2020年2月28日金曜日

親に負担を押し付ける『休校』に非難殺到 対策費は153億円のままとは

 27日、安倍首相が唐突に全国すべての小中高校と特別支援学校に3月2日からの臨時休校を要請すると発表しました。北海道の鈴木直道知事が休校を宣言したことに「決断力がある」と評価の声が高まったので、「自分も」ということで27日になって萩生田文科相と一方的に決め、何の根回しもなく慌てて発表したということです。
 新型コロナ対策専門家会議の岡部信彦委員は、NHKの取材に「感染症対策として適切かどうか一切相談なく、政治判断として決められたものだ。判断の理由を国民に説明すべきだ」と厳しく批判しました。
 子どもが休校となれば共働き家庭では保護者が仕事を休むなどの対応を迫られ、とくにひとり親家庭や非正規社員、医療関係者など多くの人たちが大変なことになります。それに対して何の対策もとらずに、「やってる振り」のパフォーマンスでは話になりません。「生活苦」とは無縁の暮らしをしてきた人間に政治をさせた結果がこの悲劇です。
 ちまたの人たちからは怨嗟・悲嘆・抗議の声が溢れています。
「子どもを学校に通わせながら働いている人にとって『働くな』と言っているようなもの」(しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)
「医療・福祉・警察・消防関係など社会を支えている職種の親はどうするのか。社会が崩壊しかねない」(市長)
「臨時休校は現場の声を聞いてから判断してほしかった。あまりに急で、憤りを通り越して、ただただ驚いている」(公立中学校校長)
「幼稚園が預かってくれないと仕事に行けない」(幼児の保護者)
「安倍首相の発表は、共働きの親にとって絶望的」(共稼ぎの母親)
「今年卒業の子たちにはみんなと過ごせる残りわずかな時だったのに」(生徒の保護者)
「急すぎる。卒業式がなくなる・・・子どもたちがかわいそう」(公立小学校教師)

 自分たちには何の痛みもないからと平然とそうした方針を発表する一方で、肝心の新型コロナウィルス対策は一向に進んでいません(即断即決すべきは、例えばPCR検査への保険適用などの筈です)。
 現段階で報じられている諸外国の対策費は、韓国約1兆3700億円(28日決定予定)、中国約1兆500億円、香港約4000億円、シンガポール約5000億円、台湾約2200億円、米国約2700億円(議会に要請中)であるのに対して、日本は僅かに153億円です。
 数字は実態を明示します。為政者の無知蒙昧が端的に示されます。この期に及んでも「パフォーマンスで『事足りる』」と考えているとは恐ろしいというしかありません。
 LITERAが厳しく非難する記事を出しました。
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安倍首相の独断“休校要請”に非難殺到! 親に負担押し付けの一方、
コロナ対策費は足りてると153億円のまま! 韓国は1兆円以上なのに
LITERA 2020.02.27
 また安倍首相が場当たり的な決定を出した。本日、唐突に全国すべての小中高校と特別支援学校に3月2日からの臨時休校を要請すると発表したことだ。
 安倍首相はまるで英断であるかのごとく発表したが、各方面から非難が殺到している。たとえば、政府の新型コロナ対策の専門家会議の岡部信彦委員は、NHKの取材に「専門家会議で議論した方針ではなく、感染症対策として適切かどうか一切相談なく、政治判断として決められたものだ。判断の理由を国民に説明すべきだ」と厳しく批判した。
 しかも、問題なのは、保護者への対応だ。子どもが休校となれば共働き家庭では保護者が仕事を休むなどの対応に迫られ、とくにひとり親家庭や非正規社員、医療関係者など多くの人たちがたいへんなことになる。保護者が仕事を休める環境にあるのか、保護者が休む場合休業補償は出るのかなど、問題はいっぱいある。
 当然、これらの対応も万全に整えた上での決断だろう。そう思いきや、なんと安倍首相は、企業などに対して「休みがとりやすくなる環境を整えてもらうとともに、子どもを持つ保護者への配慮をお願いする」と述べただけ。結局、またも国民や企業、学校に責任を丸投げしたのである。
 対応策も練らずに見切り発車で決定する──。実際、複数のメディアが、根回しや議論がないまま、安倍首相がきょうになって萩生田光一文科相と会って一方的に決めたと報じている。
「国内外から安倍首相の『リーダーシップ』を疑問視する意見が飛び出すなか、安倍首相は非常に焦っていた。そんななか、北海道の鈴木直道知事が休校を宣言したことに『決断力がある』などと評価の声が高まったので、『自分も』ということで慌てて発表したようだ。だからなんの準備もしてなかったというわけです」(全国紙政治部記者)
 ようするに、安倍首相が重要視しているのは、「やってる感」のアピールだけで、国民の生命と生活を守る体制づくりなんて何も考えていないのである。
 それが一番よくあらわれているのが、新型コロナ対策の予算だ。そう。この期に及んで安倍首相はまだ新型コロナ対策費をケチっているのだ。
 昨日の衆院予算委員会では、現在政府が決定している緊急対策費総額153億円では少なすぎると共産党の藤野保史衆院議員が指摘。PCR検査体制の強化など必要な対策のためには予算の組み替えが必要だと提言したのだが、ところが安倍首相は、平然とこう言い切ったのだった。
「経費と今年度予備費を活用することでですね、何よりも国民の健康と命を守ることを最優先に必要な対策を躊躇なく実行していくことが可能と、こう考えています。その上で、来年度予算については、現時点でこうした経費に直ちに不足が見込まれる状況ではありませんが、今後の影響にもしっかり目配りしながら注意深く対応していく所存でございます」
 経費に不足が見込まれる状況ではない? つまり、安倍首相は、新型コロナ対策は現状、153億円で足りると言っているのだ。思わず耳を疑わざるを得ない答弁だ。言っておくが、東京都でさえ新型コロナ対策として総額401億円の補正予算案を計上している。なのに、政府の対策費はその半分以下で、安倍首相は「必要な対策を実行することが可能」などと主張したのだ。

韓国は1兆3738億円の補正予算が報道される中、日本は153億円のまま
 この153億円という数字がいかに少ないか。それは他国の対策費と比較すれば一目瞭然だ。現段階で報道されている数字をまとめてみよう。
中国     約1兆500億円
香港     約4000億円規模の基金設立
シンガポール 約5000億円
台湾     約2200億円(上限) 
米国     約2700億円(補正予算を議会に要請)
 このように、日本とは一桁違うことがわかるだろう。また、韓国は明日にも予算案が公表される見通しだが、新型コロナ対策の補正予算は約1兆3700億円になると見られている(朝鮮日報24日付)。
 金額だけではない。予算の使途もこうした国と日本は雲泥の差だ。
 たとえば、香港では前述した約4000億円の予算のなかから学生や低収入家庭に対する補助金を支給(日本貿易振興機構18日付)。さらに26日に発表した2020年度予算案においても、新型コロナの感染拡大を受けて18歳以上の全市民約700万人に約14万円を支給することを決定している。
 予算約5000億円を計上しているシンガポールでは、〈国民の雇用維持のため、政府が国民の月給の8%分を3カ月間、雇用主に支給〉したり、〈21歳以上の全ての国民に現金100~300Sドル支給〉〈未成年の子どものいる世帯に追加100Sドルの現金支給。5人以上の家族には電気・水道料金の追加払い戻し〉といった生活補償策が打ち出されている(日本貿易振興機構27日付)。
 さらに本サイトではたびたび紹介してきたように、韓国では入院隔離されている人に対して、14日以上隔離された場合、4人世帯基準で月123万ウォンの生活費を支援することを決定。この支援の対象には外国人も含まれ、さらに隔離された労働者に有給休暇を提供した事業主にも有給休暇費が支給されるという。
 このように、国民の生活や休業補償に気が配られた対策を打ち出す国々に対し、日本はどうなっているのか。以下、対策本部資料から引用しよう。
◎帰国者などへの支援:30億円(うち、帰国者などの受け入れ支援:23.4億円 防衛省による生活・健康管理支援:3.2億円)
◎国内感染症対策の強化:65億円(うち、検査体制・医療体制の強化:30.6億円   帰国者・接触者外来、接触者相談センターの設置:5.1億円
   検査キット、抗ウイルス薬・ワクチン等の研究開発:10.0億円
   国際的なワクチン研究開発等支援事業:10.7億円
   マスク生産設備導入補助:4.5億円)
◎水際対策の強化:34億円(うち、有症者発生時の感染の拡大防止に必要な措置:30.2億円 検疫体制の強化:3.4億円)
◎影響を受ける産業などへの緊急対応:6億円(うち、コールセンターの設置:4.9億円 雇用調整助成金:1.0億円)
◎国際連携の強化など:18億円(うち、アジア各国への検査体制充実への貢献:16.5億円 NGOを通じた支援:1.0億円)

検査医療体制強化費もわずか30億円 吉本興業には100億円の補助金を出すくせに
 日本の場合は、患者やその家族への生活支援は限りなくゼロに近い。しかも、驚くべきは、いま喫緊の問題となっている「検査体制・医療体制の強化」に、わずか30.6億円しか投入していないことだ。
 この数字がいかに異常か。たとえば、安倍首相が懇意の吉本興行がNTTと共同でおこなう教育コンテンツなどを国内外に発信するプラットフォーム事業参入には、昨年、経産省がつくった官民ファンド「クールジャパン機構」が最大100億円出資すると決定している。
 つまり、吉本が参加する事業に最大100億円もの補助金をポンと出す一方で、「国難」と呼ぶべき新感染症対策、とりわけPCR検査や医療機関の受け入れ体制といった国民の不安が高まっている分野には、その3分の1にも満たない約30億円しか対策費を計上していないのである。
 驚きはそれだけではない。前述したように他国は国民への生活・休業補償に予算を割いているが、日本は生活補償にかんする予算振り分けが見当たらないばかりか、「雇用調整助成金」に充てられているのも、たったの1億円だけだ。
 たしかに政府は153億円のほかにも、海外からの観光客の宿泊キャンセルで打撃を受けている旅館業をはじめとする中小企業向けとして日本政策金融公庫などに5000億円の緊急貸し付け・保証枠を設けているが、これを足しても韓国の予算措置には及ばない。
 しかも、安倍首相や麻生太郎財務相は、この対策費とは別に昨年末に総合経済対策を打っていることを持ち出して追加の経済対策を現状は考えていないとしているが、当然ながらこの総合経済対策は新型コロナの発生など踏まえていないものだ。それでなくても消費増税によって日本経済は土台からボロボロなのに、そこに世界不況を巻き起こしかねない新型コロナの影響を受けるのである。にもかかわらず、この悠長な態度は一体何なのか。
 いや、そもそもこのままの対策費ならば、PCR検査をさらに拡大させることなど無理な話だろう。検査を拡大させればその費用がかさむだけではなく、検査拡大によって患者も増え、入院費などもかさんでゆくからだ。果たしてそれを約30億円の予算で賄えるだろうか。
 市中感染が拡大し、経済の先行きも不安しかないなか、陣頭指揮をとる安倍首相が「やってる感」アピールだけで、休業補償の打ち出しもないまま独断専行で休校要請を決め、対策費も後手後手で予算投入を渋っている現在。ほんとうにこの国はどうなってしまうのだろう。(編集部)

新型コロナで五輪中止になれば政変/隠蔽疑惑の政府にJOCが反旗

 新型コロナウィルス禍が5月中に沈静しなければ、東京五輪は延期ではなく中止になるという見方が強まりました。そうなればアスリートたちをはじめ関係者、国民の落胆は如何ばかりでしょうか。
 26日、自民党の鈴木俊一総務会長は都内で講演し、「万一、ウィルスの感染拡大でオリンピックが予定通りできないということになれば、政治責任というようなことが持ち上がる」と述べました(鈴木氏は17年8月から1年余り東京五輪担当相を経験)。
 それに呼吸を合せるように、谷垣前幹事長の「有隣会」代表世話人の中谷元・元防衛相は、27日、ポスト安倍候補の石破氏、岸田政調会長らと都内で会食したようです。

 天木直人氏は、それは「もはや安倍政権では世論はついてこないから早く岸田氏に禅譲しろ」と促すものであり、今度のコロナ危機という国難を前にして、自民党内で安倍包囲網を作る流れに急変しようとしているのではないかと思うとして、岸田・石破コンビで安倍政権を否定する政策に舵を切れば、緊急避難的な挙国一致内閣が出来上がる可能性があると述べています。
 いずれにしても、肝心の問題解決能力が全く欠如していることが明らかになった安倍政権は、早々に退場すべきです。
 天木氏は、東京五輪が延期、中止されることがわかった段階で、政局は一気に動くと見ています(5月以降では遅すぎるのですが)。

 それとは別に、IOCのキーパーソンであるディック・パウンド氏が、東京五輪の開催時期の判断期限は引き延ばせて5月下旬がリミットとの見解を示したことに関連して、橋本五輪相や大会関係者側は苦しい弁明を続けていますが、身内のJOC(日本オリ・パラ委員会)からもついに安倍首相へ批判が向けられるようになったということです。
 27日のJBpress が報じました。
 要するに安倍政権が「東京五輪開催に関して不利な情報を何とか隠蔽しようとしていることが余りにも目立ち過ぎて、このままでは『東京五輪は悪』=『迷惑千万な大会』のイメージがどんどん膨らんでしまう恐れがある」、との思いからです。
 新型コロナウイルスを甘く見て初動対策が大幅に遅れたことが、結局政府にとって『肝心』の東京五輪開催の危機に繋がったことで政府の責任が問われるようになったのです。そのときは安倍首相は潔く!? 退場するしかありません。
 天木直人氏のブログとJBpressの記事を紹介します。
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東京五輪がなくなれば政治責任になると発言した鈴木総務会長
天木直人のブログ 2020-02-27
 きょう2月27日の読売新聞が一段の小さな記事で報じた。
 自民党の鈴木総務会長はきのう2月26日、東京都内で講演し、ウィルスの感染拡大で夏の東京五輪・パラリンピックが延期や中止となった場合、安倍内閣の政治責任が問われるとの考えを示したと。
 すなわち、次のような発言をしたというのだ。
 「万一、オリンピックが予定通りできないということになれば、政治責任というようなことが持ち上がる」と。
 これはものすごい発言である。それが野党の党首が言うならわかる。そして、野党の党首が言ったのなら、またいつものセリフかと世論は一笑して終わる。
 しかし、安倍1強と言われる自民党の内部からの発言だ。しかも党三役の一人の総務会長の発言だ。みずから東京五輪担当相もやったことがある安倍政権の重鎮の一人だ。
 その鈴木俊一総務会長が、いくら、「万が一」という前提を付けて発言したとしても、引責辞任しなければいけなくなると公開の場で言ったのだ。
 これは、今朝の各紙が一面トップで報じてもいいくらいの衝撃的な発言である。しかも鈴木俊一議員の派閥を調べたら、元岸田派であり、いまは義兄の麻生太郎の派閥だという。
 つまり、反安倍の石破茂が発言したのとはわけが違う。安倍首相を支え、安倍首相から禅譲を受ける岸田を支える側から出た発言なのだ。
 もはや安倍政権では世論はついてこないから早く岸田に禅譲しろと言ってるのだ。

 そう思っていたら、やはりきょう2月27日の読売新聞がもう一つの衝撃的な政局がらみの記事を掲載した。すなわち、谷垣前幹事長を中心とするグループ「有隣会」(24人)が、次期総裁選をにらんで活発な動きを見せ始めたと。
 そして、ここが注目すべきところであるが、代表世話人の中谷元・元防衛相は、きょう2月27日、ポスト安倍候補の石破氏、岸田政調会長らと都内で会食する予定であると。
 ここからは私の想像だが、今度のコロナ危機という国難を前にして、ついに自民党は、安倍一強から一転して、安倍包囲網に流れが急変しようとしているのではないかと思う。
 つまり、安倍に禅譲されるだけの岸田一人では日本を任せられない。だからといって世論の人気だけが先行し、安倍に嫌われている石破だけでは自民党総裁になれない。
 ここは石破が岸田に譲り、岸田は石破を自分の後継者としてナンバー2の重要ポストを与えて、岸田・石破コンビで安倍政権を否定する政策に舵を切る。

 そういう包囲網の始まりが動き出したと言う事ではないのか。そしてその場合はあらゆる野党に声をかけるのだ。
 政党はそのままでもいい。岸田・石破が掲げる脱安倍政策に賛同できるなら連立政権に参加しないかと。
 これこそが私が繰り返しそうならざるを得ないと言っている、緊急避難的な挙国一致内閣なのである。あらゆる面で行き詰っている日本を救うにはそれしかない。

 岸田・石破で解散・総選挙を行い、どうせ自公の両党で過半数を占めるのだから、自公連立政権は変わらなくても、自公だけでは政治が出来なくなる。自公政権に合流を希望する野党に対しては、獲得議席数に応じて閣僚のポストを与えるのだ。
 皆が閣僚のポストを欲しがる現実の政治の世界ではあり得ない事であっても、いまは常識が通じない政治になりつつある。
 そして自民党と公明党は見事にその困難を克服してやってきた。その気になれば出来ないはずはないのだ。
 政権交代など夢のまた夢である野党は、政策の異なる野党同士で無理に連立政権を目指すよりも、どうせ政策の違いをごまかすのだから、安倍よりは違いの少ないと思われる岸田・石破自民党との連立政権に入って、権力の一角を占めた方が存在意義を示せる。
 共産党や社民党を除いた野党は皆そう考えるだろう。
 東京五輪が延期、中止されることがわかった段階で、政局は一気に動くのではないかという気がする(了)


新型コロナ、隠蔽疑惑の政府にJOCが"反旗"
「開催強行突破」に向けたなりふり構わぬ姿勢に身内から反発も
臼北 信行 JBpress  2020.2.27
 新型コロナウイルスの猛威が止まらない。日本のプロスポーツ界もモロに影響を受け、大きく混乱している。プロサッカーのJリーグは3月15日までに予定していた全公式戦の中止と延期を決定。国内男子プロバスケットボールのBリーグも3月11日までに予定されていたB1とB2の計99試合を延期すると発表した。
 そしてプロ野球のNPB(日本野球機構)でも12球団代表者会議が行われ、3月15日まで組まれていた残りのオープン戦全72試合を無観客試合とすることを決めた。26日に政府から「今後2週間は大規模なイベントを中止、延期または規模縮小などの対応を要請する」との告達が出されたことも拍車をかけ、各プロスポーツ界は具体策を示さざるを得ない状況となっている。

IOC委員が口にする東京五輪開催への懸念
 これらの先にあるのはやはり東京五輪開催の可否だろう。
 JリーグとBリーグ、NPBはお膝元の日本で行われるスポーツの祭典に対して所属選手たちを日本代表として参加させる運びとしていることから、どの組織も全面的な協力体制を整えている。そして水面下で東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会やJOC(日本オリンピック委員会)なども束ねながら陣頭指揮を執っている政府は、新型コロナ渦に苦しみつつ、何が何でも大会を成功に導こうと国運を賭すつもりでいるらしい。
 しかし今はとにかく気が気でないはずだ。国際オリンピック委員会(IOC)で委員を務め、キーパーソン的な立ち位置にいる有力者のディック・パウンド氏がAP通信のインタビューに応じ、東京五輪の開催時期の判断期限は引き延ばせて5月下旬がリミットとの見解を示したからである。
 1978年から要職に就いてIOC最古参となっている同氏の発言は非常に重い。そのIOCの重鎮が中止も辞さない構えを見せたことで日本政府や大会幹部にも計り知れない衝撃が走っている。

 そんなドタバタぶりを証明するかのように橋本聖子五輪相が26日の衆院予算委員会で、AP通信のインタビューで口にしたパウンド氏の発言を大慌てで強く否定。東京オリ・パラ大会組織委員会がIOCに説明を求め、回答を得たとし「IOCの公式見解ではない」と述べた。
 ところが、こうした橋本五輪相の対応を含む日本政府や大会関係者側の苦しい弁明や逃げ口上については、身内からもついに批判の声が向けられ、いよいよ愛想を尽かされ始めているというから救いようがない。

JOC幹部から漏れだした政府への疑念
 JOCの上層部からは「東京五輪開催に関して不利な情報を何とかすべて必死に打ち消そうとしている政府の姿勢があまりにもリアルに目立ち過ぎてしまい、このままでは『東京五輪=悪』のイメージがどんどん膨らんでしまう恐れがある」との警鐘が鳴らされるとともに、次のような厳しい指摘も飛び出している。
「パンデミック寸前の危機的状況にありながら、政府が開催を強行しようと情報操作をしていると見る人が増えている。だから政府の思惑とは逆に、東京五輪は『迷惑千万な大会』と印象付けられる結果となり、開催する側の我々としても大きなとばっちりを受けている。
 ここまで新型コロナウイルスのPCR検査の件数が隣の韓国など他国と比較しても異常にまでに少なく、国家ぐるみで感染者の数を過少報告しているとの疑念を持たれてしまっているのも、その一例だ。つまり、東京五輪のせいで検査を受けたくても受けられない“隠れ患者”が実は万単位で存在しており、検査を受けられたとしても、政府の陰謀によって重症化するまで陽性反応が出ないように仕立てあげられているのではないか――などという疑念だ。
 この話に一体どこまで信ぴょう性があるかどうかは分からないが、少なくとも疑いがもたれていることで東京五輪のイメージは今やオリンピック史上最悪レベルになっているのは間違いない。
 それもこれも、すべて新型コロナウイルス対策への初動が遅れ、甘く見過ごそうとしていた政府の責任だと思う。ウヤムヤにしようとしているから、おかしい。パウンド氏の“5月末リミット発言”に関する橋本大臣の説得力不十分な答弁についても、そして感染者数の過少報告疑惑にも怪しいニオイがプンプンと漂ったままだから、多くの人が『東京五輪なんて中止にしてしまえ』と声高らかに叫ぶようになっているのだろう。この状況においては東京五輪開催に関し、国民の方々からの理解を得られるのは非常に難しいと言わざるを得ない。
 とにかくもう一枚岩ではないようだ。このJOCの上層部だけでなく、これまで大会を運営する側として東京五輪の成功に心血を注ぎ込んできた数多くの関係者からも、日本政府の安倍晋三首相や橋本五輪相、東京オリ・パラ大会組織委員会の森喜朗会長ら要職に就く人物たちの失策及びリーダーシップの欠如について猛烈に批判する意見は今、後を絶たない。
 ここまで大会運営側がバラバラになり、国民からの理解も得られずじまいとなりそうな政府主導の東京五輪にポジティブな要素を見つけるのは難儀な話だ。とてもじゃないが“コロナショック”を乗り越え、平穏無事に開幕を迎えられるとは思えない。

28- 黒川定年延長 内閣法制局は違法を承知の上でと小西議員が明かす

 安倍政権が、検察庁法が定年の例外を定めていないのに、国家公務員法(81条の3)を強引に適用し閣議決定で黒川氏の定年を半年延長したのは、7月に現在の検事総長が65歳の定年で勇退するのでその後釜に黒川氏を据えるためです。

 元総務省官僚であった小西洋之議員(立憲)が、局内には存在しないと主張する内閣法制局に対して、強硬に粘って「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集」が国立公文書館に保管されていることを聞き出し、その想定問答集に「国家公務員法の定年延長(勤務延長)は検察への適用が除外される」という文言を明記されていることを確認しました。
 内閣法制局はその国家公務員法の立法意思と条文解釈を知った上で、法務省の主張を容認していたのでした。
 何もかもがデタラメの実態を、小西議員の活躍に沿って田中龍作ジャーナルが報じました。
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【黒川検事長、定年延長】内閣法制局が示してきた文書のありか
小西議員が内幕明かす
田中龍作ジャーナル 2020年2月27日
 法律を曲げてまで、自分たちに都合のよい人物を、検察トップの検事総長にしようと狂奔するアベ政権。
 これが罷り通ってしまえば、アベ首相らは極悪非道を重ねても逮捕・起訴されない。一方でアベ首相らの敵は身に覚えのない罪で逮捕・起訴される。暗黒の独裁国家となるのか。今、この国は瀬戸際にある。
「官邸の番人(※)」と異名をとる黒川弘務検事長の定年延長問題が、国会を紛糾させている。検察庁法22条は、「検事総長は65歳で、その他の検事は63歳で退官する」と定める。黒川氏は20年2月8日で63歳を迎えた。検察庁法にもとづけば退官せねばならないのである。

 検察庁法は定年の例外を定めていないが、国家公務員法(81条の3)は「1年を超えない範囲で」定年延長を認めている。官邸はここに目をつけた。
 閣議決定で黒川氏の定年を半年延長したのである。7月には現在の検事総長が65歳の定年となって勇退する。後釜に黒川氏を据えるつもりだ。
 検察庁法には例外がないにもかかわらず、官邸は無理矢理に国家公務員法を適用したのである。アベ首相の言う「解釈の変更」である。

 小西議員が内閣法制局から取り寄せた「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集」のコピー。小西議員が国立公文書館で見つけたものと合致する。
 ところが「国家公務員法の定年延長(勤務延長)は検察への適用が除外される」という文言を明記した政府統一見解が存在した。
 国立公文書館でその一文が入った「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集」(1980年)を探しあてた小西ひろゆき参議院議員が内幕を語った。
「元官僚なので、審査した文書が内閣法制局にあることは分かっていた」。(小西議員は総務官僚出身)
 小西議員は「勤務延長が検察官にも適用できる」という法務省の主張の当否を明らかにするため、国家公務員法の根本解釈が書かれた「内閣法制局説明資料」を探した。
 まず、人事院に同資料を求めたが見つからないとのことだった。人事院は、確実に探したが見つからなかったことの証明を文書で小西議員に提出した。
 普通の議員ならここで断念する。しかし、官僚出身の小西議員は同じ資料が内閣法制局にも保存されていることを知っていた。
 当初、内閣法制局は「局内にはない」と言って来た。それでも、小西議員は、内閣法制局は審査資料を絶対に捨てないと知っていたので質すと「国立公文書館にある」と明かした。
 実は内閣法制局も今回の解釈変更容認の審査のために「想定問答集」を取り寄せ、必要な部分3枚だけをコピーしていたことがわかった。

 内閣法制局は深夜に渡るまでの抵抗の末に小西議員にそのコピーを提出した。 
 その3枚は小西議員が公文書館でコピーした3枚と同じ「検察官は勤務延長できない」という文言だった。内閣法制局と小西議員が持つコピーは一致したのである。
 内閣法制局は「いずれバレる」と思って小西議員に核心部分を明かしたのか。それとも法の番人としての良心が残っていたのか。
 内閣法制局は「勤務延長は検察への適用が除外される」という国家公務員法の立法意思と条文解釈を知った上で、法務省の主張を容認してしまっていたのである。

 小西議員は官僚たちと懸命のやりとりを続ける。手元には黒川検事長の勤務延長の違法性を立証する様々な資料が集まりつつある。新たな爆弾を用意しているが、手の裡を明かすことになるため非公開だ。
 3月2日、3日は安倍首相入りで参院予算委員会が開かれるが、小西議員の登壇予定はない。なぜ、違法を立証する文書を探し出し、それを論証する力を有する小西議員を登壇させないのか。野党は本気で安倍政権を倒すつもりがあるのか。理解に苦しむ。
 
 田中の取材中、小西議員の事務所を最高裁人事総局の職員が資料提出のために訪ねてきた。同議員はこの職員に語りかけた。「検察は滅んだからね。最高裁は人権を守る最後の砦になったよ。国会議員も死力を尽くすからね」と。
 ※
 小渕優子、甘利明案件を不起訴にさせたのも黒川氏の政治力によるものとされる。(月刊誌『FACTA 17年6月号「官邸の代理人」黒川法務事務次官』)
~終わり~

2020年2月27日木曜日

いまさら安倍首相が「パフォーマンスには意味がない」の驚き

 新型コロナウィルスの感染が全然広がっていない米国でさえも「流行」の惧れがあるからとトランプは2700億円の対策費投入を打上げました。シンガポールは対策費として5000億円を投入しています(香港は1兆円=TV朝日とも、4300億円=赤旗とも)。中国は元より、韓国、マレーシア、シンガポールなどは、感染者に対する手厚い生活保護を含めて必死に対応しています。

 26日の衆院予算委で共産党の藤野保史議員が、現在の緊急対策費総額153億円では少なすぎる、PCR検査体制の強化など必要な対策のためには予算の組み替えが必要だと提言したのに対して、安倍首相は153億円で事足りると言ってのけました。これでは政治家としても人間としても全く話になりません。
 米ロイター通信が25日、「安倍はどこ?」(Where's Abe?)という記事を掲げました。新型肺炎の蔓延が予想される日本はいま何をしているのか(何も見えないが)ということです。
 26日、国民民主の玉木代表が「国の統一的な意志が見えない。国務を首相はできているのか」と問いただすと、「毎日毎日、対策会議を開いている。土日も含めて・・・。いちいち外に対して発表はしない。そういうパフォーマンスには意味がない(要旨)」と答えたということです。
 異なことを聞くものです。安倍首相こそ、これまでパフォーマンス一筋できたのではなかったのでしょうか。施政方針演説、アベノミクス、拉致問題、Jアラート・・・数え上げれば切りがありません。
 この重大な時期に臨んで何一つ発信も出来ない・・・それこそがこれまでの安倍倍首相の無為無策の集大成です。

 LITERAが「安倍首相がコロナ対応の説明から逃げまくり ~ 支援策打ち出す韓国・文在寅大統領との決定的な差」とする記事を出しました。
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安倍首相がコロナ対応の説明から逃げまくり「パフォーマンスに意味ない」と正当化! 支援策打ち出す韓国・文在寅大統領との決定的な差
LITERA 2020.02.26
 国民のあいだで新型コロナへの不安が高まる一方、またも安倍首相の後手後手ぶりがあらわになった。きょう26日になって新たに「多数の方が集まる全国的なスポーツや文化イベントに関し、今後2週間は中止や延期、規模縮小の対応を取るよう要請する」と言い出したからだ。

 政府は昨日発表した感染対策の基本方針で〈開催の必要性を改めて検討するよう要請〉などとイベント主催側に判断を丸投げしたばかり。それを一夜明けてこんなことを言い出すのなら最初から基本方針で決めておけという話で、いかに安倍首相の対応が場当たり的かという証左だろう。

 しかし、そうした批判の矢面に立たされることから逃げるためか、新型コロナ対応に安倍首相は自分の存在を消すことに必死になっている。
 本サイトでは以前から指摘してきたが、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号で初の死者2名を出してしまったときも、安倍首相は官邸ロビーで記者団の取材にたったの約2分間、応じただけ。「やってる感」アピールの格好の場である対策本部の会合も、わずかな時間で早々に済ませ、クルーズ船内の感染拡大に批判が高まった18日からはなんと5日間も開催しなかった。

 そして何よりも、安倍首相はこれまで一度も正式な記者会見を開いていないのだ。昨日の基本方針決定も、会見の場に立ったのは加藤勝信厚労相。本来なら、国内で市中感染が広がるいま、総理大臣が国民に直接呼びかけるべき局面だが、そこからも逃げてしまったのである。

 加藤厚労相にやらせるばかりで安倍首相の姿が見えないこの状況に、米ロイター通信も25日付記事のタイトルに「Where's Abe?」(安倍はどこ?)と掲げたほどだが、しかし、どうして安倍首相はリーダーシップを発揮せず、前面に出てこないのか。本日おこなわれた衆院予算委員会でもこの問題が取り上げられたのだが、すると、安倍首相からは驚きの答弁が飛び出したのだ。

 まず、立憲民主党の枝野幸男代表は、これまでの対策本部が短時間で終わっていることを確認したのだが、安倍首相は「事前に実質的な議論は新型コロナウイルス感染症連絡会議を総理室でおこない、ここで相当議論している。昨日も1時間以上議論した」と反論。連絡会議を開くことくらい当たり前だろとしか言いようがないが、枝野代表は省庁横断で対応すべきなのに基本方針決定の会見さえも加藤厚労相がおこなったことに対し、「国民に対して『安心してください、ここまでやってますよ』と言う責任があるのは総理や官房長官じゃないですか! 違いますか?」と追及。すると、安倍首相はこんな主張をはじめたのだ。

「情報発信については、まさに国民の命を健康を守る私が最大の責任を持っている。当然のこと。クルーズ船の乗客の方が初めて亡くなられた発信は、私からも発信させていただいた」
「対策本部は14回開催し、報道陣の目の前で私から直接指示を出している」

 官邸から出ていくときにたった約2分間、お悔やみコメントを発表しただけで「私からも発信した」と言い張るって……。だいたい、「対策本部では報道陣の前で指示を出している」と言うが、対策本部では記者からの質疑応答はない。ようするに、記者から責任追及されない場を選んでいるくせに、「俺はやってる!」とアピールしたのである。

■会見からの逃亡を批判された安倍は「いちいち発表しない。パフォーマンスに意味がない」

 だが、絶句したのはこのあと。国民民主党の玉木雄一郎代表が「国の統一的な意志が見えないんですよ。強い意志が。だから不安なんですよ」「国務を総理ができていますか」と問いただすと、ムキになった様子でこんな主張を繰り広げたのだ。

「毎日毎日、対策会議を開いております。土日も含めて開いてます。昨日も1時間あまり各省から情報提供があり、私の判断を仰ぎ、そこで決定をしているわけであります。基本方針についてもですね、何回も私のところで会議をし、そこで指示をしております」
「(こうした内容は)いちいち外に対して発表もしません。そういうパフォーマンスには意味がないと思っております」

 おいおい、「パフォーマンスには意味がない」と言える資格があるのは、パフォーマンスに終わらない責任感ある対策をとっている人物だけだ。それを国民や企業、自治体に責任を丸投げする対策しか打ち出せない人間が、よくも言えたものだ。

 だいたい、「パフォーマンスには意味がない」って、安倍首相こそ、パフォーマンスばかりやってきたんじゃなかったのか。新元号の発表のときにはわざわざメディアに出演して「私が決めた」アピールをしたり、芸能人やアイドルとの会食をSNSで発信したり、G20サミットではハリウッド映画みたいなプロモーション映像を公開したり……。同じ危機対応でも北朝鮮ミサイル発射では総理談話を連発し、Jアラートを鳴らして脅威を煽っていた。

 ところが一転、今回の新型コロナ対応では、肝心の局面になっても国民の前に立とうとはしない。そのくせ「パフォーマンスには意味がない」などといかにも立派なリーダー然としたことを言い出すのだから恥知らずもいいところだ。

 実際、安倍首相の無為無策っぷりは、感染が拡大する韓国との比較によって浮き彫りになっている。
 象徴的なのは、国内で検査を受けられる目安の基準を満たしながらも受けられないという悲痛な声があがっているPCR検査の実施数だ。すでに韓国ではPCR検査がのべ4万件以上実施されているというが、一方、日本の実施数は26日12時現在で1061名。加藤厚労相は「18日以降は1日最大3830件が可能」と述べていたのに、18〜24日の1週間のあいだに実施されたPCR検査は、クルーズ船やチャーター便帰国者の分を合わせても、わずか約6300件だった。

■韓国・文在寅大統領は感染が広がる大邱市に入り、首相の常駐を国民に宣言

 これだけではない。厚労省はHPに「新型コロナウイルスに関する事業者・職場のQ&A」(企業の方向け)を掲載しているが、「労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合、休業手当はどのようにすべきですか」という質問に対し、2月21日時点版でも〈都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません〉と記載。いまだに感染者を休業補償の対象から除外し、社員は欠勤か有給休暇となると説明している。

 一方、韓国では入院隔離されている人に対して、14日以上隔離された場合、4人世帯基準で月123万ウォンの生活費を支援することを決定。この支援の対象には外国人も含まれているという。また、隔離された労働者に有給休暇を提供した事業主にも有給休暇費が支給されるというのである。

 国民や企業の不安を取り除くべく、あらゆる面で対応が取られている韓国に対し、この期に及んでも「自己責任」と言わんばかりに補償策を打ち出さない日本政府……。しかし、韓国ともっとも大きく違うのは、対策のトップに立つ人物の態度だ。

 安倍首相は昨日、基本方針を決定しながら国民への説明を放棄し、加藤厚労相に記者会見を押し付けたが、この同じ日、文在寅大統領は感染が広がる大邱市を訪問。「政府は軍、警察までも投入して民間医療関係者の支援を含めた総力支援態勢を取っている。きょう夕方からは首相が中央災難(災害)安全対策本部長としてここに常駐し、現場の陣頭指揮を執る」と宣言。さらに感染者が多く出ている大邱と慶尚北道に対する特別支援策を講じていると明らかにした上で、「一緒に力を合わせれば越えられないことはない」と呼びかけをおこなっている(聯合ニュース25日付)。きょうの対策本部で「国民が一丸となって対策を進めてほしい」などと対策を丸投げした安倍首相とは、リーダーとしての姿勢が雲泥の差だろう。

 こんなことを書くと、ネトウヨがまたぞろ吹き上がるのは目に見えているが、これは別に韓国や文大統領を持ち上げようと言うのではない。安倍首相および日本政府が酷すぎるのだ。実際、韓国の対策を取り上げた本日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、岡田晴恵・白鴎大学教授はこうコメントしていた。

「今回、(文)大統領が終息宣言から急に(感染症の警戒レベルを最高の)『深刻』に上げたと。こういう対応の早さですね。あと自分で旗振ってますよね。そこがすごいところで、私が昨日、基本方針を読んで大ショックだったのは、結局、厚労省マターでしか基本方針が出ていなくて。厚労省でやれる範囲、PCR検査は別として、行動規制とか集会規制とか、厚労省マターではないです。全省庁にまたがらなきゃいけない」
「厚労省マターでやってるから、ああいうふうになっちゃう。だから結局、官房長官だとか総理だとかが出てこないと、加藤先生のやれる範囲は少ないし、加藤先生へのレクがどこまで本当にきちっと入っているかもわからないし、そういう意味では、韓国のように全省庁的にしなれば、到底御せないウイルスなのではないかと心配しております」

■シンガポールは新型コロナ対策に約5000億円、でも安倍首相は153億円で事足りる、と

 いまこそリーダーシップを発揮すべきときなのに、それをしようとしない安倍首相──。いや、先が思いやられるのは、安倍首相はいまだにこの新感染症に対して危機感を持っていないのではないか、ということだ。

現にきょうの衆院予算委員会では、共産党の藤野保史衆院議員が、現在政府が決定している緊急対策費総額153億円では少なすぎるとし、PCR検査体制の強化など必要な対策のためには予算の組み替えが必要だと提言した。たしかに、シンガポールでは新型コロナ対策で約5000億円も計上していることを考えれば圧倒的に少ないのは明白なのだが、しかし安倍首相は、はっきりとこう言い切ったのだ。

「経費と今年度予備費を活用することでですね、何よりも国民の健康と命を守ることを最優先に必要な対策を躊躇なく実行していくことが可能と、こう考えています。その上で、来年度予算については、現時点でこうした経費に直ちに不足が見込まれる状況ではありませんが、今後の影響にもしっかり目配りしながら注意深く対応していく所存でございます」

 現時点で生活補償策も打ち出せていないというのに、安倍首相は153億円で事足りると言ってのけたのである。

 PCR検査の拡大や休業補償など国民の健康と命を守るために必要な措置が山積みなのに、それを直視しない安倍首相──。責任を丸投げする昨日の基本方針でもあきらかだったが、もうこれではっきりしただろう。これ以上、安倍政権に危機管理を任せていては、本当にこの国は大変なことになる。そのことだけは確実だ。(編集部)