2019年2月6日水曜日

06- トランプ政権がベネズエラに内政干渉

 トランプ大統領は3日、ベネズエラで暫定大統領を名乗っているフアン・グアイドを支援すべく米軍派遣も選択肢だと述べ、英仏独も4日、ベネズエラ暫定大統領の承認を表明しました。
 米軍派遣は明白な内政干渉で、勿論国際法違反です。アメリカが内政干渉して他国の政権を倒す場合は必ず利権絡みです。
 そもそもフアン・グアイドなる人物は、ダン・コーエン氏らによれば「わずか数カ月前、35歳の人物は、ぞっとするような街頭暴力行為と関連する政治的に取るに足りない極右集団の目立たない人物※」で、決して正義の人などではありません。
 
 櫻井ジャーナルの二つの記事を紹介します。
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トランプ政権が行うベネズエラの内政干渉に反対する議員をメディアが中傷
櫻井ジャーナル 2019年2月5日
 ベネズエラには選挙で選ばれたニコラス・マドゥロという大統領が存在する。その大統領が気に入らない人びとはフアン・グアイドなる勝手に大統領を名乗っている人物への支持を表明、そうした動きを西側の有力メディアは煽っている。
 
 アメリカの支配層は自分たちの利益にかなう場合、その国の政権を正当だと認める。アメリカの巨大資本に搾り取られることを拒否したなら、「独裁者」や「コミュニスト」といったタグをつけられ、否定されてきた。アメリカ支配層から認められるには、グアイド支持を打ち出さなければならない。
 アメリカへの従属を拒否するウゴ・チャベスが大統領選挙に勝利した1998年からアメリカ支配層はベネズエラの政権を転覆させようと試みてきた。その間、アメリカ大統領はビル・クリントン、ジョージ・H・W・ブッシュ、バラク・オバマ、そしてドナルド・トランプへと交代してきたが、ベネズエラに対する姿勢に大差はない。
 
 今年(2019年)1月にマイク・ペンス副大統領がグアイドに電話、その直後にグアイドは自らが大統領だと宣言、アメリカ政府はグアイドを「暫定大統領」だと承認した。アメリカ支配層に従う人びとは同調する。
 しかし、ベネズエラ国内での工作は失敗したようだ。ここにきてベネズエラ空軍の幹部がグアイド支持を表明したが、アメリカ政府は昨年、ベネズエラ軍の幹部に接触してクーデターを持ちかけて説得に失敗したと言われている。特殊部隊は侵略軍に対するレジスタンスの準備をしているという。
 
 クーデターが成功した場合、国営石油会社のPDVSAはエクソンモービルやシェブロンへ叩き売られると言われているが、石油は儲かる商品というだけでなく、ドル体制を維持する重要な柱でもある。
 選挙で選ばれたわけでもない人物を勝手に「暫定大統領」として支持するような行為は内政干渉以外の何ものでもない。その内政干渉を打ち出したのは共和党のドナルド・トランプ政権だが、民主党の大半の議員は沈黙している。例外はロ・カンナ下院議員、タルシ・ガッバード下院議員、イルハン・オマール下院議員、そしてバーニー・サンダース上院議員。有力メディアから誹謗中傷のターゲットにされている。
 
 2016年の大統領選挙で有力視されていたヒラリー・クリントンを失速させた一因はウィキリークスが公表したヒラリー・クリントンらの電子メールだった。その中にはサンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせたのである。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもあった。
 怒ったサンダース支持者の相当部分はヒラリーへ投票せず、ロシアとの関係修復を訴えていたトランプに敗北する大きな要素になったと言われている。有力メディアはその事実に触れず、ロシア政府が選挙に介入したとする話を証拠もなしに宣伝してきた。それがいわゆる「ロシアゲート」だ。このスキャンダルがでっち上げである可能性が極めて高いことは本ブログでも繰り返し書いてきた。
 
 グアイドを暫定大統領と認めることに反対した議員のひとりがこのサンダース。ガッバード議員はシリアへの軍事介入にも反対している。カンナはサンダース旋風が巻き起こった2016年の選挙で当選、ガッバードは昨年の中間選挙で選ばれた議員。ヒラリー・クリントンを担いでいた支配層に反発した人びとの支援を受けて当選したと言えるだろう。
 本ブログでは何度も書いてきたように、西側の有力メディアの内部にはCIAのネットワークが張り巡らされている。CIAは歴史的にウォール街の機関である。有力メディアが巨大資本の意向に従って動き、「偽報道」をまき散らすのは必然だ。
 
 
アメリカ支配層に破壊された多くの民主的政権
櫻井ジャーナル 2019年2月4日
 アメリカの支配層は少なからぬ民主的に選ばれた政権を破壊してきた。そして今、彼らはそのリストにベネズエラを書き込もうとしている。アメリカは民主主義を押しつけているのでなく、民主主義を破壊してきたのだ。
 
 第2次世界大戦後にアメリカが行った最初の内政干渉はイタリアに対して行われた。戦争中、ヨーロッパで国としてドイツ軍と戦ったのはソ連だけ。西側でドイツ軍と戦ったのは市民で編成されたレジスタンスだった。
 その中心メンバーがコミュニストだったこともあり、大戦後のフランスやイタリアではコミュニストが強く、その勢力をアメリカやイギリスを支配する人びとは潰そうとしたのだ。そうした戦略に基づいてNATOは作られ、破壊工作(テロ)部隊がNATOの内部で活動することになる。
 
 イタリアで1960年代から80年代にかけ、極左を装って「爆弾テロ」を繰り返したグラディオはそのひとつだが、1962年8月にシャルル・ド・ゴールを暗殺しようとしたジャン-マリー・バスチャン-チリー大佐の背景も同じだった。
 この人物が所属したOAS(秘密軍事機構)という秘密組織は1961年、ド・ゴールに反発する軍人らによって構成されたが、その黒幕はCIAの破壊工作部門だったのである。
 OASは1961年4月にクーデターを計画するが、これをアメリカの新大統領、ジョン・F・ケネディが阻止した。クーデター軍がパリへ侵攻したならアメリカ軍を投入するという意思を明らかにしたのだ。CIAは驚愕した。1962年にOASの一派はド・ゴール大統領の暗殺を試みたものの失敗、ド・ゴールを救ったケネディ大統領は1963年11月に暗殺された。
 
 アメリカは1953年にイランで合法政権をクーデターで倒している。大戦後、イラン政府はイランを食い物してきたAIOCの国有化を決める。クーデター後、1954年にAIOCは社名をBPへ変更した。
 AIOCが生み出す収入で支配システムを維持していたイギリス支配層は激怒、アメリカ支配層を巻き込んでクーデターを実行しようとしたのだ。このクーデターはアメリカ側が主導権を握ることになった。
 まずアメリカは反政府デモを開始、その際にコミュニストを装ったグループに暴れさせる。反政府デモの一部はモサデク支持の新聞社や政党、政府施設などを襲撃、CIAのエージェントがテヘラン・ラジオを制圧、首相だったモハマドが「モサデク解任の命令が国王から出され、ファジオラー・ザヘディが新首相に就任した」とする情報を流してクーデターは終わる。モサデクの支持派と反対派の衝突で約300名が死亡たと言われている。
 
 イランの民主的な体制をクーデターで倒したアメリカ支配層は中央アメリカのグアテマラの政権を倒しにかかる。1950年に行われた総選挙で勝利、翌年に大統領となったヤコボ・アルベンス・グスマンが農地改革法を公布して国有地を分配、大地主の土地買い上げを実施、アメリカの巨大資本、ユナイテッド・フルーツの利権を脅かした。
 そして1953年にアメリカ政府はクーデターを計画、CIAの破壊工作部門が指揮することになる。CIA配下の軍人が軍事蜂起するが、一般国民はクーデター軍と戦う意思を示した。それをアルベンス大統領は押しとどめ、1954年にに大統領官邸を離れる。流血の事態を避けたかったという。
 
 クーデター政権は労働組合の結成を禁止、ユナイテッド・フルーツでは組合活動の中心にいた7名の従業員が変死、コミュニストの疑いをかけられた数千名が逮捕され、その多くが拷問を受けたうえで殺害されたとされている。その後40年の間に軍事政権が殺した人の数は25万人に達するという。クーデターを間近で見ていたひとりがエルネスト・チェ・ゲバラだった。
 
 1973年9月11日にはチリでアメリカ政府を後ろ盾とするオーグスト・ピノチェトが、軍事クーデターで民主的に選ばれたサルバドール・アジェンデ政権を倒した。アメリカ政府でクーデターを指揮していたのは大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャー。その命令でCIAの破壊工作部門が動いている。
 まずCIAは選挙に介入した。メディアや映画だけでなく、パンフレット、リーフレット、ポスター、郵便物、壁へのペインティングなどを総動員したのだが、アジェンデが勝利する。
 一方、アメリカ資本と結びついていたチリの支配層は生産活動を妨害、アメリカの巨大金融機関はチリへの融資をストップ、世界銀行も同国への新たな融資を止めた。1972年になるとトラックの運転手がストライキを実施、商店主、工場経営者、銀行なども同調して全国的なロックアウトに発展する。アメリカ自身を含めてCIAは労働組合の幹部をコントロール、自分たちの手先として使ってきた。
 
 クーデターの結果、アメリカの巨大資本に盾突く勢力は潰滅、新自由主義が導入される。シカゴ大学のミルトン・フリードマン教授のマネタリズムに基づき、大企業/富裕層を優遇する政策を実施したのだ。その政策を実際に実行したのがいわゆるシカゴ・ボーイズ。フリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たちだ。
 
 現在、ベネズエラの大統領は2018年5月の選挙で選ばれたニコラス・マドゥロだが、アメリカやEUは勝手に大統領を名乗っているフアン・グアイドを支持している。その直前、2月にアメリカの国務長官だったレックス・ティラーソンはベネズエラでのクーデターを示唆、ラテン・アメリカ諸国を歴訪してベネズエラへの経済戦争に協力するように要請している。それでもマドゥロは勝利した。
 ドナルド・トランプ政権はベネズエラに経済戦争を仕掛け、石油の輸出を止めようとしている。イランの石油も買うなと各国を恫喝、猶予期間は過ぎ去ろうとしている。アメリカの命令に従う人びとはどのようにエネルギー資源を確保するつもりなのだろうか?

2019年2月5日火曜日

F35B戦闘機の寿命は当初想定の4分の1! 米国防総省 

 米国防総省によると、F35Bステルス戦闘機の寿命は想定の8000飛行時間を大幅に下回り、2100時間以下にとどまる見通しだということです。戦闘機の寿命は通常30年程度ですが、それが10年にも満たないわけです。
 
 米国防総省はF35Bの耐久試験を第2段階まで完了させましたが、多くの修正や隔壁の修理などのため、第3段階の試験を17年2月に停止しました。
 これまでの耐久試験では「構造的なひび」が指摘されていました。要するに機体が必要な強度を有していない欠陥商品ということです。それを含めて、国防総省の18年の年次報告書はF35A~Cの3タイプ全体で941件の欠陥を指摘し、昨年の報告書では992件が指摘されました。
 
 安倍政権はすでに導入が決まっている42機に加え、新たに105機のF35系戦闘機を追加し147機態勢にする計画です。
 因みにF35Aの機体単価は116億円で、F35Bはさらに高額で、一説には146億円※といわれていますが、耐用年数が通常の4分の1であれば、当然トータルのコストは4倍に跳ね上がります。稀に見る高額戦闘機ということです。
※ F35は日本の防空に役立つか https://japan-indepth.jp/?p=43328
 
 安倍首相はトランプ大統領に恫喝されて米国兵器の爆買いに励んでいますが、F35戦闘機もまた大いなる“浪費的爆買い”です。
 
 対照的にカナダ政府は昨年11月、F35全65機導入の白紙撤回を正式に決定しました。購入・維持価格が当初の160億ドル(約1兆3360億円)から、3倍近い450億ドルへと高騰したためです※。
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F35B 寿命10年か 米国防総省 想定の4分の1
18年度 欠陥3仕様941件 まさに“浪費的爆買い”
しんぶん赤旗 2019年2月4日
 米国防総省の運用試験評価局は1月31日に米議会に提出した2018年度の年次報告書で、初期に製造されたF35Bステルス戦闘機の寿命が想定の8000飛行時間を大幅に下回り、2100時間以下にとどまる見通しを示しました。
 
 短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bは米海兵隊に配備されており、強襲揚陸艦に搭載されます。安倍政権も昨年末に決定した新たな防衛大綱に基づき、42機を導入し、護衛艦「いずも」に搭載して違憲の攻撃型空母にする狙いです。
 年次報告書によれば、F35Bは2026年度には寿命に到達する見通しです。同機は16年11月に運用試験を完了し、17年1月に米海兵隊岩国基地(山口県)に実戦配備されました。戦闘機の寿命はおおむね30年程度ですが、わずか10年程度で寿命がつきる可能性があります。
 また、米国防総省はF35Bの耐久試験を第2段階まで完了させたものの、多くの修正や隔壁の修理などのため、第3段階の試験を17年2月に停止したとしています。これまで、同機の耐久試験では「構造的なひび」が指摘されていました。
 さらに年次報告書は、F35A(空軍仕様)、同B(海兵隊)、同C(海軍)の3タイプ全体で941件の欠陥を指摘しました(18年4月現在)。昨年の報告書でも992件の欠陥を指摘していました。
 昨年9月には、F35Bが米南部で墜落し、一時、全機を飛行停止にしていました。
 
 安倍政権はすでに導入が決まっている42機に加え、新たに105機のF35ステルス戦闘機を追加し、147機態勢にする計画です。F35Aの機体単価は116億円で、F35Bはさらに高額となる見通しです。防衛省は機体の寿命を30年と想定していますが、F35Bの機体構造に改善がなされなければ、短期間で機体の買い替えや大規模な改修を余儀なくされます。文字通り“浪費的爆買い”に直結します。

沖縄県議会が独・伊の対米地位協定について調査

 沖縄県議会の総務企画委員会は1月20~27日、ドイツ、イタリアの対米地位協定の実態を視察しました。調査には県議会の全会派から議員が参加しました。
 独・伊両国は多くの米軍基地を受け入れていますが、自国の主権を強く主張し、相互に尊敬しあいながら、米国とはより対等な関係を築いています。
 
 イタリアでは、1998年に米軍機が低空飛行でロープウエーのケーブルを切断し、ゴンドラに乗っていた20人を死亡させた事件を機に、米国に迫って低空飛行のルールを変える法令をつくりました。
 また「駐留米軍が何をやるのかを100%把握して、許諾を出すのはその国の基地司令官であり、許諾がなければ米軍は何もできない」体制も確立されています。
 
 ドイツでは、米軍の航空機にもドイツ航空法が適用され、夜間の飛行制限措置があるほか、ドイツの法律によって年間に離着陸できる回数の上限が決められています。
 その回数は3万9600回ですが、実際はだいたいその半分くらいにおさまっているそうです。
 また騒音軽減委員会が設置され、米軍基地司令官や五つの周辺自治体の首長や専門部署の担当者らが参加し、騒音問題について話し合いをしているということです。
 
 それに対して日本では、被占領時代の日米の力関係をそのまま文書化した「日米地位協定」をいまだに順守しているというのが実態です。
 昨年、全国知事会が全会一致で採択した「日米地位協定」改定への提言書が政府に出されていますが、安倍政権は何の行動も起こしていません。アメリカに対しては、その意に反することは何一つ言えないということなのでしょうか。本当に情けないことです。
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伊、法令で低空飛行規制
渡久地修 共産党県議団長総務企画委員長に聞く(上)
 しんぶん赤旗 2019年2月3日
 沖縄県議会の総務企画委員会は1月20~27日までドイツ、イタリアを視察しました。両国は日本と同じ米国の同盟国で、多くの基地を受け入れていながら、主権を強く主張し、米国とはより対等な関係を築いています。総務企画委員長の渡久地修県議(日本共産党県議団長)に成果や意義を聞きました。
 
 イタリアでは、元NATO(北大西洋条約機構)第5戦術空軍司令官のレオナルド・トリカリコ氏、ランベルト・ディーニ元首相と意見交換しました。
 トリカリコ氏は、駐留米軍との関係について、「米国とイタリアは同盟関係にありましたが、それはお互い50%・50%の力関係で、ただ相手の言うことを100%うのみにせず、お互いに尊敬しながらやってきた」と強調しました。
 
 1998年に米海兵隊機が低空飛行でロープウエーのケーブルを切断し、ゴンドラに乗っていた20人が死亡した事件では、NATO軍地位協定で「公務中」の事故について第1次裁判権は米側にあり、米国の軍法会議でパイロットらは無罪となりました。トリカリコ氏は「なぜ無罪になるのか」と強く抗議し、米国に「これはやりとりではなく強制だ」と迫って低空飛行のルールを変える法令をつくったことを紹介。「低空飛行がなくなり、市民はいま安心して生活しています」と話しました。
 
 また、NATOでは「駐留米軍が何をやるのかを100%把握して、許諾を出すのはその国の基地司令官であり、許諾がなければ米軍は何もできない」と強調し、沖縄で米軍普天間基地(宜野湾市)所属の米軍ヘリが小学校に窓を落下させた事故については、「あんなに密集しているところで訓練するのはまず無理だ。他の国ではあり得ない」と指摘しました。飛行訓練についても、夜間は「100%ない」と断言していました。「犯罪事件を日本の法律で裁けないことも完全に異常なことだ。いまの沖縄のあり方というのは、ありえないことだ」と強調していました。
 
 全国知事会が日米地位協定改定を政府に提言したことについて「少しずつ前に進んでいけば、絶対に不可能ではないと確信している」と話してくれました。
 
沖縄は道理を貫け
 ディーニ氏は、NATOや世界各国の基地の在り方が、日本、特に沖縄には適用されず、沖縄は全部米国の支配下に置かれていると指摘し、「各国の法律を適用しなければならないという物事の道理を米国に分からせるべきだ。日本は米国に対し、言わなければならないものも言っていない。イタリアにも米軍基地がたくさんありますが、彼らに勝手なことはやらせない。イタリアのテリトリーではイタリアが仕切るのです」と語りました。
 
 また、「人口は少数ですが、沖縄の県民が立ちあがって向かっていけば道理で勝利することができる」と語っていました。県民のたたかい、道理と正義が必ず勝利することを確信しました。(つづく)
 
 
独、離着陸の回数に上限 沖縄県議会の独伊調査
渡久地修 共産党県議団長 総務企画委員長に聞く(下)
しんぶん赤旗 2019年2月4日
 ドイツのラムステイン市では、町の3分の1を占めるという米空軍ラムステイン基地の運用について説明を受けました。
 
米機に航空法適用
 米軍の航空機にもドイツ航空法が適用され、ラムステイン基地でも夜10時から翌朝6時までの飛行制限措置があります。夜間の離着陸の場合、米空軍の責任者の許可が必要で、申請があっても司令官によって許可されない場合もあるといいます。
 また、ドイツの法律によって、年間に離着陸できる回数の上限が決まっていて、その回数が3万9600回。実際はだいたい2万回ということで、許可されている使用回数の半分くらいにおさまっているそうです。この回数は10年ごとに改定され、飛行実態に合わせたり、騒音問題があればそれに対応したりして、飛行回数の許可の回数を変えるのだそうです。
 また、騒音軽減委員会を設置し、米軍基地司令官や五つの周辺自治体の首長、ドイツの米軍騒音に関する部署の担当者、市民団体の代表者らが参加し、騒音問題について話し合いをしているといいます。
 
 一方で、土壌や地下水汚染の問題も抱えているそうです。ガソリンなどの流出、ドイツでは禁止されているものの米軍は使っている薬品類などによる汚染です。基本的には米軍が地下水や土壌を管理して調査することになっていますが、定期的に自治体も基地外で取水した地下水のチェックなどを行っているそうです。
 
沖縄の異常を痛感
 今回の調査には県議会の全会派から議員が参加し、他国と日本の米軍基地問題について共通認識を持つことができました。
 改めて沖縄の米軍基地が世界から見て異常であることを痛感しました。一方で、各国政府は主権者としての意識を強く持ち、自国の主権を守るために取り組んでいます。米国、米軍に毅然(きぜん)と交渉することで対等・平等の関係を築き、問題を解決してきたこと。日本政府もその立場に立てばすぐに実現できることです。
 
 沖縄県民の道理と正義あるたたかいが必ず勝利するということを学ぶことができました。イタリアのランベルト・ディーニ元首相は「いまこそ、沖縄の問題意識を日本政府が国を挙げてアメリカにぶつけなければならない」と語っていました。今回の視察調査の結果をみても、日米地位協定の抜本改定の世論を高め、それを実現させていくことが急がれています。(おわり)

05- 東京新聞の望月記者の栄転を警戒せよ と田中龍作ジャーナル

 望月衣塑子・東京新聞記者の孤軍奮闘を讃える記事を田中龍作ジャーナルが出しました。
 原文には沖縄防衛局幹部を追及する写真が3枚載っているのですが、当方の技量では添付できなくて残念です。ご覧になりたい方は下記から原文にアクセス願います。
 
  関係記事
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望月記者の栄転を警戒せよ 「8月の人事異動まで持つかなあ…」
田中龍作ジャーナル 2019年2月3日
  【写真説明】野党合同ヒアリング後、望月記者は沖縄防衛局幹部を追及した。=1月16日、那覇市内 撮影:田中龍作=
 
「いくら待っても(本省の)報道室から回答がないから、こうやって沖縄まで来たんじゃないですか!」。沖縄防衛局幹部に食らいつく小柄な女性記者の姿があった。辺野古新基地建設の埋め立てに赤土が大量に混じっていることを追及しているのだ。
 東京新聞社会部記者・望月衣塑子。国民が今、最も知りたがっていることなのに、記者クラブは質問してくれない・・・それを聞いてくれるのが望月だ。官房長官記者会見はその象徴でもある。
 当然、官邸からは嫌われる。官邸の広報と化した記者クラブからはもっと嫌われる。本来業務であるはずの権力監視を怠っていることが白日の下に晒されるからだ。
 
 上村秀紀・官邸報道室長名で内閣記者会に届いた文書が物議を醸している。文書は「東京新聞の特定の記者」と事実上名指ししたうえで「事実誤認の質問」「記者会見の意義が損なわれる」などとする内容だ。「記者クラブで望月を追放するように」という官邸からの お達し である。
 記者クラブにとって、上村報道室長からのお達しは渡りに舟だった。東京新聞関係者によると官邸報道室から似たような お達し が、同社の上層部へ届いているそうだ。上層部は今のところ、官邸の求めに応じていないという。
 
 ただ上記の関係者は「下(会社内部)からの突き上げが強烈になった場合は、上層部の対応もコロっと変わる恐れがある」と見る。突き上げとはこうだ。現場記者→デスク→政治部長→編集局長→社長・副社長。
 
  【写真説明】防衛局幹部は逃げの一手だった。望月記者はどこまでも追った。=1月16日、那覇市内 撮影:田中龍作=
 
 同社の政治部記者にしてみれば望月は “はた迷惑” なのである。「東京新聞」というだけで官邸に嫌われれば特オチさせられる。特オチが続けば、キャップ・サブキャップは次の人事異動で左遷だ。デスク一歩手前のキャップ・サブキャップがデスクに進言すれば、その日のうちに政治部長、編集局長まで行く。
「望月をナントカしてほしい」。官邸から要請されるだけではなく、部下からも突き上げられる。編集局長あたりは、針のムシロだろう。
 
 望月を官邸担当から外す口実は8月恒例の大規模人事異動だ。栄転にすれば読者にも言い訳が立つ。「でも、それ(8月)まで持つかなあ?」・・・望月の大先輩にあたる東京新聞関係者は気を揉む。
 東京新聞が社として最も恐れているのは、もし望月を官邸担当から外したら、読者の反発を招き、発行部数減につながりはしないか、だ。
 彼女の人事を巡って妙な栄転があったら、読者は東京新聞の不買運動をすればよい。そうなる前に東京新聞に電話をかけまくるのもいいだろう。
 どこまでも権力を追及する、今どき希少な記者を市民が守るのである。この国のジャーナリズム始まって以来の快挙となるだろう。(敬称略)
 
  【写真説明】望月記者の厳しい追及に顔をしかめる沖縄防衛局幹部。マスコミ各社の記者が彼女並みに権力に迫れば、この国のジャーナリズムは息を吹き返すだろう。=1月16日、那覇市内 撮影:田中龍作=
~終わり~

2019年2月4日月曜日

「賃金増」は虚構 家計消費も減 消費税増税の根拠総崩れ 

 施政方針演説に対する日本共産党の代表質問で、まともな答弁ができない安倍首相の姿が鮮明になりました。しんぶん赤旗がこの間の首相とのやりとりを総括的に報じました。
 
 消費税増税の根拠は総崩れとなり、志位氏は、裁量労働のデータねつ造、森友疑惑をめぐる虚偽答弁や公文書改ざん、失踪技能実習生の調査結果のねつ造、そして勤労統計の不正調査などは、「安倍政権によって政治モラルの大崩壊が引き起こされている」ものと指摘しました。
 毎月勤労統計の不正によって昨年の賃金の伸び率は実態よりもかさ上げされたもので、実質賃金は前年比マイナスになることも明らかになりました。安倍首相が最後にすがった連合の賃上げ調査が、物価の上昇を織り込んでいない名目の賃上げ率であったのは滑稽といえます。
 14年の消費税8%増税で実質家計消費は年額25万円も減り、GDPで見ても実質家計消費支出は3兆円も落ち込んでいます(政府の発表は「帰属家賃(持ち家の所有者が家賃を払っていると想定して計算されたGDP)」を含むものでゴマカシの数字です)。
 厚生労働省の毎月勤労統計に端を発した政府統計の不正・偽装問題は底なしの状態で、安倍首相はいまなお厚労省の特別監察委員会に検証をさせようとしていますが、それでは真相解明は無理です。
 
 辺野古の米軍新基地建設では、政府が軟弱地盤の存在を2年間も県民に隠し、ついに設計変更の事態になりましたが、県は設計変更を許可しない姿勢なので工事は暗礁に乗り上げることになります。そもそも米軍普天間基地は、米軍が住民を強制収容している間に民有地を囲い込んで作った国際法違反に当たるもので、それに代替基地を手当てするのは筋違いです。
 
 また安倍首相がウリにしたかった北方領土問題では、4島返還という歴代政府の方針はおろか、主権なしの歯舞、色丹の「2島決着」で領土問題を終わらせる惧れが出てきました。いまさら「サンフランシスコ平和条約」をその根拠にするのであれば、なぜこれまで4島返還を要求してきたのでしょうか。
 第2次世界大戦末期の45年2月の「ヤルタ会談」で、ソ連が対日参戦条件として千島列島のソ連への「引き渡し」を求めた(米英が了解した)ために北方4島はロシアの領土になりました。しかしそれは米英ソ自身が公約した「領土不拡大」という戦後処理の大原則に反する行為なので、日本政府にはそれを正すという大義がある筈です
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消費税増税 根拠総崩れ 「賃金増」は虚構 家計消費も減
     首相 まともに答弁できず 代表質問で鮮明
 しんぶん赤旗 2019年2月3日
 安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が1月30日から3日間、衆参両院の本会議で行われました。野党が今年10月からの消費税10%増税の中止・凍結を求めるなか、日本共産党の質問に対して、まともな答弁ができない安倍首相の姿が鮮明になり、消費税増税の根拠は総崩れとなりました。4日からは衆院予算委員会で2018年度補正予算案の論戦が始まります。
 
●統計不正でかさ上げ
 代表質問に立った日本共産党の志位和夫委員長と小池晃書記局長は「今年10月からの消費税10%増税は、どこから見ても道理がない」(志位氏)ことを具体的に示し、増税の中止を訴えました。
 
 野党合同ヒアリングなどでの追及で、毎月勤労統計の不正によって、昨年の賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされていたことが判明し、実質賃金は前年比マイナスになる可能性があることが明らかになりました。メディアも「賃金偽装」、「アベノミクス偽装」と批判する事態に。
 志位氏は政府が消費税10%増税の前提にしている「賃金が増加している」との認識について「政府の認識は虚構だった」と指摘。「少なくとも統計不正の事実解明抜きに増税を強行することは論外だ」と追及しました。安倍首相は「(10月に10%に引き上げるという)方針に変更はありません」と開き直り、「今世紀に入って最高水準の賃上げが継続」と強弁しました。
 
 安倍首相が唯一すがったのが労働組合の連合の調査です。しかし、連合の調査は物価の上昇を織り込んでいない名目の賃上げ率です。小池氏は「その分(物価上昇分)を差し引いた実質にすると(賃上げ率は)1%程度にすぎない」と指摘し、「今世紀に入って最低になるのではないか」と迫りました。安倍首相は、実質賃金は「プラスとマイナスに振れながら推移」と実質賃金が上がったかどうかは答えず、「春闘の場において物価上昇を差し引いた数字(実質賃金)で交渉が行われているとは承知していません」というまったく的外れの答弁でごまかします。
 
●家計調査もGDPも
 家計消費も落ち込んでおり、増税の根拠となる状況ではないことが明らかになりました。
 志位氏は、2014年の消費税8%増税で世帯あたりの家計調査の実質家計消費が年額25万円も減り、GDP(国内総生産)で見ても実質家計消費支出(帰属家賃を除く)は3兆円も落ち込んでいることをあげて、「日本は深刻な消費不況に陥っている」と指摘しました。安倍首相は、架空の消費である帰属家賃(持ち家の所有者が、家賃を払っていると想定して計算された家賃)を含んだ数字で「(消費は)増加傾向で推移しており、持ち直している」とごまかしました。
 
 立憲民主党の枝野幸男代表は「今ならまだ間に合います。10月からの消費税率引き上げを凍結」、国民民主党の玉木雄一郎代表は「そんなこと(景気対策)をするくらいなら増税をやめたほうがマシです」と主張しました。
 
代表質問で浮き彫りになったもの 安倍政治の総破たん鮮明
統計不正 偽装底なし 政権モラル崩壊 温床に
 厚生労働省の毎月勤労統計(毎勤統計)に端を発した政府統計の不正・偽装問題は底なしの状態です。安倍晋三首相が施政方針演説や代表質問の答弁で「再発防止に全力を尽くす」といっているはなから、主要産業の賃金形態などを調べる厚労省所管の「賃金構造基本統計」、モノやサービスなどの価格変動の指標となる総務省所管の「小売物価統計」でも調査計画通りに行われていなかったことが発覚しました。
 
 毎勤統計の不正・偽装問題で安倍首相は、「身内調査」で「組織的な隠ぺいの意図までは認められなかった」と報告書で結論付けた厚労省の特別監察委員会になおも検証をさせる立場。日本共産党は代表質問で「報告書の結論の撤回を」(志位和夫委員長)、「厚労省から完全に独立した組織をつくり、調査を一からやり直すべきだ」(小池晃書記局長)と、他の野党とともに徹底した真相解明を求めました。
 
 統計不正・偽装が引き起こされた温床を鋭く告発したのが志位質問。厚労省が不正・偽装を始めた2018年1月から問題が発覚するまでの時期に、裁量労働のデータねつ造、森友疑惑をめぐる虚偽答弁や公文書改ざん、失踪技能実習生の調査結果のねつ造などが次々明らかになったことを示し、「安倍政権によって引き起こされた政治モラルの大崩壊が統計不正の温床となった」と追及。「東京」1日付1面は志位質問を紹介し、「うそ次々、モラル崩壊」と報じました。
 
沖縄新基地 軟弱地盤認める 工事中止・普天間撤去を
 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で埋め立ての土砂投入を強行している安倍政権は、深刻な行き詰まりに直面しています。
 志位氏は代表質問で、政府が埋め立て予定海域に軟弱地盤の存在を示す報告書をまとめておきながら、それを2年間も県民に隠し、新基地建設の既成事実を先行させた卑劣な手口を告発。玉城デニー知事が新基地建設を許さない決意を表明していることを示し、「きっぱり中止を」と迫りました。
 国会論戦でついに軟弱地盤の存在を認めた安倍首相は「地盤改良工事の追加に伴い、県に変更承認申請を行う必要がある」と答弁。地元紙・沖縄タイムス1日付は志位質問の首相答弁について「県不許可なら工事困難」と1面トップで報じました。
 
 他の野党も辺野古新基地問題を追及。立憲民主党の福山哲郎幹事長は参院本会議での代表質問で、軟弱地盤の存在などを根拠にした県の承認撤回が正当性のある対応だったとして、承認撤回の執行停止を石井啓一国交相が決めたのは「不適切だったのではないか」と迫りました。
 
 小池氏は代表質問で、安倍首相が「辺野古移設が唯一の解決策」とする米軍普天間基地(宜野湾市)の返還に関し、同基地が米軍が住民を強制収容している間に民有地を囲い込んでつくったため国際法違反に当たると追及。安倍首相は「国際法に照らしてさまざまな議論があることは承知している」と国際法違反を否定できませんでした。
 
 2月24日の辺野古埋め立ての是非を問う県民投票は県民のたたかいによって全県実施が確実となりました。新基地建設を断念に追い込むため、沖縄と全国の連帯、野党の連携が発展しています。
 
日ロ問題「2島決着」の危険 根本解決示す志位質問
 与野党が代表質問で取り上げた日ロ領土問題はどうか。ここでも日本共産党の追及で、平和条約締結の「成果」を急ぐ安倍首相が、歯舞、色丹の「2島決着」で領土問題を終わらせる危険が浮き彫りになりました。
 
 安倍首相は「平和条約締結後に、ソ連は日本に歯舞・色丹を引き渡す」と明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させ、任期中に領土問題に終止符を打つと宣言しています。
 志位氏は「これはきわめて危うい方針だ」と指摘。(1)最大でも歯舞、色丹の2島返還で平和条約を締結し、領土問題を終わりにしてしまうなら、歴代政府の方針すら自己否定し、ロシア側への全面屈服となる (2)そうでないなら“国後、択捉の領土要求を放棄して平和条約を結ぶことはない”と明言すべきだ― と二つの角度から追及。ところが安倍首相は「お答えは差し控える」と回答を拒否しました。
 
 志位氏は、日ロ領土問題の根本には、45年のヤルタ協定で、ソ連のスターリンの求めに応じて米英ソが「千島列島の引き渡し」の密約を結び、それに縛られて51年のサンフランシスコ平和条約で日本政府が国後、択捉を含む千島列島を放棄した問題があると指摘。「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則に基づく不公正を正す立場に立って「千島列島の返還を求めてこそ解決の道が開かれる」と迫りました。
 
 ところが安倍首相は「サンフランシスコ平和条約で、わが国は千島列島に対するすべての権利、権原、および請求権を放棄しており、千島列島の返還を求めることはなし得ない」と否定。戦後処理の不公正をただそうとしない日本政府の致命的弱点が浮き彫りになったのです。