ジャーナリスト、むのたけじさんや作家の落合恵子さんらが14日、特定秘密保護法の廃止と安倍首相の退陣を求める国民的な運動を呼び掛けていくことを明らかにしました。
今後護憲組織や反原発団体、労働組合などに賛同を募り、「国民共闘会議」のような形を作りたいとしています。
今後護憲組織や反原発団体、労働組合などに賛同を募り、「国民共闘会議」のような形を作りたいとしています。
12月6日に国民の強い反対を押し切って強行採決された「特定秘密保護法」は、成立はしたものの問題の決着はしていません。
昨年末までに、14道県の41市町村議会で同法の撤廃や凍結を求める意見書が可決され、参議院事務局に提出されました。撤廃までは求めていないものの反対を表明したものなどを含めると、17都道県68議会に上ります。(東京新聞1月5日)
註.高知新聞は、「高知県内の8市町議会が12月定例会で関連する意見書を可決し参院などに送付した。そのうち参院受理分は4市町」 と記述しているので、実際に反対を可決した市町村はもっと多数に上ると考えられます。
また福島民報社が行った福島県市町村長へのアンケートでは、回答のあった57市町村長のうち、4割に当たる23人が「知る権利の保障」や「言論の規制の取り消し」などの修正を求め、7割に当たる38人が「不安を感じる」としています。(福島民報1月5日)
一方年が明けても市民の反対運動は、厳寒のなか各地で旺盛に行われています。
1月上旬の新聞の見出しに出ている分だけでも、厚木市(1/10)、宇都宮市(1/9)、武蔵溝ノ口・溝の口駅前(1/7)、青梅沿線(1/7)、杉並区(1/7)、昭島市(1/7)などと、挙げ切れないほどです。
そんななか日本ジャーナリスト会議と「マスコミ九条の会」が、特定秘密保護法の廃止と安倍首相の退陣を求める国民的な運動を呼び掛けたものです。
折りしも政府は同日、特定秘密保護法の運用基準の策定に関する有識者会議「情報保全諮問会議」の座長に読売新聞社渡辺恒雄会長を選ぶなど、会議のメンバー7人を発表しました。
政府側が国会審議の終盤で様々な組織を提案していたうちの一つですが、右翼マスメディアのトップを座長に据えるということからして諮問会議の性格も窺い知れます。
土台、基礎が狂っているところに屋上屋を重ねて見たところで、どうなるものでもありません。「誤ちては革むるに憚ることなかれ」、秘密保護法は一旦廃止し、それでもどうしても秘密保護法を作りたいのであれば、ツワネ原則にまで立ち戻って出直すしかありません。
秘密保護を監視する第3者機関のあり方についても、まずはアメリカなど各国の実態を研究してそこから学ぶべきです。
今のような粗雑な対応の連続では何の解決にもなりません。
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「秘密保護法廃止、国民運動を」 ジャーナリストら呼び掛け
東京新聞 2014年1月14日
ジャーナリスト、むのたけじさんや作家の落合恵子さんらが14日、東京都内で記者会見し「戦後民主主義を覆され、戦争の時代に連れ戻される」として、特定秘密保護法の廃止と安倍首相の退陣を求める国民的な運動を呼び掛けていくことを明らかにした。
日本ジャーナリスト会議と「マスコミ九条の会」が、むのさんら62人を呼び掛け人として護憲組織や反原発団体、労働組合などに賛同を募る。「国民共闘会議」のような形をつくりたいとしている。
むのさんは「戦前の治安維持法や国家総動員法と同じような秘密保護法が生まれた。国民全体に自分自身の問題として広める運動をやっていく」と語った。(共同)
諮問会議座長に読売会長=17日初会合-秘密保護法
時事通信 2014年1月14日
菅義偉官房長官は14日午後の記者会見で、特定秘密保護法の運用基準を策定する際に意見を聴取する有識者会議「情報保全諮問会議」のメンバー7人を発表した。読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長・主筆を座長に、永野秀雄法政大教授を実務を取り仕切る主査にそれぞれ起用する。17日午前に初会合を開く。
菅長官は人選について「安全保障、情報保護、情報公開、公文書管理、法律、報道などそれぞれの分野から優れた知見の方の意見を伺うため、経験や実績などを参考にした」と説明。渡辺氏については、報道分野の代表との認識を示した。
諮問会議は、特定秘密の指定や解除、適性評価の実施に関して、政府が統一的な運用を図るための基準を策定する際に意見を具申する。また、秘密保護法の運用状況について毎年、首相から報告を受ける。