2014年1月18日土曜日

安倍首相の対内・対外的大失敗 責任を取る気は?

 毎日新聞が17日「検証・首相靖国参拝:日米同盟揺らぐなら私の失政だ』」と題する記事で、靖国参拝を制止しようとした首相の周辺に対して、「私が参拝したことで日米同盟が揺らぐとしたら、関係強化の取り組みが甘いという、私の失政だ」と述べたことが報じられました。
 
 「日米同盟」に対する大変な自信というべきですが、一体安倍首相を中心とした日米関係はそれほど強固だったのでしょうか。
 2月の訪米ではオバマ大統領から随分と冷遇されたというニュースが内外を駆け巡りましたが、その後何か大統領の信頼を回復するような事柄があったというのでしょうか。
 
 思い当たることといえば、TPP参加に向けての事前交渉でアメリカに対してべた下りの譲歩をしたこと、TPP交渉の中ではアメリカが主張するままに交渉の早期妥結を関係各国に促したこと、そして沖縄普天間基地の辺野古移転を仲井真知事に飲ませたことです。
 TPP交渉で対米従属の本領を発揮してアジア各国から失望を買ったことも含めて、安倍首相には国益を投げ捨ててアメリカに尽くしたという自覚があったのでしょうが、勿論そんなことに恩義を感じるアメリカではないし、そもそも、靖国参拝の問題はそれらとはまた次元の異なる話です。
 
 果たしてアメリカは、自分たちの意向を完全に無視して参拝したことに対して、「遺憾」ではなく「失望した」と批判しました。アメリカが「失望」と述べたのは、かなり以前に中国の人権問題の1件を含めて、これまでに数件しかないということです。
 アメリカが何を言おうが構わないという見識に基くものであればそれは一向に構わないのですが、安倍氏の場合は全くその逆のようなので、結果的に大ミステークであったことは間違いありません。
 
 それにしても「国益を投げ捨ててアメリカに尽くした」安倍氏のことは何んと評すればよいのでしょうか。『確信犯的売国奴』でしょうか。
 
 以下に天木直人氏のブログを紹介します。 

    註.毎日新聞の記事は下記で全文がご覧になれます。
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靖国参拝で損ねた日米関係の深刻さと安倍首相の責任の取り方
 天木直人 2014年1月17
 きょう1月17日の毎日新聞は、安倍首相の靖国参拝が周囲の反対を押し切って強行された安倍首相の判断であったことを教えてくれるきわめて秀逸な調査記事を掲載している。
 関心のある読者はぜひ一読されることをお勧めするが、そこで書かれている中で私が驚いたのは、安倍首相が靖国参拝決行の四日前に側近に語ったとされる次の言葉だ。
 「参拝で日米同盟が揺らぐなら、そもそも私の(日米)関係強化の取り組みが甘いということだし、それ自体、私の失敗だ」
 大した自信だ。
 大した度胸だ。
 この言葉は、裏返せば、こう言っているということだ。
 「自分のこれまでの対米外交は靖国参拝ごときで揺らぐようなやわなものではない。そんなことぐらいでは揺るがない強固な日米関係を自分は築いて来た。もし米国が文句を言ってくるようであれば、自分のこれまでの対米外交は失敗だったということだ」、と。
 しかし米国の懸念は表明された。
 しかもそれは安倍首相が予想していたよりもはるかに強いものだ。
 そしてどんなに安倍政権とメディアがそれを隠そうとしても、米国は懸念を日本に伝え続けるだろう。
 つまり安倍首相の対米外交は失敗であったことが証明されたわけだ。
 ならば安倍首相はみずから口にした言葉どおり、責任をとって首相を降りるしかない。
 そして今度は体調を理由に辞めるわけにはいかない。
 あれほど世界を飛び回って健康であることを国民の前に見せつけているからだ。
 対米外交の失敗の責任をとって辞めるのしかない・・・
 
 この続きはきょうの「天木直人のメールマガジン」で書いています。
 そのほかにも多くのテーマで報道の裏にある真実を読み解いています。