2019年3月1日金曜日

異常な官房長官会見は放置できない

 26日の官房長官会見で、東京新聞・望月記者が「会見は一体何のための場と思っているか」と質問したところ、菅官房長官が「あなたに答える必要はない」と回答を拒んだことが波紋を呼んでいます。
 菅氏は翌日の会見で「これまで累次にわたり、『会見は記者の質問に対し、政府の見解や立場を答える場で、意見や要請に答える場ではない』と述べてきた。あえて繰り返す必要はないということだ」と弁明しましたが、それが「あなたに答える必要はない」の理由になるとはとても言えません。
 政府の見解や立場を糾す質問がどうして「意見や要請の表明」になるのでしょうか。質問をするに当たり、先ず前提となる状況の説明から入るのは当然のことで、それを「意見の表明」であるとして否定するのであればそもそも質問のしようがありません。菅氏はその誤りを自覚していて、追及を受ければ耐えられなくなると知っているから答えられなかったのでしょう。
 
 菅氏は常に同記者の発言を「意見の表明」であるかのような言い方をしますが、いつの場合でも望月記者の発言は完璧な質問形式になっているのに対して、官房長官の回答は「回答の体をなしていない」というのが実態です。満足に答えられないから、相手に対して異常なレッテル貼りをするというのは卑劣です。
 
 望月記者が質問すると、主催者でもない官邸の一員(報道室長)が約10秒ごとに「簡潔に」を連発するという質問妨害が、いまだに行われていることを含めて、同記者に対する官邸側の態度は異常で、権力を笠に着た「いじめ」に他なりません。
 これ自体が現政権の低劣さを物語るものですが、それがこうした場で公然と行われていても、出席している記者たちから何のクレームも出ないというのは極めて異常です。
 
 琉球新報が「異常な官房長官会見 政府の姿勢放置できない」とする社説を出しました。
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<社説>異常な官房長官会見 政府の姿勢放置できない
琉球新報 2019年2月28日
 菅義偉官房長官が26日の記者会見で東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者から「この会見は何のための場だと思っているのか」と問われ「あなたに答える必要はありません」と述べた。質問自体を封じるこのような態度は、国民の知る権利を真っ向から否定するものだ。断じて認めるわけにはいかない。
 
 菅長官は、翌27日の会見で別の記者から発言の趣旨を問われ「国会や会見で『政府の見解、立場を答える場だ。意見や要請に答える場ではない』と言ってきた。(その答えを)繰り返す必要はないということだ」と述べた。これはすり替えである。
 官房長官会見での望月記者への質問制限について、東京新聞は20日付で経緯と見解を示す特集を掲載した。その中で、2017年秋以来9回も官邸から文書で申し入れを受けたことを明らかにした。臼田信行編集局長は「権力が認めた『事実』。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制です」と指摘した。望月記者の質問はこれを踏まえたものだ。
 
 26日午前の会見で望月記者は申し入れ文書を「今後は他のメディアにも送るつもりか」と質問した。菅長官は「事実と違う発言をした社のみだ」と答えた。午後の会見で望月記者は「わが社以外にも抗議文を出したことがあるのか。これからも抗議文を出し続けるのか」と畳み掛けた。
 これに菅長官は「この場所は記者の質問を受ける場であり、意見を申し入れる場所ではない」とはぐらかした。そこで望月記者は「会見は政府のためでもメディアのためでもなく、国民の知る権利に応えるためにあると思うが、長官はこの会見は何のための場だと思っているのか」とただしたのである。
 
 このやりとりから分かるのは次のことだ。官邸側は、質問に意見や要請が含まれると見なせば答えない。事実誤認と見なせば答えない。それが続けば文書を送って圧力をかけるということである。
 記者が事実認識を示した上で質問するのは普通のことだ。事実誤認だと思うなら、答える中で説明すればいい。それが説明責任を果たすということだ。事実認識を示すことを「意見」や「要請」だというのはこじつけであり、答えを拒む理由になり得ない。
 
 昨年12月、河野太郎外相が記者会見で質問に答えず「次の質問どうぞ」と繰り返した問題もあった。記者会見を政府の広報の場とのみ捉える傲慢(ごうまん)な政権の姿勢は一貫している。一記者、一新聞社の問題ではなくメディア全体の問題であり、国民にとって深刻な事態だ。
 国民の知る権利をないがしろにする政府の姿勢をこれ以上放置できない。誰のために取材・報道をするのかという原点を再確認し、異常な記者会見の現状を是正しなければならない。

「辺野古が唯一の選択肢」は 現実から遊離した固定観念

 いまや政府のいう「辺野古が唯一の選択肢」はあらゆる点で破綻しています。
 一刻も早く普天間基地を返還させるためにという口実は、完成するまでに13年以上かかることから もはや通用しません。
 辺野古の基地が完成すれば普天間米軍基地が返還されるという保障はありません。
 そもそも海面下90mの深部の地盤改良を行う手段がないので、辺野古基地が真の意味で完成することはありません。そんなところに米軍が移動するという保障は皆無です。
 米軍海兵隊基地が沖縄になくてはならないという必然性もありません。米側が、経費節減のためグアムに移動しようとしたのを日本側が止めたという経緯もあります。
 最近、駐日米大使が「辺野古が唯一の選択肢」と述べたのも。安倍政権と口裏を合わせた以外のものではありません。
 政府が「辺野古が唯一の選択肢」と主張するのは、本土に移そうとすれば激しい反対運動に直面するので、パンドラの箱を開けたくないからです。しかしその「唯一」には もはや何の説得力もありません。
 
 毎日新聞が、「辺野古めぐる新状況 『唯一』の固定観念を正せ」とする社説を掲げました。
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社説  辺野古めぐる新状況 「唯一」の固定観念を正せ
.毎日新聞 2019年2月28日
 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題は、埋め立て反対が7割強を占めた県民投票を経て新たな状況に入った。これを受け安倍晋三首相と玉城デニー知事があすにも会談する。 
 しかし、このまま互いの主張をぶつけ合うばかりでは、本土と沖縄の溝がさらに広がる深刻な状況に陥りかねない。この際、政府は「辺野古が唯一の選択肢」と有無を言わせない論理を改めるべきだ。
 
 現在の政府の主張では、移設先は辺野古しかないというのが軍事上の固定観念となっている。だが、どこに基地を置くかは軍事的要素だけで決まるものではない。候補地の歴史的・文化的背景や経済的な問題などさまざまな要素を考慮しなければならない。唯一の選択肢ということが現実にあろうはずがない。 
 実際、沖縄に海兵隊を置くことが不可欠かどうかについては、米国内でも議論があった。中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発を受け、むしろ日本側が駐留の継続を求めてきた側面がある。
 普天間飛行場を本土に移そうとすれば激しい反対運動に直面することが予想され、政治的なハードルは高い。それを避ける意図が「唯一」という言葉の裏に見え隠れするから、政府に対する沖縄の不信感が増幅されてきたのではないか。
 
 県民投票では、普天間飛行場の危険性を最も知る宜野湾市でも反対票が66%を占めた。普天間の危険除去を最優先するという政府の主張が信用されていない証左だろう。埋め立て予定海域で軟弱地盤が見つかったことにより、技術的にも早期移設の見通しは立たなくなっている。 
 戦後長らく米軍統治下に置かれ、本土にあった米軍基地の多くが沖縄に集約されてきた歴史がある。そこで生じた不平等が固定化されるのは耐えられないというのが県民投票に込められた沖縄の訴えではないか。 
 米軍に多くの特権を認めた日米地位協定の見直しなど、沖縄の不利益をなくすために努力する姿勢が政府には求められている。 
 首相は「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と言いながら、工事を続行するのは矛盾している。 
 まずは「唯一」の固定観念を正し、沖縄の不信感を解きほぐすところから始める必要がある。 

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2019年2月28日木曜日

消費税増税は間違い 統計不正は犯罪 衆院予算委中央公聴会

 衆院予算委は26日、中央公聴会を開きました。
 
 公述人の一人、明石順平弁護士は、17年と18年で算出方法の異なるものを比較した伸び率は、端的にいってウソの数字で、真実に反し統計法違反になると述べました。
 そして家計最終消費支出は14~16年にかけて3年連続で減少し、この実質賃金の大きな下落が戦後最悪の消費停滞を引き起こしたとしました。
 
 上西充子・法政大教授は、18年1月分から実施された毎月勤労統計の手法の変更について、適切な意思決定プロセスを経ておらず、官邸の不当な介入があった疑いが濃いとして、公的文書が恣意的に改ざんされて信用できないのは国家的危機であると述べました。
 現状では消費税増税の是非も判断できず、予算案の審議の前提が崩れているとし、国会審議では、政権側が論点ずらしや意味のない冗長な背景説明の答弁などを行っていると批判しました。
 
 浦野広明・立正大客員教授・税理士は、資本主義社会では市場で勝った人がたくさんの富を得る一方で貧困者が生まれるので、これに対応するには適正な所得再分配が必要になるがそうなっていないとしました。
 税金は、負担能力に応じて払うのが原則で、所得税や法人税をはじめ、地方税、目的税など全てに適用しなければならないとし、消費税を偏重し、それら所得税や法人税を軽減した結果 税収不足が起き、税収のほぼ4割が国債費の元金と利息の返還に充てられる現状を招き、社会保障に回す余裕がなくなっていると述べました。そして「全ての税金が社会保障目的税である」という原理に立ち帰るべきであるとしました。
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衆院予算委中央公聴会 消費税増税 懸念次々 統計不正解明求める声も
しんぶん赤旗 2019年2月27日
 衆院予算委員会は26日、中央公聴会を開きました。公述人からは、政府が10月に狙う消費税10%への増税について、消費低迷、経済への打撃を懸念する意見が相次ぎ、中止・見送りを求める声があがりました。さらに、厚生労働省の毎月勤労統計などの統計不正をめぐり、国の政策判断にかかわる重大問題として真相解明を行うべきだとの指摘が出されました。
(明石順平、上西充子、浦野広明の3氏の意見陳述の概要は下掲記事参照)
 
 立正大学客員教授の浦野広明氏は、負担能力に応じた税制などを提起し、消費税増税を「絶対にやるべきではない」と述べました。法政大学教授の上西充子氏は「10月の消費税増税は見送るべきだ」と主張。大和総研政策調査部長の鈴木準氏は、増税は必要としつつ、2014年の8%への増税で「(景気の)回復力が非常に弱まったのではないか」と述べました。
 
 日本共産党の藤野保史議員は、食料品の値上げと増税が暮らしに与える影響について質問。浦野氏は、食料品にかかる税率として、日本の8%は欧州各国と比べても高いと紹介。「食料品(の値段)が上がり、消費税増税となれば、国民生活は破綻する状況になる」と指摘しました。
 
 弁護士の明石順平氏は、毎月勤労統計調査の不正について、調査方法の変更などの結果、賃金の伸び率が過大に示されていたと指摘。18年の実質賃金の伸び率はマイナスとの試算を示し、厚労省の公表値について「真実に反し統計法違反になるのではないか」との認識を示しました。
 上西氏は「経済統計のデータが信用ならない状況であれば、一国の経済のかじ取りの判断を誤ることにもつながる」と警鐘を鳴らしました。
 
 日本共産党の宮本岳志議員は、統計不正の解明がないままでは予算決定を判断できないのではないかと質問。明石氏は「おっしゃる通りだ。統計が信頼できないということは、地面が壊れていくようなもの」と述べました。
 
 
衆院予算委中央公聴会 公述人の意見陳述
しんぶん赤旗 2019年2月27日
 2019年度予算案を審議している衆院予算委員会で26日、公述人の意見陳述が行われました。公述人からは、応能負担原則に反する消費税の税率10%への引き上げへの厳しい批判や統計不正への不信の声などが相次ぎました。
 
公表値はウソ 統計法違反
弁護士 明石順平さん
 昨年1月に毎月勤労統計調査における賃金統計の算出方法が変更され賃金が大きくかさ上げされました。要因は(1)サンプルの一部入れ替え(2)労働者数のベンチマーク(基準)を変更(3)復元処理(不正調査の補正)。例えると、ちょっと背の高い別人に入れ替え、シークレットブーツを履かせ、頭にシリコンを入れて身長を伸ばしたことです。(3)は(不正が発覚して)修正しましたが、(1)と(2)は修正せず、そのまま2017年と比較しています。そのため賃金が異常に伸びる結果となってしまいました。17年と18年で算出方法の異なるものを比較した伸び率は、端的にいってウソの数字になります。公表値は真実に反するため「基幹統計の作成に従事する者で基幹統計をして真実に反するものたらしめる行為をした者」を処する統計法60条2項に該当し統計法違反になります。
 
 厚労省は参考値の名目賃金伸び率のみ公表し、実質賃金についてはかたくなに公表しません。「名目は参考になるが実質は参考にすべきではない」などありえません。早急に公表すべきです。公表値の伸び率は異常にかさ上げされたうその数値なので公表をやめるべきです。
 
 家計最終消費支出は14~16年にかけて3年連続で減少し、実質賃金の大きな下落は、戦後最悪の消費停滞を引き起こしています。これは国民の生活がぜんぜん向上していないことを意味します。景気回復の実感がないのは当たり前です。
 
 
政府・与党が解明を阻む
法政大学教授 上西充子さん
 毎月勤労統計の不正が昨年12月に発覚して以降、問題は広がりを見せています。不正な統計操作があったことは18年1月分から賃金水準が上振れし、その要因が探られる中で発覚したものですが、18年1月分から実施された毎月勤労統計の手法の変更についても適切な意思決定プロセスを経ておらず、官邸の不当な介入があった疑いが濃くなっています。
 
 公的な文書もデータも恣意(しい)的に改ざんされて信用できないならば、国家的危機です。国際的な信用の失墜にもつながります。経済統計のデータが信用ならない状況であれば、一国の経済のかじ取りの判断を誤ることにもつながります。現状では消費税増税の是非も判断できず、予算案の審議の前提が崩れています。このような現状において、何よりもまず必要なのは徹底した事実の解明です。再発防止は徹底した事実の解明に立脚しなければなりません。
 
 にもかかわらず、その事実解明を政府・与党が阻んでいるというのが現状です。国会では、質疑とかみ合わない論点ずらしの答弁や意味なく冗長な背景説明の答弁などで野党の質疑時間が奪われ続けています。野党の指摘が不当なものであるかのように印象付ける答弁も横行しています。
 
 私たちが主権者として国会を監視しなければ、国会の機能不全は続きます。そして不都合な事実も隠され続けます。その影響は私たちの暮らしに跳ね返ってきます。よりよい社会の構築に向けて国会が本来の機能を果たしうるために、私たちは主権者として不断の努力を重ねていきます。
 
 
負担能力に応じた税制を
立正大学法学部客員教授・税理士 浦野広明さん
 税金は、負担能力に応じて払うのが原則です。国税でいえば所得税や法人税が中心になります。応能負担原則は国税、地方税、目的税など全てに対応しなければならない原則です。
 
 税金の使途に関しては、日本国憲法の下でどう使われるか考えなければなりません。憲法25条は、国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障しています。税金の使途は憲法の下では福祉・社会保障のために使われないといけません。今は資本主義社会なので、市場で勝った人がたくさんの富を得る一方で、貧困者が生まれます。この事態を改革するために、所得再分配が必要になります。
 
 消費税推進の理論では (1)国の財政が悪化しているのでやむを得ない (2)社会保障の財源として重要 ― ということが言われます。しかし、消費税は国の財政状態をより悪化し、社会保障を削減するものです。
 来年度予算案の税収をみると、足りない部分の多くを国債でまかなう状況です。応能負担の中心に置くべき所得税や法人税が減収しており、消費税が税目で1番になっています。
 結果、国債の返還と利息の支払いが歳出の大きな部分を占めています。税収のほぼ4割が国債費の元金と利息の返還に充てられています。こうなると社会保障に回る余裕が出てきません。
 負担能力に応じた税制と全ての税金が社会保障目的税であるという原理を、今後の予算に生かしていただきたいと思います。

安倍首相の“妄想”にラブロフ露外相が激怒


 ロシアのラブロフ外相は24日、安倍首相が6月に北方領土を含む平和条約締結問題に「必ず終止符を打つ」と意気込んでいることについて、「誰も一度も、平和条約締結の枠組み案など見たことがない。プーチン大統領も私も、他の誰も、そうした発言につながる根拠は与えていない。日本側が何を考えているか私には分からない」と述べました。
 
 安倍首相は年頭の会見で「北方領土には多数のロシア人が住んでいる。住民の方々に、日本に帰属が変わるということについて納得、理解をしていただくことも必要です」と語りましたが、そのときもロシアから「1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約を加速するとした日ロ首脳の合意の本質を乱暴に歪め、両国の世論をミスリードするものだ」と厳しい抗議を受けました。中村逸郎・筑波大教授(ロシア政治)は、「安倍首相の発言を『内政干渉にあたる暴走だ』とプーチン政権は受け止めた」と述べています。
 
 ロシアの各種世論調査では北方領土の引き渡しに反対が7割を超えているため、プーチン大統領は「今後、辛抱強さを要する作業が待っている。合意は両国の世論の支持を得なければならない」と交渉の長期化を強く示唆してきました。
 「北方領土」に関するロシア側の主張は旧ソ連時代から一貫していて、「第2次大戦の結果 合法的に編入した」というもので、日本も無条件に受け入れるべきとの立場です。
 
 1月14日の日ロ外相会談でも、ラブロフ氏は、「国連憲章や第2次世界大戦終結を巡る国際文書により、北方4島がロシア領であることには議論の余地がない」と主張し、歯舞群島と色丹島の日本への引き渡しを定めた共同宣言を基礎にした平和条約交渉の前提として、「第2次世界大戦の結果受け入れが絶対的な第一歩だ」と日本側に要求しました。また南クリール諸島が日本の国内法で「北方領土」と明記されていることは「ロシアにとって受け入れられない」とも述べました。
 
 要するに、第2次世界大戦の正当な結果として北方領土がロシア領になったと認めない限り平和条約交渉は進めないというもので、見解の相違はあるもののロシア側の主張は論理的で首尾一貫しています。
 それに対して安倍首相(あるいは河野外相)が何か内容のある反論をしたという話は全く聞かれずに、あるのはせいぜい菅官房長官の「引き続き粘り強く対応していきたい」という意味不明の言い訳だけです。
 そうでありながら安倍首相は国内向けには冒頭に述べたようなことを吹聴している訳なので、ラブロフ氏が怒りの談話を出すのは尤もなことです。
 前出の中村逸郎教授は、ラブロフ氏の一連の発言から「日ロ交渉の主体はラブロフ外相ということがはっきりした」と述べています。そういう認識が日本側に全くないのであれば、この交渉の帰趨は推して知るべきでしょう。
 
 国内では多数を背景に滅茶苦茶な政治手法が事実上通用するので、安倍首相は見境いがなくなったようですが、外交では国家が相手なのでそんなことは通用しません。「外交の安倍」が如何に無内容であったかの証明です。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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安倍首相の“妄想”に露外相激怒 平和条約締結は決裂一直線
日刊ゲンダイ 2019年2月26日
 どうやらカンカンのようだ――。安倍首相が「領土問題を解決して平和条約を締結する」と表明していることに、ロシアのラブロフ外相がブチ切れている。
 もはや“牽制”というレベルを超え、ほとんど安倍首相のことを“ウソつき”呼ばわりだ。
 ラブロフ外相は、ベトナムと中国の歴訪前に、両国メディアのインタビューに答え、24日にロシア外務省が公表した。
 安倍首相は6月に平和条約の枠組み合意を目指しているが、ラブロフ外相は「誰も一度も、枠組み案など見たことがない。日本側が何を考えているか、私には分からない」と一蹴。安倍首相が北方領土を含む平和条約締結問題に「必ず終止符を打つ」と意気込んでいることについて、こうこき下ろした。
「正直言って、その確信がどこから来ているのか分からない。プーチン大統領も私も、他の誰も、そうした発言につながる根拠は与えていない」
 要するに、「何も決まっていないのに、なに勝手なこと言ってんだ!」ということだ。
 
■「勝手に話を作るな」と言っているに等しい
 筑波大の中村逸郎教授(ロシア政治)が言う。
「ラブロフ外相は、これまでも4島の主権や北方領土という呼称について発言してきましたが、今回は質が違います。『勝手に話を作るな』と言っているに等しい。ロシア側が一切根拠を与えていないのに、平和条約締結について、確信に満ちて語る安倍首相の姿勢と人格を批判しているのです。安倍首相があまりにも話を盛り、しかも繰り返して口にするので、さすがに堪忍袋の緒が切れたのでしょう」
 
 さらにラブロフ外相は畳みかけた。
「日本は米国主導の反ロ的な国連決議には賛成するのに、ロシアの提案には反対か棄権ばかり」
「5月のトランプ大統領訪日時、ロシアとの平和条約もテーマだという。日本にそこまで独立性がないとは、(呆れて)何も言えない」
 中村教授が続ける。
「日本では、ラブロフ外相に“強硬論”を言わせて、最後はプーチン大統領がうまくまとめるという見方がありますが、違うと思います。日本人は自分たちに都合よく解釈しすぎです。2人のスタンスは同じでしょう」
 安倍首相は25日、ラブロフ発言について「いちいち反応するつもりはない」とダンマリ。国民は現実を直視した方がいい。 

28- 辺野古 即時中止を 東京・小平市議会が意見書を可決

 東京都の小平市議会は25日の本会議で、辺野古新基地建設の即時中止と、普天間の代替施設が必要かどうかを含めて国民的な議論を行うことを求める請願と意見書を賛成多数で可決しました。意見書の可決は小金井市に続き2例目となります。
 請願した「辺野古問題を考える小平市民の会」の針谷幸子代表(恩納村出身)は、「沖縄の人はやるべきことをした。今度は私たちがどうするべきなのかが突き付けられている」と述べました。
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辺野古、即時中止を 東京・小平市議会が意見書を可決
                    小金井市に続き2例目
琉球新報 2019年2月26日
【東京】東京都の小平市議会は25日の本会議で辺野古新基地建設の即時中止と、国内外に普天間の代替施設が必要かどうかを含めて国民的な議論を行うことを求める請願と意見書を賛成多数で可決した。米軍普天間飛行場の代替施設の必要性や移設先について国民的な議論を求める「新しい提案」の実践に基づくもので、意見書の可決は小金井市に続き2例目となる。24日に投開票された県民投票とともに、沖縄の基地問題についての全国的な世論喚起につながりそうだ。
 
 請願理由では、沖縄県民が基地があることによるさまざまな不安や危険にさらされて生活しており「新たに造られる米軍基地建設に反対することは当然」だと指摘した。国民の多くが沖縄に集中する米軍基地に疑問を抱くことなく戦後70年以上が経過したとし「当事者意識を持った国民的議論を行い、解決への道を開きたい」とした。
 
 請願した「辺野古問題を考える小平市民の会」の針谷幸子代表(恩納村出身)は、24日の県民投票で辺野古の埋め立てに反対する人が多数だったことに触れ「沖縄の人はやるべきことをした。今度は私たちがどうするべきなのかが突き付けられている」と指摘し、議論の輪の広がりに期待を込めた。