2025年8月28日木曜日

こうもり立民支える財務省/財政政策発動をかき消す力(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
 自民党は衆院選、都議選、参院選の3つの選挙で軒並み敗北し、特に参院選では歴史的惨敗を喫しました。自民党内にはまだ石破退陣要求の動きもありますが、大勢としては石破続投の方向で収まりそうです。当初はあったメディアによる石破退場への世論誘導の動きもいまはなくなりました。
 自民党惨敗の原因は「政治とカネ」問題でした。石破内閣は国民民主党と結託して企業団体献金の全面禁止という最重要の施策を葬り、野党が結束すれば実現できた消費税減税も結局実りませんでした。
 植草氏は、NHKがニュース報道で必ず鈴木宗男議員の発言だけを紹介するなど、メディアを巻き込んだ石破首相続投を誘導する情報操作が行われていて、それを背後で指令を発しているのは財務省であると述べます。要するに財務省が石破内閣存続を求めているということです。

 因みに財務省の至上命題は、消費税率を「絶対に下げないこと」で、もしも下げるような事態になったらその時の「主税局長は次官になれない」という不文律があるといわれています。まさに「省益があって国益がない」ことの見本です。
 参院前の怒涛のような消費税減税の動きに流されなかったことが評価されたのでしょうか。その点は財務省派の野田氏も同様なので、財務省は石破自民党と野田立民党の合流を望んでいるかも知れません。まさに「省益の塊り」で これでは日本経済の頽勢は改善されません。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こうもり立民支える財務省 
               植草一秀の「知られざる真実」 2025年8月27日
国民のレベル以上の政治は実現しないという。
政治の混迷は国民に責任があるというのも一面の真理である。衆院総選挙も参院通常選挙も現政権に対する信任投票の意味を持つ。
昨年10月の衆院総選挙、本年7月の参院通常選挙の結果、石破内閣与党は衆参両院で過半数割れに転落した。参院選では125議席が争われたが政権与党の自公が獲得した議席はわずかに47。歴史的惨敗である。

「政治とカネ」問題への批判が強かったと言われるが、それは自民党の問題である。
問題の中心は旧安倍派だが、あくまで主権者国民から厳しい評価を下されたのは自民党である。
「政治とカネ」問題に明確なけじめをつけるには企業団体献金全面禁止を通常国会で決める必要があった。しかし、石破内閣は国民民主党と結託して企業団体献金全面禁止という最重要の施策を葬った。

これは自民党旧安倍派の問題ではなく自民党そのものの問題。その自民党の最高責任者が石破茂氏である。参院選での自民党惨敗の責任は存在する。
ところが、石破首相続投を支援する情報誘導が行われている。NHKもニュース報道で必ず鈴木宗男議員の発言だけを紹介する。石破首相続投を誘導する情報操作である。
背後で指令を発しているのは財務省。財務省が石破内閣存続を求めている。

このなかで立憲民主党が参院選の結果についての総括をまとめた。
立憲民主党は議席を伸ばせなかった参院選の結果について「事実上の敗北と言わざるをえない」とする総括をまとめまた。そのなかで、「重大な危機感を持って体制を抜本的に見直し党改革を進める」とした。問われるのは、どのように体制を抜本的に見直すのかである。党首・幹事長が辞任することが適正な責任の取り方。

参院選では自民、公明、維新、立民、共産が獲得票を大幅に減らした。
22年と25年の比例代表選での得票は以下の通り(単位:万票)。
     22年  25年  増減
自民  1826 1281 -545
公明   618  521 - 97
維新   785  438 -347
立民   677  740 + 63
共産   362  286 - 76
自民と維新の得票減が突出している。共産も得票を減らした。
投票総数は5303万から5919万に600万票も増えた。
維新は兵庫県知事問題での混乱で有権者の支持を一気に失った。それにもかかわらず党首が留任することも極めて奇怪。

旧態依然の政党に対する支持が大きく後退している。
立憲民主党は2017年に創設された。当初は野党共闘を牽引する役割が期待されて躍進した。
しかし、2021年衆院総選挙で急激な右旋回を示した。
共産、れいわ、社民を共闘対象ではないとし、国民民主と連合と共闘する方針が明示された。
右旋回した立民は国民民主と違いがない。路線転換に連動して立民の凋落が進んだ。

その立民が新代表に野田佳彦氏を選出。
野田氏は2012年に消費税大増税法制定を強行した上で総選挙に突き進む暴走を演じて民主党を崩壊させた張本人。民主党崩壊の主犯で、この野田氏を党首に担ぎ上げる見識のなさが問われることになった。
背後にあるのが財務省の工作である。財務省は立民の野田佳彦代表を温存しようとしている。
そして、石破首相と野田代表を結び付けて消費税をさらに増税することを目論む。
完全に国民不在の永田町政局が財務省工作で展開されている。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4171号
「誰も責任取らない「日本流」」でご高読下さい。

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご高読をお願い申し上げます。
https://foomii.com/00050

『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」https://foomii.com/00050
のご購読もよろしくお願いいたします。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。
 
 
財政政策発動をかき消す力
               植草一秀の「知られざる真実」 2025年8月26日
石破内閣が存続する可能性を高めている。
衆院総選挙が昨年10月、参院通常選挙が本年7月。衆院解散がなければ全国規模の国政選挙は2028年まで行われない。空白の3年が生まれる。石破氏の自民党総裁任期は27年9月まで。総裁任期満了までも2年ある。
 
衆院総選挙、参院通常選挙、そして東京都議選で自民党は三連敗。石破氏の責任を問う声が噴出したのは当然のこと。自民党では総裁選前倒しを要請する声が噴出した。
しかし、総裁選前倒しを決定する投票が「記名投票」にされた。総裁選を実施しないことになる場合、総裁選前倒しに賛成した議員は冷や飯を食うことになる。
記名投票は総裁選前倒し票を減らす効果を持つ。公正な選挙と言えない。
 
しかし、大きな論議もなく記名投票が決まった。また、この間、メディアが石破内閣叩きを抑制した。石破首相が辞任したときに誰が次の首相になるのか。誰もが認める後継首相が不在のなかで、あえて石破降ろしをしなくてもという気持ちは分かる。
前回自民党総裁選で僅差で敗北した高市早苗氏が首相に就任することだけは御免だという国民は多い。リベラル陣営の国民が高市首相誕生を阻止するために石破続投を支援したいという気持ちも分かる。しかし、これだけで石破続投の流れが生まれてきたとは考えられない。
 
とりわけ、メディアの石破内閣擁護のスタンスの裏に大きな力が存在することを否めない。
強い力なくしてメディアが特定の方向に足並みを揃えることはない。
最大の要因は財務省の意向。財務省が石破首相温存の強い意思を有していると見られる。
理由は単純明快。石破氏がザイム真理教に沿う行動を示してきたことだ。
 
昨年10月総選挙での最大争点は消費税減税だった。自公の与党完敗で消費税減税論議に弾みがつくはずだった。
ところが、2025年の通常国会で消費税減税は話題にすら上らなかった。
これに最大貢献したのは国民民主だ。国民民主は「消費税減税」を「103万円の壁」にすり替えた。結果として消費税減税は完全に姿を消した。
俎上に載せられた「103万円の壁」の結末を知る者は少ない。
 
2024年度の、ほとんど話題にもならなかった定額減税。これでも減税規模は3・3兆円だった。国税では2・3兆円減税。
これに対して、2025年度に実施された103万円の壁減税の規模は、わずかに0・7兆円だった。
2025年度は定額減税廃止で所得税負担は24年度比で2・3兆円増加する。
したがって、25年度の所得税負担は差し引き1・7兆円増税である。
消費税率を5%に引き下げる場合の減税規模は国・地方合わせて15兆円。
衆院で自公が過半数割れしたから、野党が結束すれば衆院で消費税率5%を可決できた。
これを参院が潰せば、どの党が潰したのかが明らかになり、その政党は本年の参院選で壊滅的な打撃を受けただろう。
 
消費税率5%を実現することは可能だったが石破内閣とこれに協力する国民民主が潰した。
参院選では2万円給付が掲げられたが、選挙後の混乱で、これも消滅しつつある。
もう一つ、高額療養費制度見直しというテーマも残る。
 
財務省は国民全体に恩恵が行き渡る財政政策を破壊しようとしている。
この政策運営にもっとも好都合なのが石破首相の続投である。
石破内閣存続が国民世論に沿うものだと勘違いすると大きな代償を支払わされることになる。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4170号
「石破続投論拡大の黒幕」でご高読下さい。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご高読をお願い申し上げます。https://foomii.com/00050
 
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」https://foomii.com/00050
のご購読もよろしくお願いいたします。

メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。 

28- 中国は自国の部品で作られたミサイルで攻撃されることを望んでいない(賀茂川耕助氏)

「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 ごく当たり前のことを謳ったタイトルですが、米国の武器製造は中国が90(~95)%を独占しているレアアース(希元素)無しには成り立たず、それを用いた加工品も既に中国に依存しているといういわば「滑稽なともいうべき関係」にあって、米中間の関税戦争はそもそも成り立たなかったのでした。
 トランプが対中100%の関税を謳った時に米国の巨大軍事メーカーレイセオンは「中国に約2,000人の従業員を抱えており、毎年中国から5,000億ドルも輸入しているので米中間の絶縁は不可能」と反対したためトランプ構想は早々に挫折しました。5000億ドル(約75兆円)はかなり吹っ掛けた額だと思いますが、いまや中国なしでは米国の軍事産業も成り立たないという実態があるのでしょう。

 併せて「耕助のブログ」の記事「米国は中国を攻撃するための武器を中国にアウトソースしている」を紹介します。(アウトソース:外注)
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
中国は自国の部品で作られたミサイルで攻撃されることを望んでいない
               耕助のブログNo. 2636  2025年8月27日
  China Does Not Want to be Hit by Missiles Produced with Its Parts By b
中国の長期的な計画により、同国は現在、経済的攻撃を含む様々な攻撃に対抗するための重大な優位性を獲得している。
レアアース金属の精製とそれらから磁石を製造する技術は中国の持つ優位性の一つにすぎない。これらの金属は実際には希少ではない。通常、他の鉱物の大規模な採掘の副産物として得られるものだ。しかしその精製には環境汚染が懸念された。大規模な生産でなければ利益が出ない。過去20年間で、中国はほぼ独占状態を築き上げたのである。
レアアース磁石は小さいが数多くの製品に用いられている。安価だが不可欠で、代替が難しい。
トランプ政権が中国に高関税を課そうとするやいなや中国は反撃に出た。レアアース製品の輸出を、ライセンス制度が導入されるまで停止したのである。
これらの製品は現在、デュアルユース(民間と軍事の両方の用途に使用できる技術や製品両用製品)と分類されている。中国は民間用途への輸出を認めるが、武器生産への使用は拒否している。これは米国製ミサイルに「Made in China」と表示された部品が使用されることを防ぐためだ。これをを非難するのは難しい。

本日のウォールストリートジャーナルは、この問題に関する興味深い記事を掲載した:
「中国は西側防衛企業への重要鉱物供給を妨げている」 – WSJ via MSN
今年初め、米中貿易摩擦が激化する中、北京はレアアースの輸出規制を強化した。トランプ政権が6月に一連の貿易譲歩に合意した後、北京はレアアースの輸出を再開させたが、防衛目的の重要鉱物については輸出を継続的に制限している。中国は世界のレアアースの約90%を供給し、他の多くの重要鉱物の生産でも支配的な地位を占めている。
…
近年、企業はこれらの鉱物の代替供給源を探そうとしているが、一部の元素はニッチ(⇒小規模)すぎて、西側諸国では経済的に生産できないと業界幹部は述べている。
…
最近のレアアースに関する輸出管理に加えて、中国は12月以降、米国へのゲルマニウム、ガリウム、アンチモンの販売を禁止した。これらの元素は、鉛の弾丸や弾薬を硬化させたり、兵士が夜間に視認できるようにするために使用される。{1}
これらの金属が軍事製品にどれほど多く使用されているかは驚くべきことだ:
防衛ソフトウェア企業 Govini のデータによると、国防総省の兵器システムに使用されている 80,000 以上の部品は、現在中国の輸出規制の対象となっている重要鉱物で製造されている。Govini によると、国防総省が使用する重要な重要鉱物のほぼすべてのサプライチェーンは、少なくとも 1 つの中国サプライヤーに依存しており、北京による規制は広範な混乱を引き起こす可能性がある。
今年初めに輸出規制を強化して以来、中国は企業に対し、輸入するレアアースと磁石の用途に関する詳細な書類の提出を義務付けている。西側の買い手によると、中国当局は製品画像や生産ラインの写真など、機密性の高い情報を要求し、材料が軍事用途に転用されないことを確認している。
中国製レアアース磁石を民間企業と防衛企業に供給するある西側企業は、最近輸入磁石の申請において、多くの民間用途は承認されたが、防衛と航空宇宙分野では申請が拒否または遅れたと述べた。
特に打撃を受けているのは、ウクライナ戦争にドローンを供給するメーカーだ。軽量ドローンモーターはレアアース磁石を必要とする。
米国は中国のライセンス手続きに反対する余地はほとんどない。少なくとも、民間用途の磁石が引き続き販売される限りは:
中国税関総局(GAC)が発表したデータによると、6月の中国から米国へのレアアース磁石の輸出量は352.8トンだった。ロイターは、6月の中国から米国へのレアアース磁石の輸出量が5月の7倍以上に急増したと報じている。
GACのデータによると、6月の米国向けレアアース磁石の輸出額は1608万ドルで、5月の242万ドルから増加した。
全体として、中国のレアアースの外国向け輸出は6月に拡大し、前月からの成長の勢いを維持した。
GACによると、6月の中国レアアース輸出量は7,742.2トンで、前月比32%、2024年6月比60.3%増加した。
ブルームバーグは月曜日、公式データを引き合いに出して、6月の中国のレアアース輸出量が2009年以来の最高水準に達したと報じた。{2}
米国の武器産業は現在、ややパニック状態にある。中国は、その禁止措置を回避しようとする密輸業者を摘発している。代替供給源は存在しない。

国防総省は、米国での新規生産ラインの資金調達を通じて、中国の動きに対抗している:
国防総省は、ニッチな資材の生産拡大のための助成金を交付しており、昨年はカナダの企業に太陽電池用ゲルマニウム基板の生産のために1400万ドルを拠出した。7月にはペンタゴンはさらに大きな一歩を踏み出し、米国最大のレアアース鉱山を運営するMPマテリアルズの株式取得に4億ドルを支払うことで合意した。同社は磁石の製造能力を急速に拡大している。{3}
2025年第1四半期、MPマテリアルズの売上高は6100万ドルで、2300万ドルの損失を計上した。
中国は既に、大規模かつ利益を上げて生産可能な磁石の民間市場を世界的に独占している。米国企業は、非常に限られた顧客層しか持たず、非常に高い価格を支払わなければならないだろう。
中国が他にどのような影響力の大きい中間製品を密かに独占しているのか疑問に思うだろう。

Links:
{1} https://www.msn.com/en-us/money/companies/china-is-choking-supply-of-critical-minerals-to-western-defense-companies/ar-AA1JQ1qs
{2} https://www.globaltimes.cn/page/202507/1338799.shtml
{3} https://www.msn.com/en-us/money/companies/china-is-choking-supply-of-critical-minerals-to-western-defense-companies/ar-AA1JQ1qs

https://www.moonofalabama.org/2025/08/china-does-not-want-to-be-hit-by-missiles-produced-with-its-parts.html


米国は中国を攻撃するための武器を中国にアウトソースしている
               耕助のブログNo. 2634  2025年8月25日
   How the US Outsourced to China its weapons for attacking China
        @NuryVittachi
恥ずかしい米国は、中国との戦争において重要な要素を中国にアウトソーシング(⇒外注)していることを徐々に発見しつつある。戦闘爆撃機、ヘルファイアミサイル、暗視ゴーグルなど、戦争の重要な要素は攻撃の対象である人々によって製造されている。
2023年、米国の巨大軍事メーカー、レイセオンの最高経営責任者は米国が中国から分離するという話を非難した。同社は(他の競合他社も)「中国に数千のサプライヤーを抱えており、分離は不可能である」と、レイセオンのグレッグ・ヘイズCEOはフィナンシャル・タイムズ紙に語った。
「毎年中国から米国に輸出される5,000億ドルの貿易を考えるべきだ。レアアースや金属の95%以上が中国から輸入されているか、中国で加工されている。代替手段はない」と彼は付け加えた。レイセオンは中国に約2,000人の従業員を雇用していると認めた。
2012年、米国防総省は、F-35戦闘爆撃機の開発プログラムが完全に停止する可能性があると警告した。これは、米国の法律で中国製材料の使用が禁止されているためで、政府に対し、開発プログラムの継続を可能にする法的免除を発行するよう求めた。
2013 年、米国製の暗視ゴーグルのガラスに中国産のランタンと呼ばれる軟質金属が使用されていることが明らかになった。2014 年にはボーイング B-1B 爆撃機およびロッキード・マーティン F-16 軍用ジェット機の組み立て部品リストに中国製の部品が含まれていることが判明した。
同じく2013年、CNBC は、「米国の武器購入責任者フランク・ケンドールが、F-35 の 2 つのサプライヤー、ノースロップ・グラマン社とハネウェル・インターナショナル社に対して、新型戦闘機のレーダーシステム、着陸装置、その他のハードウェアに中国製の磁石を使用することを許可した」と報じた。
「あるケースでは、中国製の磁石を取り外して米国製の磁石と交換するのに1,080 万ドルと約 25,000 人の工数が必要だった」と CNBC は報じている。磁石の機能に問題はなかった。唯一の問題はそれらが中国製だったことだ。
米国政府会計検査院は、軍が長年ヘルファイア空対地ミサイルに使用される化学物質ブタネトリオールを中国から調達していたと報告した。米軍は2014年、自らの供給品を製造するために工場全体の建設に資金を提供した。
·2018年、米国は軍用固体ロケットエンジンの多くが「デクロラン」と呼ばれる物質が使用されていることを懸念した。この物質は中国から材料を調達して製造していたベルギーの企業から購入したものだった。この使用を中止する必要があった。
しかし、この物質の最新バージョン「デクロラン・プラス」が、人間と自然に対して致命的な物質として世界的に禁止されたことで問題はさらに複雑になった。ストックホルム条約の署名国は、この添加物の世界的な使用禁止に合意した。中国を含む世界の大多数の国が条約に署名・批准したが、米国はしなかった。(米国は統計的に、世界安全保障を維持する条約や「ルールに基づく秩序」を批准する可能性が最も低い超大国なのだ。)
·
また2018年、米国は世界中のプリント基板の90%が中国本土と台湾から供給されていることを認識した。これにより、中国が自国領土(台湾)を「侵略」寸前だと主張する、古臭く数十年にわたる米国のプロパガンダが再燃した。
2019年の裁判で、ニューヨークのテクノロジー企業が、中国製機器(監視カメラ)を米国製と偽って米軍に売り、巨額の利益を得ていたことが判明した。アベンチュラ・テクノロジーズのこの偽装は回路基板に中国語の文字が発見されたことで発覚した。
2022年9月、米国防総省はハネウェル・インターナショナルが製造した航空機エンジン部品の磁石に、中国産の希少なコバルトとサマリウムの合金が含まれていることが判明し、F-35の納入を停止した。米国政府の特例措置が必要だった。
特筆すべきはこの米国と中国の考え方の違いである。米国は世界支配を維持するために武器を使うことにトップダウンで注力している。一方中国は、政治的な駆け引きに関係なく、世界のために製品を生産することを目的とした、ボトムアップの開発と貿易に注力している。

https://x.com/NuryVittachi/status/1952944959323292007

2025年8月25日月曜日

ガザに飢饉認定 国連総長「人災だ」 イスラエル「ガザ市制圧」を公言

  国連機関などで構成する専門家組織は22日、ガザ地区の最大都市ガザ市とその周辺地域で「飢饉が発生している」との判断を正式に示しました。「飢饉」は農作物の不出来を表す言葉なので違和感がありますが「総合的食料安全保障レベル分類」で「最悪事態。壊滅的状況」に当たるレベルです。

 国連のグテレス事務総長は22日、「これは人災。道徳的に非難されるもので人類の過ちだ」とイスラエルを非難し、即時停戦とガザヘの十分な人道支援の再開を強く求めました。
 共産党国会議員団は22日、虐殺と飢餓からガザの人々の命と人権を守るため、パレスチナに対する国家承認やイスラエルへの制裁など具体的行動を緊急に取るよう日本政府に要請しました。
 イスラエルは、ガザ市制圧へ9月中旬にも作戦を拡大する方針です。そうなれば「さらなる人道状況の悪化」「大虐殺」は避けられません。トランプは何故止めようとしないのでしょうか。
 しんぶん赤旗とNHKの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガザに飢饉 正式認定 専門家組織アフリカ以外で初
                       しんぶん赤旗 2025年8月24日
 国連機関や支援団体などで構成する専門家組織は22日、食料状況に関する報告書を発表し、パレスチナ・ガザ地区の最大都市ガザ市とその周辺地域で「飢饉(ききん)が発生している」との判断を正式に示しました。ロイター通信などが伝えました。
「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の報告書によると、8月15日現在、ガザ地区全域の住民のほぼ4分の1に相当する約51万人がフェーズ5の「飢饉、壊滅的状況」にひんしています。このうち約28万人がガザ市を含むガザ地区北部に居住。この地域が飢饉に陥っていると判断しました。
 また、ガザ中部デイルバラ、南部ハンユニスも来月末までに飢饉に見舞われる恐れがあると警告しました。
 IPCには欧州連合(EU)、ドイツ、英国、カナダが資金を提供し、21の支援団体、国連機関、地域機関が参加しています。これまでに2011年にソマリア、17年と20年に南スーダン、24年にスーダンの計4回、飢饉の発生を認定しています。アフリカ大陸以外で飢饉発生を認定するのは今回が初めてです。
 地域が飢饉にあると分類するには、少なくとも人口の20%が極度の食糧不足、子どもの3人に1人が深刻な栄養失調、1万人に2人が毎日飢餓や栄養失調、病気で死亡することが条件となります。
 イスラエルは3月、ガザ地区への物資搬入を禁止しました。5月に再開しましたが、食料不足は続き、ガザ保健当局によると、7月に入り、栄養失調による死者が連日、報告されています。
 イスラエルのネタニヤフ首相は「報告書は完全な虚偽」と強く否定。「イスラエルは飢餓を政策としていない」と主張しました。


国連総長「人災だ」 イスラエルを非難
                       しんぶん赤旗 2025年8月24日
【ワシントン=洞口昇幸】イスラエルの軍事攻撃や封鎖の継続でパレスチナ自治区ガザの中心部ガザ市で「飢饉(ききん)が発生している」とする国連機関などによる報告書の公表を受け、国連のグテレス事務総長は22日、「これは不可解な出来事ではない。人災であり道徳的に非難されるもので人類の過ちだ」と訴えました。イスラエルを非難し、即時停戦とガザヘの十分な人道支援の再開を強く求めました。
 グテレス氏は、声明で飢饉は「生存に必要なシステムの意図的な破壊」で引き起こされていると指摘。ガザを占領するイスラエルには「住民の食料や医療物資を確保する国際法上の明確な義務がある」と述べ、「免罪され、この状況が継続することは許されない。もう言い訳は通用しない。行動すべき時は今だ」と強調しました。


パレスチナ・ガザ危機 虐殺と飢餓から命と人権守れ 
      共産党国会議員団 政府に緊急要請
                       しんぶん赤旗 2025年8月23日
 日本共産党国会議員団は22日、国会内で、虐殺と飢餓からパレスチナ・ガザの人々の命と人権を守るため、パレスチナに対する国家承認やイスラエルへの制裁など具体的行動を緊急に取るよう日本政府に要請しました。田村智子委員長と山添拓政策委員長、本村伸子、堀川あきこ両衆院議員が、外務省の三宅浩史審議官に要請書を手渡しました。(要請書全文)

 イスラエルは1月に国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する法律を施行。ガザ地区の食料配給所が激減し、集まった人々への発砲・殺害も相次ぐなど、危機的な人道状況を引き起こしています。さらにイスラエル政府は新たにガザ市制圧に関する計画を決定。今月20日にはエルサレム周辺の大規模な入植地建設を承認するなど、新たな領土拡大に乗り出しています。
 田村氏は「イスラエルの攻撃が子どもたちの死者を次々と生む悲惨な状況になっている」「これまでと次元が違うところに来ているという危機感から緊急に要請した」と要請の趣旨を説明。イスラエルへの制裁を加盟国に呼びかけた昨年の国連総会決議にふれ、制裁を国際社会に働きかけるよう政府に求めました。
 「日本とイスラエルの経済関係は深まっている」などと制裁に消極的な姿勢を示した三宅審議官に対し、田村氏は「イスラエルは重大な国際法違反を延々と繰り広げている。国際的な制裁の対象だ」と強調し、日本政府はその立場を明確にすべきだと要求。政府がイスラエルからの無人攻撃機輸入を検討している問題でも、「制裁対象国から巨額の武器を購入するなどありえない」と厳しく批判しました。
 山添氏はガザの危機的な状況にふれ、「これまでの延長ではない対応が必要だ」と指摘。「2国家解決に向けた国際社会の覚悟を示していくためにも、日本政府の態度が問われる」と述べ、パレスチナ国家をただちに承認するよう求めました。三宅審議官は「9月の国連総会に向けて政府内で検討を重ねている」と答えました。
 本村氏は、トランプ米政権がイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を発行した国際刑事裁判所(ICC)に次々と制裁を科していることを批判。「米国政府にイスラエルへの加担を一切やめるよう要請すべきだ」と迫りました。


イスラエル ガザ市制圧へ9月中旬にも作戦拡大 イスラエル報道
                     NHK NEWS WEB 2025年8月23日
パレスチナのガザ地区の最大都市ガザ市の制圧に向けて、イスラエル軍が早ければ9月中旬にも作戦の拡大を始めるとの見方をイスラエルメディアが報じました。
国連はガザ市などで「飢きん」が発生していると発表していて、イスラエル軍が作戦を拡大すれば、さらなる人道状況の悪化は避けられない見通しです。
イスラエル軍はガザ地区への攻撃を続け、地元メディアは23日、南部ハンユニスや中部への空爆で19人が死亡したと伝えました。
イスラエルは今後、ガザ地区での軍事作戦を拡大し、100万人近くが身を寄せているとされる最大都市のガザ市を制圧する方針を示し、イスラム組織ハマスへの圧力を強めています。
これについてイスラエルメディアは22日、軍が、早ければ9月中旬にもガザ市への攻撃を始める見込みだと報じました。
作戦を開始する前には正当性を確保するため、北部のガザ市から住民を南部に退避させる計画で、近く、退避通告を出す予定だなどとしています。
国連は22日にはガザ市とその周辺で食料不足が最も深刻な「飢きん」が発生していると発表していて、現地では栄養失調などによる死者も相次いでいます。
イスラエル軍が軍事作戦を拡大すれば、現地のさらなる人道状況の悪化は避けられない見通しです。

ユニセフ事務局長 “飢きん 最も恐ろしいことの一つ”
                     NHK NEWS WEB 2025年8月22日
日本を訪問中のユニセフ=国連児童基金のトップ、ラッセル事務局長は22日、都内でNHKの単独インタビューに応じました。
この中で事務局長は、パレスチナのガザ地区の北部ガザ市とその周辺で食料不足が深刻化し「飢きん」が発生していると発表されたことについて、「豊富な資源がある時代に、子どもがおなかをすかせて死ぬことは、最も恐ろしいことの一つだ」としたうえで、「飢きんがガザ地区全体に広がらないようにしなければならない」と述べて、支援物資の供給が急務だと強調しました。
そのうえで、「紛争が続く中で支援物資などを供給するのは非常に難しい。ガザの子どもたちのよりよい未来のため、この紛争を止めなければならない」と述べ、停戦の必要性を訴えました。
ユニセフによりますと、ガザ地区ではおととし10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まってからこれまでに1万8000人以上の子どもが死亡しています。

支援物資 ヨルダンの倉庫で山積みに UNRWA“搬入制限解除を”
ガザ地区をめぐり、イスラエルは支援物資がイスラム組織ハマスの手に渡るのを防ぐためとして、ことし3月から国連による物資の搬入を制限しています。
このためガザ地区では食料事情が急速に悪化していて、地元の保健当局は、これまでに112人の子どもを含む271人が栄養失調などによって死亡したとしています。
国連の支援拠点となっているヨルダンの首都アンマン郊外にある倉庫には搬入できずに留め置かれた支援物資が山積みになっています。
倉庫には小麦粉32トンのほか、コメや油、それにパスタなど600トン、それに抗生物質などの医薬品が入った箱が天井付近まで積み上がり、一部は通路にも置かれていました。
UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の清田明宏保健局長は「ガザの人たちが飢え、亡くなっている中、状況を解決できる食料があるのに持って行けないというのは、許されない状況だ」と述べ、一刻も早い停戦の実現と、搬入制限の解除を強く求めました。


子どもたちが拾うのは…ガザ地区 物資投下の “限界”と混乱
                     NHK NEWS WEB 2025年8月24日
パレスチナのガザ地区では、イスラエルが支援物資の搬入を制限するなか、上空からの物資の投下が連日行われています。ただ、投下された物資に当たるなどして死傷者も相次いでいるほか、届けられる物資の量にも限りがあり、支援を行う国も、陸路での円滑な搬入に向けて国際社会としてイスラエルに圧力をかけるよう訴えました。
ガザ地区では、イスラエルが陸路での支援物資の搬入を制限していて、7月末からは各国が輸送機を使って上空から物資を投下する活動を連日続けています。
ヨルダンの首都アンマン郊外にあるヨルダン空軍の基地では、21日午前、ヨルダン軍やオランダ軍など各国の輸送機が待機し、ドイツ軍の輸送機では物資の積み込み作業が行われていました。
コメやパスタ、牛乳、缶詰などの食料は輸送用の台の上にまとめられ、パラシュートをつけて投下されます。
1台当たりの重さは300キロから1トンあり、基地を飛び立った輸送機はイスラエルの許可のもとガザ地区の上空に入り、次々と物資を投下しました。
ただ、物資の投下は、ガザ地区の人たちの助けになる一方で、危険も伴います。
ガザ地区の当局によりますと、投下された物資が直撃したり、海に落ちた物資を取ろうとして溺れたりするなどして、これまでに23人が死亡し、124人がけがをしたとしています。
また、国連によりますと、トラックを使った場合と比較して、輸送機で届けられる物資の量ははるかに少ないということです。
ヨルダン政府のモマニ報道官は「上空からの物資の投下だけでは不十分で、解決策にはならない。少しでも深刻な状況を改善する助けになればというだけだ」と述べたうえで、陸路での円滑な物資の搬入に向けて国際社会はイスラエルに圧力をかけるべきだと訴えました。

投下された物資を激しく取り合う人々 物資が直撃する事故も
NHKが物資の積み込み作業を取材した輸送機は、ヨルダンの基地を飛び立ち、ガザ地区上空で物資を投下しました。
NHKガザ事務所のサラーム・アブタホン カメラマンは、中部ヌセイラトの近くで、これらの輸送機から投下された物資に集まる人たちの姿を撮影しました。
映像では、多くの男性や子どもたちが空を見上げてパラシュートの付いた物資の動きを確認しながら、落下地点を目指して走っていきました。
落下地点には大勢の住民が殺到し、住民たちが物資を激しく取り合い、大きな混乱が起きていて、そのさなかに左肩をナイフで傷つけられたという男性もいました。
大人たちが食料などを回収したあとには、子どもたちが地面にしゃがみこみ、こぼれ落ちた豆やパスタなどを拾い集めていました。
子どもの1人は「売れるように豆を拾っています」と話していました。
投下される物資は重いもので1トンほどもあり、物資が直撃して住民が死亡する事態も相次いでいて、この日も物資の1つが「ドン」という大きな音をたてて住宅の屋根に落ちていました。
その直後、住宅前の通りでは、男性が長い棒を振り回しながら、物資を手に入れようと集まった人たちを追い払おうとしていました。
物資を手にれることができなかったという男性は「10人家族ですが、きょうは何も入手できず、家には食料も水もありません。物資の投下は屈辱的で、住民を死に追いやっています」と話していました。