2014年1月14日火曜日

都民世論調査 9条改正反対57%、脱原発65%

 東京新聞が2月9日当開票の都知事選を前に、都政や国政に関する世論調査を行いました。
 同紙は地方紙のため全国規模の世論調査は行いません。国政に関する部分の都民の意識は以下の通りです。
 
 安倍首相が目指す改憲については、9条について「改正しない方がよい」と答えた人が56・9%に上り、年齢別では特に20代では反対が割近くに達しました。
 同じく安倍政権が推進策をとっている原発については、「ある程度時間をかけてゼロにする」と答えた人を合わせると、脱原発を望む有権者は64・8%に上りました
 「アベノミクス」については、暮らし向きが「変わらない」と考えている人が62・9%でした
 
 東京を中心に盛んに行われている脱原発や特定秘密保護法反対を訴えるデモや署名活動などについては、「大いに共感する」「どちらかといえば共感する」と答えた人は67・5%でした
 特定秘密保護法をめぐっては、「大幅な修正が必要」とする回答が37・8%と最も多く、「廃止すべきだ」も24・8%に上り、「いまのままの法律で賛成」は28・8%にとどまりました。
 
 来年10月10%に引き上げられる予定の消費税反対する人57%を占めました。
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都民調査 「投票行く」93% 都知事選 舛添氏、細川氏、宇都宮氏に支持
東京新聞 2014年1月13日
 本紙は二月九日投開票の東京都知事選挙を前に、都政や国政に関する世論調査を行った。投票について「必ず行く」と「たぶん行く」と答えた人が合わせて93%に上り、関心の高さを示した。都知事にふさわしいと思う人は誰かを聞いたところ、半数は「決めていない」「分からない・無回答」と答えたものの、元厚生労働相の舛添要一氏(65)を挙げた人が最も多かった。
 調査では、都知事選への出馬を表明、または出馬が取り沙汰された人物を選択肢に挙げ、次の都知事にふさわしいと思うのは誰かを聞いた。舛添氏に次いで元首相の細川護熙(もりひろ)氏(75)、前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)が続いた。
 都知事に求められる資質には「実行力」を挙げた人が最も多く、次いで「発想力」と「行政経験」「調整力」と続いた。投票の際に重視する政策は「医療・福祉」「教育・子育て」「原発・エネルギー政策」「雇用対策」の順だった。
 舛添氏を「ふさわしい」とした人は自民と公明支持層、細川氏を推す人は民主支持層に多かった。共産支持層の六割と社民支持者の四割は宇都宮氏を挙げた。一方、無党派層の六割強は支持を決めていないが、一割ほどが舛添氏を推した。
 原発政策では、宇都宮氏と回答した人のうち「ある程度時間をかけて原発ゼロにする」「すぐに原発ゼロにする」と答えた人が八割を超えた。細川氏を選んだ人でも七割、舛添氏でも五割を超えた。
 
◆改憲反対56% 脱原発6割超
 今回の調査では、憲法九条の改憲に反対する人の割合が半数を超え、二〇一二年の前回都知事選前の調査から20ポイント以上増えた。また、脱原発を望む有権者の割合も依然高かった。
 安倍政権は戦争放棄と戦力不保持を掲げた憲法九条の解釈変更を目指すが、調査では、九条について「改正しない方がよい」と答えた人が56・9%に上り、前回調査の35・1%を大幅に上回った。一方、前回46・2%を占めた「改正する方がよい」は、31・6%にとどまり、改憲容認と反対が逆転した。
 年齢別では、全世代で反対が多数を占めたが、特に二十代では反対が七割近くに達し、改憲への異論が強かった。
 支持政党別では、自民支持層は47・7%が賛成し、38・4%が反対。民主支持層は反対が62・5%で、賛成は29・4%。無党派層では反対が67・7%、賛成が22・9%と、大きく差が開いた。
 
 一方、安倍政権が「重要なベース電源」と位置づける原発の政策をめぐっては「すぐに原発ゼロにする」と答えた人が一割超「ある程度時間をかけてゼロにする」が五割を超えた。
 
 【調査の方法】調査は10~12日の3日間、都内有権者を対象にコンピューターで無作為に選んだ番号に電話をかける方法で実施した。実際に有権者がいる1926世帯にかかり1012人から有効回答を得た。回答率は53%。各設問の回答の比率は小数点第2位で四捨五入しており総計が100%にならない場合がある。
 
都民世論調査の詳報 主な質問と回答
東京新聞 2014年1月13日
 来月9日に投開票される東京都知事選を前に、本紙が行った都民世論調査では、原発の維持や消費税増税に批判的な考えを持つ人が多いことが分かった。特定秘密保護法、9条改憲への意見は割れ、生活が上向いたと感じている人はごく一部。逆に官邸前などでのデモへの共感は根強い。結果には、都民が抱える日々の生活や将来への不安、不満がにじみ出た。
 
◆原発ゼロ 無党派層 7割望む
 原発ゼロを求める声は、福島の事故から三年近くが過ぎても根強い。
 即時の原発ゼロを求める人は11・8%。「ある程度時間をかけてゼロにする」と答えた人を合わせると、脱原発を望む有権者は64・8%に上った。設問が異なるため単純には比較できないが、一昨年の前回都知事選前に行った調査結果を上回った。原発を活用する政府方針の支持や、減らしてもゼロにしないという回答は34・1%で微減した。
 
 昨年、東京電力福島第一原発では汚染水が海に流れ、国内だけでなく海外からも強い批判が出た。また、小泉純一郎元首相が「脱原発」を表明、安倍晋三首相にも原発政策を変えるよう求めた。これらの動きが影響した可能性がある。
 政党支持者別にみると、原発の再稼働を進めようとする自民の支持層でも「原発ゼロ」は44・9%。原発維持をわずかに下回っただけだ。小泉氏は昨年十一月、「自民の賛否は半々だと思う」と述べたが、都内有権者の支持層では、ほぼ見当通りの数字になった。
 他党は、与党の公明支持層も含め原発ゼロが圧倒的に多い。支持政党がない「無党派層」も原発ゼロが七割を超えた。
 年代、性別でみると、二十代男性だけ原発維持が原発ゼロを上回り、ほかは原発ゼロが大幅に多かった。原発維持の回答者では、投票に「必ず行く」と答えた人がやや少なかった。
 
◆安倍政権の経済政策 暮らし向き62%「変わらず」
 「アベノミクス」と呼ばれる安倍政権の経済政策に沸いた一年だった。株価上昇、景気の好転が伝えられたが、恩恵を受けている人は一部に限られていた。
 暮らし向きが「変わらない」と答えた人は、62・9%。どちらかといえばも含め、「良くなった」人と「悪くなった」人は、ともに二割弱だった。
 職業ごとにみると、学生の46・7%が好転を実感している。アルバイトの時給上昇や、一部企業の新卒採用増が影響したようだ。自営業者も二割強と、暮らしが上向いた人が目立つ。
 年代でみると、職に就いている人が多い二十~四十代では上向きが多い。退職者や無職の人が多い六十代以上では悪化が多かった。
 自民支持層は35・1%が上向きで、悪化の10・9%を上回った。しかし民主支持層は上向きが5・0%に対し、悪化は22・4%と多く、無党派層は上向きが12・0%、悪化が19・8%でほぼ同数だった。
 
◆デモ・署名活動 3分の2が共感
 前回都知事選以降も、脱原発や特定秘密保護法反対を訴えるデモや署名活動が盛んに行われている。これらの運動に「大いに共感する」「どちらかといえば共感する」と答えた人は67・5%。前回調査よりやや減ったが、変わらず社会に受け入れられているようだ。
 年代別にみると、六十代以上では、大いに共感するだけで三割を超えるが、二十代は一割に満たない。男女別では、大きな傾向の違いはなかった。
 「大いに共感」の七割強が「必ず投票に行く」と回答。逆に「共感しない」の七割近くも必ず投票に行くと答えた。デモへの賛否がはっきりしている人ほど、投票に強い意欲があることが分かった。
 政策別では、「大いに共感」の二割近くが「原子力・エネルギー」を重視。共感しない層など他と比べ、目立って高かった。
 
◆猪瀬都政 65%が評価
 1期目の任期途中で辞職した猪瀬直樹前知事(67)の1年間の都政を評価するかどうか聞いたところ、「大いに評価する」人は12.8%で、「ある程度評価する」の52.9%合わせると65.7%に上った。徳洲会グループからの資金提供問題で辞任した猪瀬氏だが、東京五輪招致を成功させたことなどを、多くの人が良い実績と考えているようだ。
 一方で、「あまり評価しない」とした人は18.7%、「まったく評価しない」とした人は13.4%おり、3割強の人が低い評価をしていた。
 猪瀬氏を「まったく評価しない」と答えた人が、新知事に期待する政策は「医療・福祉」が最も多くて、24.3%。これに、「原発・エネルギー政策」の18.9%、「教育・子育て」の14.8%が続いた。
 
◆秘密保護法 「大幅修正必要」37%
 昨年十二月の国会で成立した特定秘密保護法をめぐっては、「大幅な修正が必要」とする回答が37・8%と最も多く、「廃止すべきだ」も24・8%に上った。「いまのままの法律で賛成」は28・8%にとどまり、異論がおさまっていないことが鮮明になった。
 支持政党別では、自民支持層の46・3%が法律を容認したものの、「大幅な修正」「廃止」と回答した人も計44・4%に上った。無党派層は「大幅な修正」が37・3%、「廃止すべき」が35%だった。
 年齢別にみると、二十~六十代で「大幅な修正」「廃止」とした人が計六割を超えた。七十、八十代では「いまのまま」と回答した人が四割近くに上った。
 
◆消費税増税 「10%」反対過半数
 消費税は来年10月、10%に引き上げられる方向だが、これに反対する人が57%を占めた。今年4月に現行の5%が8%となるが、さらなる負担増には抵抗感が根強い。
 支持政党別でみると、自民、民主の支持層とも、引き上げ容認が反対を上回った。一方、公明支持層は反対が過半数。無党派層では反対が6割と高くなった。
 年齢別では、20代で賛成が51%で、反対の49%をやや上回ったものの、他の年代では反対が多数を占めた。特に40代と70代では、反対が60%を超えた。
 

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