円を目指すことや、大企業の内部留保の一部への時限的課税を財源に、中小企業に5年間で10兆円規模の直接支援など政府の責任での賃上げを提案しています。
 高市政権の社会保障改悪に対しOTC類似薬や高額療養費の負担増中止、国費投入による国民健康保険料(税)引き下げ、資材価格高騰に苦しむ医療機関・介護事業所の緊急支援、物価上昇に見合う年金の抜本的引き上げも求めています。

 イラン情勢などの影響による円安・物価高・資材不足で倒産・廃業を起こさないよう、燃料や光熱費、家賃など固定費の補助や税・社会保険料の支払猶予措置、無担保・無利子で業績が回復しない場合の債務減免を含む「特別融資制度」創設などを盛り込んでいます。
 「安保3文書」改定で軍事費が毎年3兆円増え5年後の軍事費が24兆円となる危険や「防衛産業」など17分野に14年間で370兆円の投資を行う大企業へのバラマキなど、物価高騰に拍車をかけ暮らしも経済も押しつぶす無責任な「放漫財政」の行き着く先は国債増発=大借金と国民への大増税・大幅負担増押しつけだとして中止すべきだと要求。「タックス・ザ・リッチ(富める者への課税)」で、大軍拡や大企業バラマキでなく、社会保障や教育予算の増額を求めています。


物価高騰、暮らしの危機打開へ-経済政策を転換する緊急要求
                   2026年7月14日 日本共産党
                       しんぶん赤旗 2026年7月15日
 日本共産党が14日、発表した「物価高騰、暮らしの危機打開へ-経済政策を転換する緊急要求」は次のとおりです。

 物価高騰がとまりません。円安やイラン戦争の影響で、さらなる物価上昇への不安も大きくなっています。

 国民生活は物価高にあえぎ、賃上げが追いつかず、中小企業の倒産も増えています。一方、株価は史上最高値、大企業の利益も史上最高です。大企業の内部留保は560兆円に上り、「日本の大富豪」の資産は、上位50人で47兆円にもなり、3年間で2倍に膨れ上がっています。“富の一極集中”がすすみ、国民全体の所得は増えず、日本経済全体も低迷から抜け出せない、悪循環がひどくなっています。

 ところが高市政権は、憲法を変え日本を「戦争する国」にすることに執着し、議会制民主主義を踏みにじる暴走を加速しています。世論や暮らしは二の次、三の次という政治姿勢には、自民党内からも「国民生活や経済に政治資源を使うことも大事だ」という声があがるほどです。

 高市政権は「強い経済」と言いますが、やろうとしているのは、巨額の内部留保を抱える大企業に何兆円も補助金を出し、「防衛と経済の好循環」と言って大幅に増やした軍事費で兵器の調達を増やし、武器輸出を解禁し、軍需産業をもり立てることです。軍需産業だけが栄えても、暮らしが豊かになるわけではありません。平和こそ経済成長の最大の土台であることは、世界の歴史からも戦後日本の歩みからも明らかです。さらに、高市政権が「積極財政」を掲げ赤字国債をさらに大増発しようとしていることが、円安と長期金利の上昇を招き、物価高騰に拍車をかけていることも重大です。

 いま、いちばん弱いのは国民の所得と暮らしです。“富の一極集中”がどんどんすすむ、大きなゆがみをただし、国民の所得が増え、暮らしが安定することこそ、「強い経済」をつくる力です。そのための緊急策として、以下を提案します。

1、物価高騰から暮らしと営業を守る緊急要求
(1)ただちに消費税を一律5%、恒久的減税に
 高市政権がつくった「社会保障国民会議」では、「2年間だけ、食料品1%」という案が浮上していますが、「減税」などと呼べる代物ではありません。イラン戦争の影響に加え、異常な円安がすすみ、さらに物価が上昇する懸念が大きい2年後に、消費税を1%から8%に引き上げれば、暮らしや景気はどうなるのでしょうか。また、生活必需品を含めすべての物価があがっているなか、減税の対象を食料品だけに限定する道理もありません。
 「その後は給付付き税額控除」といいますが、対象になるのは「現役世代の働く中低所得者」とされ、せいぜい国民の1割程度であり、大多数の国民は消費税増税だけです。

 -食料品に限定せず、すべての品目で消費税を5%に引き下げる恒久的な減税を急いで実施する。財源は、大企業や大資産家への減税・優遇をただして確保する。
 -フリーランスや小規模事業者を苦しめているインボイスを廃止する。

(2)賃上げの流れを止めず、最低賃金の大幅引き上げを
 高市政権は、「2020年代に最低賃金時給1500円」という閣議決定に基づく国民への約束を反故(ほご)にし、2030年代以降に先延ばし、引き上げをペースダウンさせようとしています。経済界を含めて物価高騰に負けない賃上げが求められているときに、政府が賃上げに水を差し、流れを止めることは許されません。

 -最低賃金をただちに時給1500円に。さらに1700円を目指す。地域間格差がない全国一律最賃制を確立する。
 -中小企業の賃上げへの分厚い直接支援を行う。大企業の内部留保の一部に時限的に課税し、5年間で10兆円規模の直接支援を提案する。
 -診療報酬をはじめとする公定価格を見直し、ケア労働の賃上げを政治の責任ですすめる。

(3)国民生活を苦しめ、生活不安を広げる社会保障改悪を中止する
 社会保障は、憲法25条にもとづく国民の権利です。同時に、社会保障は国民の暮らしを支え、経済を安定的に発展させる力です。医療の負担増や年金削減など、社会保障の連続改悪が、暮らしを守る土台を崩し、家計の所得と消費を減らし、経済の長期低迷をもたらす大きな要因ともなってきました。医療・介護・年金など社会保障の改悪をやめ、物価高騰に対応した緊急の改善を求めます。
 わずかばかりの「保険料軽減」を口実にした負担増押しつけをやめる……高市政権が決めたOTC類似薬の負担増、高額療養費の負担増による保険料軽減は、1人当たり「月150円」にすぎません。「現役世代の負担軽減」と言いますが、実態は、医療・介護にかかる国の支出を減らすための国民への大負担増の押しつけです。

 -OTC類似薬と高額療養費の負担増を中止する。政府が検討する高齢者の医療費の大負担増をやめる。
 -全国の7割以上の自治体で今年度の値上げが決まっている国民健康保険料(税)を、国費投入によって引き下げる。
 -資材の価格高騰などで経営危機に苦しむ医療機関・介護事業所を緊急に支援し、診療報酬・介護報酬・障害福祉報酬の臨時改定と公的補助により、基盤崩壊をくいとめる。

 物価上昇に見合う年金の抜本的引き上げを……物価高騰が年金生活者の暮らしを直撃しています。自民党政権が、物価の伸びより年金額を低く抑える制度にしたからです。現役世代のためではありません。実質削減の制度を続けると、いまの現役世代が将来受け取る年金額はさらに削減され、より大きな被害を受けることになります。

 -マクロ経済スライドなど「年金実質減額」の仕組みを凍結・撤廃し、年金を物価の値上がりや賃金の上昇に追いつかせる引き上げを行う
 -生活保護基準、児童扶養手当などの福祉給付についても、物価高騰に対応した緊急の引き上げをはかる

(4)“円安・物価高・資材不足”倒産、廃業を起こさない対策を
 イラン戦争や円安による原油・原材料の価格高騰と資材不足、金利上昇が中小企業の経営を直撃しています。今年上半期の「円安」を要因とする倒産は前年同期比32・3%も増えました(東京商工リサーチ)。価格転嫁をすすめ、過去最高益を更新し続ける大企業との格差は拡大する一方です。中小企業は雇用の7割を支える日本経済の背骨です。イラン戦争も円安も中小企業の経営責任ではありません。にもかかわらず倒産・廃業が広がるようでは、日本経済そのものが深刻な打撃を受けてしまいます。

 --コストの上昇や、借入金利の上昇に苦しむ中小企業に対する資金繰り支援として、燃料、光熱費、家賃やリース料など固定費への補助、借入金利子や税・社会保険料の支払猶予措置を取る。
 -無担保・無利子かつ、業績が回復しない場合の債務減免を含む「特別融資制度」を創設する。
 -原材料不足や価格高騰、人手不足などにより休業を余儀なくされた中小企業に対し、十分な休業補償を行う。
 -中小企業の雇用を守るために、雇用調整助成金の助成率や上限額の引き上げ、支給日数の延長などの特別措置を実施する。
 -農業、漁業における燃油や肥料、資材の高騰に対する支援を速やかに行う。

物価高騰に拍車をかけ、暮らしも経済もおしつぶす、無責任な放漫財政の中止を-“タックス・ザ・リッチ”=富める者への課税で財源を確保する。大軍拡と大企業へのバラマキをやめ、社会保障と教育に
 高市政権は、「責任ある積極財政」と称して、放漫財政というべき、財源の裏付けのない巨額のバラマキを行おうとしています。
 一つは、今年中に実施するという「安保3文書」改定による大軍拡、軍事費の大増額です。トランプ政権の要求に沿って「GDP比3・5%」にすると、現在年間9兆円の軍事費を5年後に24兆円、毎年3兆円ものペースで増やすことになります。
 もう一つは、大企業へのバラマキ支援です。「AI・半導体」や「防衛産業」など17分野に、今後14年間で官民合わせて370兆円の投資を行うとしています。
 高市政権は、「骨太の方針」で、「基礎的財政収支の黒字化」という、従来の「財政健全化目標」をやめ、「債務残高対GDP比の低下」に代えるとしています。その狙いは、目標の変更によって、さらに10兆円以上の国債増発を可能にして、大軍拡と大企業へのバラマキに充てようというものです。
 しかし、こうした放漫財政の方向性が鮮明になる中で、長期金利が29年ぶりの高さに上昇するとともに、円安がさらにすすんでいます。物価高騰に拍車をかけ、財政への不安が拡大しています。高市放漫財政の行き着く先は、大軍拡と大企業へのバラマキ支援のための大借金の増大と、そのツケを国民に押しつける大増税、大幅負担増です。国債増発による大軍拡と大企業へのバラマキを中止するべきです。
 大企業への減税は年間12兆円にも及び、所得が1億円を超えると逆に負担率が下がる高額所得者優遇の税制も続いています。“タックス・ザ・リッチ”=富める者への課税によって消費税減税や暮らしのための予算確保を実現し、税の不公正を正していくことこそ求められます。平和国家から戦争国家への危険な道をすすむ憲法違反の大軍拡のための軍事費増大や、巨額の内部留保をもつ大企業へのバラマキではなく、社会保障や教育の予算こそ増やすべきです。